飛行機代が高いのはなぜ? 出張担当向けに2026年の変化を一覧で|ANA・JAL・欧州便・宿泊税
2026年は、飛行機に乗るときの費用と条件が短い間に大きく動いた年です。燃料の値段、飛ぶ経路、税金、為替という理由の違う4つの変化が重なり、「なぜ高いのか」が見えにくくなっています。本記事は出張の手配や精算を担当する方に向けて、要点と数字・時系列だけを短くまとめ、9月までの動きも加えました。詳しい内容は個別記事31本へご案内します。
- 2026年に動いたのは、燃料の値段・飛ぶ経路・税金・為替の4つです。理由はそれぞれ別ですが、同じ月の経費精算や同じ旅程の見積もりに一度に表れます。
- 燃油サーチャージ(欧米片道1人)は、4月発券分の31,900円から7〜8月発券分の65,000円まで上がり、9〜10月購入分は55,000円に下がりました(ANA)。日本〜欧州の飛行時間は、ロシア上空を通っていたころより2〜3時間長いままです。
- 7月1日に出国税(国際観光旅客税国際観光旅客税通称「出国税」です。日本から出国する人にかかる国の税金で、2026年7月1日以後の出国から1人3,000円です。2026年6月30日までに発券された航空券には、改正前の1,000円が適用される経過措置があります。)が1,000円から3,000円になり、熊本市・宮崎市で宿泊税宿泊税地方税法第5条3項にもとづき、自治体が条例で決める法定外目的税です。宿泊施設が特別徴収義務者として宿泊者から集めます。消費税は不課税で、経費処理では租税公課または旅費交通費に区分されます。が始まりました。宿泊税の施行自治体は2026年7月時点で約20で、10月1日には那須町・盛岡市でも始まります。
- 9月は燃料と為替が逆を向きました。ブレント原油は9月10日に109.09ドル/バレルまで上がった一方、7月31日の日米協調介入のあとは円高に振れています。燃油サーチャージの11月以降の額は、9月29日に当社が確認した範囲(ANA・JALの公表)ではまだ示されていません。
- 当社の記事31本を6つのテーマに分けて一覧にしました。テーマごとの詳しい内容は、下の「このまとめの記事を探す」から個別記事で読めます。
こんな方へ ── まず読むところ
- 出張の手配・見積もりを担当する方:いまの燃油サーチャージと為替は、第6章「2026年8月〜9月の動き」へ
- 経理・総務で出張費を精算する方:出国税・宿泊税と旅費規程の点検は、第2章「数字で見る2026年」と第4章「立場別の読み方ガイド」へ
- 欧州へ出張する方:飛行時間とANA・JALの欧州便、ドーハ線の運休は、第6章の「欧州便とドーハ線」へ
- 輸出入の貨物をお持ちの方:航空貨物の運賃の決まり方は、第3章のテーマ01「燃料と運賃」と第6章の運賃の物価指数へ
7〜8月は65,000円
改正前は1,000円
ロシア上空経由との比較
2027年に約50の見込み
CHAPTER 01まず全体像:2026年の飛行機代に何が起きたのか
2026年は、飛行機に乗るときの条件が短い間に動いた年でした。ただし、変化の理由はひとつではありません。もとの理由が違う4つの動きが、たまたま同じ時期に重なったというのが実態に近い見方です。
| 動いたもの | 理由 | 実務に表れる場所 |
|---|---|---|
| 燃料価格 | 2026年2月28日以降の中東情勢によるジェット燃料の急騰 | 燃油サーチャージ(正式には燃油特別付加運賃燃油特別付加運賃燃油サーチャージの正式な名前です。燃料の値段の変動分を、運賃とは別に請求する仕組みです。ANA・JALの国際線ではシンガポールケロシン価格と為替の2カ月平均で算定し、2カ月ごとに改定します。貨物では月2回改定される例があります。)、航空貨物の運賃 |
| 飛行経路 | 2022年からのロシア上空迂回に、2026年の中東空域の制限が重なった | 飛行時間、乗り継ぎ経路の選択肢、積載能力 |
| 税制 | 観光施策の財源確保を目的とした税制改正と、各自治体の条例 | 国際観光旅客税、宿泊税 |
| 為替 | 円安の進行 | 現地支出の円換算額、輸入コスト |
燃料の値段は中東情勢、税金は国会と地方議会の判断、為替は金融市場の動きで決まります。互いに関係はありませんが、実務では同じ月の経費精算や、同じ旅程の見積もりに一度に表れます。燃油サーチャージは、燃料の値上がり分を運賃とは別に払う料金です。「なぜ急に高くなったのか」という問いにひとつの答えがないのは、このためです。
CHAPTER 02数字で見る2026年
各記事で扱った主な数字を一覧にしました。2026年7月26日時点の数字で、9月までの新しい数字は第6章にまとめています。それぞれの根拠と背景は、第3章に並べた個別記事で確認できます。
燃料と運賃
| 項目 | 数値 | 時点 |
|---|---|---|
| ジェット燃料(IATA=国際航空運送協会の指標) | 1バレル209ドル → 116.63ドル | 4月3日週のピーク → 7月1日 |
| 燃油サーチャージ(欧米・片道1人) | 31,900円 → 56,000円 → 65,000円 | 4月 → 5〜6月 → 7〜8月発券分 |
| 世界の航空貨物収入(IATA見通し) | 1,620億ドル(前年比+7.2%) | 2026年見通し |
| 燃料費が営業費用に占める割合 | 31.4% | 2026年見通し |
| 国際航空貨物輸送 価格指数 | 119.1(2020年=100) | 2026年3月 |
空域と運航
| 項目 | 数値 | 時点 |
|---|---|---|
