2026年サプライチェーン完全ガイド
🌏 2026年 完全ガイド

イラン情勢まとめ2026、
なぜガソリンや食品の値段に響くのかを時系列で整理|米国・湾岸4カ国

— 46記事で読み解く2026年2月〜9月の全体像 —

2026年2月28日の開戦から9月下旬まで、イラン情勢の流れと、それがガソリン・食品・物流資材の値段にどう響いたのかを、やさしく振り返ります。本記事は要点と時系列・一覧だけを短くまとめ、詳しい内容は個別記事70本へご案内します。

公開・ 最終更新
【総論】

2026年のイラン情勢は、物の値段と調達を変えました。2月28日の開戦、3月のホルムズ海峡封鎖でナフサショックが起き、値上げは40社超に広がりました。6月17日の覚書の履行も7月12日の再閉鎖で止まりました。原油はほぼ全量をホルムズ海峡の外から買えるようになりましたが、7月後半は湾岸4カ国が攻撃に加わり、9月は原油が再び100ドルを超えました。

3分でわかる要点
  • 2026年2月28日に米国・イスラエルとイランの戦争が始まり、3月のホルムズ海峡の封鎖で、プラスチックの原料になるナフサが足りなくなりました(ナフサショック)。値上げは6月時点で40社超に広がりました。
  • 6月17日にパキスタンの仲介で米国とイランがイスラマバード覚書に署名しましたが、攻撃の応酬は止まらず、7月12日のホルムズ海峡の再閉鎖で覚書の履行は事実上止まりました。
  • 日本は原油をほぼ全量ホルムズ海峡の外から買うようになり、ナフサの中東依存度も約40%から約10%に下がりました。ただし7月後半には湾岸4カ国が対イラン攻撃に加わりました。
  • 8月は日米協調介入で円高に振れ、9月はサウジアラビアの産油量が減って原油が再び100ドルを超えました。ガソリンは補助で9月14日に169.9円に抑えられている一方、9月の食品値上げは4,923品目(帝国データバンク)です。
  • アドブルー・テープ・エンジンオイル・医療用品・物流資材・食品・農業への影響は、分野ごとの個別記事で詳しく扱っています。キーワードで探すときは、下の「このまとめの記事を探す」から読めます。

こんな方へ ── まず読むところ

2026年2月〜9月
対象期間
9月下旬までの動きを反映
4カ国に拡大
湾岸諸国の対イラン攻撃
7/25時点
40%→約10%
ナフサ中東依存度
3月→5月で急減
46記事
集約記事本数
専門版+やさしく解説
年表 ── 2026年イラン情勢

時系列で見る2026年のイラン情勢

2026年の中東情勢とホルムズ海峡(ペルシャ湾の出入り口にある、原油やLNGを運ぶ船が通る海峡)の封鎖の経緯を、日付順にまとめました。IRGCはイラン革命防衛隊、CENTCOMは米中央軍のことです。8月26日以降の行は、第1章で出典とあわせて説明しています。

