📞 050-3470-4265 受付 9:00-20:00(日・祝休)
無料お見積り ›
2026年9月 値上げ一覧、年内最多4,531品目と食品消費税1%引き下げ方針
PRICE HIKE 2026 / 値上げ情報

2026年9月 値上げ一覧、年内最多4,531品目と食品消費税1%引き下げ方針

2026年9月の食品値上げは4,531品目となり、2026年内で最も多い月になります。単月で4千品目を超えるのは2023年10月以来です。前回の集計では3,029品目とされていましたが、各社の発表が進んで大きく積み上がりました。同じ時期に、食料品の消費税を1%に引き下げる方針も表明されています。値上げの中身と、消費税の話をどう受け止めればよいかを整理しました。

公開日: 最終更新: カテゴリ:値上げ情報
この記事の3つのポイント
  • 2026年9月の飲食料品の値上げは4,531品目で、2026年内としては最多になります。単月で4千品目を超えるのは2023年10月の4,758品目以来です。前回6月末の集計では3,029品目とされていましたが、各社の発表が進んだことで1,502品目積み上がりました。
  • 8月は2,311品目で確定し、前年同月の1,262品目から約8割増えました。10月も2,720品目が判明しています。値上げは9月で終わらず、秋にかけて続く見通しです。
  • 2026年7月30日、食料品の消費税率を2027年4月から2年間、8%から1%に引き下げる方針が表明されました。ただし法案の成立が前提であり、値上げそのものが止まるわけではありません。開始は9月の値上げから1年半以上先になります。
かんたんに言うと

2026年9月の食品値上げは4,531品目で年内最多です。単月4千品目超えは2023年10月以来。8月は2,311品目、10月は2,720品目です。要因は原材料高90.9%、包装・資材64.0%、中東情勢27.8%。食料品の消費税を2027年4月から1%にする方針も表明されました。

2026年9月の値上げ
4,531品目
2026年内で最多
7月31日公表分
前回集計からの増加
+1,502品目
3,029→4,531品目
約49.6%増(当方計算)
包装・資材が要因
64.0%
高水準での推移が継続
複数回答
中東情勢が要因
27.8%
前回24.7%から上昇
複数回答

CHAPTER 019月は4,531品目、3年ぶりの水準になりました

帝国データバンクが2026年7月31日に公表した「食品主要195社」価格改定動向調査によると、2026年9月の飲食料品の値上げは4,531品目となる見通しです。

この数字が持つ意味は2つあります。ひとつは、2026年内としては最も多い月になるということ。もうひとつは、単月で4千品目を超えるのは2023年10月の4,758品目以来だということです。

1カ月で1,502品目積み上がりました

当社は2026年7月31日にこの記事を公開した時点で、9月の値上げを3,029品目とお伝えしていました。これは6月30日公表分の数字です。その後、各社の発表が進んだ結果、7月31日公表分では4,531品目となりました。1カ月で1,502品目、率にして約49.6%積み上がった計算です。この数字は今後もさらに増える可能性があります

調査の対象は、主に全国展開を行う上場・非上場の主要195社です。家庭用を中心とした飲食料品が集計されており、年内に複数回値上げを行った品目は、それぞれ別品目として数えられています。価格を据え置いて内容量を減らす、いわゆる実質値上げも対象に含まれます。

値上げ品目数が公表のたびに増えるのは、この調査が「各社が発表した分を積み上げる」方式のためです。9月に値上げする商品が急に増えたのではなく、6月末の時点でまだ発表されていなかった分が、7月中に明らかになったということです。

CHAPTER 028月・10月と比べて、どれくらい多いのでしょうか

前後の月と並べます。いずれも2026年7月31日公表分の数字です。

時期 値上げ品目数 9月との差 備考
2026年7月 2,664品目 +1,867品目 パンや即席めんが中心
2026年8月 2,311品目 +2,220品目 前年同月1,262品目から約8割増
2026年9月 4,531品目 2026年内で最多
2026年10月 2,720品目 ▲1,811品目 今回の公表で新たに判明
2023年10月 4,758品目 ▲227品目 直近で4千品目を超えた月

帝国データバンク「食品主要195社」価格改定動向調査(2026年7月31日公表分)。9月との差は当方で計算しました。

8月は「過去2番目に多い8月」でした

8月の2,311品目は、単に多いだけの数字ではありません。前年同月の1,262品目から約8割増で、8月単月としては集計を開始した2022年に次いで過去2番目に多い水準です。

