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『2026年航空券の値上がり』をやさしく解説、燃油サーチャージ65,000円の理由と9月以降の見通し

この記事は2026年8月7日に更新した内容です。

イラン情勢はその後も動いています。2026年7月31日の日米協調介入による円高と、9月の原油100ドル再突破・サウジアラビアの産油量が前月比190万バレル減までの推移は、【イラン情勢2026完全まとめ】のCh09で整理しています。

YASASHIKU KAISETSU / やさしく解説シリーズ

『2026年航空券の値上がり』をやさしく解説、燃油サーチャージ65,000円の理由と9月以降の見通し

「燃油サーチャージって何?」「なぜこんなに高いの?」「これから下がるの?」。2026年7〜8月発券分で欧米路線は片道65,000円、往復13万円になりました。ここまで上がった理由と、9月以降の金額を決める材料がいまどうなっているかを、路線別の実額や発券日のルールもあわせて、専門用語を避けて暮らし目線でやさしく解説します。

初版公開: 最終更新: カテゴリ:やさしく解説シリーズ
この記事の3つのポイント
  • 2026年7〜8月に発券する航空券の燃油サーチャージは、欧州・北米・中東・オセアニア路線で片道65,000円です。5〜6月の56,000円から9,000円上がり、往復では13万円になりました。マイルを使った特典航空券でも同じ金額がかかります。
  • 金額は、シンガポール市場のジェット燃料価格と為替の2カ月平均で決まります。7〜8月分の算定に使われた2026年4〜5月の平均は1バレル178.21米ドル、1米ドル158.85円で、円に換算すると28,308円でした。なお2026年5月に、この金額を反映するタイミングが1カ月早まる形にルールが変更されています。
  • 9月以降の金額は2026年8月に案内される予定で、算定に使われるのは6〜7月の平均です。この期間の燃料価格は6月直近で139米ドルと報じられており、4〜5月の178.21米ドルより明確に低い水準にあります。一方で為替は円安が進んでおり、どちらが上回るかが焦点です。
かんたんに言うと

2026年7〜8月発券分の燃油サーチャージは欧米路線で片道65,000円です。算定に使った4〜5月のジェット燃料は1バレル178.21米ドルでした。9月以降の算定期間である6月直近は139米ドルと明確に低い一方、為替は163円台へ円安が進んでいます。

📌 2026年8月7日 更新 ── 前回(7月31日)からの変更点

1. 9月・10月発券分は値下げの方針と報じられました。共同通信が2026年8月5日、ANAとJALが9月・10月発券分を値下げする方針を固めたと報道。ただし正式な金額はまだ未発表です。▶ 詳しく見る

2. 7月31日に日米が協調して円買い介入を行いました。ドル円は8月3日に一時155.22円まで下落し、8月7日朝は158.41円。7月24日の163.83円から円高方向へ反転しています。▶ 詳しく見る

3. この円高は9月分には効きません。9〜10月発券分の算定は6〜7月の平均のためです。効いてくるのは11〜12月発券分です。▶ 詳しく見る

※ 第1章〜第10章の金額は2026年7〜8月発券分のもので、変更していません。

欧米路線 片道
65,000
2026年7〜8月発券分
ANA公式
算定に使った燃料価格
178.21ドル
2026年4〜5月平均・1バレル
JAL発表・確定値
9月以降の算定期間
139ドル
2026年6月直近・1バレル
4〜5月平均178.21ドルより低い
ドル円 直近
163.30
2026年7月29日 東京市場
算定期の158.85円から円安

CHAPTER 01燃油サーチャージとは、どんな仕組みなのでしょうか

航空券を買うときに、値段の内訳をよく見ると「燃油特別付加運賃」あるいは「燃油サーチャージ」という項目が入っています。これは航空運賃とは別に請求される、燃料代の上乗せ分のことです。

飛行機はガソリンではなく、ジェット燃料(ケロシン)という油で飛びます。この燃料の値段は原油と連動して上下します。航空会社は「燃料代が変動するたびに運賃表そのものを作り直すのは難しい、けれども燃料代は実費として負担してほしい」という考えから、運賃とは切り離した別項目で請求するようになりました。これが燃油サーチャージです。

タクシーに例えると

タクシーには「深夜割増」や「高速道路代」が別途かかることがありますよね。燃油サーチャージはそれに近い感覚です。「乗った距離に対する料金(=航空運賃)」とは別に、「燃料代(=サーチャージ)」を払う。しかも燃料が高くなればなるほど、この別枠の金額が大きくなっていきます。

マイルで取った航空券にも、同じ金額がかかります

意外と知られていないのが、燃油サーチャージは有償の航空券だけでなく、マイルを使った特典航空券にも同額がかかるという点です。ANAの適用条件には、大人・小児ともに同額を負担すること、マイレージ特典航空券を利用する場合も同額を負担することが明記されています。

「マイルを貯めたから無料で行ける」と思っていても、2026年7〜8月発券分の欧米路線であれば、往復で13万円の現金が別途必要になります。マイルで航空券を取る計画を立てている方ほど、この金額は先に確認しておきたいところです。

知っておくと得をする、3つの細かいルール

ANAが公表している適用条件のなかから、暮らしに関わる部分を3つ取り出します。

  • 座席を使わない2歳未満の幼児は対象外です。膝の上に乗せる形で搭乗する場合、燃油サーチャージはかかりません。逆に言えば、2歳の誕生日を迎えて座席が必要になると、大人と同額が発生します。
  • 払い戻すときは、燃油サーチャージには取消手数料がかかりません。全額が返金されます。ただし航空券の本体部分には別途取消手数料がかかるため、「サーチャージが高いからキャンセルしよう」という判断は、本体の手数料と見比べる必要があります。
  • 発券後に金額が変わっても、航空券を変更しなければ差額の調整は行われません。つまり、いったん発券してしまえば、その後に値上がりしても追加請求はされません。

燃油サーチャージとは別に、国際線には「航空保険特別料金」も設定されています。ANAの場合、2026年4月1日以降のご購入分で1旅客1区間片道あたり780円です(日本での購入の場合。日本・カナダ・香港・メキシコ発着便およびブラジル発旅程には適用されません)。金額としては小さいものの、航空券の総額には含まれています。