時期 主要イベント 詳細
2月28日 米・イスラエル対イラン開戦 米国「壮絶な怒り(エピック・フューリー)」作戦開始、イスラエル「獅子の咆哮」作戦。「第1次AI戦争」の幕開け
3月1日 ハメネイ師死亡 イラン最高指導者アリ・ハメネイ師が初動攻撃で死亡、息子モジタバ・ハメネイ師が後継
3月中旬 カタール・ラスラファン攻撃 イランがカタール・ラスラファンLNG施設をドローン攻撃、世界のヘリウム供給の33%が失われ、ヘリウム輸入の37%をカタールに頼る日本にも影響
3月 ホルムズ海峡封鎖・ナフサショック 三菱ケミカル鹿島3/6、AMEC水島3/11、三井化学千葉/大阪3/10、相次ぐ減産開始。国産ナフサ価格5月に約2倍に急騰
3〜5月 日本産業への波及 値上げ40社超、旭化成建材ネオマフォーム+20%、TOTO受注停止、LIXIL 8月値上げ13%、大景化学5/16→6/3で26%急落。農業・肥料テーマも波及開始(食料指数128.4・過去最高圏)
4月13日 米側逆封鎖 トランプ大統領布告に基づき米海軍がペルシア湾でイラン港口出入り船舶を封鎖
5月8日 米F/A-18攻撃 米空母発艦のF/A-18がイラン船籍タンカー2隻の煙突に精密誘導弾を撃ち航行不能化
5月28-29日 APIC2026福岡 アジア石油化学工業会議、ホルムズ海峡封鎖下のアジア石化8か国の対応分岐
6月17日 イスラマバード覚書署名 パキスタン仲介(シャリフ首相・Munir元帥・Dar副首相)で米イラン停戦合意、60日間の商船無償・安全航行、第9条現状維持
6月25日 覚書後初攻撃 海峡通過中船舶1隻が正体不明の飛翔体で攻撃(Bloomberg)
6月26日 ドーハ調整センター カタール・ドーハに米イラン軍事共同調整センター設置
7月6日 3隻攻撃 IRGCがホルムズ海峡で商船3隻を攻撃(覚書後最多)、日本関係船10隻はこの日に海峡出域
7月7-8日 72時間クライシス 米CENTCOMが80以上の標的に精密弾で報復、イランは85施設への報復宣言
7月11日 モジタバ師「復讐」声明 アリ・ハメネイ師葬儀終了で米イスラエルへの復讐を誓う声明発表
7月12日 ホルムズ海峡再閉鎖 IRGCがキプロス船籍コンテナ船GFS Galaxy攻撃、「追って通知まで封鎖」宣言。米CENTCOMは覚書後4回目・今週3度目の空爆
7月14日 タワー1600億円助成 経産省がイスラエル半導体タワー社の日本合弁TPSCoに最大1,600億円助成認定、光通信半導体量産計画
7月15-18日 米中央軍7夜連続空爆 米中央軍がイランへ7夜連続で空爆。UAE籍タンカー2隻が被弾し船員1名死亡、クウェートの発電施設・海水淡水化施設が停止。WTI原油80ドル台へ
7月22日 ホルムズ通航4隻・LNG船ゼロ ホルムズ海峡の商品輸送船通航が4隻に縮小、LNG船の通航はゼロ。ブレント原油90ドル超(7月22日速報記事の記載値)
7月23日 紅海タンカー攻撃 フーシ派が紅海でサウジアラビアの石油タンカー2隻を攻撃。ブレント100.95ドル・ドル円163.80円で円建て原油は1バレル16,500円台(7月23日速報記事の記載値)
7月25日 湾岸4カ国に拡大 湾岸諸国の対イラン直接攻撃が4カ国に拡大。サウジアラビア(3月)・UAE(4月)に続き、バーレーンとクウェートが空爆を実施と報道
7月31日 日米協調介入 片山財務相が米財務省と協調して円買い介入を実施したと表明。ドル円は8月3日の東京市場で一時155.22円と、5月6日以来の水準に
8月16日 公示レートが157円台へ 8月16日〜22日適用の税関長公示レートが157.56円。前週の163.04円から5.60円の円高方向へ動き、輸入原価の換算に初めて下押しの効果
9月8日 サウジ石油施設が攻撃 サウジアラビアの石油施設が攻撃を受け73人が負傷。ブレント原油は同日終値97.92ドル、翌9日には取引時間中に100.45ドルを付けた
9月10日 ブレント109.09ドル サウジアラビアの8月産油量が日量623.8万バレル(前月比190万バレル減)と1990年以来36年ぶりの低水準。WTIも104.19ドル。7月の「運べるか」から9月の「作る量」へ論点が移る
8月26日 政府タスクフォース第4回 経済産業省の資料で、原油の調達率は9月分が約8割(日量約180万バレル、備蓄の放出分で対応)、10月分が10割超(日量約260万バレル)の見通し。8月21日のナフサのスポット価格は757.20ドル/トン(2月27日比+28%)
9月14日 ホルムズ海峡で米海兵隊が負傷 イランの対艦巡航ミサイルの攻撃で、米海兵隊員8人が煙の吸入などで負傷(Al Jazeera 9月28日報道)
9月18日 8月の消費者物価 全国の消費者物価指数(総合)は前年同月比1.9%上昇、食料は3.1%上昇(総務省)
9月28日(報道) 交渉と通航の現状 トランプ大統領がホルムズ海峡の再開についてイランの条件を拒否したと発言。9月のホルムズ海峡経由の原油輸出は日量平均740万バレルの見込み(Kpler速報、Al Jazeera 9月28日報道)
📌 時系列から見える4つの局面

①戦争と地政学の局面:2月28日の開戦、3月1日のハメネイ師の死亡、3月中旬のカタール攻撃と続き、開戦から2週間で世界のエネルギー・化学の供給網が混乱しました。

②日本の産業に広がった局面:3月〜5月に、日本の石油化学・建材・食品・物流資材・農業肥料で値上げが相次ぎ、6月時点で値上げは40社超になりました。同時に代わりの調達も急速に進み、原油8割・ナフサ90%の代替を実現しました。

③覚書の履行が止まった局面:6月17日の覚書署名のあと、6月25日に攻撃が再開し、7月6日の3隻攻撃、7月7〜8日の72時間クライシスを経て、7月12日の再閉鎖で覚書の履行は事実上止まりました。日本の産業の課題は「価格・輸送コスト・品質の第2波」へ移りました。

④局面が変わった時期:7月後半に湾岸4カ国が対イラン攻撃に加わり、代わりの調達先そのものが戦いの当事者になりました。8月は日米協調介入で円高に振れ、9月はサウジアラビアの産油量が減って、原油が再び100ドルを超えました。

CHAPTER 012026年8月〜9月の動き

まず、いちばん新しい8月〜9月の動きからご紹介します。2月からの流れは第2章以降で順に振り返ります。

8月は為替が初めて反対の向き(円高)に動いた月で、9月は原油が再び100ドルを超えた月です。ただし9月の100ドルは、7月23日の100ドルとは中身が違います。9月下旬の時点でも、ホルムズ海峡をめぐる米国とイランの対立は続いています。

