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2026 SUPPLY CHAIN GUIDE / LOGISTICS MATERIALS

物流資材完全まとめ2026|パレット・フィルム・バンドの価格動向|詳細38記事

物流現場で使う資材のほぼすべてが、原油から精製されるナフサを起点とする樹脂でできている。2026年2月28日のホルムズ海峡事実上封鎖以降、その起点が動いたことで、パレット・フィルム・バンド・テープの価格と納期は品目ごとに異なる形で変化した。本記事は品目別の供給状況と代替調達ルートを一本の構造図にまとめ、詳細記事38本への入口を提供する。

初版公開 最終更新 収録記事 38本 収録セグメント 12(分析11+直販1) 監視カテゴリ MONITORING 次回更新目安 2026年8月中旬
TL;DR — 3行要約
  • 物流資材の価格は品目ごとに別々の理由で動いている。原料の樹脂グレード、国内の成形設備の有無、代替調達先の3要素の組み合わせが品目差を生んでおり、「ナフサが上がったから一律に上がる」という理解では調達判断を誤る。
  • ストレッチフィルムとPPバンドは原料と成形設備の二重制約を受け、割当供給の運用が続いた。一方でOPPテープは国内メーカーが生産を継続しており、価格上昇はあっても物理的な入手困難には至っていない。
  • 2026年7月時点は上流のナフサが底値から反発する一方、マレーシア産フィルムは5月末比で約18%の値下げとなり、7月12日にはホルムズ海峡が再閉鎖された。方向の異なる材料が同時に進む局面にある。
【総論】

2026年、物流資材の調達判断は「価格交渉」から「入手経路の設計」へ移った。2月28日のホルムズ海峡封鎖でナフサ供給が変動し、ストレッチフィルムとPPバンドは原料と国内成形設備の二重制約で割当供給へ。建設・物流・包装資材は30社超が価格改定を実施した。品目別の供給差と代替ルートを38本の詳細記事で整理する。

38
収録記事本数
(専門版+やさしく解説版)
90%+
ストレッチフィルム
国内流通の海外生産品比率
30社+
建設・物流・包装資材
価格改定を発表した企業数
-18%
マレーシア産ストレッチフィルム
5月末→7月の価格変動

CHAPTER 01物流資材はなぜ中東情勢と連動するのか、樹脂を介した1本の線

プラスチックパレット、ストレッチフィルム、PPバンド、OPPテープ、緩衝材、折りたたみコンテナ。物流現場で日常的に使われるこれらの資材には、材質も用途も価格帯もばらばらであるにもかかわらず、ひとつだけ共通点がある。いずれも原油から精製されるナフサを起点とする合成樹脂を主原料としていることだ。パレットとコンテナはポリプロピレン(PP)、ストレッチフィルムは直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、PPバンドはPP、OPPテープは二軸延伸ポリプロピレンの基材にゴム系またはアクリル系の粘着剤を組み合わせている。粘着剤の原料であるスチレン系モノマー、アクリル酸エステルも同じくナフサ由来である。

この共通点が意味するのは、ホルムズ海峡という一点の変動が、物流現場のあらゆる資材に同時に届くということだ。2026年2月28日にホルムズ海峡が事実上封鎖されて以降に起きたのは、まさにそれだった。ただし、届き方は品目ごとに大きく異なった。ここが本記事で最も伝えたい論点である。

同じナフサ由来でも、品目によって影響の出方が違う理由

品目差を生んだのは、次の3つの要素の組み合わせだった。

第一に原料の樹脂グレードである。汎用グレードのPPと、薄膜フィルム用のメタロセン系LLDPE(mLLDPE)では、供給の余裕がまったく違った。同じポリエチレンでも、汎用厚物向けと薄膜・ナノ積層向けでは調達難易度に差が生じている。

第二に国内の成形設備の有無である。これが2026年の物流資材市場を理解する上で決定的に重要な要素となった。ストレッチフィルムは、日本市場の流通量の90%以上が海外生産品である(旭産業株式会社調査)。2000年代初頭に輸入品との価格競争で国内のフィルム成形設備が大幅に縮小・撤退した結果、仮に国内でナフサが確保できても、それを成形する設備が国内にないという二重の構造問題が残った。原料と設備、どちらか一方が欠けても製品は出てこない。

第三に代替調達先の存在である。中国の石炭化学ルート(CTO/MTO)は原油・ナフサとは別系統の原料からオレフィンを生産するため、中東情勢の影響を受ける経路が異なる。この違いが、中国製資材が代替候補として浮上した背景にある。

影響範囲は特定業界にとどまらない

帝国データバンクが2026年4月17日に公表した調査によると、主要化学品メーカー52社を起点とした分析の結果、全国4万6,741社(全製造業の約3割)がナフサ関連製品の調達リスクに直面する可能性があることが示された。このうち約9割にあたる4万1,417社が資本金1億円未満の企業であり、コスト上昇分を販売価格へ反映させる交渉力の面で相対的に不利な立場に置かれている。

物流資材はサプライチェーンの末端に位置するため、上流の変動が最後に届く。しかし逆に言えば、末端であるがゆえに、届いたときには上流のすべての段階でのコスト上昇が積み上がった状態になっている。パレット1枚、フィルム1本の価格変動を追うことは、石油化学バリューチェーン全体を観測することとほぼ同義である。

📌 この章のポイント

・物流資材はパレットからテープまで、ほぼすべてがナフサ由来樹脂を原料としている
・影響の出方の差は「樹脂グレード」「国内成形設備の有無」「代替調達先の有無」の3要素で決まる
・ストレッチフィルムが特に影響を受けたのは、原料に加えて国内成形設備が縮小していたため

CHAPTER 02原油からパレットまで、6段階の波及構造と時間差

上流の変動が物流資材の価格に現れるまでには、明確な段階と時間差がある。この構造を把握しておくと、「いま何が起きているか」ではなく「これから何が来るか」を先読みできるようになる。以下は原油から最終資材までの6段階である。