CHAPTER 02なぜ2026年に2倍以上になったのでしょうか

「ニュースでイランの話は聞くけれど、それが飛行機代とどうつながるのだろう」という疑問を、4つの段階に分けて整理します。

2026年2月28日、中東の空と海が一斉に閉じた

2026年2月28日、米国・イスラエルによるイランへの攻撃が始まり、イランが報復に出ました。中東各国は自国の領空を封鎖し、ドバイ・ドーハ・アブダビという世界有数の乗り継ぎ拠点が相次いで機能を止めました。JALは同日付で羽田〜ドーハ線を運休としています。日本から欧州へ安く乗り継ぐ経路の多くが、この1日で使えなくなりました。

ホルムズ海峡が閉じると、ジェット燃料の値段が動く

日本が輸入する原油は、従来約9割が中東産でした。そのほとんどがホルムズ海峡を通って運ばれてきます。世界の原油輸送量のおよそ2割が通過するこの海峡で輸送が滞ると、アジア圏で取引されるジェット燃料の値段が押し上げられます。

国際航空運送協会(IATA)の週次データによると、ジェット燃料の平均価格は2026年3月6日までの週で1バレル157.41ドル、3月20日までの週で197.00ドル、4月3日までの週では209ドルと、記録的な水準まで上昇しました(Oman Observer、Cargo Factsの報道による)。JALの鳥取三津子社長は2026年4月1日、2月までの平均と比べて価格が約2.5倍になっていること、1バレル200ドル以上が続けば1カ月で300億円ほど燃料費の負担が増えることを明らかにしています(Business Insider Japan、2026年4月2日)。

ラーメン店に例えると

いつも800円で食べているラーメンがあるとします。ある日、小麦粉と豚肉の仕入れ値が2倍以上になりました。お店は「ラーメンの値段そのものは据え置きたいので、材料費の上がった分だけ別にいただきます」と言い出しました。さらに「材料費がどこまで上がっても対応できるように、上乗せの上限ルールも作り直します」と続けます。いま航空券で起きているのは、これに近いことです。

どの時期の燃料価格が、いつの航空券に効くのか

ANA・JALの燃油サーチャージは、シンガポール市場のケロシン価格と為替レートの2カ月平均をもとに算出され、2カ月ごとに改定されます。つまり、燃料が値上がりしてから航空券に反映されるまでに時間差があるということです。

この関係は言葉で説明するより、実際の数字を並べたほうが早く伝わります。以下はJALが公表してきたプレスリリースの数値です。

発券分 算定に使った期間 ケロシン 為替 円貨換算額 ゾーン
2026年2〜3月 2025年10〜11月 89.86ドル 153.01円 13,750円 H
2026年4〜5月 2025年12月〜2026年1月 84.26ドル 156.27円 13,166円 H
2026年5〜6月 2026年2〜3月 146.99ドル 156.99円 23,076円 R→Q
2026年7〜8月 2026年4〜5月 178.21ドル 158.85円 28,308円 W→T

出典:日本航空プレスリリース各号(2025年12月19日・2026年2月19日・4月21日・6月12日)。円貨換算額はケロシン価格と為替を掛け合わせた金額で、当方で検算したところ4件とも発表値と1円以内で一致しました。「R→Q」「W→T」は、計算上のゾーンより1段階低いゾーンが適用されたことを表します(第4章で解説)。

2026年5月に、反映のタイミングが1カ月早まりました

表をよく見ると、2026年5〜6月発券分から算定期間の並びが変わっています。JALの2026年4月21日の発表によると、それまでは2カ月平均を「翌々月」の発券分から適用していたものを、「翌月」の発券分から適用する形に変更したとのことです。燃油市況価格が想定をはるかに上回る水準に達したことを踏まえた措置とされ、あわせて適用条件表にゾーンPからRまでが追加設定されました。

この変更により、燃料価格の動きが以前より1カ月早く航空券に届くようになりました。値上がりが早く来る一方で、値下がりも早く届くということでもあります。

同じ時期に円安が進みました

燃料の値段はドル建てで決まるため、円が安くなるとその分だけ円換算の負担が増えます。2026年はこの2つが同時に進みました。表の為替の列を見ると、153.01円、156.27円、156.99円、158.85円と、算定のたびに円安方向へ動いていることが分かります。

その後も円安は続いており、ドル円は2026年7月29日の東京市場で163.30円をつけました。サーチャージの算定に使われた4〜5月平均の158.85円と比べても、さらに円安が進んでいることになります。この動きは、9月以降の発券分に効いてくる要素です。

CHAPTER 03いま実際に、いくらかかるのでしょうか

ここからは数字を見ていきます。以下はANA公式サイト(2026年6月30日更新)に掲載されている、日本発・片道1人あたりの金額です。4月、5〜6月、7〜8月の3つの時点を並べました。

路線区分(日本発) 4月発券分 5〜6月発券分 7〜8月発券分
欧州・北米(ハワイを除く)・中東・オセアニア 31,900円 56,000円 65,000円
ハワイ・インド・インドネシア 20,400円 36,800円 40,400円
タイ・シンガポール・マレーシア・ミャンマー・カンボジア 16,300円 29,000円 33,500円
ベトナム・グアム・フィリピン・パラオ・モンゴル 10,500円 19,700円 22,500円
東アジア(韓国を除く) 9,400円 14,700円 15,400円
韓国・ロシア(ウラジオストク) 3,300円 6,700円 7,400円

出典:ANA公式サイト「燃油特別付加運賃 / 航空保険特別料金について」(2026年6月30日更新)。日本発・1旅客1区間片道あたり。JALはANAと同一のケロシン基準を用いていますが、適用条件表の設定が異なるため、路線によって金額に差が出ることがあります。

なお、この表はANAの金額です。JALもANAと同じシンガポールケロシンの価格を基準にしていますが、適用条件表の設定が各社で異なるため、同じ路線でもANAとJALで金額に差が出ることがあります。ご利用予定の航空会社の公式サイトで、必ず該当路線の金額をご確認ください。