8月:日米協調介入で、為替が初めて反対を向きました

2026年7月31日、片山財務相は米財務省と協調して円買い介入を行ったことを明らかにしました。ドル円は8月3日の東京市場で一時155.22円(5月6日以来の水準)を付け、7月25日の163円84〜85銭から約9円、円高の方向に動きました。この動きは、前々週の実勢の平均で決まる税関長公示レート(輸入品の税金を計算するときに使う為替レート)に、約2週間遅れて表れました。

適用期間(2026年)税関長公示レート(米ドル)もとになった週
8/02〜8/08163.16円7月19日〜7月25日
8/09〜8/15163.04円7月26日〜8月1日
8/16〜8/22157.56円8月2日〜8月8日
8/23〜8/29159.00円8月9日〜8月15日
8/30〜9/05159.09円8月16日〜8月22日
9/06〜9/12159.12円8月23日〜8月29日
9/13〜9/19158.81円8月30日〜9月5日

財務省税関「外国為替相場(課税価格の換算)」を当社が直接確認しました。「もとになった週」は、公示レートが前々週の実勢平均であることにもとづく当社の整理で、税関が併記しているものではありません。

8月2日週の163.16円から8月16日週の157.56円へ、1週で5.60円下がりました。8月は、為替が初めて輸入コストの負担を減らす側に働いた局面です。ただし8月7日には158.41円へ戻しており、金利差という根っこの部分が変わらなければ、また元の方向へ戻ることがあります。

8月の原油:月平均は7月より上がりました

米エネルギー情報局(EIA)の9月9日の短期エネルギー見通しによると、8月の原油価格の平均は1バレル91ドルで、7月より7ドル高くなりました。世界銀行の月次統計(Pink Sheet 9月号)でも、8月のブレント原油(欧州の代表的な原油価格の指標)の月平均は90.9ドルです。EIAは、ホルムズ海峡を通る量が少しずつ増えることで、中東の石油生産はこの先の数か月で増えるとみています。

9月:100ドル超えの中身が、7月とは違います

ブレント原油は9月9日に取引時間中100.45ドル(前日8日の終値97.92ドル)、9月10日に109.09ドル(WTI 104.19ドル)、9月11日は104.42ドル(WTI 99.99ドル)でした。WTIは米国の代表的な原油価格の指標です。8日から10日までの2営業日の上昇率は11.4%になります(当社の算出値)。

⚠️ 7月の100ドルと9月の100ドルは、原因が違います

①7月23日=「運べるか」の話:紅海でサウジアラビア向けの石油タンカー2隻が攻撃を受けたことによる、輸送と通航の不確実性が中心でした。船が通れるようになれば戻る性質のもので、実際、8月には100ドルを大きく下回りました。

②9月=「作る量」の話:サウジアラビアの2026年8月の産油量が日量623.8万バレルまで落ちました。前月比190万バレル減で、1990年以来36年ぶりの低い水準です。減っているのは輸送量ではなく生産量そのものです。

③止まった設備は自動では戻らない:船が通れるようになっても、停止した生産設備が自動で動き出すわけではありません。7月より値段が下がりにくい形になっていると考えられます。

サウジアラビアの産油量は、同国がOPEC(石油輸出国機構)の事務局へ報告した数値を、船の動きを調べるKplerが実際の輸出量と突き合わせたものです。落ちた理由として、ホルムズ海峡での船舶攻撃、7月からの紅海の封鎖、9月8日の石油施設そのものへの攻撃(73人負傷)の3つが挙げられています。

比べる観点2026年7月23日2026年9月10日
直接のきっかけ紅海でサウジ向けタンカー2隻が攻撃サウジ石油施設が攻撃+8月産油実績の落ち込み
供給側の状態輸送・通航の不確実性が中心産油量が前月比190万バレル減という実績
ブレント原油100.95ドル109.09ドル
ドル円163.80円153.29〜153.70円
円建て原油(1バレル)16,536円16,722〜16,767円

7月23日のブレントとドル円は当社の既存記事の記録によります。9月10日のブレントはTrading Economics、ドル円はみんかぶFXが伝えた同日の東京市場の値幅によります。円建て原油は当社がブレント価格にドル円を掛けて算出した目安で、実際の調達価格ではありません。Trading Economicsは掲載する原油価格について「公式のベンチマークを示すものではない」と明記しており、CFD・OTC(取引所を通さない取引)ベースの価格にあたります。

9月の原油:月平均は8月より上がりました

世界銀行が10月2日に公表した月次統計(Pink Sheet 10月号)では、9月のブレント原油の月平均は116.8ドルで、8月の90.9ドルから上がりました。米エネルギー情報局(EIA)の10月6日の短期エネルギー見通しでは、9月のブレントの現物価格の平均は1バレル114ドルで、8月より23ドル高いとされています。2つは集計の仕方が違うため、数字が少し異なります。