STEP 01
原油の調達・海上輸送
ホルムズ海峡は世界の海上原油輸送量の約20〜25%が通過する経路。2026年2月28日の事実上封鎖により、通過タンカーは戦争開始1週間で97%減少した(Windward)。日本の原油国家備蓄は254日分あるが、ナフサは国家備蓄制度の対象外で、民間在庫は約20日分にとどまる。
STEP 02
製油所での精製・ナフサ生産
原油を精製してナフサ(粗製ガソリン)を得る段階。日本のナフサ輸入における中東依存度は、2020年の53.1%から2024年には73.6%へ上昇していた。シンガポールのナフサ価格は2026年3月6日の776ドル/MTから1週間で1,000ドル/MT超へ動いた。
STEP 03
ナフサクラッカーでの熱分解
ナフサを高温分解してエチレン・プロピレン・ブタジエン・芳香族を得る中核工程。日本のエチレン原料は95%以上をナフサが占める一本足構造にある。国内12基のエチレンプラントのうち、2026年4月初旬時点で6基が減産体制に入り、フル稼働は3基にとどまった。
STEP 04
樹脂メーカーによる重合
エチレンからポリエチレン(LLDPE・LDPE・HDPE)、プロピレンからポリプロピレン(PP)を製造する段階。ここで汎用グレードと高機能グレードの供給差が発生する。粘着剤原料の系統では、DICが2026年3月24日にスチレン系原料の100円/kg以上の値上げを、三菱ケミカルが4月1日出荷分からアクリル酸製品の40円/kg以上の値上げを発表している。
STEP 05
成形・加工メーカーでの製品化
樹脂ペレットをパレット・フィルム・バンド・テープへ加工する段階。国内設備の有無が品目間の格差を決定づけたのがこの工程である。射出成形(パレット・コンテナ)は国内生産能力が維持されている一方、キャストフィルム成形は縮小しており、輸入依存が続いている。
STEP 06
流通・物流現場への納入
商社・代理店を経由して現場へ届く最終段階。ここで割当供給(アロケーション)の運用、納期回答の停止、価格改定の適用基準といった商流上の論点が発生する。適用基準日の扱いは既発注案件の可否を左右するため、Chapter 08で判断軸として扱う。
⚠ 時間差の把握が調達判断を左右する

原油の調達から小売店の棚に製品が並ぶまで、このサプライチェーン全体には通常2〜6ヶ月の時間がかかる。つまり、いま製油所で精製されている原油のコストは、これから数ヶ月かけて資材価格に現れてくる。上流の指標が改善しても、下流の価格がすぐに追随しない構造的な理由がここにある。

逆に、上流で新たな変動が起きた場合、資材価格への波及は数ヶ月後になる。2026年7月12日のホルムズ海峡再閉鎖の影響が資材段階に届くのは、この時間差を考慮する必要がある。

CHAPTER 032026年2月〜7月、物流資材市場の時系列サマリー

物流資材の供給と価格に直接関係した出来事のみを抽出し、時系列で整理する。国際情勢そのものの詳細は、上位ハブ記事である【イラン情勢2026完全まとめ】米・イラン対立・ホルムズ海峡と日本産業への影響を参照されたい。

時期出来事物流資材への意味
2026-02-28 ホルムズ海峡が事実上封鎖 ナフサ調達環境が変化。樹脂原料の起点が動く
2026-03-06 シンガポールナフサ価格が776ドル/MTから1週間で1,000ドル/MT超へ 樹脂価格の改定圧力が発生
2026-03-24 DICがスチレン系原料の100円/kg以上の値上げを発表 ゴム系粘着剤のコスト上昇。テープ類へ波及
2026-03-27 同日時点で、マレーシア産ストレッチフィルムの供給変動と中国産への切替の進行を確認 流通シェア約7割の供給源が制約を受ける
2026-04-01 三菱ケミカルがアクリル酸製品を40円/kg以上、オキソ製品を25円/kg以上値上げ/フォルモサ・プラスチックスが不可抗力を宣言 アクリル系粘着剤とPE系原料の双方でコスト上昇
2026-04上旬 国内エチレンプラント12基のうち6基が減産、フル稼働は3基 樹脂の国内生産量が制約される
2026-04-17 帝国データバンクが調達リスク調査を公表 影響範囲が全製造業の約3割に及ぶことが示される(詳細はChapter 01)
2026-04-18 同日時点で、ストレッチフィルム・PPバンドが割当供給の運用下にあることを確認 価格ではなく数量の確保が調達課題の中心に
2026-04-21 グンゼがOPPフィルムの価格改定を発表 包装用フィルム全般へ改定が広がる
2026-04-26 国産マスキングテープ主要3社の型番が広範に在庫切れ(モノタロウ実調査) 中国製が当日〜翌日出荷で調達可能な状況に
2026-04-30 経済産業省が5月のナフサ輸入量を平時比3倍(135万kL超)と発表 量的な確保は進むが、価格は封鎖前比で高い水準が継続
2026-05-01 建設・物流・包装資材30社超が出荷分から30〜80%の価格改定 物流資材の価格改定が同時期に集中
2026-05-20 食品トレー業界5社が20〜30%の価格改定 再生材活用の経済合理性が相対的に上昇
2026-05-26 同日時点で、PPヘビーバンドの供給制約に対しPETバンドへの代替可能性を廃棄物・リサイクル現場で検証 結束材の代替候補が樹脂系統をまたいで広がる
2026-05-29 DICがポリスチレン・スチレン系製品の第2回価格改定を発表(6月1日納入分) 粘着剤系のコスト上昇が累積
2026-06-01 大倉工業・エフピコチューパ・東京インキ・東洋紡エムシーなど30品目で価格改定 包装資材から食品・建材まで改定が拡大
2026-06-03 同日時点で、ストレッチフィルムとPPバンドについて実際に入手できる調達経路を整理 割当供給下では単価より入手経路の確保が論点に
2026-06-17 イスラマバード覚書が署名される 正常化への期待が生じるが、資材価格への反映には時間差
2026-07-07〜09 米イラン相互攻撃により覚書の履行が事実上停止 代替調達ルートの維持が引き続き必要な局面
2026-07-12 ホルムズ海峡が再閉鎖 上流の変動が資材段階へ届くまで数ヶ月の時間差
2026-07-14 同日時点で、ナフサが627ドル/MTの底値から反発する局面にあることを確認。あわせて国内で汎用樹脂の事業統合が始動 上流価格は下げ止まり。樹脂の供給元構成そのものが変わる局面へ
2026-05末→07 マレーシア産ストレッチフィルムが約18%の値下げ 下流資材で明確な値下げが確認された最初の品目となる
📌 この章のポイント

2月28日から7月中旬までの約4ヶ月半で、物流資材市場は「価格が上がる」局面から「数量が確保できない」局面を経て、「代替ルートを設計する」局面へ移った。価格改定の発表が5月1日と6月1日に集中しているのは、価格固定契約の更新タイミングと出荷基準の適用が重なった結果である。

7月に入ってからは、上流のナフサが底値から反発する一方で、下流のマレーシア産フィルムでは値下げが確認されるという、方向の異なる動きが同時に起きている。7月12日の海峡再閉鎖の影響が届くのはこの先であり、単一の指標で全体の方向を判断できない局面にある。