単月で2千品目を超えるのは、7月の2,664品目に続いて2カ月連続でした。7月・8月・9月と、3カ月続けて高い水準が並ぶ形になります。

10月も2,720品目が判明しています

今回の公表で新しく分かったのが10月の数字です。10月は2,720品目が判明しました。9月ほどではありませんが、8月を上回る水準です。

10月分は8月末から9月にかけての集計でさらに積み上がる見込みです。9月の値上げが3,029品目から4,531品目へ増えたことを踏まえると、10月も現時点の2,720品目より多くなる可能性があります

2026年は年間で1万8千品目を超えました

年間の累計も押さえておきます。2026年の値上げ品目数は、1月から11月までの判明分で18,347品目となりました。

調査を開始した2022年以降、5年連続で年間1万品目を超える見込みです。同社は、通年では前年の20,609品目を上回る可能性があるとしています。当方で計算すると、現時点の18,347品目は前年実績の約89.0%にあたります。

CHAPTER 03なぜ9月は冷凍食品に集中するのでしょうか

9月が特徴的なのは、値上げの中身が特定の分野に寄っている点です。日本経済新聞の報道によると、9月は冷凍食品やすりみ商品などの値上げが目立ち、ニッスイ・テーブルマーク・ニップンといった冷食メーカー大手が一斉に値上げするとされています。

冷凍食品は、コストが三重に効く分野です

なぜ冷凍食品なのか。この分野の費用構造を分解すると、理由が見えてきます。

費用の層 内容 2026年の状況
原材料 魚肉、小麦粉、油脂、野菜など 原材料高が値上げ要因の90.9%を占める
包装・資材 包装フィルム、トレー、パッケージ 要因の64.0%。ナフサ由来の資材価格が高騰
冷凍保管・輸送 冷凍倉庫の電気代、冷凍車の燃料費 物流費が要因の65.8%。電気代も上昇

要因の比率は帝国データバンク調査(2026年7月31日公表分・複数回答)による。費用の層の整理は一般的な食品製造の構造に基づくものです。

常温の食品であれば、原材料と包装が主な費用です。ところが冷凍食品は、これに作ってから食卓に届くまで、ずっと冷やし続ける費用が加わります。工場の冷凍設備、冷凍倉庫、冷凍車、店頭の冷凍ケース。この鎖のどこにも電気代と燃料費がかかります。

たとえるなら

常温の食品が「作って箱に詰めて運ぶ」だとすれば、冷凍食品は「作って箱に詰めて、冷蔵庫ごと運ぶ」ようなものです。運ぶものが増えれば、そのぶん費用がかかります。2026年は原材料も、箱にあたる資材も、冷やすためのエネルギーも、同時に上がりました。三方向から押されている分野だと言えます。

では、なぜ「9月」なのでしょうか

ここは正直に申し上げます。各社が9月を選んだ理由そのものは、公表資料からは確認できていません。値上げの実施時期は個別の経営判断であり、帝国データバンクの調査も時期の選定理由までは集計していないためです。

確認できているのは、9月に4,531品目が集中するという結果と、その背景にあるコスト要因だけです。推測で理由を書くことはしません。ただし、値上げの発表から実施までには通常数カ月の周知期間が置かれます。9月実施ということは、その判断がなされたのは春から初夏にかけてということになります。ちょうど中東情勢の影響で資材価格が上昇していた時期にあたります。

なお、2026年の通年集計では、冷凍食品やパック米飯を含む「加工食品」が最も多い6,667品目となっており、前年の通年実績4,791品目を約4割上回っています。冷凍食品分野の値上げは、9月に限った動きではなく、2026年を通じた傾向でもあります。

CHAPTER 04分野別に見ると、何が上がっているのでしょうか

2026年の値上げを分野別に見ると、次のようになります。1月から11月までの判明分、累計18,347品目の内訳です。

分野 品目数 構成比 主な対象
加工食品 6,667品目 36.3% 冷凍食品、パック米飯、即席めん、缶詰
調味料 5,197品目 28.3% だし、たれ製品、醤油製品
酒類・飲料 3,274品目 17.8% 第三のビール、発泡酒、輸入ワイン、焼酎、日本酒、コーヒー、清涼飲料水
菓子 1,219品目 6.6% 原材料と包装パッケージのコスト高が背景

帝国データバンク「食品主要195社」価格改定動向調査(2026年7月31日公表分)。2026年1月から11月までの判明分。構成比は累計18,347品目に対する比率として当方で計算しました。この4分野で全体の89.1%を占めます。

加工食品が前年通年を約4割上回りました

最も多い加工食品の6,667品目は、前年の通年実績4,791品目を約4割上回る水準です。前回の集計では5,780品目でしたから、1カ月で887品目積み上がったことになります。