円建てで見ると上昇は1%強、ガソリンは9月14日に169.9円でした

ドル建てでは7月23日の100.95ドルから9月10日の109.09ドルへ8.1%の上昇ですが、円建てでは1バレル16,536円から16,722〜16,767円で、上昇は1%あまりにとどまります。レギュラーガソリンと軽油の全国平均も、価格を抑える措置が入っているため、8月17日から9月7日までの3週間で0.2円しか動いていません。

資源エネルギー庁の燃料油価格の引下げ措置のページによると、9月14日のレギュラーガソリンの全国平均は169.9円/L(前週比−0.1円)、軽油は159.3円/Lでした。9月17日から適用するガソリンの補助額は51.0円です。9月21日の週以降の全国平均は、9月29日時点で当社は確認できていません。

ナフサと樹脂には、その緩衝材がありません

物流資材と樹脂に効いてくるのはナフサ(プラスチックの原料になる石油製品)で、ナフサには燃料油のような価格抑制措置がありません。Trading Economicsによれば、2026年9月10日のナフサは1トン871.17ドルで、前日比5.52%高、前月比17.22%高、前年比55.26%高でした。9月25日は811.83ドルで、前月比9.05%高、前年比43.89%高です(いずれもCFDベースの価格)。

経済産業省が8月26日の政府タスクフォースに出した資料では、ナフサのスポット価格は2月27日(中東情勢が起きる前日)の588.28ドル/トンから4月8日に1011.5ドル/トンまで上がり、8月21日時点では757.20ドル/トン(2月27日比+28%)でした。Trading Economicsとは集計元が違うため、同じ線の上で比べずに、それぞれの動きとしてご覧ください。

日本銀行が9月11日に公表した8月の企業物価指数(企業どうしで取引する物の値段の指数)では、国内企業物価が前年比7.6%高(石油・石炭製品14.7%高、化学製品13.9%高)、輸入物価のうち石油・石炭・天然ガスは前年比42.2%高でした。輸入物価は前月比で円ベース3.0%下落・契約通貨ベース1.0%下落、前年比で円ベース24.8%高・契約通貨ベース16.7%高です。差の2.0ポイントが直近1ヶ月の円高による押し下げ、8.1ポイントが1年の円安による押し上げにあたります(差はいずれも当社が両指数から算出した値で、日本銀行が公表しているものではありません)。

国産ナフサ基準価格は四半期ごとの通関実績をもとに決まるため、9月の原油の上昇が反映されるのは先の期になります。2026年1〜3月期の65,700円から4〜6月期は118,900円へ上がり、上昇率は81.0%でした(当社の算出値)。7月分の速報値は104,331円です。

原油はどれだけ届いているか:調達と輸送の実数

経済産業省の8月26日の資料では、日本の原油の調達率は7月分・8月分が約10割(日量約240万バレル)、9月分が約8割(日量約180万バレル)で、足りない分は既に決めた備蓄の放出分で対応するとされています。10月分は、スエズ運河経由のタンカーが着く目途が立ったことなどから、10割超(日量約260万バレル)の見通しです。

国際エネルギー機関(IEA)の2026年9月の石油市場報告では、湾岸諸国の8月の石油輸出は日量約1,300万バレルで戦前のおよそ半分にとどまり、日量1,000万バレルを超える生産が安全上の理由で止まったままとされています。Breakwave Advisorsの9月8日の報告では、ホルムズ海峡を1回通るための戦争リスク保険料は船体価格の7.5%から12.5%で、情勢が動く前の約0.25%の30倍から50倍にあたります(当社の算出値)。米エネルギー情報局(EIA)の9月の短期エネルギー見通しは、2026年下期のブレントを約90ドル、2027年を74ドルと想定しており、9月10日・11日の実勢との開きは14ドルから19ドルです。ただし下期は7月から12月の平均のため、想定が外れたと言い切れるものではありません。

9月下旬のホルムズ海峡の通航量は、集計によって大きく違います。9月28日のAl Jazeeraの報道によると、Kplerの速報では9月のホルムズ海峡経由の原油輸出は日量平均740万バレルの見込みですが、米国のライト・エネルギー長官は日量約1,300万バレルが通っていると述べています。どちらの数字を使うかで見え方が変わるため、ここでは両方を並べるにとどめます。

暮らしへの表れ方:物価と食品の値上げ

総務省が9月18日に公表した8月の全国消費者物価指数は、総合が前年同月比1.9%上昇、生鮮食品を除く総合が1.7%上昇、生鮮食品及びエネルギーを除く総合が1.9%上昇でした。食料は3.1%上昇です。ガソリンの値段は、1-4のとおり補助で抑えられています。

帝国データバンクが8月31日に公表した食品主要195社の調査では、9月の飲食料品の値上げは4,923品目、10月は3,033品目の見通しで、2026年の累計(1〜11月の判明分)は1万9,083品目です。値上げの理由のうち、「中東情勢」によるものは27.8%と全体の約3割を占めています。

