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2026年8月の値上げ一覧、食品1,898品目と9月3,029品目の全体像
PRICE REVISION MONITOR ── 2026 AUGUST

2026年8月の値上げ一覧、食品1,898品目と9月3,029品目の全体像

2026年8月の飲食料品値上げは1,898品目、9月は年内最多となる3,029品目の見通しである。8月は8月1日を基準日とする改定が集中し、9月は冷凍食品が中心となる。本稿は企業別の改定時期を一覧化したうえで、トレーやフィルムなど包装資材のコスト上昇が、どの経路をたどって食品の価格に届くのかを整理する。

公開 / 最終更新 / 次回更新目安:月末の調査発表後
TL;DR ── 3行でわかる要点
  • 8月は1,898品目、9月は3,029品目。9月は2026年内で最多となり、単月3,000品目超は2025年10月の3,161品目以来11カ月ぶりとなる(帝国データバンク、2026年6月30日発表)。
  • 8月は8月1日を基準日とする改定に集中する。はごろもフーズ、極洋、プリマハム、ニチレイフーズなど、缶詰・ハム・冷凍食品の分野で改定が重なる。
  • 9月は冷凍食品が中心。冷凍食品やすり身商品の値上げが目立ち、大手各社が一斉に改定する見通しである。値上げの背景には包装資材のコスト上昇がある。
【結論】

2026年8月の飲食料品値上げは1,898品目、9月は年内最多の3,029品目(帝国データバンク・6月30日発表)。8月は8月1日基準の改定にはごろもフーズ・極洋・プリマハムなどが集中し、9月は冷凍食品が中心となる。背景には原材料高に加え、トレーやフィルムなど包装資材の価格上昇がある。

2026年8月
飲食料品の値上げ
1,898品目
2026年9月
年内最多の見通し
3,029品目
2026年7月
実績見通し
2,566品目
2026年通年累計
1〜11月の判明分
14,902品目
CHAPTER 01

2026年8月・9月の値上げ品目数

帝国データバンクの「食品主要195社」価格改定動向調査は、主要メーカー195社の価格改定計画を毎月末に集計して公表している。2026年6月30日発表分によれば、月別の見通しは次の通りである。

時期品目数位置づけ
2026年7月2,566品目単月2,000品目超は4月(2,838品目)以来3カ月ぶり。7月単月としては2023年(3,595品目)に次ぐ水準
2026年8月1,898品目2,000品目にせまる水準
2026年9月3,029品目2026年内で最多。単月3,000品目超は2025年10月(3,161品目)以来11カ月ぶり
2026年通年(1〜11月判明分)14,902品目2022年の調査開始以降5年連続で年間1万品目超。2024年通年(12,520品目)を上回った

出典:帝国データバンク「食品主要195社」価格改定動向調査(2026年6月30日発表)。本稿は同社の公表ページおよび日本経済新聞2026年6月30日付報道により数値を確認した。品目数は各社発表に基づき、年内に複数回値上げした品目はそれぞれ別品目として集計されている。価格据え置きで内容量を減らす実質値上げも対象に含まれる。

数値は発表時点によって更新される

同調査は判明分の集計であるため、発表の時点によって同じ月の品目数が変わる。2026年5月29日発表の時点では8月は849品目、9月は580品目とされていた。その後に各社の発表が積み上がり、6月30日発表では8月1,898品目・9月3,029品目へと増えている。本稿の数値は6月30日発表分であり、7月末以降の発表でさらに増える可能性がある。他の集計記事を参照する際は、どの時点の発表に基づく数字かを確認されたい。

分野別の内訳

2026年通年の判明分を分野別に見ると、構成は次のようになる。

分野品目数備考
加工食品5,780品目冷凍食品やパック米飯など。前年の通年実績(4,791品目)を上回る
調味料3,467品目だし、たれ、醤油製品など

出典:同調査(2026年6月30日発表)。加工食品と調味料の2分野で通年判明分の6割超を占める。

CHAPTER 02

2026年8月の値上げ一覧(企業・品目別)