路線の区分けは、思っている以上に細かく分かれています

この表で注意していただきたいのは、「近そうに見える行き先が、まったく違う区分に入っている」ことです。旅行の予算を立てるときに誤解しやすいところなので、代表的な組み合わせを挙げます。

  • ハワイとグアムは別区分です。ハワイは40,400円、グアムは22,500円で、18,000円近い差があります。同じ「南の島」でも扱いが異なります。
  • インドはハワイと同じ区分です。「東南アジアに近いから安いだろう」と考えると誤ります。インドは40,400円で、タイの33,500円より高くなります。
  • 韓国と中国も別区分です。韓国は7,400円、中国を含む東アジアは15,400円で、2倍以上の開きがあります。

片道の金額なので、往復では2倍になります

表の金額はすべて片道です。往復では単純に2倍になり、人数分だけ積み上がります。欧米路線を例にとると、次のようになります。

人数 5〜6月発券分(往復) 7〜8月発券分(往復) 差額
1人 112,000円 130,000円 +18,000円
2人(夫婦) 224,000円 260,000円 +36,000円
4人(家族) 448,000円 520,000円 +72,000円

65,000円×2区間×人数で計算。座席を使用しない2歳未満の幼児は対象外です。航空券の本体運賃・空港使用料・国際観光旅客税はこれとは別にかかります。

家族4人で欧州へ行く場合、燃油サーチャージだけで52万円です。航空券の本体運賃を含めない、上乗せ分だけの金額であることを考えると、旅行の予算組みに与える影響は小さくありません。

CHAPTER 04政府の補助がなければ、いくらだったのでしょうか

ここは報道ではあまり詳しく触れられませんが、知っておくと今の金額の意味が変わって見える部分です。実は、2026年7〜8月発券分の65,000円という金額は、本来の計算式で出る金額よりも1段階低く抑えられています。

「ゾーン」という階段状の表で金額が決まります

ANA・JALの燃油サーチャージは、燃料価格を円に換算した金額が「いくらの範囲に入るか」で、適用される金額が階段状に決まる仕組みになっています。この階段の一段一段に、アルファベットの名前がついています。これがゾーンです。基準額が1,000円上がるごとに、一段階上のゾーンに移る形です。

JALが2026年6月12日に公表した内容によると、算定の流れは次のとおりです。

項目 数値 内容
ケロシン2カ月平均 178.21米ドル 2026年4〜5月・1バレルあたり
為替2カ月平均 158.85円 同期間・1米ドルあたり
円貨換算額 28,308円 上記2つを掛け合わせた金額
本来適用されるゾーン ゾーンW 28,000円基準
実際に適用されたゾーン ゾーンT 25,000円基準・1段階低い

出典:日本航空プレスリリース第26025号「JAL/JTA国際線『燃油特別付加運賃』の改定を申請(2026年7月〜8月発券分)」2026年6月12日。

1段階分を埋めているのは、政府の補助です

JALの発表には、中東情勢を踏まえた政府による緊急的な激変緩和措置として、航空機燃料への補助が行われており、その効果を踏まえてゾーンTの金額を適用するという趣旨が明記されています。ANAの公式サイトにも同様の注記があります。

つまり、いま私たちが払っている65,000円は、補助がなければもう1段階高い金額になっていた、ということです。「高くなった」という実感の裏側で、その上昇幅を国が一部肩代わりしている構図があります。

電気代の補助に例えると

電気代やガス代について、政府が一時的に補助を出して請求額を抑える仕組みが取られたことがありました。航空機燃料でも同じことが行われている、と考えるとイメージしやすいかもしれません。ただし、こうした措置は期限を区切って実施されるのが通例です。補助の枠組みが変われば、同じ燃料価格でも請求額が変わる可能性があります。

逆に、ゼロになる条件も決まっています

意外に知られていませんが、燃油サーチャージには設定されなくなる条件もあります。JALのプレスリリースには、2カ月間の市況平均が1バレルあたり6,000円を下回った場合は本運賃を適用しない、と明記されています。

2026年7〜8月発券分の算定に使われた円貨換算額は28,308円でしたから、現在の水準はこの条件の4.7倍にあたります。ゼロになるにはかなりの距離がありますが、過去には燃料価格の低下によって燃油サーチャージが設定されない時期もありました。この仕組みは、上がりっぱなしになるものではないということです。

ゾーンの記号と基準額の関係(ゾーンTが25,000円基準、ゾーンWが28,000円基準であること)、および6,000円を下回った場合に適用しないという条件は、JALが公表したプレスリリースに記載された内容に基づいています。ゾーン表の全体像は各社の公表資料をご確認ください。

CHAPTER 05「予約した日」と「買った日」、どちらで決まるのでしょうか

燃油サーチャージについて、最も多い誤解がここです。「予約した時点の金額が適用される」と思っている方が少なくありませんが、実際には「発券した日」、つまり航空券を購入して支払いを済ませた日の金額が適用されます。

スーパーマーケットに例えると

「明日買いに来よう」と思って棚の前で値段をメモしても、翌日に値札が変わっていれば新しい値段を払うことになります。棚の前でメモした時点(=予約)では値段は決まりません。レジで支払いを済ませた瞬間(=発券)が、値段が確定するタイミングです。

時期をまたぐと、金額がはっきり変わります

2026年の改定は幅が大きかったため、発券日が数日ずれるだけで金額が変わる場面がありました。欧米路線を1人で往復する場合、6月30日までに発券すれば112,000円、7月1日以降であれば130,000円です。この差は18,000円になります。

逆の見方をすれば、旅程が確定しているのであれば、次の改定を待つより先に発券してしまったほうが金額が固定できるということでもあります。いったん発券すれば、その後に値上がりしても追加請求はされません。

ただし、変更するときは差額調整が入ります

ANAの適用条件によると、未使用の航空券を変更する場合、すでに支払った額と変更を行う日に適用される額との差額調整が行われます。ここでいう「変更」には、日付の変更のほか、旅程が変わらない便名の変更や、オープンの航空券に新しく予約を入れる場合も含まれます。一方、一部を使用済みの航空券を変更する場合は差額調整が行われません。旅程が変わりそうなときは、この点も含めて検討したいところです。