CHAPTER 04品目別セグメントマップ、11セグメントの供給状況と関連記事

当社が取り扱う物流資材を品目別の7セグメントに分け、加えて上流市況・価格改定・やさしく解説・使用量削減の4つの横断セグメントを設けて整理する。各セグメントの記事はいずれも一次ソースに基づいて執筆しており、メーカー各社の公式発表・政府公表資料・業界統計を出典として明記している。なお当社で実際に取り扱っている製品の直販ページは、Chapter 06の末尾にまとめて掲載している。

SEGMENT A / PALLET
プラスチックパレット(選定・切替・戦略的価値)

パレットの主原料はPPおよびHDPE。射出成形の国内生産能力は維持されているため、フィルム類ほどの入手難には至らなかった。一方で樹脂価格の改定は継続しており、要求性能に対して仕様が過剰なパレットを使い続けることのコスト影響が相対的に大きくなっている。仕様の見直しと切替候補の検討が、価格改定局面での現実的な対応策となる。

SEGMENT B / USED PALLET
中古パレット・木製代替・通い箱

新品の納期が読みにくい局面で、当面の供給を埋める役割を担うセグメント。輸入貨物に載って国内へ入ってくる輸入パレットの流入量が変動したことにより、中古パレット市場の在庫構成に影響が及んでいる。木製パレットは輸入材の調達環境が変化し、再生プラスチックパレットへの切替検討が進んだ。通い箱・リターナブルボックスは、梱包資材そのものの使用量を減らす選択肢としても位置づけられる。

SEGMENT C / STRETCH FILM
ストレッチフィルム

7セグメントのなかで最も供給の制約が大きかった品目。Chapter 01で述べた原料と国内成形設備の二重制約に加え、流通シェア約7割を占めるマレーシア産の供給変動が重なった。汎用厚物と薄膜・ナノ積層品では調達難易度が異なり、後者はメタロセン系原料への依存度が高い。2026年7月にはマレーシア産で約18%の値下げが確認されており、需給の転換点を判断する材料となる。

SEGMENT D / STRAPPING
PPバンド・PETバンド・結束資材

ストレッチフィルムと同様に割当供給の運用が続いた品目。バージンPP材の調達が制約を受ける一方、国内の回収プラスチックを原料とする再生PPバンドは供給の安定性で相対的な優位を持つ。厚みのある業務用PPヘビーバンドについては、樹脂系統の異なるPETバンドへの置換が代替候補として検証されている。いずれも自動梱包機との適合性が採用可否を分ける要素となる。

SEGMENT E / ADHESIVE TAPE
粘着テープ(OPP・養生・マスキング・クラフト・布)

基材と粘着剤の二系統からコスト上昇圧力を受けた品目。OPPテープは国内主要メーカーが生産を継続しており、価格改定はあっても物理的な入手困難には至っていない。一方、養生テープとマスキングテープは特定メーカーへの依存度が高く、在庫の枯渇と価格改定が同時に進んだ。中国製代替の採否は用途別に判断が分かれる。

SEGMENT F / PACKAGING
梱包資材・緩衝材・調達ガイドライン

品目横断で梱包資材全体を扱うセグメント。発泡PE緩衝材はLDPE・LLDPEの価格改定を受けており、成形ウレタンや成形EPPへ切り替えても同じくナフサ系であるため代替先が限られる。ホットメルト接着剤は段ボール製函の工程に組み込まれているため、供給が止まると出荷ライン全体が影響を受ける。なお緩衝材については2026年7月時点の価格動向まで反映した最新版を用意しており、ホットメルト接着剤の記事は5月時点の供給制約局面を記録したものである。

SEGMENT G / RECYCLED RESIN
再生プラスチック原料・リサイクル材

中東産ナフサの調達環境から相対的に独立した供給源。国内で回収されたプラスチックパレット・コンテナ・容器包装材を原料とするため、原油市況の直撃を受ける経路が異なる。ただし相場はバージン樹脂価格と連動して動き、供給量は回収率という上限に規定される。バージン樹脂が高い局面では、再生材活用の経済合理性が相対的に高まる。

横断セグメント、上流市況と価格改定を追う記事群

品目別の記事に加えて、上流のナフサ・樹脂原料市況、価格改定の全体マップ、業界外の読者向けの解説記事、そして必要量そのものを下げる使用量削減を、4つの横断セグメントとして整理する。

SEGMENT H / UPSTREAM
上流市況(ナフサ・樹脂原料・石化産業構造)

物流資材の価格を数ヶ月先まで読むための上流指標を扱う記事群。ナフサの供給量、エチレンプラントの稼働状況、樹脂メーカーの価格改定発表が、資材価格の先行指標として機能する。

SEGMENT I / PRICE REVISION
価格改定マップ
SEGMENT J / EXPLAINED
やさしく解説シリーズ

石油化学の専門知識を前提とせずに読める解説記事。社内での説明資料や、取引先へ状況を共有する際の資料として利用できる構成にしている。

SEGMENT K / REDUCTION
使用量削減(必要量そのものを下げる)

Chapter 06の選択肢3に対応する記事群。調達先を変えるのではなく、包装機の延伸機構や長尺化、荷姿設計の見直しによって必要量そのものを下げる手段を品目別に扱う。資材が値下げ傾向にある局面は、当面の入手に追われずに設備の選定と実測を進められる時期にあたる。

CHAPTER 05品目別の供給難易度と価格改定の一覧比較

主要品目を、主原料・国内成形設備の有無・供給形態・確認できた価格改定の4軸で比較する。「国内成形設備」の欄が、Chapter 01で述べた品目差を生んだ第二の要素にあたる。