| 日本〜欧州の飛行時間の延長 | 2〜3時間 | ロシア上空経由の従前ルートとの比較 |
| ANA 羽田→ロンドン | 14時間25分 | 2023年時点の時刻表 |
| JAL フランクフルト→成田 | 13時間05分 | 2026年3月29日〜10月24日 |
| タンカリング(行き先で給油しないよう燃料を多めに積むこと)の追加燃料消費(ワイドボディ) | 4,500km飛行で約15% | ICCT 2021年研究 |
税と出張
| 項目 | 数値 | 時点 |
|---|---|---|
| 国際観光旅客税 | 1,000円 → 3,000円 | 2026年7月1日以後の出国 |
| 宿泊税の施行自治体 | 約20自治体 | 2026年7月時点 |
| 北米出張3泊5日の付帯費用 | 134,560円(日当・宿泊料の1.84倍) | 7〜8月発券分 |
| 家族4人・ハワイの増加額 | +168,000円 | 4月発券分との比較 |
| パスポート(10年旅券・電子申請) | 15,900円 → 8,900円 | 2026年7月1日以降の申請 |
為替と脱炭素
| 項目 | 数値 | 時点 |
|---|---|---|
| ドル円 | 158.85円 → 163.83円 | 4〜5月平均 → 7月24日終値 |
| SAFSAFSustainable Aviation Fuel の略で、持続可能な航空燃料のことです。廃食油やバイオマス、CO2と水素などを原料にします。つくる過程で一緒にバイオナフサができ、化学業界への供給が意義として挙げられています。(持続可能な航空燃料)混合義務(方針) | 2030年度1%以上 → 2032年度5%以上 | 2026年7月23日に方針 |
| 国産SAFの価格 | 約300円/L(従来燃料の約2.5倍) | 報道による |
CHAPTER 03テーマ別の要点と記事一覧
31本の記事を6つのテーマに分けました。影響は燃料の値段(THEME 01)から始まり、上流から下流へと伝わります。[専門版]は業務で関わる方向け、[やさしく解説]は暮らしの目線の記事です。
すべての起点です。ジェット燃料の値段が、旅客の燃油サーチャージと貨物の運賃にどう届くのかを扱います。少し遅れて反映される仕組みがポイントです。
- ジェット燃料が4月209ドルから7月116ドルへ[専門版] 更新
- 航空貨物の運賃は実重量と容積重量の大きい方で決まる[専門版] 追加
- ANA・JALの燃油サーチャージと経営への影響[専門版]
- 燃油サーチャージが片道65,000円になった本当の理由[やさしく解説] 更新
- 旅行業界を直撃した燃料ショック[専門版]
- ナフサショック下のLCC利用ガイド[専門版]
飛ぶ経路そのものの変化と、地域航空の今を扱います。飛ぶ距離が延びれば燃料が増え、積める貨物が減るという関係で、テーマ01とつながります。
- 中東の空域制限で日本〜欧州の直行便は止まったのか[専門版] 追加
- 地域航空5社が直面する燃料費の負担[専門版]
- フジドリームエアラインズ(FDA)徹底解剖[専門版]
- アイベックスエアラインズ(IBEX)徹底解剖[専門版]
- カラフルな飛行機のFDAをやさしく解説[やさしく解説]
- アイベックスエアラインズをやさしく解説[やさしく解説]
燃料とは別の理由で動いた税金と、出張1回あたりの総額を扱います。旅費規程で決めていない部分が費用を動かす仕組みを見ます。
- 宿泊税の全国導入実態と出張経費の処理[専門版] 更新
- 出張旅費規程は2026年の実態に合っているか[専門版] 追加
- 2026年宿泊税ラッシュと出国税3倍をやさしく解説[やさしく解説] 更新
- 2026年海外旅行の値上げをやさしく解説[やさしく解説] 追加
円安が輸入と海外出張に与える影響と、訪日客をめぐる制度の変更です。日本から出る側と、入ってくる側の両方を扱います。
- 為替9通貨の推移と輸入・海外出張への影響[専門版]
- イラン情勢とインバウンド消費への影響[専門版]
- 訪日ビザ手数料の改定とインバウンドへの影響[専門版]
- 為替の二層構造をやさしく解説[やさしく解説]
- 2026年インバウンド構造変化をやさしく解説[やさしく解説]
- 訪日ビザ手数料の改定をやさしく解説[やさしく解説]
- W杯観戦と燃油高・円安・ビザ[専門版]
- W杯観戦クライシスをやさしく解説[やさしく解説]
SAF(持続可能な航空燃料)の混合義務という制度のつくり方です。SAFと一緒にできるバイオナフサが樹脂原料につながる点で、当社の事業とも関係があります。
- なぜSAFの義務は燃料供給側に課されたのか[専門版] 追加
テーマパークの入場料、夏の花火大会の屋台、秋の食のイベント、旅行の支援策など、出張以外の旅行・レジャーの費用がどう変わったかを扱います。燃料や食材の値上がりが、遊びに行く費用にどう届いたかがポイントです。
- ディズニーのチケットはなぜ上がるのか[専門版]
- ディズニーの値上げをやさしく解説[やさしく解説]
- ホルムズ海峡情勢と花火大会[専門版]
- 夏の花火と屋台をやさしく解説[やさしく解説]
- さっぽろオータムフェストの費用[やさしく解説]
- 九州ふっこう応援割でいくら安くなるのか[やさしく解説]
キーワードで探したいときは、ページ上部の「このまとめの記事を探す」を使うと早く見つかります。
CHAPTER 04立場別の読み方ガイド
よくある4つの立場ごとに、読み始める記事をご案内します。
- 「出張旅費規程は2026年の実態に合っているか」で、規程で決めていない部分が費用を動かす仕組みを確認できます