なお、この仕組みは金額が下がったときにも働きます。すでに発券した航空券を、サーチャージが下がった時期に変更すれば、差額が調整される可能性があります。9月以降の金額が下がった場合には、この点が選択肢になります。

CHAPTER 06家族旅行や出張の予算は、どれくらい変わるのでしょうか

ここまで燃油サーチャージだけを見てきましたが、実際の航空券には他の上乗せ分も含まれます。2026年は、そのうちのひとつも同じ時期に変わりました。

2026年7月1日から、出国税が3倍になっています

国際観光旅客税、いわゆる出国税が、2026年7月1日出国分から1人1,000円から3,000円に引き上げられました(日本経済新聞、2025年12月11日報道)。2019年1月の創設以来、初めての改定です。日本人・外国人を問わず日本から出国する人が対象で、航空券の代金に上乗せして徴収される仕組みは変わりません。

つまり2026年7月は、燃油サーチャージの引き上げと出国税の引き上げが重なったタイミングでした。

家族4人でヨーロッパに行く場合の上乗せ分

航空券の本体運賃を除いた「上乗せ分だけ」を計算すると、次のようになります。

内訳 2026年4月発券 2026年5〜6月発券 2026年7〜8月発券
燃油サーチャージ 255,200円 448,000円 520,000円
国際観光旅客税(出国税) 4,000円 4,000円 12,000円
航空保険特別料金 6,240円 6,240円 6,240円
上乗せ分の合計 265,440円 458,240円 538,240円

大人4人・欧州往復での試算。燃油サーチャージは片道額×2区間×4人、航空保険特別料金は780円×2区間×4人、出国税は出国1回×4人で計算しています。出国税は2026年6月30日出国分までが1人1,000円、7月1日出国分からが1人3,000円のため、4月・5〜6月発券の列は1,000円、7〜8月発券の列は3,000円で計算しています。空港施設使用料・現地の空港税は含みません。座席を使用しない2歳未満の幼児は燃油サーチャージの対象外です。実際の請求額は航空会社・路線・購入経路によって異なります。

5〜6月に発券した場合と比べると、上乗せ分だけで80,000円の差があります。家族4人のひと月分の食費に近い金額が、航空券の本体運賃とは別に必要になった計算です。4月に発券した場合と比べると、差は272,800円になります。

この試算はいずれも上乗せ分のみで、航空券の本体運賃は含んでいません。実際の旅行費用は、これに運賃・宿泊費・現地での支出が加わります。なお2026年は宿泊税を導入する自治体も増えており、国内の移動でも上乗せ項目が増える傾向にあります。

海外出張が多い方は、円安の影響も重なります

会社の出張で海外に行く場合、燃油サーチャージは会社の経費として処理されるため、個人の家計が直接痛むわけではありません。ただし企業側から見ると、出張1回あたりのコストが上がっていることになります。

加えて、現地での宿泊費や食事代はドルや現地通貨で支払うため、円安が進むとその分だけ円換算の負担が増えます。ドル円は2026年7月29日の東京市場で163.30円をつけました。航空券の上乗せ分と現地費用の両方が、同じ方向に動いている状況です。

会社の出張として渡航される場合は、燃油サーチャージのほかに国際観光旅客税や航空保険特別料金も加わり、1回あたりの費用が大きく変わります。出張旅費規程との関係については、当社の別稿「出張旅費規程は2026年の実態に合っているか」で、北米出張を例に積み上げた試算を掲載しています。

CHAPTER 07国内線の航空券はどうなっているのでしょうか

「国際線がこれだけ上がっているなら、国内線もそうなのでは」と思われるかもしれません。結論から言うと、2026年7月時点で、ANA・JALの国内線には燃油サーチャージは課されていません。

国内線は飛行距離が短く、燃料コストが運賃に占める割合が国際線より小さいため、別項目としては徴収されていません。ただし、この状況が続くとは限らないという材料が2つあります。

  • 地域航空会社のフジドリームエアラインズ(FDA)は、国内線で燃油サーチャージを徴収しています。国内線で徴収している数少ない会社です。
  • JALは2027年4月から国内線への導入を計画していると報じられています(日本経済新聞、2026年4月1日)。ANAも検討を表明しています。

国内線の運賃そのものは、2026年5月に仕組みが変わりました

燃油サーチャージとは別の話ですが、ANAは2026年5月19日搭乗分から国内線の運賃体系を3種類に整理しました。予約システムを国際線と同じ世界標準のものに統合したことに伴う変更です。

運賃の種類 特徴 向いている場面
シンプル 最も安い。出発24時間前まで座席を選べず、変更は払い戻しと再購入による 1人旅、旅程が確定している場合
スタンダード 中間の価格。座席指定・変更が可能 家族連れ、座席を隣同士にしたい場合
フレックス 最も高い。変更の自由度が高い 予定が読みにくい出張

直前でも比較的安く購入できる場面が生まれた一方、シンプル運賃では上級会員であっても出発24時間前まで座席を指定できず、家族やグループが離れた席になる可能性があります。取消手数料の設定もスタンダードより高くなっています。家族旅行で座席を並べたい場合は、スタンダード以上を選ぶほうが安心です。

CHAPTER 082026年9月以降の見通しは、どうなるのでしょうか

⚠ 2026年8月7日更新 ── 値下げの方針が報じられました

本章は2026年7月31日時点の内容です。その後、2026年8月5日に共同通信が、ANAとJALが9月・10月発券分を値下げする方針を固めたと報じました。ただし正式な金額は本記事の更新時点でも未発表です。あわせて7月31日には日米が協調して円買い介入を実施しています。詳細は【8月7日更新】9月以降は値下げの方向へをご覧ください。

本記事を最終更新した2026年7月31日時点で、9月以降の発券分の金額は発表されていません。JALは2026年6月12日のプレスリリースのなかで、9月以降発券分の燃油特別付加運賃について2026年8月に案内する予定と明記しています。

金額そのものは発表を待つほかありませんが、それを決める材料はすでに出そろっています。算定に使われるのは6〜7月の平均だからです。この期間はすでに過ぎており、公表されている数字から方向性を読むことができます。