品目主原料国内成形設備供給形態(2026年前半)確認できた価格改定
プラスチックパレット PP/HDPE 維持されている 通常発注が可能。輸入パレットの流入量は変動 樹脂価格の改定を反映
中古パレット 回収品(PP/HDPE) 該当なし(洗浄・選別) 輸入貨物由来の供給源が変動し在庫構成に影響 需給に応じて変動
ストレッチフィルム LLDPE(mLLDPE含む) 縮小(流通の90%以上が海外生産品) 割当供給。薄膜・ナノ積層品で製造リードタイムが延伸 三菱ケミカル ダイアラップ 15%/マレーシア産は5月末→7月に約18%の値下げ
PPバンド PP(バージン/再生) 一部維持 割当供給。再生PP材は相対的に安定 各社が改定を実施
PETバンド PET(再生原料を含む) 維持されている PPヘビーバンドの代替候補として検証が進む段階 公表資料上、当社で確認できていない
OPPテープ OPP基材+ゴム系/アクリル系粘着剤 維持されている 調達継続が可能。前年比15〜30%の価格上昇 グンゼ OPPフィルム改定/スリーエム ジャパン 2次改定
養生テープ PE基材+粘着剤 維持されている 特定メーカー品でアロケーションと在庫の枯渇 国産+40%以上/輸入PB品+60%以上、ダイヤテックス20〜30%、寺岡製作所+100円/巻、萩原工業20〜30%、日東電工約1割弱
マスキングテープ 和紙基材+粘着剤 維持されている 国産主要3社の型番が広範に在庫切れ(4月26日時点) 中国製は国産比30〜50%安い水準
緩衝材(発泡PE) LDPE/LLDPE 維持されている 原料の価格改定を直接受ける 国内大手4社が4月1日出荷分から一斉改定
食品トレー ポリスチレン 維持されている 樹脂改定90〜100円/kgを反映 エフピコ20%以上、中央化学・デンカポリマー30%以上
再生プラスチック原料 国内回収材 該当なし(粉砕・ペレット化) 中東産ナフサから相対的に独立。回収率が供給上限 バージン樹脂相場に連動
⚠ 表の読み方について

「国内成形設備」の欄が「維持されている」品目は、原料さえ確保できれば供給が回復する見込みが立つ。一方「縮小」の品目は、原料が確保できても成形段階が制約となるため、回復のペースが異なる。ストレッチフィルムの調達計画を立てる際は、この違いを前提に置く必要がある。

価格改定率は各社の公式発表に基づく発表時点の数値であり、その後の改定や適用範囲の変更を反映していない場合がある。ストレッチフィルムの欄に併記した約18%の値下げはマレーシア産を対象とした2026年5月末から7月にかけての変動であり、国内メーカー品の価格改定とは別の動きである。発注前に必ず各社の最新の案内を確認されたい。各改定の発表時期についてはChapter 03の時系列表を参照されたい。

2026年7月時点の価格動向、当社が取引で確認している方向感

上の一覧はメーカー各社の公表資料に基づく改定内容だが、実際の取引では品目ごとに方向が分かれ始めている。以下は公表資料ではなく、当社が2026年7月時点の取引で確認している価格の方向感を当社の判断で整理したものである。個別の見積条件やロット、納入先によって差が出るため、傾向として参照されたい。

品目2026年7月時点の方向当社の見方
プラスチックパレット(バージン材) 値上げが継続 原料樹脂の改定が順次反映される段階にあり、上流の反発局面と重なるため下向きの材料が乏しい
プラスチックパレット(再生材) 価格改定なし。改定がある場合も小幅にとどまる 国内回収材を原料とするため、中東産ナフサの調達環境から相対的に独立している構造が価格面にも現れている
PPバンド 値下げ傾向 割当供給が緩んだ局面で、原料調達の改善が単価に反映されつつある
ストレッチフィルム 値下げ傾向 Chapter 03に記載したマレーシア産の約18%値下げと整合する方向。輸入依存度が高いぶん、海外産の値動きが国内の建値に届きやすい
緩衝材 値下げ傾向 LDPE・LLDPE系の原料が落ち着いたことを受け、2026年前半の改定局面からは方向が変わっている
📌 バージン材と再生材で方向が分かれている点について

同じプラスチックパレットでも、バージン材と再生材で価格の方向が逆になっている。これはChapter 01で述べた「原料系統の違い」が、価格局面が変わったときに逆向きに働くためである。バージン材は樹脂改定の反映が続く一方、再生材は国内回収材を原料とするため改定要因そのものが少ない。

ただしフィルム・バンド・緩衝材の値下げ傾向は、7月12日のホルムズ海峡再閉鎖より前の原料環境を反映したものである。Chapter 02で述べた2〜6ヶ月の時間差を踏まえると、再閉鎖の影響が資材段階へ届くのはこの先であり、現在の方向がそのまま続くとは限らない。

CHAPTER 06代替調達の4つの選択肢と、当社で対応している調達ルート

供給の制約に対して取りうる手段は、大きく4つに整理できる。いずれも万能ではなく、品目と用途によって有効性が変わる。自社の状況に照らして組み合わせを設計することが実務上の要点となる。

選択肢1:中国製の輸入ルートを併用する

Chapter 01で触れた石炭化学ルート(CTO/MTO)を背景に持つ中国製資材は、原料系統が異なるぶん供給の制約を受ける経路も異なる。浙江省・広東省の包装資材クラスターでは、機械用OPPテープの1000m・1500m巻が継続して生産・出荷されている。ストレッチフィルムでは多層キャスト機による製品が代替候補となる。

有効な条件:封緘機・包装機との適合性を事前に確認できる場合。テンション、フィルム強度、巻き芯径の3点が現場設備と合致するかを検証したうえで採用する必要がある。参考として、2026年4月時点の掲載価格に基づくOPPテープの単価比較では、セキスイP82ET3L(1500m・5巻セット50,578円)が1mあたり約6.7円、スリーエム品(1000m・1巻3,619円)が1mあたり約3.6円となる。ただし厚みは前者が0.052mmで機械最適設計、後者が0.065mmで汎用設計と性格が異なるため、単価のみでの比較はできない。

選択肢2:再生材・国内循環ルートへ切り替える

国内で回収されたプラスチックを原料とする再生PP・PEは、中東産ナフサの調達環境から相対的に独立している。パレットでは再生PPパレット、結束材では日本製の再生PPバンドが該当する。食品トレー業界では、エフピコの回収拠点11,000カ所、CO2削減20.9万トン/年、アークス向け再生原料比率76%という水準が示されている。

有効な条件:要求物性が再生材の範囲に収まる場合。ただし業界全体の回収率は約30%、ポリスチレンの有効利用率は2割程度にとどまるため、供給量には構造的な上限がある。全量を再生材へ切り替える計画は現実的ではなく、一定比率での併用が想定される。

選択肢3:使用量そのものを削減する

調達先を変えずに必要量を減らす方法。ストレッチフィルムではプリストレッチ包装機の導入が該当する。荷に巻く前にフィルムを機械的に延伸する機構で、Lantech方式では延伸率3倍が公表されており(伊藤忠マシンテクノス)、同じ面積を覆う原反長は理論上その分だけ短くなる。ただし実際の削減幅は巻き数と荷姿によって変わるため、自社の荷姿での実測が前提となる。設備投資を伴うが、供給が制約される局面では調達交渉より確実性が高い。品目別の削減手段と実測項目は物流資材の使用量削減2026で扱っている。