- 「宿泊税の全国導入実態と出張経費の処理」で、自治体別の税率と仕訳の区分を確認できます
- 出国税の経過措置(6月30日までの発券は1,000円)は、精算時の金額の違いを説明する材料になります
- 9〜10月発券分の燃油サーチャージと、ANA・JALの下期の欧州便は、本記事の第6章にまとめています
- 「燃油サーチャージが片道65,000円になった本当の理由」で、発券日発券日航空券を購入し、支払いを済ませた日です。燃油サーチャージと国際観光旅客税の額は、出発日ではなくこの発券日を基準に決まります。で金額が決まる仕組みがわかります
- 「中東の空域制限で日本〜欧州の直行便は止まったのか」で、経路と所要時間の今の状況を確認できます
- 「為替9通貨の推移と輸入・海外出張への影響」は、現地支出の見積もりの参考になります
- 「航空貨物の運賃は実重量と容積重量の大きい方で決まる」で、自社の荷姿がどちらで課金されるかを判定できます
- 「ジェット燃料が4月209ドルから7月116ドルへ」で、運賃の起点になる燃料の値段の推移を確認できます
- 「なぜSAFの義務は燃料供給側に課されたのか」で、中長期の費用の変化を確認できます
- 「2026年海外旅行の値上げをやさしく解説」で、家族4人での試算を確認できます
- 「2026年宿泊税ラッシュと出国税3倍をやさしく解説」で、宿泊時と出国時にかかる税を確認できます
CHAPTER 05時系列で見る2026年
各記事で扱った出来事を、時間の順に並べました。理由の違う変化が、同じ時期に重なっていることがわかります。8月〜9月の行は、2026年9月29日に当社が確認できた資料で書き足しました。
2026年前半
| 時期 | できごと | 分野 |
|---|---|---|
| 2月28日 | 米国・イスラエルによるイランへの攻撃が開始。中東各国が空域を制限 | 空域・燃料 |
| 3月2日まで | サウディアが8都市発着便の欠航を発表 | 空域 |
| 4月3日の週 | ジェット燃料が1バレル209ドルのピークをつける | 燃料 |
| 4月発券分 | 燃油サーチャージ(欧米片道)31,900円 | 運賃 |
| 4月10日・11日まで | JALが羽田〜ドーハ線の運航停止を案内 | 空域 |
| 4月17日 | 資源エネルギー庁がSAFに関する取組の現状を公表 | 脱炭素 |
| 5〜6月発券分 | 燃油サーチャージ(欧米片道)56,000円 | 運賃 |
| 6月上旬 | IATA年次総会。2026年の航空貨物収入1,620億ドル、燃料費が営業費用の31.4%を占める見通しを公表 | 燃料・運賃 |
| 6月12日 | JALが7〜8月発券分の燃油特別付加運賃の改定を申請。算定為替は158.85円 | 運賃 |
| 6月30日 | 国際観光旅客税の経過措置の期限。この日までの発券は1,000円が適用。東京都の宿泊税定率3%化が総務大臣同意との報道 | 税制 |
2026年7月 ── 変化が集中した月
| 時期 | できごと | 分野 |
|---|---|---|
| 7月1日 | 国際観光旅客税が1,000円から3,000円へ | 税制 |
| 7月1日 | 熊本市・宮崎市で宿泊税の徴収を開始。熊本市は1人1泊200円、県内初 | 税制 |
| 7月1日 | パスポート手数料を引き下げ。18歳以上の10年旅券が7,000円減額 | 税制 |
| 7月1日 | ジェット燃料が116.63ドルまで低下(4月のピーク比で約44%減) | 燃料 |
| 7〜8月発券分 | 燃油サーチャージ(欧米片道)65,000円。4月比で約2倍 | 運賃 |
| 7月12日 | ホルムズ海峡の再閉鎖。原油相場が反発 | 燃料 |
| 7月23日 | 経済産業省・国土交通省がSAF混合義務の方針を提示。7空港の国際線で2030年度1%以上 | 脱炭素 |
| 7月24日 | ドル円がニューヨーク市場で163.83円の終値 | 為替 |
| 7月31日 | 日米が協調介入を実施(そろって円買いの為替介入)。8月3日のドル円は155.22円。7月24日の163.83円から円高方向へ転じる | 為替 |
2026年8月〜9月
| 時期 | できごと | 分野 |
|---|---|---|
| 8月18日 | JALが9〜10月発券分の燃油特別付加運賃を発表(6〜7月の平均:シンガポールケロシン132.50米ドル/バレル、161.63円/ドル)。11月以降発券分は10月に案内予定 | 運賃 |
| 8月18日 | ANA・JALが2026年度下期の路線計画を発表。JALは欧州直行便の座席を前年から16%増やし、羽田=ドーハ線は下期も運休。ANAは国際線の便数を前年同期比104%に | 空域 |
| 8月31日 | EASA(欧州航空安全機関)がペルシャ湾・オマーン湾の空域についての注意情報を改訂(有効期限9月30日) | 空域 |
| 9月8日 | サウジアラビアの石油施設が攻撃を受け73人が負傷。同日のブレント原油は97.92ドル/バレル | 燃料 |
| 9月10日 | ブレント原油が109.09ドル/バレルに到達。サウジアラビアの8月産油量は日量623.8万バレル、前月比190万バレル減で1990年以来36年ぶりの低水準 | 燃料 |
| 9月11日 | 日本銀行が2026年8月の企業物価指数を公表。石油・石炭製品は前年比+14.7%、輸入物価の前月比は円ベース−3.0%・契約通貨ベース−1.0% | 為替 |