算定に使われる燃料価格は、明確に下がっています

まず、いちばん大きな要素である燃料価格を並べます。

時点 シンガポールケロシン 位置づけ
2026年4月3日までの週 209ドル 記録的な高値(IATA週次データ)
2026年4〜5月平均 178.21ドル 7〜8月発券分の算定に使用(確定値)
2026年6月直近 139ドル 9〜10月発券分の算定期間

4月3日週の209ドルはCargo Facts、4〜5月平均の178.21ドルは日本航空プレスリリース、6月直近の139ドルは個人ブログ「しーずざでい」(2026年6月15日)の記載によります。6月の数値は各時点の値であり、算定に用いられる2カ月平均そのものではありません。なお高騰期については、シンガポール・ケロシン価格が200ドルの大台を超え各社の適用基準テーブルの上限を上回る水準で推移したとDaily Cargoが報じています。

9〜10月発券分の算定に使われる6〜7月の水準は、7〜8月発券分の算定に使われた178.21ドルより明確に低いことが分かります。この点だけを見れば、金額は下がる方向に働きます。

ただし、為替は逆方向に動いています

燃料価格はドル建てで決まるため、円に換算する段階で為替が効きます。ここが今回の判断を難しくしています。

時点 ドル円 位置づけ
2026年4〜5月平均 158.85円 7〜8月発券分の算定に使用(確定値)
2026年7月24日 163.83円 ニューヨーク市場終値
2026年7月29日 163.30円 東京市場

4〜5月平均は日本航空プレスリリース、7月24日はみんかぶFXの四本値、7月29日はみんかぶFXの記載による。

算定に使われた158.85円と比べて、その後の相場は163円台へ円安が進んでいます。燃料が安くなった効果を、円安がどこまで打ち消すか。これが9月以降の金額を決める構図です。

計算のしかたは第2章の表で確かめられます

第2章に並べたとおり、円貨換算額はケロシン価格 × 為替で求められます。当方で検算したところ、JALが公表した4回分すべてで、この掛け算の結果が発表値と1円以内で一致しました。8月に6〜7月の平均値が公表されれば、同じ掛け算で円貨換算額を確かめられます。

見通しは、2つの時期に分けて考える必要があります

ここで注意したいのは、9〜10月発券分と、その次の11〜12月発券分では、置かれている状況が違うという点です。

発券分 算定に使う期間 その期間に起きたこと
2026年9〜10月 2026年6〜7月 燃料価格が4月のピークから大きく低下した時期。一方で為替は円安方向へ
2026年11〜12月 2026年8〜9月 7月下旬以降の中東情勢の再緊迫が反映される時期にあたる

算定期間は2026年5月以降の「翌月適用」ルールに基づく整理です。実際の適用は各社の発表によります。

7月下旬に入って、中東情勢は再び動いています。紅海でタンカーが攻撃を受けたことを受けて、WTI原油先物は7月24日に1バレル93.50ドルまで上昇しました。7月30日には米国が再びイランへの攻撃を開始したと報じられています。

原油とジェット燃料は別の指標ですが、連動する傾向があります。この動きは9〜10月発券分(6〜7月平均)にはほとんど影響しませんが、11〜12月発券分(8〜9月平均)に効いてくる可能性があります。「9月に下がったから、その先も下がり続ける」とは限らないということです。

ゼロになるまでの距離も見ておきます

第4章で触れたとおり、2カ月平均の円貨換算額が6,000円を下回れば、燃油サーチャージは設定されません。直近の28,308円は、その4.7倍の水準にあります。

仮に燃料価格が現在の水準からさらに下がったとしても、この条件に届くには相当の距離があります。「下がる可能性はあるが、なくなる水準ではない」というのが、いま確認できる範囲での位置づけです。

8月の発表を待つか、8月31日までに発券するか

渡航の予定が確定している方にとっては、この2つが選択肢になります。算定期間の燃料価格が下がっていることを踏まえれば、8月の発表を待つ判断にも根拠があります。一方、8月31日までに発券すれば、現在の65,000円で金額を固定できます。

すでに発券済みの方は、第5章で触れた差額調整の仕組みが選択肢になります。金額が下がった時期に航空券を変更すれば、差額が調整される可能性があります。ただし変更の可否と手数料は運賃の種類によって異なりますので、各社にご確認ください。

本記事では、確認できていない数値を推測して記載することは行っていません。6〜7月の2カ月平均そのものは公表されていないため、金額の予想は記載していません。8月の正式発表を各社の公式サイトでご確認ください。

UPDATE 2026.08.079月以降は値下げの方向へ、報道と為替の動きが出そろいました

この章は2026年8月7日に追記しました

第8章では、9月以降の金額を決める材料として「燃料安と円安のどちらが上回るか」を焦点として挙げました。その答えにあたる材料が、2026年8月に入って2つ出てきました。第1章から第10章の内容は2026年7月31日時点のもので、変更していません。

8月5日、値下げの方針が報じられました

共同通信はANAとJALが国際線の燃油サーチャージについて、9月・10月発券分を値下げする方針を固めたと報じました。翌6日にはFNNプライムオンラインも同趣旨を伝えています。

第8章で整理したとおり、9〜10月発券分の算定に使われるのは6〜7月のシンガポールケロシン価格と為替の2カ月平均です。この期間の燃料価格は、7〜8月発券分の算定に使われた4〜5月平均(1バレル178.21米ドル)より明確に低い水準にありました。報道はこの見立てと同じ方向を示しています。

ただし、金額はまだ発表されていません

本追記の時点(2026年8月7日)で、ANA・JALいずれも9月以降発券分の正式な金額は公表していません。JALは第8章で触れたとおり、2026年6月12日のプレスリリースで「2026年9月以降発券分については2026年8月にご案内予定」としています。

報道は「方針を固めた」段階のものであり、正式な適用額は各社の発表をお待ちください。本記事では、金額の予想は記載していません。

7月31日、日米が協調して円買い介入を行いました

もうひとつの材料が為替です。第8章では「算定に使われた4〜5月平均の158.85円に対し、その後163円台へ円安が進んでいる」と記しました。この状況は8月に入って反転しています。