調味料も3,467品目から5,197品目へと大きく増えました。だしやたれ製品に加え、醤油製品の値上げが加わったことが背景にあります。

8月単月では、加工食品が前年の約7.5倍でした

8月の2,311品目を分野別に見ると、内訳はさらにはっきりします。

分野 8月の品目数 主な対象
加工食品 1,419品目 ハム・ソーセージなどの食肉製品、カップ麺、缶詰製品、鏡餅製品
調味料 589品目 だし製品など
原材料 276品目 ゴマ製品、小麦粉、砂糖

帝国データバンク「食品主要195社」価格改定動向調査(2026年7月31日公表分)。8月の加工食品1,419品目は前年同月の188品目から約7.5倍にあたります(当方計算)。8月単月としては2022年の2,013品目以来の高水準とされています。

前年同月188品目に対して1,419品目です。ハム・ソーセージ、カップ麺、缶詰という、日常的に買う保存食が一斉に動いた月だったことになります。

CHAPTER 05値上げの理由は、4つに整理できます

「なぜ上がるのか」については、帝国データバンクが要因別に集計しています。企業が複数の理由を挙げるため、合計は100%を超えます。

要因 割合 前回公表分 内容
原材料高 90.9% 92.5% 最も多い要因。ただし2026年3月以降は低下傾向で推移
物流費 65.8% 71.9% 中東情勢の悪化による原油高の影響を受けた
包装・資材 64.0% 69.8% トレーや容器などナフサ由来の資材価格高騰。高い水準での推移が続く
中東情勢 27.8% 24.7% 4つの要因のうち、唯一比率が上がった

帝国データバンク「食品主要195社」価格改定動向調査。割合は2026年7月31日公表分、前回公表分は2026年6月30日公表分です。複数回答のため合計は100%を超えます。要因別の比率から品目数を割り出すことはできないため、本記事では比率のみを記載しています。

4つのうち、上がったのは中東情勢だけです

前回と並べると、動きの向きがはっきりします。原材料高・物流費・包装資材の3つは比率が下がり、中東情勢だけが24.7%から27.8%へ上がりました

ただし、これを「資材の影響が弱まった」と読むのは早計です。複数回答の比率は「値上げした企業のうち、その理由を挙げた企業の割合」であり、値上げ品目数そのものが大きく増えている以上、比率が下がっても該当する企業の数は増えている可能性があります。同社も包装・資材について、高い水準での推移が続いていると記しています。

当社が扱う分野と直結しています

ここでいう包装・資材とは、トレーや容器、フィルムのことです。これらは石油から作られるナフサを原料とする樹脂製品で、当社が扱うプラスチックパレットやストレッチフィルムと同じ原料から生まれています。食品の値札が上がる理由の一角に、当社の本業と同じ原料の高騰があるという構図です。

CHAPTER 06中東情勢が、食品の値段に届くまで

「中東で起きたことが、なぜスーパーの値札に効くのか」。この道筋を、帝国データバンクの記述に沿って追います。

同調査は、米国とイスラエルによるイランへの攻撃で急激に高まった中東地域の地政学的リスクと、ホルムズ海峡の混乱に端を発した国内の石油製品の供給不安による影響が、食料品でも表面化してきたとしています。

4つの段階を経て届きます

段階 何が起きるか
1. 中東情勢 ホルムズ海峡の混乱で原油の輸送に支障が出る
2. 石油製品 原油から作られるナフサの価格が上がる。国内の石油製品に供給不安が生じる
3. 資材 ナフサから作られるインク、食品フィルム、トレー類で大幅な値上げや品薄が発生する
4. 食品 包装資材のコストアップに、電気代などのエネルギーと物流費の上昇が加わり、製品価格へ転嫁される

帝国データバンク「食品主要195社」価格改定動向調査(2026年7月31日公表分)の記述をもとに整理しました。

円安も同時に効いています

もうひとつの要素が為替です。同調査は、中東情勢の不透明感が再度強まって原油価格の高止まりが続くほか、1米ドル160円を超える歴史的な円安にも歯止めがかからず、輸入コストの上昇が再び強く影響する兆しもみられると記しています。

ドル円は2026年7月29日の東京市場で163.30円をつけました。輸入する原材料の値段が同じでも、円に直すと高くなる構造です。この仕組みについては、「2026年のiPhone値上げ」をやさしく解説でも扱っています。