| 9月13日週 | 税関長公示レート税関長公示レート輸入品の税金を計算するときに使う為替レートです。税関が週ごとに示し、前々週の実勢の平均で決まります。が158.81円。8月2日週の163.16円から当社計算で4.35円の円高 | 為替 |
| 9月16日 | ANAが9〜10月購入分の燃油特別付加運賃を掲載(欧州・北米片道55,000円、7〜8月は65,000円)。同日、JNTOが8月の訪日外客数3,098,900人(前年同月比9.6%減)を発表 | 運賃 |
| 9月18日までの週 | ジェット燃料の世界平均が194.90ドル/バレル(前週比+7.4%、報道) | 燃料 |
| 9月18日 | 那須町が10月1日からの宿泊税(1人1泊100円〜3,000円の6段階)を案内 | 税制 |
| 9月27日〜10月3日 | 税関長公示レートが155.39円 | 為替 |
| 9月28日 | 日本銀行が8月の企業向けサービス価格指数企業向けサービス価格指数企業どうしで取引されるサービスの値段の動きを示す、日本銀行の統計です。国際航空の旅客輸送・貨物輸送の値段も含まれ、2020年の平均を100として示します。を公表。国際航空貨物輸送は前年比+32.0%・前月比−7.1% | 運賃 |
2026年後半以降の予定
| 時期 | 予定されていること | 分野 |
|---|---|---|
| 2026年10月 | JALが11月以降発券分の燃油特別付加運賃を案内する予定(8月18日発表。9〜10月発券分の額は第6章) | 運賃 |
| 2026年10月1日 | 栃木県那須町・岩手県盛岡市で宿泊税の徴収開始。シンガポールでSAF Levy(SAFの費用にあてる課金)の徴収開始 | 税制・脱炭素 |
| 2026年10月下旬 | 冬ダイヤへ切り替え(所要時間と便数の見直し)。ANAの下期計画は10月25日から(羽田=ミラノ線は下期内に毎日運航へ) | 空域 |
| 2026年11月1日 | 北海道ニセコ町の宿泊税を改定 | 税制 |
| 2026年末 | 2030年の国産SAF大規模供給に向けた最終投資決定の期限とされる | 脱炭素 |
| 2027年2月1日 | 沖縄県で宿泊税の徴収開始 | 税制 |
| 2027年3月末 | SAF混合義務の詳細な制度設計が完了する予定 | 脱炭素 |
| 2027年 | CORSIACORSIA国際航空のためのカーボン・オフセットおよび削減制度です。ICAO(国際民間航空機関)が定める枠組みで、2026年までは自主参加、2027年以降は強制参加とされています。(国際線のCO2排出を相殺する制度)が強制参加へ移行。韓国のSAF混合義務が開始 | 脱炭素 |
CHAPTER 062026年8月〜9月の動き
7月26日の公開のあと、8月から9月28日までに分かったことを、2026年9月29日に当社が確認できた資料だけでまとめました(9月13日の追補を含みます)。第1章の4つの動きのうち、燃料と為替は7月とは逆の向きに動いています。日々の値・週の値・月の平均は種類の違う数字なので、表を分けて示します。
燃油サーチャージ:9〜10月発券分は下がりました
ANAの公式サイト(9月16日更新)では、欧州・北米・中東・オセアニア路線の燃油特別付加運賃は、2026年9月1日〜10月31日購入分が片道1人55,000円です。7〜8月の65,000円から当社計算で10,000円(約15%)下がりました。
| 購入(発券)した時期 | 欧州・北米・中東・オセアニア(日本発・片道1人) |
|---|---|
| 2026年4月 | 31,900円 |
| 2026年5〜6月 | 56,000円 |
| 2026年7〜8月 | 65,000円 |
| 2026年9〜10月 | 55,000円 |
JALの8月18日の発表では、9〜10月発券分は6〜7月の平均(シンガポールケロシン1バレル132.50米ドル、為替1米ドル161.63円、円換算21,417円)をもとに決まっています。つまり、9月に燃料が上がった分は9〜10月発券分にはまだ入っていません。JALは11月以降発券分を2026年10月に案内する予定としており、その金額は9月29日時点では確認できていません。ANAの9〜10月購入分のほかの路線は次のとおりです。
| 路線(日本発) | 9〜10月購入分(片道1人) |
|---|---|
| ハワイ・インド・インドネシア | 35,800円 |
| タイ・シンガポール・マレーシアなど | 27,300円 |
| ベトナム・グアム・フィリピンなど | 19,300円 |
| 東アジア(韓国を除く) | 14,300円 |
| 韓国・ロシア(ウラジオストク) | 6,500円 |
10月15日、ANAとJALは、2026年11月1日〜12月31日に購入(発券)する国際線の燃油特別付加運賃を発表しました。欧州・北米・中東・オセアニア路線(日本発・片道1人)は、両社とも62,000円です。ANAの公式サイトの9〜10月購入分55,000円と比べると、当社計算で7,000円高い金額です。どちらも国土交通省に申請中(政府認可申請中)の金額で、認可の状況により金額や時期が変わる場合があるとされています。
JALの10月15日の発表では、11〜12月発券分は8〜9月の平均(シンガポールケロシン1バレル159.19米ドル、為替1米ドル157.61円、円換算25,089円)をもとにしています。この水準では本来「ゾーンT(25,000円基準)」にあたりますが、1段下の「ゾーンS(24,000円基準)」の金額にするとしています。
燃料と為替:7月とは逆の向き