9月下旬の交渉と、確認できていないこと

9月28日のAl Jazeeraの報道では、トランプ大統領はホルムズ海峡の再開についてイランが出した条件を拒否したと述べ、仲介者を通じたやりとりが続く見込みとされています。イランは6月の覚書(第4章)を今後の合意の土台にしたい考えです。同じ報道によると、9月14日にはホルムズ海峡でイランの対艦巡航ミサイルの攻撃を受け、米海兵隊員8人が煙の吸入などで負傷しています。

日本政府の動きでは、「中東情勢に伴う重要物資の安定的な供給確保のためのタスクフォース」が7月24日(第3回)と8月26日(第4回)に開かれました。一方、中東情勢に関する関係閣僚会議は、内閣官房のページでは6月26日の第11回のあとの開催を確認できていません。米国とイランの新しい合意・停戦は、2026年9月29日に当社が確認した範囲では、一次資料で確認できていません。

物流資材の調達の実務では、円建ての原油やガソリン価格ではなく、ナフサのスポットと企業物価指数を見ておく必要があります。

CHAPTER 022月〜3月:戦争が始まり、ナフサが足りなくなりました

2026年2月28日、米国とイスラエルがイランへの大規模な攻撃作戦を始めました。作戦開始から24時間で1,000以上の標的が攻撃され、翌3月1日には最高指導者アリ・ハメネイ師が初動の攻撃で死亡し、息子のモジタバ・ハメネイ師が後を継ぎました。3月中旬にはイランがカタール・ラスラファンのLNG(液化天然ガス)施設をドローンで攻撃し、世界のヘリウム供給の33%が失われ、カタールに37%を頼る日本のヘリウム輸入も大きな影響を受けました。

ホルムズ海峡の封鎖で、日本のナフサ(プラスチックなどの原料になる石油製品)の供給に「目詰まり」が起き、三菱ケミカル鹿島(3/6)、三井化学千葉・大阪(3/10)、AMEC水島(3/11)が相次いで減産に入りました。開戦から約1ヶ月で、世界のエネルギー・化学の供給網が大きく揺らぎました。

CHAPTER 03日本の産業への広がりと、40社超の値上げ(テーマ別)

3月末から5月にかけて、影響は日本の産業のほぼすべての分野に及び、確認されただけで40社超のメーカーが価格を改定しました。値上げは物流資材・自動車部品・建材・食品・医薬品・住宅設備・農業肥料に広がりました。8つのテーマの要点と詳しい記事を一覧にしています。9月の食品の値上げは第1章でご紹介しています。

テーマ何が起きたか詳しい記事
アドブルー・尿素ホルムズ海峡経由の尿素の輸出が止まり、ディーゼル車の排ガス浄化液アドブルーの供給に響きました。トラック・バスの運行に直結します。紙オムツの原料の高吸水性樹脂SAPも尿素からつくられます。
建設資材・テープ・シーラント養生テープ・マスキングテープ・シーラント・接着剤はナフサ由来の石油化学製品が主原料で、供給の停止による工事の遅れが問題になりました。塩ビ管では公共工事の入札不調も起きました。
エンジンオイル・自動車グループIIIベースオイル(高性能なエンジンオイルの基油)3拠点の同時停止、スズキの7月卸値+40%、10月の100円/L超の改定予告など、車を使う人の家計にも及びました。
医薬品・医療ニトリル手袋・ジェネリック医薬品・透析回路など、石油化学製品を原料とする医療用品に影響し、医療現場のBCP(事業継続計画)が問われました。
物流資材ストレッチフィルム・PPバンド・OPPテープ・ホットメルト(熱で溶かして使う接着剤)はナフサ由来の原料が中心で、ナフサショックを直接受けました。当社は中国・マレーシア産の調達ルートを開拓しました。
食品・生活用品・紙製品6月16日、公正取引委員会がアイスクリーム製造大手6社(明治・森永乳業・ロッテ・江崎グリコ・森永製菓・赤城乳業)に独禁法違反(不当な取引制限)の疑いで立入検査を行いました。印刷用紙も15%の値上げが発表されました。
農業・肥料・食料インフレ原油高が肥料・配合飼料・ハウス燃料・輸入輸送の4つの経路で農業に広がりました。尿素は世界銀行の月平均で4月856.9ドル/t、6月453.1ドル/tでした(別の指標のTrading Economicsでは6月26日に366.50ドル/t)。家計の負担増は家族4人で年+約11万円です。
自動車・部品・アルミアルミ地金とワイヤーハーネスの供給が細り、トヨタは部品の在庫を厚く持つ方向へ調達を見直しました。日・中・韓のEV戦略、石油に頼るモータースポーツ、自動車大手の想定為替レートも、この分野の記事で扱っています。