有効な条件:包装工程が標準化されており、荷姿のばらつきが少ない場合。多品種少量で荷姿が定まらない現場では、削減率が想定を下回ることがある。

選択肢4:資材そのものを置き換える

使い捨ての梱包資材から、繰り返し使用する容器へ切り替える方法。蓋付き折りたたみコンテナやリターナブルボックスを採用すれば、ストレッチフィルムとPPバンドの使用量を同時に削減できる。パレットについても、要求性能に対して仕様が過剰な製品を使い続けている場合は、軽量品や再生材パレットへの切替が調達コストの見直しにつながる。結束材ではPPヘビーバンドからPETバンドへの置換が、樹脂系統をまたいだ代替として検証されている。

有効な条件:納入先との間で容器の回収スキームを構築できる場合。片道輸送や不特定多数向けの出荷では成立しにくく、定常的な往復ルートを持つ取引で効果が出る。パレットの仕様変更については、荷重条件・積付高さ・自動倉庫やフォークリフトとの適合を実機で確認したうえで判断する。

📌 この章のポイント

4つの選択肢は排他的ではなく、組み合わせて使うものである。たとえばストレッチフィルムであれば、プリストレッチ包装機で使用量を削減しつつ、残る必要量を国内品と中国製の2ルートで分散確保する、といった設計が考えられる。単一の代替先に集中させると、その代替先が制約を受けた際に再び同じ状況に戻ることになる。

当社で対応している調達ルート

上記の選択肢のうち、選択肢1(中国製の輸入ルート)と選択肢4(資材そのものの置き換え)について、当社が実際に供給している品目のページを以下にまとめる。仕様・ロット・納期の条件は各ページに記載しているため、代替候補を検討する際の具体的な条件確認に使える。

SEGMENT L / DIRECT SUPPLY
当社取扱品目・直輸入ルート

CHAPTER 07収録記事38本の全リファレンス

本記事が統括する物流資材関連の記事38本を、品目セグメント順に一覧化する。各カードのタイトルまたは「記事を読む」から該当記事へ移動できる。Chapter 04のセグメントマップが品目起点の導線であるのに対し、こちらは記事の内容から探す場合の索引として使える構成にしている。

パレット|構造分析

物流資材の供給危機とプラスチックパレットの戦略的価値、データが示す「統計の死角」とサプライチェーンの物理的基盤

公開統計では捉えきれない物流資材の需給を、パレットという物理的基盤の側から読み解く。資材が供給網の可用性を規定する構造を整理している。

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パレット|仕様見直し

そのパレット運用、本当に最適ですか?|カルビー白黒化に学ぶイラン情勢・ナフサ高騰時代のパレット調達5パターン比較

要求性能に対して仕様が過剰なパレットを使い続ける場合のコスト影響を検証。調達の選択肢を5パターンに整理し、切替判断の材料を提示する。

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中古パレット|市場動向

イラン情勢に伴う「中古パレット品不足」の可能性【物流情勢レポート】20260325

輸入貨物に載って国内へ入る輸入パレットの流入量が変動すると、中古市場の在庫構成にどう影響するかを段階を追って説明した早期分析。

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中古パレット|R11

【緊急レポート】イラン情勢が引き起こす物流クライシス:パレット調達の危機を救う中古パレット「R11」

新品の納期が読みにくい局面で、中古パレットR11を当面の代替として位置づけた実務レポート。西日本・九州・四国エリアの調達にも触れる。

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中古パレット|木製代替

イラン情勢と木製パレット調達危機の再来(再生プラパレへの切替へ)