| 項目 | 7月26日時点の記述 | 2026年9月の実際 |
|---|---|---|
| 原油 | 7月12日のホルムズ海峡再閉鎖で反発 | 9月10日にブレントが109.09ドル/バレル。9月8日の97.92ドルから当社計算で+11.4% |
| ジェット燃料 | 7月1日に116.63ドル/バレル(IATA指標) | 9月18日までの週の世界平均が194.90ドル/バレル(前週181.47ドルから+7.4%)。同じ週の地域別では欧州207.57ドルが最も高く、中東177.36ドルが最も安い(Jet Fuel Price Monitor を引用した報道) |
| 供給 | 中東空域の制限が続く | サウジアラビアの8月産油量が日量623.8万バレル。前月比190万バレル減で1990年以来36年ぶりの低水準 |
| 為替 | 7月24日のドル円は163.83円。円安が現地支出を押し上げる | 7月31日の日米協調介入以降は円高。税関長公示レートは8月2日週の163.16円から9月13日週の158.81円へ(当社計算で4.35円の円高)。9月27日〜10月3日は155.39円(8月2日週から当社計算で7.77円の円高) |
世界銀行の月次統計(Pink Sheet 9月号)では、8月のブレント原油の月平均は90.9ドル/バレルでした。上の表の9月10日の109.09ドルは日々の値で、月平均とは種類の違う数字です。
7月までは4つの変化が同じ方向に効いて総額を押し上げていましたが、2026年9月は燃料は上昇、為替は円高です。燃油サーチャージは燃料の値段と為替の2つで算定されるため、改定の幅は一方向のときほど大きくなりません。ただし為替の反映には時差があり、どう相殺されるかは次の改定額が案内されるまで確定しません。
欧州便とドーハ線
- JAL:8月18日に2026年度下期の路線計画を発表しました。欧州直行便の提供座席数を前年から16%増やし、ヘルシンキ線を冬も毎日運航します。2月末から止めている羽田=ドーハ線は「運航再開の見通しが立たない」として下期も運休とし、カタール航空との共同運航で補います。自社運航の再開は2027年度が目標です。
- ANA:同じ8月18日に、2026年度下期の国際線の運航便数を前年同期比104%に増やし、下期内に羽田=ミラノ線を増便して毎日運航にすると発表しました。主な変更は10月25日からです。
- 空域:EASA(欧州航空安全機関)は、バーレーン・クウェート・カタール・UAE・オマーンの空域についての注意情報を8月31日に改訂し、有効期限を9月30日としました。
日本〜欧州の飛行時間が、ロシア上空を通っていたころより2〜3時間長いこと(第2章)は変わっていません。冬ダイヤでの具体的な所要時間は、9月29日時点では当社では確認できていません。
運賃の物価指数と、出張・貨物への効き方
日本銀行の企業向けサービス価格指数(9月28日公表、8月速報)では、国際航空の旅客と貨物の値段は、前年より大きく高い水準のままです。貨物は2か月続けて前月より下がりました。第2章の国際航空貨物輸送119.1(2026年3月)は二次資料経由の値のため、ここでは並べて比べていません。
| 品目(2020年=100) | 2026年7月 | 2026年8月 | 8月の前年比 | 8月の前月比 |
|---|---|---|---|---|
| 国際航空旅客輸送 | 155.6 | 155.7 | +23.9% | +0.1% |
| 国際航空貨物輸送 | 132.7 | 123.3 | +32.0% | −7.1% |
| 対象 | 効き方 |
|---|---|
| 燃油サーチャージ | シンガポールケロシン価格と為替の2か月平均で算定されます。原油の上昇は押し上げ、円高は押し下げに働きます |
| 航空貨物の運賃 | 同じく燃料が起点です。課金重量課金重量航空貨物の運賃計算に使う重さです。実際の重さと容積重量を比べ、大きい方が使われます。容積重量は一般に縦×横×高さ(cm)÷6000で求めます。(第7章の用語集を参照)の考え方そのものは変わりません |
| 海外出張の現地支出 | 円高は円換算額を押し下げます。日本銀行の2026年8月の企業物価指数では輸入物価の前月比が円ベース−3.0%、契約通貨ベース−1.0%で、差の2.0ポイントが円高による押し下げ分です(当社計算) |
| 税制 | 国際観光旅客税3,000円と宿泊税は、燃料や為替とは関係なく決まっています。那須町・盛岡市の宿泊税は2026年10月1日に徴収が始まります |
なお同じ指数で、石油・石炭製品は前年比+14.7%です。前年比で見ると輸入物価は円ベース+24.8%・契約通貨ベース+16.7%で差は+8.1ポイントとなり、1か月単位では円高が下げ要因、1年単位では円安が上げ要因という二重の構造になります。出張旅費規程の見直しや運賃の交渉では、前月比と前年比のどちらで比べているかを先にそろえておく必要があります。
旅行者の数と宿泊税
日本政府観光局(JNTO)の9月16日の発表では、8月の訪日外客数は3,098,900人で前年同月比9.6%減でした。JNTOは「航空便の減便や台風による欠航等もあり、一部市場で訪日外客数は前年同月を下回った」としています。8月に海外へ出た日本人は1,588,600人(前年同月比3.6%減)でした。
10月1日からは、那須町(栃木県)と盛岡市(岩手県)で宿泊税が始まります。盛岡市は1人1泊200円です。那須町は宿泊料金に応じた6段階で、12歳未満と学校行事の修学旅行などは免除です(那須町、9月18日掲載)。