CHAPTER 04イスラマバード覚書から、ホルムズ海峡の再閉鎖まで

6月17日の覚書の署名から7月12日の再閉鎖までの約1ヶ月を、4つの段階に分けて振り返ります。

6月17日:イスラマバード覚書に署名

パキスタン(シャリフ首相・Asim Munir陸軍元帥・Ishaq Dar副首相兼外相)の仲介で、米国とイランが「イスラマバード覚書(Islamabad MOU)」に署名しました。主な内容は、60日間の商船の無償・安全な航行の確保、イラン産原油の販売許可の一部維持と大規模な攻撃の抑制、ドーハへの米イラン軍事共同調整センターの設置(6月26日)、第9条の現状維持の義務です。UBS・Goldman Sachsなどの投資銀行は、恒久的な合意に至る確率を50%未満とみていました。

6月下旬〜7月上旬:覚書のあとも攻撃の応酬

覚書から8日目の6月25日に、海峡を通っていた船1隻が正体不明の飛翔体で攻撃され、6月26日・27日には米CENTCOM(米中央軍)の攻撃、6月28日にはIRGC(イラン革命防衛隊)の海軍によるクウェート・バーレーンの米軍施設への反撃が続きました。日本では赤澤亮正 経済産業大臣が「中東情勢に伴う重要物資安定確保担当」を兼ね(2026年3月指定)、6月11日の第10回関係閣僚会議で高市総理が「原油の全量ホルムズ外調達達成」を表明しました。

7月6日〜8日:72時間クライシス

7月6日、IRGCがホルムズ海峡で商船3隻を攻撃しました(覚書のあとで最多)。同じ日、日本関係の船10隻(原油1200万バレルを積載)が海峡を出ました。7月7日には米CENTCOMが80以上の標的に精密弾を撃ち込み、7月8日にイランはバーレーン・クウェートの米軍85施設への報復を宣言しました。Brent原油は74.16ドル、WTIは70.44ドルへ上がりました。

7月12日:ホルムズ海峡の再閉鎖

7月10日にアリ・ハメネイ師の埋葬が終わり、翌11日にモジタバ・ハメネイ新最高指導者が米国とイスラエルへの「復讐を誓う」声明を出しました。7月12日未明(日本時間)、IRGCがキプロス船籍のコンテナ船「GFS Galaxy」を攻撃し、ホルムズ海峡を「追って通知があるまで」封鎖すると宣言しました。米中央軍は同じ日、覚書の署名以来4回目となる空爆を行い、覚書の履行は事実上止まりました。日本は原油の代替調達を進めた後だったため、課題は3月のような量の不足ではなく、価格・輸送コスト・品質の「第2波リスク」に移りました。

CHAPTER 05日本の代わりの調達はどこまで進み、何が残っているか

資源エネルギー庁・野村證券のエコノミストの分析による、2026年7月時点の代替調達の状況は次のとおりです。9月・10月の原油の調達見通しは第1章でご紹介しています。

品目 代替調達の進展と2026年7月時点の状況
原油 2026年6月に約8割→7月時点で約10割(ほぼ完全代替)に。船舶データで6月に日本が米国の原油輸出先第1位に浮上(2025年13位)、米国産原油は5月に前年比約4倍。
ナフサ 5月時点で中東依存度約10%まで低下(3月クライシス前後の約40%から急落)。米国産・アルジェリア産・欧州産へ大幅シフト、5月に前年比3倍。
ヘリウム 3月のカタール攻撃で世界の供給の33%が失われ、カタールに37%を頼る日本にも影響。半導体製造への影響が中長期リスクとして残存、代替調達は模索段階。
肥料・尿素・LNG マレーシア・オーストラリアなどからの代替調達は進んでいますが、アドブルーの需給のひっ迫は続いています。LNGはカタールへの依存が約2割で、構造的なリスクが残ります。尿素は世界銀行の月平均で4月856.9ドル/t、6月453.1ドル/tと下落(別の指標のTrading Economicsでは6月26日に366.50ドル/t)。

ただし代わりの調達が進んでも、問題が終わったわけではありません。2026年後半は、3月のような量の不足ではなく、価格・輸送コスト・品質の「第2波リスク」の段階に入りました。なお7月後半には、この整理の前提そのものが変わりました(第6章)。

⚠️ 2026年後半に残る「第2波リスク」3つ

①輸送コストと保険料が上がったまま:喜望峰まわりの迂回で通常より+14日、燃料コストは1.5倍。AWRP(戦争リスク保険料)は、中東を通らないルートでも上がる圧力が続いています。

②品質と国際的な調達競争:日本のクラッカー(ナフサを分解してエチレンなどをつくる設備)は中東産の軽いナフサを前提にしており、得られる製品の割合が合わない問題があります。欧州・アジアの国々も同じ代わりの調達先を求めるため、上乗せ価格が続きます。

③重要な物資への広がり:ヘリウム(3月に供給が失われました)・光通信半導体・アドブルーなど、AI・脱炭素の時代の中心になる物資への地政学的なリスクが、中長期で続きます。

CHAPTER 067月後半、石油を買う相手の国が戦いに加わりました

7月12日の再閉鎖のあとに表に出てきたのは、日本が代わりの調達先として頼る割合を高めてきた湾岸の産油国そのものが、戦いの当事者になる構図です。7月15日から18日には米中央軍が7夜連続でイランを空爆し、UAE籍のタンカー2隻が被弾して船員1名が死亡、クウェートの発電施設と海水淡水化施設が止まりました。