8月の改定は8月1日を基準日とするものに集中している。缶詰・ハム・冷凍食品といった保存性の高い分野が中心で、家庭のストック需要にも業務用の調達にも影響する。

以下は本稿執筆時点で当社が確認できた主な改定である。8月の1,898品目は主要195社の集計であり、下表がその全体を網羅するものではない。個別の品目や改定率は各社の公式発表をご確認いただきたい。

企業対象適用基準
はごろもフーズ家庭用製品114品、業務用製品46品2026年8月1日出荷分
極洋缶詰・パウチ製品2026年8月1日納品分
プリマハムハム・ソーセージ、加工食品など約250品目2026年8月1日出荷分
ニチレイフーズ冷凍食品2026年8月1日納品分

各社の発表内容を、価格改定情報を集約した媒体を経由して確認した(取得経路はChapter 07に記載)。プリマハムは規格変更をともなう改定を含む。適用日は出荷分・納品分の別があり、店頭価格に反映される時期は小売各社の在庫状況によって異なる。

「出荷分」と「納品分」の違い。出荷分はメーカーが工場から出す時点、納品分は卸や小売に届く時点を指す。同じ8月1日でも、納品分のほうが店頭反映はやや遅れる。加えて小売は既存在庫を旧価格で売り切ることが多いため、店頭価格が動くのは基準日から数週間後になる場合がある。調達側が価格改定の影響を受けるタイミングと、消費者が実感するタイミングにはずれが生じる。
CHAPTER 03

2026年9月の値上げ一覧(企業・品目別)

9月は3,029品目と2026年内で最多になる見通しで、冷凍食品とすり身商品の改定が目立つ。冷凍食品大手が一斉に改定するため、単月の品目数を押し上げる構図になっている。

分野企業対象確度
冷凍食品ニッスイ、テーブルマーク、ニップン冷凍食品、すり身商品日本経済新聞が社名を挙げて報道
菓子カルビーポテトチップス、じゃがりこ価格改定情報の集約媒体で確認
調味料・飲料キッコーマンしょうゆ、つゆ、ぽんず、たれ類、みりん、デルモンテ飲料、豆乳など同上

確度欄は情報の確認方法を示す。冷凍食品3社は日本経済新聞2026年6月30日付が社名を挙げて報じている。カルビーとキッコーマンは価格改定情報を集約する媒体を経由して確認したもので、各社の公式発表そのものを直接参照したものではない。改定率や個別品目数は本稿執筆時点で確認できていない。

9月がなぜ年内最多になるのか

冷凍食品は包装フィルムと冷蔵物流の両方にコストがかかる分野である。中身の原材料に加えて、包材のフィルム、保管・輸送の電力と燃料が同時に上がると、価格改定を先送りする余地が小さくなる。加えて冷凍食品は品目数そのものが多い。1社が全ラインを改定すれば数百品目単位で計上されるため、大手が同じ月に重なると単月の集計が跳ね上がる。9月の3,029品目という数字は、こうした構造の反映として読むのが妥当である。

CHAPTER 04

なぜ夏以降に集中するのか、包装資材から見た構造

2026年の値上げには、例年と異なる要因が加わっている。帝国データバンクは調査資料のなかで、米国とイスラエルによるイランへの攻撃で高まった中東地域の地政学的リスクと、ホルムズ海峡の混乱に端を発した国内の石油製品の供給不安が食料品にも表面化しているとし、インクや食品フィルム、トレー類などで値上げや品薄が生じ、包装資材のコストが上がっている点を挙げている。日本経済新聞も6月30日付で、トレーやフィルムといった資材価格や原材料高が目立ち、それを販売価格に転嫁する動きが広がっていると報じた。