2021年のウッドショックと2026年の状況の構造的な違いを整理。木製から再生プラスチックパレットへの切替を検討する際の判断材料をまとめている。

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中古パレット|通い箱

イラン情勢とリターナブルボックス、梱包資材不足への切り札

使い捨て梱包から繰り返し使用する容器へ切り替える発想を扱う。ストレッチフィルムが代替困難である理由を国内成形設備の観点から解説している。

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フィルム|供給動向

イラン情勢と国内ストレッチフィルム不足最前線20260327【4月25日改訂版】

3月時点の予測を4月の実績で検証した改訂版。マレーシア産の供給変動、シンガポールの状況、中国産の増産という3つの論点を最新エビデンスで更新している。

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フィルム|原料市況

LLDPE 2026年7月14日最新動静、ナフサ底値627ドルからの反発局面と7月12日ホルムズ再閉鎖、汎用樹脂統合開始で変わる調達地図

フィルムの主原料であるLLDPEの最新動静。ナフサが627ドル/MTの底値から反発する局面と、国内の汎用樹脂事業統合が調達先の構成に及ぼす影響を扱う。

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フィルム|価格転換点

ナフサ急落後のマレーシアストレッチフィルム市場、5月末→7月に約18%値下げが示すLLDPE需給の転換点

流通シェア約7割を占めるマレーシア産で確認された約18%の値下げを起点に、LLDPE需給が上昇局面から転換した条件を検証している。

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フィルム|多層技術

ストレッチフィルム供給不足に対応、中国製55層ナノフィルムの性能と納期を徹底検証

多層化が物性にもたらす効果を高分子材料工学の観点から解説。中国製の性能と納期を検証し、代替採用の可否を判断する材料を提供する。

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フィルム|入手経路

【2026年6月3日速報】梱包用ストレッチフィルム|欠品時代に確実に買える5つのルートと中国商社出品の落とし穴

供給が制約される局面で実際に入手できる5つの経路を整理した速報記事。オンラインで見かける出品の見極め方についても注意点を挙げている。

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PPバンド|調達支援

イラン情勢と最新PPバンド中国調達支援について

PPバンドの供給制約を起点に、フィルム・OPPテープを含めた同時調達の考え方を提示。中国製バージン材の調達ルートについて具体的に扱う。

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PPバンド|入手経路

【2026年6月3日速報】PPバンド|イラン情勢×アロケーション運用下で確実に買える4ルートと中国商社出品の落とし穴

割当供給の運用下で実際に入手できる4つの経路を整理した速報記事。オンラインで見かける出品の見極め方についても注意点を挙げている。

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結束材|PET代替

イラン情勢が直撃するPPヘビーバンド不足、PETバンドへの代替可能性を廃棄物・リサイクル現場で検証【2026年5月】

厚みのある業務用PPヘビーバンドの供給制約に対し、樹脂系統の異なるPETバンドが代替となりうるかを、廃棄物・リサイクル現場の使用条件で検証する。

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テープ|総論

梱包用・包装用テープ供給不足2026|OPPテープ・養生テープ・クラフトテープ・布テープのナフサショック影響と調達戦略

テープ4種の供給リスクをエビデンスベースで比較した基礎資料。DIC・三菱ケミカルの原料改定を粘着剤系のコスト上昇要因として跡づけている。

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テープ|養生

イラン情勢と養生テープ不足の現状把握|パイオラン・P-カット40〜60%値上げの真因【2026年4月】

基材ポリエチレン、粘着剤原料、輸送ルートという3つの要因が重なった構造を解説。主要メーカー各社の改定内容を個別に整理している。

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テープ|OPP代替

イラン情勢と中国製最新OPPテープ調達支援について

中国の石炭化学ルートによるアクリル系粘着剤の供給背景を説明し、機械用長尺品の調達条件を提示。国産品との単価・厚みの比較も収録する。

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テープ|マスキング

【代替手段の実態】中国製マスキングテープは国産品の代わりになるか

実際の通販在庫データをもとに、国産品と中国製のスペック・品質・価格を比較。用途別に採用可否を切り分けた実践的な検証記事。

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梱包資材|総論

ストレッチフィルム・PPバンド・OPPテープ供給危機と価格急騰の全貌レポート Vol.1|2026年ナフサショック

3基幹資材の供給状況を1本にまとめた基礎資料。マレーシア産の流通シェア約7割という前提と、汎用厚物と薄膜品の調達難易度の差を整理している。

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梱包資材|調達指針

イラン情勢と2026年4月からの物流資材調達ガイドライン

パレット・フィルム・バンドを品目別に分け、防衛策を並べた実務向けガイド。再生PPバンドと自動梱包機の適合性についても触れている。

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梱包資材|緩衝材・価格転換

緩衝材・梱包材の供給と価格【2026年7月版】5月の不足局面から値下げ傾向への転換と代替資材ガイド

5月の供給制約局面の実データと7月の値下げ傾向を並置し、5月に立てた見通しが実際と異なった要因を検証。代替資材の5アプローチも収録する。

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梱包資材|接着剤

イラン情勢とホットメルト不足から始まる梱包資材崩壊ドミノ【2026年5月18日最新版】

段ボール製函工程に組み込まれたホットメルト接着剤の供給を起点に、粘着剤系全般の連鎖を構造分析。対応策として3つの現実的な選択肢を提示する。

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再生樹脂|取扱一覧

プラスチック再生原料紹介

パレットメーカー向けに供給している再生PP・PE材料の一覧。原材料の由来別の区分と、粉砕品・ペレットの荷姿について説明している。

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再生樹脂|輸出

Japanese Recycled PP & PP/PE Pellets — Export to Asia

アジア圏のパレットメーカー・成形メーカー向けに日本産再生ペレットを供給する案内(英語)。試験データシートと荷姿の仕様を掲載している。

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再生樹脂|食品トレー

イラン情勢と食品トレー業界一斉値上げの真相解明5社20〜30%値上げと再生材利用の現状を徹底検証

樹脂改定から製品改定への3段階の波及を検証。あわせて回収拠点数や再生原料比率といった再生材活用の到達点と課題を数値で整理している。

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上流|構造分析

ナフサ供給「目詰まり」の正体|3層構造を一次情報で解読する

供給の制約がどの層で発生しているかを3層に分けて解読。帝国データバンクの調査をもとに、影響が及びうる企業数と規模別の内訳を示している。

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上流|総論ハブ

【2026年7月4日更新】ナフサ・クライシス2026|緊急特集TOP20と反転局面、8月中旬60日期限の分岐点

ナフサ市況の全体像を継続更新している総論記事。国家備蓄の対象範囲、中東依存度の推移、エチレン原料構成の国際比較を扱う。

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上流|企業影響

トヨタ系Tier1の決算が示す「ナフサ6月懸念」 ホルムズ封鎖が突きつけた供給網の真の脆弱性

自動車部品メーカーの決算数値から、樹脂供給の変動が企業業績にどう現れるかを読み解く。過去の供給網の変動事例との性質の違いも比較する。

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価格改定|資材

建設・物流・包装資材 値上げ一覧 2026年6月|30社超・ナフサショック影響まとめ

メーカー各社の公式発表のみで構成した改定一覧。改定率に加えて、発注日ではなく出荷日を基準に新価格が適用される事例についても注記している。

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価格改定|全産業

【決定版】2026年6月1日値上げ製品主要30品目一覧|ナフサショック第二波が直撃した食品・建材・タイヤ・医薬品の一斉価格改定マップ

包装資材から食品・建材・医薬品まで、6月1日を基準日とする改定を一次情報のみでマップ化。川下の購買が直面する二重の論点を整理する。

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やさしく解説|総論

ニュースで聞く「ナフサ・クライシス2026」をやさしく解説、暮らし・食品・建材・電気代への波及【2026年6月版】

石油化学の予備知識なしで読める解説版。連産品という仕組みから、影響が時間差で複数の産業へ広がる理由を平易に説明している。

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やさしく解説|目詰まり

ナフサ不足はいつまで続くのか、目詰まりの原因と値上げが止まらない理由

上流で改善が見えても店頭価格がすぐ下がらない理由を、サプライチェーンの時間差から解説。社内共有や取引先への説明資料に使いやすい構成。

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取扱品目|フィルム

中国製ストレッチフィルム 直輸入販売|18μ 1,500円・9μ〜15μ対応 常時販売中

当社が直輸入で供給している中国製ストレッチフィルムの規格・価格・ロット条件。厚みは9μから18μまで対応し、現行品との比較検討に使える。

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取扱品目|PPバンド

PPバンド 中国製 直輸入販売|9mm 5,350円・12mm/15.5mm 5,500円 MOQ50巻 常時販売中

当社が直輸入で供給している中国製PPバンドの幅別価格と最小ロット。9mm・12mm・15.5mmの3規格を常時取り扱っている。

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取扱品目|パレット切替

【2026年緊急】サンコーYRパレット度重なる値上げ&供給不安対応|D4-1111YR-4N・D4-1012YR・R4-1111YRSの最適切替先|中部・関西・西日本×大口顧客様向け切替キャンペーン

価格改定と納期の変動が続く局面で、現行品番からの切替候補を型番単位で提示。中部・関西・西日本エリアの大口需要を対象としている。

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取扱品目|軽量パレット

JL-S4・1111E、業界最軽量クラス4.9kgのリスカジュアルパレット、小ロットから手積み手卸し脱却を実現

自重4.9kgの軽量パレット。手積み手卸しの工程を見直す際の候補として、小ロットからの導入条件と適合する荷姿を整理している。

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使用量削減|横断

物流資材の使用量削減2026|値下げ局面で効くフィルム・バンド・テープの見直し

調達先を変えずに必要量そのものを下げる手段を品目別に整理。プリストレッチ包装機の延伸機構、PPバンドの掛け本数、OPPテープの長尺化を、メーカー公表値と実測項目とあわせて解説する。