片山財務相は、2026年7月31日に米財務省と協調して円買い介入を実施したことを明らかにしました。ベッセント米財務長官も「米国は今後の協調介入にも躊躇なく参加する」と表明しています(外為どっとコム、2026年8月3日)。

時点 ドル円 できごと
2026年4〜5月平均 158.85円 7〜8月発券分の算定に使用(確定値)
2026年7月24日 163.83円 ニューヨーク市場終値。円安のピーク圏
2026年7月31日 日米が協調して円買い介入
2026年8月3日 155.22円 東京市場で一時。2026年5月6日以来の水準
2026年8月7日 158.41円 朝の時点。158円台へ戻す

7月24日の終値はみんかぶFX、7月31日の協調介入と8月3日の155.22円は外為どっとコム(2026年8月3日)、8月7日朝の158.41円はザイFXの記載によります。為替は日々動きますので、最新の水準は各社の情報でご確認ください。

この円高は、9月分には効きません

ここは間違えやすいところです。9〜10月発券分の算定に使われるのは6〜7月の平均です。7月31日の介入とその後の円高は、この期間にはほとんど含まれません

効いてくるのは11〜12月発券分(8〜9月平均)です。第8章で「9〜10月分と11〜12月分では置かれている状況が違う」とお伝えしましたが、その違いがはっきり形になりました。8月の円高がこのまま続けば、11〜12月分にはさらに下がる材料が加わることになります。

第8章の焦点に、いまどう答えられるか

第8章では「燃料安と円安のどちらが上回るか」が9月以降の焦点だと整理しました。2026年8月7日時点で言えることを整理します。

発券分 算定に使う期間 燃料 為替
2026年9〜10月 2026年6〜7月 4〜5月平均より明確に低い 円安方向(163円台まで進行)
2026年11〜12月 2026年8〜9月 未確定 円高方向へ反転(協調介入)

算定期間は2026年5月以降の「翌月適用」ルールに基づく整理です。実際の適用は各社の発表によります。11〜12月分の燃料価格は、8〜9月の推移が確定するまで分かりません。

9〜10月分については、報道が値下げの方向を伝えており、燃料安が円安を上回ったとみられます。11〜12月分については、為替が円高方向へ動いたことでもうひとつ材料が加わりました。ただし燃料価格の8〜9月の推移はまだ分かりませんので、断定はできません。

発券の判断について

第8章で「8月の発表を待つか、8月31日までに発券するか」の2つを選択肢として挙げました。値下げの方針が報じられた以上、旅程が確定している方は発表を待つ判断に根拠が増えたことになります。金額は8月中に案内される予定です。

すでに発券済みの方は、第5章で触れた差額調整の仕組みが選択肢になります。金額が下がった時期に航空券を変更すれば、差額が調整される可能性があります。ただし変更の可否と手数料は運賃の種類によって異なりますので、各社にご確認ください。

本追記でも、確認できていない数値を推測して記載することは行っていません。6〜7月の2カ月平均そのものは公表されていないため、金額の予想は記載していません。正式な適用額はANA・JAL各社の公式サイトでご確認ください。

CHAPTER 09いま私たちにできることは、何でしょうか

難しい話が続きましたので、最後に実際の行動に落とし込みます。

「運賃」ではなく「総額」で比べる

予約サイトに表示される「〇〇円〜」という金額には、燃油サーチャージが含まれていない場合があります。国際線では、この上乗せ分が総額のかなりの割合を占めることがあります。比較するときは、必ず最終確認画面の総額で見比べてください。

路線の区分を先に確認してから、行き先を決める

第3章で見たとおり、行き先の区分けは直感と一致しないことがあります。ハワイとグアム、インドとタイのように、近そうに見えて金額が大きく違う組み合わせがあります。候補が複数ある場合は、区分表を見てから絞り込むと、思わぬ差額に驚かずに済みます。

8月の発表を確認してから、発券の判断をする

燃油サーチャージは発券日で確定します。9月以降の金額は8月に案内される予定で、算定期間の燃料価格は下がっています。旅程が固まっている方は、発表を確認してから発券を判断するという選択肢があります。ただし旅程に不確実性がある場合は、取消手数料とのバランスも考えてください。

中東経由の乗り継ぎは、運航状況を確認する

中東の乗り継ぎ拠点を使うルートは、欧州へ比較的安く行ける経路として使われてきました。2026年は情勢の影響で運航に変更が生じている路線があります。7月下旬以降も情勢は動いていますので、欧州方面の旅程を組む際は、各社の運航情報を確認したうえで検討されることをおすすめします。

数字の背景をもう少し詳しく知りたい方へ

航空会社の経営から見た構造や、燃料費の負担が業績に与える影響については、専門版の記事「ANA・JALの燃油サーチャージと経営への影響、国内線とドーハ線の扱い」で詳しく整理しています。また、円安が輸入品の価格に届くまでの仕組みは「2026年のiPhone値上げをやさしく解説」でも扱っています。あわせてご覧ください。

CHAPTER 10この記事に出てきた言葉の意味

燃油特別付加運賃

燃油サーチャージの正式名称です。航空運賃とは別に、燃料代の変動分を上乗せして請求する仕組み。ANA・JALでは2カ月ごとに金額が改定されます。

シンガポールケロシン

シンガポール市場で取引されるジェット燃料の価格指標です。アジアの航空会社が燃料調達の基準として用いており、ANA・JALの燃油サーチャージもこの価格をもとに算定されます。

ゾーン

燃料価格を円に換算した金額が「いくらの範囲に入るか」で適用額が階段状に決まる区分です。基準額が1,000円上がるごとに一段階上がります。2026年7〜8月発券分では、25,000円を基準とするゾーンTが適用されました。

翌月適用

2カ月平均で算出した金額を、翌月の発券分から適用する方式です。JALは2026年5月発券分から、それまでの翌々月適用をこの方式に変更しました。燃料価格の動きが以前より1カ月早く反映されます。