同調査は今後の懸念として、異常気象による農水産・畜産品の不作や生育不良も挙げています。中東情勢と円安に加えて、気候の要素も重なる可能性があるということです。

CHAPTER 07具体的に、どの企業が値上げするのでしょうか

各社の発表から、9月1日納品分を中心に確認できた分をまとめます。4,531品目のすべてではありませんが、主要な動きは押さえられます。

9月に値上げする主な企業と品目

企業 対象 規模 改定率 実施
ニッスイ 家庭用調理冷凍食品、家庭用農産品冷凍食品 一部商品 約2〜17% 9月1日納品分
ニッスイ ちくわ、かに風味かまぼこ、フィッシュソーセージ、パウチ商品、その他練り製品 全品 約5〜17% 9月1日納品分
ニッスイ 業務用冷凍食品 一部商品 約2〜30% 9月1日納品分
キッコーマン食品 しょうゆ、つゆ類、たれ類、デルモンテ飲料、みりん類など 291品目 2〜22% 9月1日納品分
テーブルマーク 家庭用・業務用冷凍食品(冷凍米飯類などを除く) 全体の7〜8割 約3〜20% 9月1日納品分
ニップン 家庭用冷凍食品 45品(全体の約7割) 約7〜15% 9月1日納品分
理研ビタミン 業務用調味料など 55品目 9月納品分
無印良品 食品ほか 489品目 9月4日

ニッスイの3行は同社公式サイトのニュースリリース(2026年6月1日)を直接確認しました。キッコーマン食品とテーブルマークは食品新聞、ニップンは日本経済新聞、理研ビタミンはfoodfun、無印良品は流通ニュースの報道によります。家庭用商品はオープン価格のものが多く、店頭価格は小売店の判断で決まります。

名前を知っている商品も対象に入っています

報道で商品名が挙がっているものを拾います。

企業 商品名 備考
ニッスイ わが家の麺自慢 ちゃんぽん/ほしいぶんだけ かにクリームコロッケ 家庭用冷凍食品
ニッスイ 活ちくわ/おさかなのソーセージ 家庭用加工食品
テーブルマーク カトキチさぬきうどん/ごっつ旨いお好み焼 家庭用。業務用は「麺始め 讃岐うどん」など
ニップン オーマイプレミアム ペペロンチーノ/いまどきごはん 具だくさんビビンバ 家庭用冷凍食品
キッコーマン食品 いつでも新鮮しぼりたて生しょうゆ450mL 税抜希望小売価格 311円→329円(改定率5.8%)

商品名は食品新聞および日本経済新聞の報道によります。キッコーマンの生しょうゆ450mLの価格は食品新聞の記載で、当方で検算したところ18円の引き上げ、率にして5.79%となり、報道の改定率5.8%と一致しました。

値上げ理由に「中東情勢」を名指しした企業があります

ニップンは家庭用冷凍食品45品の値上げについて、中東情勢による包装資材の仕入れ価格高騰のほか、肉や油脂などの原材料、人件費、冷凍物流の輸送費の上昇を価格に転嫁すると発表しています(日本経済新聞)。第5章で見た「包装・資材64.0%」「中東情勢27.8%」という統計上の数字が、個別企業の説明として具体的に現れた形です。

しょうゆの値上げは3年半ぶりです

キッコーマン食品の家庭用しょうゆの値上げは、2023年4月以来およそ3年半ぶりとされています(食品新聞)。しょうゆは長く価格が据え置かれてきた分野で、そこが動くということは、コスト上昇が広い範囲に及んでいることを示しています。

冷食大手が「一斉に」動く意味

1社だけが値上げする場合、消費者は他社の商品に乗り換えることができます。しかしニッスイ・テーブルマーク・ニップンという冷食の主要各社が、同じ9月1日納品分で動きます。しかもテーブルマークは対象が全体の7〜8割、ニップンは約7割です。安い代替品を探すという対応が取りにくくなる点は、家計の側から見ておきたいところです。

ここに挙げたのは本記事の更新時点で確認できた分です。9月の値上げは4,531品目に上る見通しであり、今後も各社から発表が続きます。個別の商品が対象かどうか、改定率がいくらかは、各社の公式発表とお買い物先の表示でご確認ください。価格の改定は各社が個別の経営判断として行うもので、同時期に重なることは共通のコスト要因が同時に効いた結果として説明されています。

CHAPTER 08食品の消費税を1%にする方針が表明されました

9月の値上げが4,531品目と判明したのとほぼ同じ時期に、食料品の税金についての大きな動きがありました。値上げの話とあわせて押さえておきたい内容です。

2027年4月から2年間、8%を1%にする方針です

日本経済新聞などの報道によると、2026年7月30日、高市首相が食料品の消費税率を2027年4月から2年間限定で現行の8%から1%に引き下げる意向を表明しました。あわせて、1%分に相当する年約6,000億円を中低所得者へ給付することで「実質ゼロ」にするとしています。財源は赤字国債に頼らない方針とされています。