| 1人1泊の宿泊料金(那須町) | 宿泊税 |
|---|---|
| 1万円未満 | 100円 |
| 1万円以上 | 300円 |
| 2万円以上 | 500円 |
| 3万円以上 | 800円 |
| 5万円以上 | 1,500円 |
| 10万円以上 | 3,000円 |
確認できていないこと。9月13日の追補の時点では、2026年8月・9月のジェット燃料(IATA指標)の水準、9月以降発券分の燃油特別付加運賃の実額、国際航空貨物の運賃指数の直近値を、当社では一次資料で確認できていませんでした。9月29日の時点では、燃油特別付加運賃(9〜10月発券分)と運賃の物価指数(8月)は一次資料で確認できました。ジェット燃料は報道で確認した値で、IATAのページ本体では週の日付を確認できていません。11月以降発券分の燃油特別付加運賃、JALの9〜10月発券分の路線別の金額、8〜9月に新しく総務大臣の同意を得た宿泊税の自治体、フォワーダー(航空貨物の取次業者)の9月の運賃表は確認できていません。第2章の数字は2026年7月26日時点の内容で、第5章の時系列は同じ時点の内容に8〜9月分を書き足したものです。
用語集14語
燃油サーチャージの正式な名前です。燃料の値段の変動分を、運賃とは別に請求する仕組みです。ANA・JALの国際線ではシンガポールケロシン価格と為替の2カ月平均で算定し、2カ月ごとに改定します。貨物では月2回改定される例があります。
通称「出国税」です。日本から出国する人にかかる国の税金で、2026年7月1日以後の出国から1人3,000円です。2026年6月30日までに発券された航空券には、改正前の1,000円が適用される経過措置があります。
航空券を購入し、支払いを済ませた日です。燃油サーチャージと国際観光旅客税の額は、出発日ではなくこの発券日を基準に決まります。
航空貨物の運賃計算に使う重さです。実際の重さと容積重量を比べ、大きい方が使われます。容積重量は一般に縦×横×高さ(cm)÷6000で求めます。
旅客機の客室の床下にある貨物室です。旅客便の運航がそのまま貨物のスペースに影響するため、減便すると積める貨物が直接減ります。
ロシア上空を避ける2つの経路です。北回りはアラスカ・グリーンランドなど北極圏に近い空域を、南回りはトルコ・中央アジアからカスピ海周辺を通ります。偏西風の向きにより、日本発は北回り、欧州発は南回りが使われることが多いです。
航空機が積める旅客・貨物・郵便物の総重量です。最大離陸重量から機体と燃料の重さを差し引いた残りで、飛ぶ距離が延びて燃料が増えるほど少なくなります。
地方税法第5条3項にもとづき、自治体が条例で決める法定外目的税です。宿泊施設が特別徴収義務者として宿泊者から集めます。消費税は不課税で、経費処理では租税公課または旅費交通費に区分されます。
インボイス制度の例外の決まりです。旅費規程にもとづく出張で通常必要と認められる範囲の宿泊費・交通費は、インボイスを保存しなくても、帳簿だけで仕入税額控除ができます。
Sustainable Aviation Fuel の略で、持続可能な航空燃料のことです。廃食油やバイオマス、CO2と水素などを原料にします。つくる過程で一緒にバイオナフサができ、化学業界への供給が意義として挙げられています。
国際航空のためのカーボン・オフセットおよび削減制度です。ICAO(国際民間航空機関)が定める枠組みで、2026年までは自主参加、2027年以降は強制参加とされています。
生木からつくった木材こん包材を対象とする国際基準です。熱処理または燻蒸処理と、処理済みマークの表示が求められます。プラスチック製など木材でない梱包材は、そもそも対象に含まれません。
輸入品の税金を計算するときに使う為替レートです。税関が週ごとに示し、前々週の実勢の平均で決まります。
企業どうしで取引されるサービスの値段の動きを示す、日本銀行の統計です。国際航空の旅客輸送・貨物輸送の値段も含まれ、2020年の平均を100として示します。
出典・エビデンス一覧33件
本記事は当社の既存記事31本を整理したもので、個々の数字の出典は各記事に書いています。ここでは、複数の記事にまたがって参照した主な資料と、第6章で使った資料を挙げます。
一次資料(当社が直接取得して確認したもの)
- ANA(全日本空輸)公式サイト「燃油特別付加運賃 / 航空保険特別料金について」2026年6月30日更新(路線区分別の燃油サーチャージ、航空保険特別料金)|https://www.ana.co.jp/ja/jp/guide/plan/charge/fuelsurcharge/
- 日本航空 プレスリリース第26025号「JAL/JTA国際線『燃油特別付加運賃』の改定を申請(2026年7月〜8月発券分)」2026年6月12日(算定為替158.85円、9月以降発券分の案内予定)|https://press.jal.co.jp/ja/release/202606/009574.html
- 国土交通省 航空局・経済産業省 資源エネルギー庁「第8回持続可能な航空燃料(SAF)官民協議会 事務局説明資料」令和8年1月28日(航空法の制約、諸外国のSAF義務量、タンカリング規制、SAFへの投資の意義)|資料PDF
- 植物検疫措置に関する国際基準 ISPM 15「国際貿易における木材こん包材の規制」2018年採択(農林水産省 横浜植物防疫所による仮訳)|仮訳PDF
公的機関(確認先)
- 国税庁「No.6459 出張旅費、宿泊費、日当、通勤手当などの取扱い」|https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6459.htm