発券日

航空券を実際に購入し、支払いを済ませた日のことです。燃油サーチャージの金額は予約日ではなく、この発券日の基準で確定します。

緊急的激変緩和措置

価格の急な変動が生活や事業に及ぼす影響をやわらげるため、政府が一時的に補助を行う仕組みです。2026年は中東情勢を踏まえて航空機燃料が対象となり、燃油サーチャージが1段階低いゾーンに抑えられています。

国際観光旅客税

通称「出国税」。日本から出国する人に課される国税で、2026年7月1日出国分から1人1,000円から3,000円に引き上げられました。航空券代金に上乗せして徴収されます。

航空保険特別料金

航空保険料や保安強化に関わる費用の一部を負担するための料金です。ANAの国際線では、2026年4月1日以降の購入分で1旅客1区間片道あたり780円が設定されています。

特典航空券

貯めたマイルと交換して発券する航空券です。運賃部分はマイルで賄えますが、燃油サーチャージと税金・料金は現金での支払いが必要になります。

ホルムズ海峡

ペルシャ湾とオマーン湾を結ぶ海峡で、中東産原油の主要な輸送経路です。世界の原油輸送量のおよそ2割が通過するとされ、ここでの輸送が滞ると燃料価格に広く影響します。

FAQよくあるご質問

2026年9月以降の燃油サーチャージの見通しはどうなりますか。

2026年7月31日時点で金額は未発表です。JALは9月以降発券分を2026年8月に案内する予定としています。算定に使われるのは6〜7月のシンガポールケロシン価格と為替の2カ月平均です。7〜8月発券分の算定に使われた4〜5月平均が1バレル178.21米ドルだったのに対し、6月直近は139米ドルと報じられており、算定期間の燃料価格は明確に低い水準にあります。一方で為替は158.85円から163円台へ円安が進んでいます。燃料安と円安のどちらが上回るかで金額が決まります。

燃油サーチャージが上がったり下がったりするタイミングは、なぜずれるのですか。

直近2カ月の平均値をもとに金額を決める仕組みだからです。さらに2026年5月には適用ルール自体が変更されました。JALの発表によると、それまでは2カ月平均を翌々月の発券分から適用していましたが、翌月の発券分から適用する形に改められています。反映が1カ月早くなったため、値上がりも値下がりも以前より早く届くようになりました。

2026年7〜8月発券分は、路線ごとにいくらですか。

ANA公式サイト(2026年6月30日更新)によると、日本発・片道1人あたりで、欧州・北米(ハワイを除く)・中東・オセアニアが65,000円、ハワイ・インド・インドネシアが40,400円、タイ・シンガポール・マレーシア・ミャンマー・カンボジアが33,500円、ベトナム・グアム・フィリピン・パラオ・モンゴルが22,500円、韓国を除く東アジアが15,400円、韓国・ロシア(ウラジオストク)が7,400円です。欧米路線は往復で13万円になります。

燃油サーチャージがゼロになることはあるのですか。

あります。JALのプレスリリースには、2カ月間の市況平均が1バレルあたり6,000円を下回った場合は本運賃を適用しないと明記されています。2026年7〜8月発券分の算定に使われた円貨換算額は28,308円ですから、現在の水準はその4.7倍にあたります。過去には燃料価格の下落によって燃油サーチャージが設定されない時期もありました。

燃油サーチャージは「予約した日」と「買った日」のどちらで決まりますか。

「買った日(発券日)」で決まります。予約だけ先に入れておいても、実際に航空券を購入したのが翌月以降であれば、その時点の金額が適用されます。ANAの適用条件では、発券後に金額が変わっても、航空券を変更しない場合は差額調整を行いません。なお、航空券を払い戻す場合、燃油特別付加運賃には取消手数料が適用されず全額返金されますが、航空券本体には別途取消手数料がかかります。

なぜプラスチックパレット株式会社がこの記事を書いているのですか。

当社は千葉県我孫子市を拠点に、プラスチックパレット・再生樹脂原料・PPバンド・ストレッチフィルムなどの物流資材をお取扱いしています。プラスチックパレットは輸出梱包の基盤として世界各国で使われており、原油からジェット燃料・ナフサ・樹脂原料へと枝分かれする流れを、日々の調達を通じて現場で把握できる立場にあります。同じ原油価格の変動が、航空券の燃油サーチャージにも、身近な製品の価格にも同時に及ぶ構造をお伝えするため、この記事を作成しています。

更新履歴

日付更新内容該当箇所
2026/08/07 8月5日の値下げ方針報道、7月31日の日米協調介入、8月3日の155.22円を追加。9〜10月分と11〜12月分で為替の効き方が違うことを整理。 第8章の後
2026/07/31 7〜8月発券分65,000円の確定、2026年5月の翌月適用ルール変更、7月1日からの出国税3,000円、9月以降の見通しを追加。 本文全体
2026/06/10 初版公開。

本記事は追記を末尾に積まず、該当する章の直後に配置しています。前の記述は消さずに残し、更新分をその後ろに並べることで、いつ何が変わったかを追えるようにしています。