項目 内容
対象 食料品(現在は軽減税率8%が適用されている品目)
税率 8% → 1%
期間 2027年4月から2年間の限定。期間終了後は8%に戻る予定
給付 1%分に相当する年約6,000億円を中低所得者へ現金給付し「実質ゼロ」とする
今後の手続き 8月上旬に閣議決定、9月に大綱を決定、秋の臨時国会に関連法案を提出する意向

日本経済新聞、Bloomberg、Yahoo!ニュースの報道をもとに整理しました(2026年7月30日)。

実現すれば、1989年の消費税導入後、初めての税率引き下げとなる見通しです。

まだ決まったわけではありません

ここは正確に押さえておきたい点です。現時点は方針の表明段階であり、法案が成立して初めて確定します。超党派の「社会保障国民会議」では具体案について意見の一致に至らず、中間とりまとめは1%案と現金給付案の両論併記となりました。日本経済新聞は、与党内にも慎重な意見があると報じています。今後の国会審議によって内容や時期が変わる可能性があります。

値上げが止まるわけではありません

「消費税が下がるなら値上げの影響も相殺されるのでは」と考えたくなりますが、性質の違う話です。帝国データバンクは今回の調査で、この点について次のように分析しています。

実現すれば家計の食費負担を一定程度軽減する効果が期待できるとしたうえで、食品値上げの主因が原材料のほか物流、資材、人件費といった「粘着質」なコスト要因で占めるなか、飲食料品の値上げ圧力を直接的に抑制する効果は限定的となる可能性もあると記しています。

たとえるなら

商品の値段そのものが「本体価格」だとすれば、消費税は「その上に乗る分」です。今回の話は乗る分を薄くするもので、本体価格を押し上げている力とは別のところにあります。ナフサが上がり、資材が上がり、物流費が上がるという流れは、税率とは無関係に動き続けます。

時間の順番を整理しておきます

時期 できごと
2026年9月 4,531品目の値上げ(年内最多)
2026年10月 2,720品目の値上げ(判明分)
2026年秋 臨時国会に関連法案を提出する意向
2027年4月 食料品の消費税1%が始まる予定(法案成立が前提)
2029年3月末 2年間の期間が終了し、8%に戻る予定

値上げ品目数は帝国データバンク(2026年7月31日公表分)、消費税の日程は報道によります。いずれも今後変わる可能性があります。

9月の値上げから、消費税引き下げの開始まで1年半以上あります。この間の家計をどう組むかは、税制の話とは切り離して考えておくほうが現実的です。

CHAPTER 09家計への影響は、どう見ればよいでしょうか

品目数の多さは分かっても、自分の家計にいくら効くのかは見えにくいものです。ここは正直に申し上げると、公表されているのは品目数と平均値上げ率までで、世帯あたりの負担増を示す数字は同調査には含まれていません

そのため本記事では、負担額の試算は行いません。代わりに、確認できている材料から言えることを整理します。

参考になるのは「平均値上げ率」です

帝国データバンクは、2026年8月の値上げについて、値上げ1回あたりの平均値上げ率は月平均15%だったと記しています。前回公表分では7月が月平均11%とされていましたので、率としても上がっています。9月分の平均値上げ率は本記事の更新時点で公表されていません。

仮に8月と同水準だとすれば、対象になった商品はおおむね1割5分前後の値上がりということになります。300円の冷凍食品なら45円前後、500円なら75円前後という感覚です。

効いてくるのは「点」ではなく「面」です

1商品あたりの上げ幅は数十円でも、4,531品目が対象になるということは、日常的に買うものの多くが同時に動くということです。冷凍食品、調味料、飲料と、買い物かごの複数の場所で少しずつ増える。1品ごとの差は小さくても、レジで合計したときに差が見える構造になります。

買い置きしにくい分野であることも影響します

冷凍食品には、もうひとつ家計側の事情があります。冷凍庫の容量には限りがあるということです。

缶詰や乾麺であれば、値上げ前にまとめ買いして保管できます。しかし冷凍食品は、家庭の冷凍庫に入る量が上限です。「値上げ前に買っておく」という対応が取りにくい分野であり、値上げの影響がそのまま毎月の支出に反映されやすくなります。

CHAPTER 10買い方で工夫できることはあるでしょうか

値上げそのものは避けられませんが、影響のやわらげ方はあります。無理のない範囲でできることを挙げます。

8月中に買えるものと、買えないものを分ける

9月1日を境に値札が変わる商品があります。ただし、すべてを前倒しで買えるわけではありません。常温で長く保存できるもの(缶詰、乾麺、調味料の一部)は8月中に買っておける一方、冷凍食品は冷凍庫の容量が上限になります。この線引きを先にしておくと、買い物の優先順位が決めやすくなります。