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価格改定|購買実務

価格改定の適用基準日と価格転嫁2026|発注日か出荷日かで変わる負担と取適法の新ルール

改定通知の「出荷分」「納品分」の違いが既発注案件の請求額を左右する構造を、2026年の改定12件で検証。2026年1月施行の取適法と価格転嫁率54.2%もあわせて扱う。

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CHAPTER 08調達実務で使う判断軸、発注タイミングと在庫水準

ここまでの構造分析を、日々の発注判断に落とし込む。実務で判断が必要になるのは、主に「いつ発注するか」「どれだけ持つか」「どの条件を確認するか」の3点である。

判断軸1:割当通知を受けたときの応答速度

割当供給の運用下では、取引先から割当通知を受けた際に24〜48時間以内に確定発注する運用が推奨されている。この体制では既存の取引実績が割当の前提となるため、実績のない新規発注が枠の対象外となる例が確認されている。従来の相見積もりを前提とした購買プロセスをそのまま適用すると、検討している間に枠が消化される可能性がある。

判断軸2:重要資材の在庫水準

安定供給を前提とした在庫最小化の運用は、供給が制約される局面では機能しにくい。テープ・フィルム・PPバンドといった、欠品すると出荷ラインが止まる資材については、少なくとも1.5〜2ヶ月分の在庫確保が推奨されている。これは平常時のコスト効率とは逆方向の判断であり、経営層との合意形成を前提とする。

判断軸3:価格改定の適用基準日

2026年前半の価格改定では、「発注日」ではなく「出荷日」を基準に新価格が適用される事例が多く確認された。この基準では、改定発表前に発注済みの案件であっても、納品が改定日以降にずれ込めば新価格が適用されることになる。見積書と注文請書に適用基準日の記載があるかを確認し、記載がない場合は事前に取り決めておく必要がある。

判断軸4:代替品の適合性検証を発注前に済ませる

供給が制約されてから代替品の検証を始めると、検証期間中に在庫が尽きるという時間の問題が生じる。フィルムであれば包装機のテンションと巻き芯径、テープであれば封緘機との適合、PPバンドやPETバンドであれば自動梱包機での厚みのばらつきと溶着条件。これらは実機での確認が必要であり、供給が安定している時期にサンプル評価を済ませておくことで、切り替え判断のリードタイムを短縮できる。

判断軸5:観測すべき上流指標

Chapter 02で述べた2〜6ヶ月の時間差を踏まえると、資材価格の先行指標として次の5つを継続観測する意味がある。

  • アジア市場のナフサスポット価格(樹脂改定の3〜4ヶ月前の先行指標。2026年7月14日時点では627ドル/MTの底値から反発する局面にある)
  • 国内エチレンプラントの稼働基数(12基のうち何基が通常稼働か)と、汎用樹脂の事業統合の進捗
  • 樹脂メーカーの価格改定発表(改定の1〜2ヶ月前に発表されることが多い)
  • マレーシア・中国からのフィルム輸入の納期回答と現地価格(マレーシア産は5月末から7月にかけて約18%の値下げ)
  • ホルムズ海峡の通航状況と、8月中旬に期限を迎える60日間の措置をはじめとする政策決定の日程(詳細はナフサ・クライシス2026を参照)
📌 この章のポイント

供給が制約される局面での調達判断は、単価の最適化から入手経路の確保へ重心が移る。相見積もり中心の購買プロセスは、割当供給の運用とは前提が異なるため、応答速度と在庫水準の2点で運用の見直しが必要になる。2026年7月は上流の価格が反発する一方で下流の一部品目に値下げが出ており、品目ごとに方向を確認する必要がある局面といえる。当社では品目別の在庫状況と代替候補についてご相談を承っている。

CHAPTER 09用語集

本記事および収録記事で使用する専門用語を整理する。

ナフサ
原油を精製して得られる粗製ガソリン。石油化学製品の出発原料であり、日本のエチレン原料の95%以上を占める。原油と異なり国家備蓄制度の対象外である。
ナフサクラッカー
ナフサを高温で熱分解し、エチレン・プロピレン・ブタジエン・芳香族を取り出す設備。石油化学コンビナートの中核であり、ここが減産すると下流の樹脂供給が制約される。
連産品
ひとつの原料を分解する過程で同時に生まれる複数の製品。ナフサからはエチレンだけを選んで取り出すことができないため、特定の製品だけを増産することが難しい。
LLDPE
直鎖状低密度ポリエチレン。ストレッチフィルムの主原料で、伸縮性と突き刺し強度を兼ね備える。薄膜・多層品ではメタロセン触媒を用いたmLLDPEが使われる。
PP
ポリプロピレン。プラスチックパレット、折りたたみコンテナ、PPバンドの主原料。プロピレンを重合して製造する。再生PPは国内回収材から製造される。
PET
ポリエチレンテレフタレート。飲料ボトルの素材として知られるが、結束用のPETバンドにも使われる。PPとは樹脂系統が異なるため、供給の制約を受ける経路も異なる。
OPP
二軸延伸ポリプロピレン。縦方向と横方向の二軸に延伸することで強度と透明性を高めたフィルムで、梱包用OPPテープの基材として使われる。
アロケーション
割当供給。供給量が需要を下回る局面で、メーカーが既存顧客の過去実績に応じて出荷量を配分する運用。新規の大口発注は事実上受け付けられなくなる。
フォースマジュール
不可抗力。当事者の責任によらない事由で契約履行が困難になった際に、供給義務の免責を宣言するもの。樹脂メーカーが宣言すると、契約数量の供給が保証されなくなる。
CTO / MTO
石炭からオレフィンを製造する経路(Coal to Olefins)と、メタノールを経由する経路(Methanol to Olefins)。中国で普及しており、ナフサとは別系統の原料に依拠する。
プリストレッチ
包装機内であらかじめフィルムを延伸してから荷に巻く方式。同じ荷姿を包むのに必要なフィルム量を大きく減らせるため、供給が制約される局面での使用量削減策となる。
ダウンゲージング
フィルムの厚みを薄くして使用樹脂量を減らすこと。コスト対策として行われるが、薄くするほど高い成形技術と原料グレードが必要になり、際限なく進められるものではない。
容リパレット
容器包装リサイクル法に基づいて回収された廃プラスチックを原料とするパレット。国内循環由来の原料を使うため、輸入樹脂の調達環境からの独立性が相対的に高い。
ホルムズ海峡
ペルシャ湾とオマーン湾を結ぶ海峡。世界の海上原油輸送量の約20〜25%が通過する経路であり、通航状況が原油とナフサの調達環境に直結する。