主な情報源

  1. 一次ANA(全日本空輸)公式サイト「燃油特別付加運賃 / 航空保険特別料金について」2026年6月30日更新(路線別金額・適用条件・航空保険特別料金の根拠)|https://www.ana.co.jp/ja/jp/guide/plan/charge/fuelsurcharge/
  2. 一次日本航空 プレスリリース第26025号「JAL/JTA国際線『燃油特別付加運賃』の改定を申請(2026年7月〜8月発券分)」2026年6月12日(ケロシン178.21米ドル・為替158.85円・円貨28,308円・ゾーンW/T・9月以降は8月案内予定の根拠)|https://press.jal.co.jp/ja/release/202606/009574.html
  3. 一次日本航空 プレスリリース「JAL/JTA国際線『燃油特別付加運賃』の適用額を改定(2026年5月〜6月発券分)」2026年4月21日(翌々月適用から翌月適用への変更・ゾーンPからRの追加設定・ケロシン146.99米ドル・為替156.99円・円貨23,076円・ゾーンR/Q・6,000円を下回った場合は適用しない条件の根拠)|https://press.jal.co.jp/ja/release/202604/009486.html
  4. 一次日本航空 プレスリリース「JAL/JTA国際線『燃油特別付加運賃』の改定を申請(2026年4月〜5月発券分)」2026年2月19日(ケロシン84.26米ドル・為替156.27円・円貨13,166円・ゾーンHの根拠)|https://press.jal.co.jp/ja/release/202602/009373.html
  5. 一次日本航空 プレスリリース「JAL/JTA国際線『燃油特別付加運賃』の改定を申請(2026年2月〜3月発券分)」2025年12月19日(ケロシン89.86米ドル・為替153.01円・円貨13,750円・ゾーンHの根拠)|https://press.jal.co.jp/ja/release/202512/009187.html
  6. 一次日本航空 公式サイト「国際線『燃油特別付加運賃』適用条件表」(シンガポールケロシンの各日のスポット価格の2カ月平均に同期間の為替レート平均を乗じて適用額を確定し2カ月間固定する算定方法、および2カ月間の平均燃油価格が1バレルあたり6,000円を下回った場合は適用しないという条件の根拠)|https://www.jal.co.jp/jp/ja/inter/fare/fuel/table.html
  7. 二次Daily Cargo「シンガポール・ケロシン高騰で 日本発FSC大幅引き上げ相次ぐ」2026年4月(シンガポール・ケロシン価格が200ドルを超え各社の適用基準テーブル上限を上回る水準で推移した旨の根拠)
  8. 二次Business Insider Japan「イラン攻撃影響でJAL社長『月300億円負担増』。国内線サーチャージ『前倒し予定なし』、ANA『しっかり検討』」2026年4月2日(約2.5倍・月300億円の根拠)
  9. 二次Oman Observer「Jet fuel beats 2026 forecast of $88 per barrel to all-time high」(IATA週次データ 3月6日週157.41ドル・3月20日週197.00ドルの根拠)
  10. 二次Cargo Facts「Jet fuel price surpassed $200 per barrel last week」(IATA Jet Fuel Price Monitor 4月3日週209ドルの根拠)
  11. 二次しーずざでい「燃油サーチャージの推移まとめ」2026年6月15日(6月直近のシンガポールケロシン139米ドルの根拠)
  12. 二次みんかぶFX「24日の為替市場の四本値」2026年7月25日掲載(ドル円 7月24日 終値163.83円の根拠)|https://fx.minkabu.jp/news/374216
  13. 二次みんかぶFX「ドル円163.30円まで、27日の安値割り込む=東京為替」2026年7月29日(ドル円163.30円の根拠)
  14. 二次IG証券(2026年7月24日)紅海でのタンカー攻撃とWTI原油先物1バレル93.50ドルへの上昇に関する記載
  15. 二次日本経済新聞「出国税の引き上げは26年7月 政府・与党方針、1000円から3000円に」2025年12月11日(国際観光旅客税3,000円の根拠)
  16. 二次日本経済新聞(2026年4月1日報道)JALの国内線燃油サーチャージ2027年4月導入計画
  17. 二次共同通信(ライブドアニュース掲載分で確認)「JALとANAが国際線の燃油サーチャージを9月から値下げする方針」2026年8月5日(ANAとJALが9・10月発券分を値下げする方針を固めた旨の根拠)
  18. 二次FNNプライムオンライン(ライブドアニュース掲載分で確認)「『燃油サーチャージ』秋に値下げも ANAとJAL、9月分&10月分で実施か」2026年8月6日(7・8月発券分が北米・ヨーロッパ路線で片道6万5000円、韓国便7400円といずれも過去最高であった旨の根拠)
  19. 二次外為どっとコム「【ドル/円、今夜の見通し】ドル/円、155円台へ下落…さらなる日米協調介入を警戒」2026年8月3日(片山財務相が7月31日に米財務省と協調して円買い介入を実施したことを明らかにした旨、ベッセント米財務長官の「米国は今後の協調介入にも躊躇なく参加する」との表明、東京市場で一時155.22円前後をつけ2026年5月6日以来の水準となった旨の根拠)|https://www.gaitame.com/media/entry/2026/08/03/162359
  20. 二次ザイFX!「ドル円 158.41円付近」2026年8月7日8時33分公開(8月7日朝のドル円158.41円付近の根拠)
  21. 二次AIRLINE web「ANA、国内線運賃を刷新。事前座席指定の可・不可などサービスで運賃分類へ」2026年5月20日(シンプル・スタンダード・フレックスの根拠)
NOTICE / 本記事についての注意事項
  • 本記事は初版を2026年6月10日に公開し、2026年7月31日およびに更新しています。第1章〜第10章は2026年7月31日時点、追記章は2026年8月7日時点までに各社公式サイト・プレスリリース・報道機関が公表した情報をもとに、当社が暮らし目線で整理した解説記事です。初版は2026年6月10日に公開し、その後の改定や適用ルールの変更を反映して更新しています。
  • 2026年9月以降発券分の金額は本記事の最終更新時点で未発表です。本記事では算定に用いられる材料の状況を整理していますが、金額の予想は記載していません。確定した金額は2026年8月に案内される予定ですので、ANA・JAL各社の公式サイトでご確認ください。
  • 燃油サーチャージ・為替相場・ジェット燃料価格は日々変動します。記事中の金額は執筆時点で確認できた公表値であり、その後の改定・政府認可の状況により変更される場合があります。6月・7月のケロシン価格として記載した数値は各時点の値であり、算定に用いられる2カ月平均そのものではありません。
  • 路線別の金額はANA公式サイトに掲載された日本発・片道1人あたりの金額です。JALはANAと同一のケロシン基準を用いていますが適用条件表の設定が異なるため、路線によって金額に差が生じることがあります。また出発地が日本以外の場合、乗り継ぎを伴う旅程の場合は適用が異なります。
  • 第6章の試算は上乗せ分のみを対象とした概算であり、航空券の本体運賃・空港施設使用料・現地の空港税は含みません。本記事は特定の航空会社・旅行商品の購入を推奨するものではなく、投資判断・経営判断の根拠として作成したものではありません。記載内容に事実誤認がありましたら、お問い合わせフォームよりご連絡ください。

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