「値上げ率」ではなく「よく買うもの」で見る

4,531品目という数字を全部追う必要はありません。自分の家庭が毎月買っているものが対象かどうかだけを確認すれば十分です。冷凍食品を週に何度も使う家庭と、ほとんど使わない家庭では、9月の影響はまったく違います。

実質値上げにも目を向ける

帝国データバンクの調査は、価格を据え置いて内容量を減らす実質値上げも集計対象に含めています。値札が変わっていなくても、中身が減っている場合があります。気になる商品は、内容量の表示を見比べてみると変化に気づけます。

10月以降も続く前提で考える

同調査は、飲食料品価格が今後も中東情勢や為替動向など外部環境の影響を受けやすい状況が続き、2026年後半にかけても断続的な値上げが継続するとみられるとしています。10月も2,720品目が判明しており、9月で終わるわけではありません。一時的な対応より、続く前提での家計の組み方を考えるほうが現実的です。

8月に何が上がったかも確認しておくと、流れが見えます

9月の値上げは、8月の2,311品目に続く動きです。何が連続して上がっているのかを把握しておくと、家計の見通しが立てやすくなります。8月分については2026年8月の値上げ一覧にまとめています。

10月は食品以外でも大きな改定があります

10月は食品2,720品目に加えて、食品以外の分野でも大きな改定が控えています。東京ディズニーリゾートのチケット、JTの加熱式たばこなど、食品の値上げ一覧には出てこないものが10月に集中します。「9月から値上げするもの」を調べていて見当たらなかった品目は、10月分に入っている可能性があります。詳しくは2026年10月の値上げ一覧にまとめています。

値上げの背景にある原料の動きについては、当社の関連記事でも扱っています。樹脂やナフサの価格推移はナフサ・原油完全まとめで、円安が輸入価格に届く仕組みは円安で輸入コストはいくら上がるのかで整理しています。

CHAPTER 11この記事に出てきた言葉の意味

価格改定動向調査

帝国データバンクが行っている調査です。主に全国展開する上場・非上場の主要195社を対象に、家庭用を中心とした飲食料品の値上げ動向を毎月末に集計しています。2022年から継続されています。

判明分

その時点までに各社が発表した分を積み上げた数字です。まだ発表されていない値上げは含まれないため、公表のたびに数字が増えていきます。9月の値上げが3,029品目から4,531品目へ増えたのもこのためです。

実質値上げ

価格を据え置いたまま内容量を減らすことです。1個あたりの単価は上がりますが、値札は変わらないため気づきにくい形の値上げです。同調査では集計の対象に含まれています。

軽減税率

消費税の標準税率10%に対して、飲食料品や定期購読の新聞に適用されている8%の税率です。2019年10月の消費税率引き上げにあわせて導入されました。今回の方針は、この8%をさらに1%へ引き下げるという内容です。

加工食品

同調査の分野区分のひとつです。冷凍食品、パック米飯、即席めん、缶詰、ハム・ソーセージなどが含まれます。2026年の値上げ品目数では最も多い分野となっています。

包装・資材

商品を包むトレー、フィルム、容器などを指します。多くが石油由来のナフサを原料とする樹脂製品で、原油価格の影響を受けます。2026年は値上げ要因として高い水準が続いています。

ナフサ

原油を精製して得られる石油製品のひとつで、プラスチックや合成繊維の原料になります。食品トレーやフィルム、当社が扱うプラスチックパレットも、このナフサから作られる樹脂を原料としています。

ホルムズ海峡

ペルシャ湾とオマーン湾を結ぶ海峡で、中東産原油の主要な輸送経路です。ここでの輸送が滞ると、原油から作られるあらゆる製品の価格に影響が広がります。

複数回答

アンケートで、ひとつの対象について複数の選択肢を選べる方式です。値上げ要因の集計はこの方式のため、各要因の比率を合計すると100%を超えます。比率から品目数を割り出すことはできません。

CHAPTER 12主な情報源

値上げ品目数について

  1. 二次マイナビニュース「2026年8月の飲食料品値上げは2311品目、前年比8割増」2026年7月31日|帝国データバンク「食品主要195社」価格改定動向調査(2026年7月31日公表)の内容として、9月4,531品目・8月2,311品目・7月2,664品目・10月2,720品目、通年累計18,347品目、前年通年20,609品目、2023年10月4,758品目、8月の前年同月1,262品目、8月の平均値上げ率月平均15%、8月分野別(加工食品1,419・調味料589・原材料276)、8月加工食品の前年同月188品目と2022年8月2,013品目、年間分野別(加工食品6,667・調味料5,197・酒類飲料3,274・菓子1,219)、前年通年の加工食品4,791品目、要因別(原材料高90.9%・物流費65.8%・包装資材64.0%・中東情勢27.8%)、1米ドル160円超の円安と消費税に関する分析の記載|https://news.mynavi.jp/article/20260731-4760168/
  2. 一次帝国データバンク「食品主要195社」価格改定動向調査 ― 2026年7月(2026年6月30日公表)|本記事の前回版で使用した9月3,029品目・8月1,898品目・要因別(原材料高92.5%・物流費71.9%・包装資材69.8%・中東情勢24.7%)などの根拠。今回の更新にあたり、前回値との比較に使用|https://www.tdb.co.jp/report/economic/20260630-neage26y07/