- 総務省「地方税制度 - 法定外税」
- 農林水産省 植物防疫所「木材こん包材の輸出入」|https://www.maff.go.jp/pps/j/konpozai/index.html
- 外務省「パスポート(旅券)」|https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/passport/
- 外務省 海外安全ホームページ|https://www.anzen.mofa.go.jp/
統計・業界団体(二次ソース経由で参照)
- IATA(国際航空運送協会)第82回年次総会で公表された2026年見通し(航空貨物収入1,620億ドル、燃料費が営業費用の31.4%、ジェット燃料価格の推移)
- 日本銀行「企業向けサービス価格指数」のうち国際航空貨物輸送(2026年3月時点119.1)
- 産労総合研究所「2025年度 国内・海外出張旅費に関する調査」(調査期間2025年6〜8月)
- 航空貨物フォワーダー主要5社の日本発輸出航空混載重量(2026年5月45,394トン)
2026年9月13日の追補分
- 国際エネルギー機関「Oil Market Report」2026年9月版(湾岸諸国の8月石油輸出 日量約1,300万バレル、停止中の生産 日量1,000万バレル超)
- 日本銀行「企業物価指数」2026年8月速報・2026年9月11日公表(石油・石炭製品 前年比+14.7%、輸入物価 前月比 円ベース−3.0%/契約通貨ベース−1.0%)
- Breakwave Advisors 2026年9月8日(ホルムズ海峡通航の戦争リスク保険料 船体価格の7.5〜12.5%、情勢前 約0.25%)
- 税関 税関長公示レート(2026年8月2日週〜9月13日週)。関税定率法にもとづき前々週の実勢平均で決定される
- Al-Monitor 2026年9月10日(サウジアラビアの8月産油量 日量623.8万バレル、9月8日の石油施設攻撃)
- 米国エネルギー情報局「Short-Term Energy Outlook」2026年9月版(2026年下期のブレント想定平均 約90ドル)
- Trading Economics(ブレント原油のスポット価格)。当社が2026年9月10日〜12日に同ページで確認した表示値。同サイトは掲載する原油価格を公式のベンチマークではないCFD・OTCベースの価格と明記しており、統計表に日付列がない
- ドル円の2026年8月3日 155.22円は当社既存記事の記録による
2026年9月29日の更新分(第6章「2026年8月〜9月の動き」)
- ANA(全日本空輸)公式サイト「燃油特別付加運賃 / 航空保険特別料金について」2026年9月16日更新(2026年9月1日〜10月31日購入分)|https://www.ana.co.jp/ja/jp/guide/plan/charge/fuelsurcharge/
- 日本航空 プレスリリース第26043号「JAL/JTA国際線『燃油特別付加運賃』の改定を申請(2026年9月〜10月発券分)」2026年8月18日|https://press.jal.co.jp/ja/release/202608/009666.html
- 日本航空 プレスリリース第26042号「2026年度 下期のJALグループ路線便数計画を一部変更」2026年8月18日|https://press.jal.co.jp/ja/release/202608/009668.html
- ANAホールディングス 第26-024号「2026年度下期 ANAグループ航空輸送事業計画を一部変更」2026年8月18日|https://www.anahd.co.jp/group/pr/202608/20260818.html
- 日本銀行「企業向けサービス価格指数(2026年8月速報)」2026年9月28日|資料PDF
- 日本政府観光局(JNTO)「訪日外客数(2026年8月推計値)」2026年9月16日|https://www.jnto.go.jp/news/press/20260916_montly.html
- 税関「外国為替相場(課税価格の換算)」2026年9月27日〜10月3日適用分|https://www.customs.go.jp/tetsuzuki/kawase/index.htm
- 那須町「那須町宿泊税の導入について」2026年9月18日掲載|https://www.town.nasu.lg.jp/0040/info-0000004060-1.html
- 盛岡市「宿泊税の導入について」2026年3月27日更新|https://www.city.morioka.iwate.jp/kurashi/zeikin/1054638/1054408.html
- EASA(欧州航空安全機関)CZIB-2026-07R2「Airspace of the Persian Gulf and Gulf of Oman」2026年8月31日改訂|https://www.easa.europa.eu/en/domains/air-operations/czibs/czib-2026-07r2
- 世界銀行「Commodity Price Data (The Pink Sheet)」2026年9月号(8月のブレント原油の月平均)|資料PDF
- Jet Fuel Price Monitor(IATA)を引用した報道:Oman Observer 2026年9月23日|記事/Cargo Facts 2026年9月24日|記事