7月22日にはホルムズ海峡を通る商品輸送船が4隻まで減り、LNG船の通航はゼロになりました。7月23日には紅海でサウジアラビアの石油タンカー2隻がフーシ派の攻撃を受け、7月25日には湾岸諸国の対イラン直接攻撃が4カ国(サウジアラビア・UAEに続きバーレーンとクウェート)に広がったと報じられました。第5章の代替調達の整理は、調達先の国が地政学的に安定していることを前提にしていました。

⚠️ 第5章の前提に起きた3つの変化

①調達先の立場が変わった:代わりの調達先として割合が高まった湾岸の産油国が、戦いの当事者の側に立ちました。ルートを中東の外へ移す取り組みとは別の問題です。

②LNGは代わりがききにくい:原油・ナフサでうまくいった代替調達がLNGには同じように働かず、7月22日にはホルムズ海峡の通航ゼロを記録しました。

③迂回ルートにも同時にリスク:紅海ルートも7月23日に攻撃を受けており、ホルムズ海峡を避けるだけでは解決になりません。

迂回して運ぶ実務は進んでいます

一方で、通る船の数が減ったことが、そのまま供給量が減ったことを意味するわけではありません。UAEが主導して、湾の中から沖合へ原油をピストン輸送し、VLCC(超大型の原油タンカー)へ船どうしで積み替える(STS)「シャトル輸送」で、日量200万バレルが迂回して運ばれています。通航の統計だけで需給を判断すると、実態を読み誤ります。為替は7月25日7時時点で1ドル163円84〜85銭(共同通信配信)で、ドル建ての原油の変動に円安が上乗せされる状態が続いていました。

CHAPTER 07分野別のまとめ記事

イラン情勢の影響を分野ごとに掘り下げたまとめ記事と、その分野で最初に読むのに向いた記事の一覧です。

よくある質問

よくある質問(11問)

2026年のイラン情勢の主な出来事を、時系列で教えてください

2月28日に米国・イスラエルとイランの戦争が始まり、3月1日にハメネイ師が死亡、3月中旬のカタール攻撃とホルムズ海峡の封鎖でナフサショック(プラスチックなどの原料になるナフサの品不足と値上がり)が起きました。3〜5月に値上げは40社超に広がり、6月17日にイスラマバード覚書が署名されましたが、7月7〜8日の72時間クライシスを経て、7月12日にホルムズ海峡が再び閉鎖されました。7月25日には湾岸4カ国が対イラン攻撃に加わったと報じられ、8月は日米協調介入で円高に振れ、9月は原油が再び100ドルを超えました。詳しくは時系列の表と、第1章(8月〜9月)・第2章(2月〜3月)・第4章(覚書から再閉鎖まで)をご覧ください。

ホルムズ海峡が閉鎖されると、日本にどんな影響がありますか?

以前は原油の94〜95%、ナフサの7〜8割、LNG(液化天然ガス)の約2割、ヘリウムの37%が中東経由でした。閉鎖されると、価格の急な上昇、調達の遅れ、輸送保険料の上昇、喜望峰まわりの迂回による約14日の納期の遅れが起きます。旭化成のネオマフォーム+20%、TOTOの受注停止などが実際に起きた例です。

ナフサショックとは何ですか? 今はどうなっていますか?

2026年3月、イラン情勢をきっかけに、日本のナフサ(プラスチックなどの原料になる石油製品)の供給が急に足りなくなり、値段が上がった出来事です。三菱ケミカル・AMEC・三井化学などが減産し、国産ナフサ価格は5月に約2倍になりました。5月時点で中東への依存度は約10%まで下がっています。経済産業省の8月26日の資料では、ナフサのスポット価格は4月8日の1011.5ドル/トンから8月21日の757.20ドル/トンに下がりましたが、2月27日より28%高い水準です。詳しくは第1章をご覧ください。

日本の原油・ナフサの代替調達は、どこまで進んでいますか?

原油は7月時点で約10割(ほぼすべてをホルムズ海峡の外から調達)となり、6月には日本が米国の原油輸出先の第1位になりました。ナフサは中東への依存度が約10%まで下がり、米国産・アルジェリア産・欧州産に切り替わりました。経済産業省の8月26日の資料では、原油の調達率は9月分が約8割(日量約180万バレル、備蓄の放出分で対応)、10月分が10割超(日量約260万バレル)の見通しです。輸送期間の長期化、戦争リスク保険料の上昇、国際的な調達競争は引き続き残っています。詳しくは第5章と第1章をご覧ください。

イラン情勢による値上げは、何品目・何社に及びましたか?