消費税について

  1. 二次日本経済新聞「食品消費税、27年4月から1% 高市首相『私が2年で確実に戻す』」2026年7月30日|食料品の消費税率を2027年4月から2年間限定で8%から1%に引き下げる意向を表明、1%分相当を中低所得者へ給付し「実質ゼロ」とする旨、与党内に慎重論がある旨の報道
  2. 二次日本経済新聞「食品消費税の来春1%、高市首相が30日表明 国民会議はまとまらず」2026年7月29日|超党派「社会保障国民会議」で具体案について意見の一致に至らず、中間とりまとめが1%案と現金給付案の両論併記となった旨、年6,000億円の現金給付を組み合わせる議長案の根拠
  3. 二次Bloomberg「高市首相、食料品消費税は来年4月から2年間1% 赤字国債頼らず財源」2026年7月30日|財源は赤字国債に頼らない方針、9月に大綱を決定したうえで臨時国会へ提出する旨の報道
  4. 二次Yahoo!ニュース「食料品消費税1% 首相が正式表明」2026年7月30日|政府が来週にも方針を閣議決定し今秋の臨時国会に関連法案を提出する意向である旨、実現すれば1989年の消費税導入後初めての税率引き下げとなる旨の記載

各社の値上げ内容について

  1. 一次ニッスイ ニュースリリース「ニッスイ家庭用冷凍食品・家庭用加工食品・業務用冷凍食品の一部商品の出荷価格改定」2026年6月1日|家庭用冷凍食品 約2〜17%、家庭用加工食品(ちくわ・かに風味かまぼこ・フィッシュソーセージ・パウチ商品・その他練り製品の全品)約5〜17%、業務用冷凍食品 約2〜30%、いずれも2026年9月1日納品分よりの根拠|https://www.nissui.co.jp/news/2026060101.html
  2. 二次食品新聞「キッコーマン食品 醤油など291品値上げ 9月1日から」2026年6月11日|291品目・2〜22%、いつでも新鮮しぼりたて生しょうゆ450mLの311円→329円(5.8%)、家庭用醤油の値上げは2023年4月以来約3年半ぶりの根拠
  3. 二次食品新聞「テーブルマーク 家庭用・業務用冷凍食品を9月値上げ」2026年6月15日|約3〜20%、全体の7〜8割、カトキチさぬきうどん・ごっつ旨いお好み焼・麺始め 讃岐うどん、冷凍米飯類は対象外の根拠
  4. 二次日本経済新聞|ニップンが家庭用冷凍食品45品を9月1日納品分から約7〜15%値上げ、全体の約7割が対象、中東情勢による包装資材の仕入れ価格高騰を理由に挙げた旨、対象商品名の報道
  5. 二次foodfun|理研ビタミンが業務用調味料など55品目を9月納品分から値上げする旨の記載(2026年7月7日)
  6. 二次食品新聞|ニッスイの対象商品として、わが家の麺自慢 ちゃんぽん・ほしいぶんだけ かにクリームコロッケ・活ちくわ・おさかなのソーセージが挙げられている旨の報道
  7. 二次日本経済新聞「9月の食品値上げ3029品目に 冷凍食品・すりみ商品など、年間最多」2026年6月30日|9月は冷凍食品やすりみ商品の値上げが目立ち、冷食メーカー大手が一斉に値上げする旨の報道
  8. 二次流通ニュース|無印良品が9月4日から489品目を値上げする旨の記載
  9. 二次みんかぶFX「ドル円163.30円まで、27日の安値割り込む=東京為替」2026年7月29日|ドル円163.30円の根拠

当社の関連記事

  1. 2026年8月の値上げ一覧|前月分の値上げ動向
  2. 2026年10月の値上げ一覧|翌月分。食品に加えてディズニー・たばこなど食品以外も収録
  3. ナフサ・原油完全まとめ、2026年ナフサ価格3系列の全記録|値上げ要因である資材価格の元になる原料の推移
  4. iPhoneの日本価格から想定為替を逆算する、円安で輸入コストはいくら上がるのかの実務ガイド|円安が輸入価格に反映される仕組み
  5. 「2026年のiPhone値上げ」をやさしく解説、アメリカは据え置きなのに日本だけ上がった本当の理由|為替が値札に届く流れをやさしく解説