CHAPTER 09よくある質問(7問)
この記事にはどんな内容が収録されていますか。
2026年の航空と出張をめぐる変化を扱った当社の記事31本を、6つのテーマに整理したまとめです。テーマは、燃料と運賃、空域と運航、税と出張、為替とインバウンド、脱炭素と航空燃料、旅行・レジャーの費用の6つです。内訳は専門版が18本、やさしく解説版が13本です。第3章にテーマ別の要点と記事一覧、第4章に立場ごとの読み方ガイド、第6章に2026年8月〜9月の動きを載せています。
2026年に航空と出張のコストで何が変わったのですか。
主なものは4つあります。第一に燃油サーチャージで、ANA公式サイトによると欧州・北米路線の日本発片道が2026年4月発券分の31,900円から7〜8月発券分の65,000円になり、9〜10月購入分は55,000円です。第二に国際観光旅客税(出国税)で、7月1日以後の出国から1人1,000円が3,000円になりました。第三に宿泊税で、7月1日に熊本市・宮崎市が導入し、施行中の自治体は7月時点で約20です。10月1日には那須町・盛岡市でも始まります。第四に為替で、7月までは円安が現地支出の円換算額を押し上げていましたが、7月31日の日米協調介入のあとは円高に振れています。
どの記事から読めばよいですか。
立場によって出発点が変わります。経理・総務のご担当者は出張旅費規程を扱った記事から、輸出入の貨物をお持ちの方は航空貨物の運賃を扱った記事から読むと、実務に直結します。個人で旅行を計画されている方は、やさしく解説版の海外旅行の記事が入口として分かりやすい構成です。航空業界そのものに関心がある方は、ジェット燃料の市況を扱った記事が全体の起点になります。第4章に立場別の読み方ガイドを用意しています。
専門版とやさしく解説版はどう違うのですか。
同じ主題を扱う場合でも、想定する読者と書き方が異なります。専門版は業務でこの分野に関わる方に向けて、数値と出典を細かく示し、実務の判断に使える形で整理しています。やさしく解説版は専門用語を避け、身近な例えを交えながら、暮らしの目線で要点を絞って解説しています。宿泊税のように両方を用意している主題では、まずやさしく解説版で全体をつかみ、必要に応じて専門版で詳しく確認する読み方ができます。
2026年9月に原油がまた上がりました。燃油サーチャージはどうなりますか。
上流の燃料は再び上がっています。ブレント原油は2026年9月10日に109.09ドル/バレルとなり、9月8日の97.92ドルから当社計算で11.4%の上昇です。ジェット燃料の世界平均も、9月18日までの週に194.90ドル/バレル(前週比+7.4%、Jet Fuel Price Monitor を引用した報道)でした。ただし燃油特別付加運賃はシンガポールケロシン価格と為替の2か月平均で決まるため、燃料だけでは決まりません。9〜10月発券分は6〜7月の平均(1バレル132.50米ドル、1米ドル161.63円、JAL発表)で算定され、ANAの欧州・北米片道は55,000円と7〜8月の65,000円から下がりました。7月31日の日米協調介入以降は円高に振れており、税関長公示レートは8月2日週の163.16円から9月27日〜10月3日の155.39円まで下がっています。JALは11月以降発券分を10月に案内する予定で、その金額は9月29日時点では確認できていません。詳しくは第6章をご覧ください。
欧州への出張便はどうなっていますか。
日本〜欧州の飛行時間は、ロシア上空を通っていたころより2〜3時間長いままです。JALは8月18日、2026年度下期に欧州直行便の提供座席数を前年から16%増やし、ヘルシンキ線を冬も毎日運航すると発表しました。一方で羽田=ドーハ線は運航再開の見通しが立たず、下期も運休とし、カタール航空との共同運航で補います(自社運航の再開は2027年度が目標)。ANAも同じ日に、国際線の運航便数を前年同期比104%に増やし、下期内に羽田=ミラノ線を毎日運航にすると発表しました。詳しくは第6章をご覧ください。
なぜプラスチックパレット株式会社がこの記事を書いているのですか。
当社は千葉県我孫子市を拠点に、プラスチックパレット・再生樹脂原料・PPバンド・ストレッチフィルムなどの物流資材を取り扱っています。輸出梱包に使うパレットは航空貨物でも使われ、海外の仕入先とのやりとりや全国の拠点への出張も日常的にあります。燃料価格、運賃、税制、為替はいずれも当社の実務に直接関わるため、社内で確認している内容を整理して発信しています。同じ論点に向き合う製造業・物流業の方のお役に立てば幸いです。
CHAPTER 10この記事について
本記事は、当社がこれまでに公開した航空・出張関連の記事31本(専門版18本・やさしく解説版13本)を6つのテーマに整理したまとめです。第6章と第5章の8〜9月の行は2026年9月29日に当社が確認した資料により、そのほかの章の数字は主に2026年7月26日時点の内容です。運賃・税・為替はその後も変わるため、実際の手配や精算では最新の情報をご確認ください。
各記事の紹介文は概要ですので、詳しい内容は各記事の本文をご覧ください。個々の数字の出典と計算の前提は各記事に書いており、当社による試算は前提条件を示したうえでの概算である旨を、各記事の免責に記しています。
文:プラスチックパレット株式会社 編集部
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