資材の値上げが食品価格に届くまでの時間差

ここが本稿で最も伝えたい点である。資材が値上がりした月と、食品が値上がりする月は一致しない。経路と時間差を整理すると次のようになる。

段階何が起きるか目安の時間差
① 原油・ナフサ中東情勢を受けて原料価格が変動する
② 樹脂・フィルム原反ポリプロピレン、ポリエチレン等の価格に反映される①から1〜2カ月
③ トレー・フィルム・インク成形品・印刷資材の価格改定が通知される②から1〜2カ月
④ 食品メーカーの原価包材費として原価に乗る。既存在庫を消化してから反映③から1〜3カ月
⑤ 製品価格の改定取引先への価格改定通知、実施④から1〜3カ月

段階ごとの時間差は、当社が物流資材の取引を通じて把握している一般的な目安であり、公表された統計値ではない。契約形態や在庫水準によって前後する。

この経路をたどると、春に起きた資材の価格改定が、夏から秋にかけての食品値上げとして表面化するという順序になる。2026年8月・9月に品目数が積み上がっているのは、この時間差の帰結として理解できる。逆に言えば、原油やナフサの相場が足元で落ち着いても、すでに通知済みの資材改定は取り消されないため、食品の値上げはしばらく続くことになる。

包装資材が「価格」ではなく「供給」の制約になるとき

値上げよりも実務上やっかいなのは、資材が調達できない状況である。価格が上がっただけなら原価計算で吸収の可否を判断できるが、トレーやフィルムが必要量そろわなければ、製造計画そのものを組み直す必要がある。品薄が生じた分野では、規格の変更、容量の見直し、包装形態の切り替えといった対応が取られることがある。プリマハムの8月改定が規格変更をともなうと発表されているのも、こうした流れのなかに位置づけられる。

調達実務での見方。食品の値上げ発表を見るときは、理由の記載を確認するとよい。「原材料価格の高騰」だけであれば中身の問題であり、相場が戻れば価格も落ち着く可能性がある。一方で「包装資材」「包材費」が理由に含まれている場合、原油相場が下がっても短期間では戻りにくい。資材メーカーの改定は年単位の契約に紐づくことが多く、いったん通知されると次の改定サイクルまで据え置かれるためである。
CHAPTER 05

10月以降の見通しと、確認できていないこと

本稿執筆時点(2026年7月26日)で、10月分についてまとまった品目数を公表資料上で確認できていない。帝国データバンクは通常、前月末に翌月以降の見通しを公表しているため、7月末の発表を待つ必要がある。

現時点で確認できている範囲では、加熱式たばこの税制移行にともなう改定が10月に予定されているとの報道がある。ただしこれは食品分野の集計とは別枠であり、本稿では詳細に立ち入らない。

通年見通しの読み方

2026年通年の判明分は6月30日時点で14,902品目である。参考として、2025年通年の実績は20,609品目、2024年通年は12,520品目だった。判明分は月を追うごとに積み上がる性質があるため、現時点の14,902品目という数字は最終的な着地点ではない。8月以降の発表で通年の数字はさらに増える。前年並みの水準に達するかどうかは、9月以降の発表を見てからでなければ判断できない。

次にどこを見ればよいか

  • 毎月末の価格改定動向調査。翌月以降の見通しが更新される。同じ月の数字が上方修正されることが多い
  • 値上げ理由に包装資材が含まれるか。含まれていれば、相場が戻っても価格は戻りにくい
  • 規格変更をともなう改定かどうか。資材の調達制約が背景にある可能性がある
  • ナフサと樹脂の市況。上流の動きは数カ月遅れで食品価格に届く

ナフサから樹脂、包装資材に至る上流側の推移については、当社のナフサ・原油完全まとめで価格系列ごとに整理している。値上げの背景を暮らしの言葉で確認したい場合は、ナフサ不足はいつまで続くのか、目詰まりの原因と値上げが止まらない理由を参照されたい。