本記事における増加率・構成比・比較値(前回比49.6%増、8月の前年同月比約8割増、加工食品の前年比約4割増と約7.5倍、分野別構成比、上位4分野89.1%、通年累計の前年比89.0%)は、いずれも上記資料の数値をもとに当方で計算したものです。帝国データバンクの2026年7月31日公表分については、公表当日に一次資料のページを直接確認できなかったため、報道機関の記事を通じて内容を確認しました。正確な数値は同社が毎月末に公表する原典をご参照ください。

FAQよくあるご質問

2026年9月に値上げされるのは何品目ですか。

帝国データバンクの「食品主要195社」価格改定動向調査(2026年7月31日公表分)によると、2026年9月の飲食料品の値上げは4,531品目となる見通しです。2026年内としては最多で、単月で4千品目を超えるのは2023年10月の4,758品目以来の水準です。前回6月30日公表時点では3,029品目とされていましたが、各社の発表が進んだことで上積みされました。同じ調査で8月は2,311品目、7月は2,664品目、10月は2,720品目となっています。

10月から値上げになるものは何ですか。

帝国データバンクの2026年7月31日公表分によると、10月の飲食料品の値上げは2,720品目が判明しています。これは6月末時点の集計に各社の発表が加わった数字で、今後さらに増える可能性があります。個別の品目については、10月分の発表が出そろう8月末から9月にかけての調査で明らかになる見込みです。なお同社は、飲食料品の値上げが2026年後半にかけても断続的に続くとみています。

食品の消費税は下がるのですか。

2026年7月30日、高市首相が食料品の消費税率を2027年4月から2年間、現行の8%から1%に引き下げる方針を表明しました。1%分に相当する年約6,000億円を中低所得者へ給付して「実質ゼロ」とする内容です。ただしこれは方針の表明段階であり、政府は8月上旬に閣議決定したうえで秋の臨時国会に関連法案を提出する意向とされています。法案が成立して初めて確定します。超党派の会議では意見の一致に至らず、与党内にも慎重論があると報じられています。

値上げの理由は何ですか。

帝国データバンクの調査では、複数回答で原材料高が90.9%と最も多く、次いで物流費65.8%、包装・資材64.0%となっています。中東情勢を要因とする値上げは27.8%を占め、前回公表時の24.7%から上昇しました。包装・資材はトレーや容器などナフサ由来の資材価格の高騰を背景に、高い水準での推移が続いているとされています。

なぜプラスチックパレット株式会社がこの記事を書いているのですか。

当社は千葉県我孫子市を拠点に、プラスチックパレット・再生樹脂原料・PPバンド・ストレッチフィルムなどの物流資材をお取扱いしています。食品の値上げ要因として挙げられる包装・資材やトレー、フィルムは、当社が扱う樹脂製品と同じ原料から作られています。原油からナフサ、樹脂へと枝分かれする流れを日々の調達を通じて把握できる立場から、値上げの背景を整理してお伝えしています。

NOTICE / 本記事についての注意事項
  • 本記事はに公開し、に更新しました。帝国データバンクの調査は毎月末に更新され、そのつど品目数が積み上がります。本記事の数値は2026年7月31日公表分に基づくもので、今後さらに増加する可能性があります。
  • 帝国データバンクの2026年7月31日公表分については、報道機関の記事を通じて内容を確認しました。数値の正確な出典は同社の公表資料であり、最新の集計は同社サイトでご確認ください。
  • 値上げ要因の比率は複数回答による集計のため、合計は100%を超えます。比率から品目数を割り出すことはできないため、本記事では比率のみを記載し、要因別の品目数換算は行っていません
  • 第7章の一覧は本記事の更新時点で確認できた分であり、9月に値上げされる4,531品目のすべてを網羅したものではありません。ニッスイのみ公式リリースを直接確認し、他社は報道によります。家庭用商品にはオープン価格のものが多く、店頭価格は小売店の判断で決まるため、記載の改定率がそのまま値札に反映されるとは限りません。世帯あたりの負担額については公表資料に該当する数値がないため、試算を行っていません。
  • 第8章の消費税に関する内容は、2026年7月30日時点の報道に基づく方針の表明段階のものです。法案の成立が前提であり、今後の国会審議によって内容・時期が変わる可能性があります。本記事は特定の政策への賛否を示すものではありません。また、特定の商品の購入・買い控えを推奨するものではなく、投資判断・経営判断の根拠として作成したものでもありません。引用に際しては出典として本記事URLを明記してください。記載内容に事実誤認がありましたら、お問い合わせフォームよりご連絡ください。
Back to top