2026年前半で40社超が価格を改定しました。食品2,566品目の値上げ(中東要因24.7%)、旭化成建材ネオマフォーム+20%、LIXILの8月の13%値上げ、スズキのエンジンオイル+40%、ジェネリック医薬品・ニトリル手袋などに広がりました。農業・食料にも及び、食料指数128.4(過去最高圏)、コメ5,002円(過去最高)、家計の負担増は家族4人で年+約11万円です。帝国データバンクの8月31日の調査では、9月の食品値上げは4,923品目、10月は3,033品目の見通しで、「中東情勢」を理由にした値上げが27.8%を占めています。詳しくは第3章と第1章、農業・肥料は分野別のまとめ記事をご覧ください。

イスラマバード覚書とは何ですか? なぜ履行が止まったのですか?

2026年6月17日にパキスタンの仲介で結ばれた米国とイランの停戦合意で、60日間、商船が無償で安全に航行できることが条件でした。しかし署名から8日目に攻撃が再開し、7月6日の3隻攻撃、7月7〜8日の72時間クライシスを経て、7月12日のIRGC(イラン革命防衛隊)による再閉鎖宣言と、米CENTCOM(米中央軍)の4回目の空爆で、履行は事実上止まりました。9月28日の報道では、イランはこの6月の覚書を今後の合意の土台にしたい考えです。詳しくは第4章をご覧ください。

「日本の原油調達先が交戦当事者になった」とは、どういう意味ですか?

日本は2026年6月から7月にかけて、原油をすべてホルムズ海峡の外から調達できるようにしましたが、代わりの調達先には湾岸の産油国も含まれます。7月25日、サウジアラビア(3月)・UAE(4月)に続き、バーレーンとクウェートがイランへの空爆を行ったと報じられ、湾岸諸国の対イラン直接攻撃は4カ国に広がりました。輸送ルートを中東の外へ移す取り組みとは別に、石油を買う相手の国そのものが戦いの当事者になっている、という意味です。詳しくは第6章をご覧ください。

2026年9月に原油が再び100ドルを超えましたが、7月のときと何が違うのですか?

原因が違います。7月23日は、紅海でサウジアラビア向けタンカー2隻が攻撃を受けたことによる輸送と通航の不確実性が中心で、船が通れるようになれば戻る性質のものでした。9月は、サウジアラビアの8月の産油量が日量623.8万バレル(前月比190万バレル減)と1990年以来36年ぶりの低水準まで落ちており、輸送量ではなく生産量そのものが減っています。止まった生産設備は、船が通れるようになっても自動では動き出さないため、7月より値段が下がりにくい形になっていると考えられます。詳しくは第1章をご覧ください。

円高になったのに、なぜ物流資材の値上げは止まらないのですか?

見ている指標が違うためです。2026年7月31日の日米協調介入で円は8月3日に一時155.22円まで戻り、公示レートも8月16日週に157.56円へ下がりました。円建てで見た原油の上昇は7月23日比で1%あまりにとどまり、ガソリン・軽油の全国平均も8月17日から9月7日の3週間で0.2円しか動いていません。しかしナフサには燃料油のような価格抑制措置がなく、2026年9月10日のスポットは1トン871.17ドルで前月比17.22%高・前年比55.26%高でした。9月25日も811.83ドルで、前年比43.89%高です。樹脂と物流資材に効いてくるのはこちらの系列です。詳しくは第1章をご覧ください。

2026年9月下旬の時点で、ホルムズ海峡と米国・イランの交渉はどうなっていますか?

9月28日のAl Jazeeraの報道によると、トランプ大統領はホルムズ海峡の再開についてイランが出した条件を拒否したと述べ、仲介者を通じたやりとりが続く見込みです。船舶データ会社Kplerの速報では、9月のホルムズ海峡経由の原油輸出は日量平均740万バレルの見込みで、米エネルギー長官が述べた日量約1,300万バレルとは大きく違います。米国とイランの新しい合意は、2026年9月29日に当社が確認した範囲では、一次資料で確認できていません。詳しくは第1章をご覧ください。

なぜプラスチックパレット株式会社がこの記事を書いているのですか?

当社は物流資材を専門とする商社です。物流資材の多くは石油化学製品(ナフサ由来)を主な原料とするため、イラン情勢によるナフサショックは事業に直結します。日々の業務を通じて中東情勢・エネルギー・化学産業・物流業界の動きを観察・分析し、46記事の詳しいレポートを一次情報にもとづいて発信してきました。

出典・エビデンス一覧17件(公的機関9・報道や企業8)
出典
ABOUT ── 本記事について

この記事について

本記事は「2026年サプライチェーン完全ガイド」のうち、イラン情勢を扱うまとめ記事です。政府の発表・企業の公式情報・業界の報道をもとに当社が編集しました。物流資材の多くはナフサ由来の石油化学製品を主な原料とするため、当社は中東情勢の動きを事業に直結する問題として追ってきました。第1章の9月下旬の動きは、2026年9月29日に当社が確認した資料によります。

原油価格は情報源によって水準に差があります。時系列の表と第6章では、各速報記事が執筆時点で採用した値をそのまま載せており、複数の情報源を合わせたり平均したりはしていません。調達や取引の判断にあたっては、必ず最新の一次情報を直接ご確認ください。

各記事の紹介は概要ですので、詳しい内容は各記事の本文をご覧ください。

文:プラスチックパレット株式会社 編集部

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