CHAPTER 10出典・エビデンス一覧

官公庁・公的機関

  • 経済産業省「中東情勢関連対策ワンストップポータル」およびナフサ輸入量に関する公表(2026年4月30日)
  • 内閣官房「中東情勢を踏まえた燃料油・石油製品の安定供給確保及び重要物資の安定的な供給確保のための対応方針」関連資料
  • 石油化学工業協会 エチレン生産・原料構成に関する統計
  • 中小企業庁「中東情勢等を踏まえた中小企業・小規模事業者向け支援について」

調査機関・業界統計

  • 帝国データバンク「ナフサ関連製品サプライチェーン動向分析調査」2026年4月17日公表(全国4万6,741社、うち資本金1億円未満4万1,417社)
  • 旭産業株式会社 ストレッチフィルム国内流通に関する調査(海外生産品比率90%以上)
  • Windward ホルムズ海峡通過タンカー数の集計
  • モノタロウ 掲載在庫状況の実調査(2026年4月26日時点)

メーカー公式発表

  • DIC株式会社 スチレン系原料価格改定(2026年3月24日発表)およびポリスチレン・スチレン系製品の価格改定(2026年5月29日発表・6月1日納入分)
  • 三菱ケミカル株式会社 アクリル酸製品およびオキソ製品の価格改定(2026年4月1日出荷分)
  • グンゼ株式会社 OPPフィルムの価格改定(2026年4月21日)
  • スリーエム ジャパン株式会社 テープ・接着剤製品の価格改定通知
  • ダイヤテックス株式会社、株式会社寺岡製作所、萩原工業株式会社、日東電工株式会社 各社の価格改定発表
  • 大倉工業株式会社、エフピコチューパ株式会社、東京インキ株式会社、東洋紡エムシー株式会社 2026年6月1日出荷分の価格改定
  • 株式会社エフピコ、中央化学株式会社、デンカポリマー株式会社 食品トレーの価格改定および再生材活用に関する公表
  • フォルモサ・プラスチックス 不可抗力宣言(2026年4月1日)

当社関連記事

CHAPTER 11よくある質問

物流資材の価格と納期は、なぜイラン情勢と連動するのですか

プラスチックパレット・ストレッチフィルム・PPバンド・OPPテープは、いずれも原油から精製されるナフサを起点とするポリエチレン(PE)・ポリプロピレン(PP)を主原料としています。2026年2月28日のホルムズ海峡事実上封鎖により中東産原油・ナフサの調達環境が変化し、樹脂価格と供給量に影響が及びました。ナフサから樹脂、樹脂から成形品へと2〜6ヶ月かけて波及するため、上流の変動が資材価格に現れるまでには時間差があります。

ストレッチフィルムとPPバンドの入手が特に難しかったのはなぜですか

原料の制約に加えて、国内の成形設備が縮小していたことが重なったためです。ストレッチフィルムは日本市場の流通量の90%以上が海外生産品で(旭産業株式会社調査)、2000年代初頭に輸入品との価格競争で国内のフィルム成形設備が大幅に縮小・撤退しました。このため国内でナフサが確保できても成形段階が制約となり、輸入シェア約7割を占めるマレーシア産の供給変動がそのまま国内需給に直結する構造となっています。

2026年7月時点で、資材価格は下がる方向に向かっているのですか

品目によって方向が分かれています。上流のナフサは底値をつけたのち反発する局面にあり、マレーシア産ストレッチフィルムでは5月末から7月にかけて約18%の値下げが確認されています。一方で7月12日にホルムズ海峡が再閉鎖されており、この影響が資材段階へ届くには2〜6ヶ月の時間差があります。上流の改善と新たな変動が同時に進行している局面のため、単一の方向で判断せず品目ごとに確認する必要があります。

再生プラスチック原料はナフサ市況の影響を受けにくいのですか

再生原料は国内で回収されたプラスチックパレット・コンテナ・容器包装材を原料とするため、中東産ナフサの調達環境から相対的に独立しています。ただし再生材の相場はバージン樹脂価格と連動して動くため、価格面での影響は受けます。食品トレー業界ではエフピコの回収拠点11,000カ所、アークス向け再生原料比率76%といった到達点が示される一方、業界全体の回収率は約30%にとどまっており、供給量には上限があります。

なぜプラスチックパレット株式会社がこの記事を書いているのですか

当社は千葉県我孫子市に本社を置く物流資材専門の商社で、プラスチックパレット・折りたたみコンテナ・PPバンド・ストレッチフィルム・再生プラスチック原料を全国のお客様へ供給しています。取り扱う資材のほぼすべてがナフサ由来の樹脂を原料とするため、原油・ナフサ市況と国際情勢は日々の調達判断そのものです。実務で確認した供給状況とメーカー各社の公式発表を、購買・調達のご担当者が判断に使える形で整理しています。

CHAPTER 12本記事の位置づけと免責事項

本記事は、当社が制作している「2026年サプライチェーン完全ガイド」シリーズのうち、物流資材カテゴリを担当するまとめ記事です。国際情勢そのものの全体像については上位ハブ記事である【イラン情勢2026完全まとめ】米・イラン対立・ホルムズ海峡と日本産業への影響を、個別品目の詳細についてはChapter 04およびChapter 07に収録した各記事をご参照ください。

免責事項
  1. 情報の時点性について|本記事の記載内容は2026年7月22日時点で確認できた公開情報に基づいています。中東情勢、原油・ナフサ価格、為替、各社の供給方針は変動するため、記載時点以降の状況を反映していない場合があります。
  2. 数値の更新可能性について|価格改定率、供給状況、在庫水準に関する数値は、各社の公式発表および調査機関の公表資料に基づく発表時点の値です。その後の追加改定や適用範囲の変更を反映していない可能性があるため、発注前に必ず取引先の最新の案内をご確認ください。
  3. 投資判断への非該当|本記事は物流資材の調達実務に資する情報提供を目的としており、特定の金融商品の売買や投資判断を推奨するものではありません。企業名・製品名の記載は事実関係の説明のためであり、当該企業の評価を示すものではありません。
  4. 要約と整理の限界について|本記事は複数の記事および一次資料を統括する構成をとっているため、各論点は要約された形で記載されています。実務判断にあたっては、Chapter 07に収録した各詳細記事および出典元の原資料をあわせてご確認ください。
  5. 引用の取り扱いについて|本記事における各社の発表内容、調査結果、統計数値は、公表資料の内容を当社が要約・整理したものです。正確な表現については各出典元の原文をご参照ください。記載に誤りを発見された場合は、お手数ですがご連絡いただけますと幸いです。
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