CHAPTER 06

用語の整理

食品主要195社 価格改定動向調査
帝国データバンクが主要メーカー195社の価格改定計画を集計し、毎月末に公表している調査。実施済みを含み、年内に複数回値上げした品目はそれぞれ別品目として数える。価格を据え置いて内容量を減らす実質値上げも対象に含む。
実質値上げ
価格を変えずに内容量を減らすこと。店頭価格が同じでも単価は上がる。上記調査では値上げとして計上される。
出荷分/納品分
改定の基準となる時点。出荷分はメーカーの工場出荷時点、納品分は卸や小売への納入時点を指す。店頭反映は納品分のほうが遅れる傾向がある。
ナフサ
原油を精製して得られる留分で、プラスチックや合成繊維の出発原料。食品トレー、包装フィルム、ボトルはいずれもナフサ由来の樹脂から作られる。
包材費
製品を包む資材にかかる費用。トレー、フィルム、ラベル、インク、段ボールなどを含む。食品の原価に占める比率は品目によるが、単価の低い商品ほど比率が高くなりやすい。
規格変更
内容量、包装形態、仕様などの変更。資材の調達制約や原価上昇への対応として、価格改定と同時に実施されることがある。
CHAPTER 07

出典と取得経路

本稿で用いた数値について、出典と、当社がどの経路で確認したかを区別して記載する。

  1. 帝国データバンク「食品主要195社」価格改定動向調査(2026年6月30日発表)。8月1,898品目・9月3,029品目・7月2,566品目・通年累計14,902品目・分野別内訳の各数値。同社の公表ページおよび下記の日本経済新聞報道により確認
  2. 日本経済新聞「9月の食品値上げ3029品目に 冷凍食品・すりみ商品など、年間最多」(2026年6月30日)。9月の品目数、冷凍食品大手3社の社名、値上げ理由として資材価格が挙げられている点
  3. 帝国データバンク「食品主要195社」価格改定動向調査(2026年5月29日発表)。8月849品目・9月580品目という発表時点による差異の確認
  4. 帝国データバンク「食品主要195社」価格改定動向調査(2025年12月発表分)。2025年通年20,609品目・2024年通年12,520品目
  5. はごろもフーズ/極洋/プリマハム/ニチレイフーズの各価格改定発表。価格改定情報を集約する媒体を経由して確認したものであり、各社の発表資料を直接参照したものではない
  6. カルビー/キッコーマンの9月改定。価格改定情報を集約する媒体を経由して確認。改定率および個別品目数は確認できていない
Chapter 04の段階別の時間差は、当社が物流資材の取引を通じて把握している一般的な目安であり、公表統計に基づく数値ではない。本稿では、公表資料で確認できた事実と、当社の実務上の見立てとを区別して記載している。
CHAPTER 08

よくある質問

2026年8月はどれくらいの品目が値上げされますか

帝国データバンクの「食品主要195社」価格改定動向調査(2026年6月30日発表)によれば、8月の飲食料品値上げは1,898品目の見通しです。2,000品目にせまる水準で、7月の2,566品目に続く高い水準が続きます。なお同調査は発表時点によって数字が更新されるため、5月29日発表時点では849品目とされていました。最新の集計をご確認ください。

2026年9月の値上げが年内最多というのは本当ですか

同調査(2026年6月30日発表)で9月は3,029品目の見通しとされ、2026年内では最多です。単月で3,000品目を超えるのは2025年10月の3,161品目以来、11カ月ぶりとなります。冷凍食品やすり身商品の値上げが目立ち、冷凍食品大手が一斉に改定する見通しです。ただし判明分の集計であり、今後さらに増える可能性があります。

8月に値上げする主な企業を教えてください

8月1日を基準日とする改定が集中しています。はごろもフーズが家庭用114品・業務用46品、極洋が缶詰・パウチ製品、プリマハムがハム・ソーセージなど約250品目、ニチレイフーズが冷凍食品を対象としています。いずれも出荷分または納品分からの適用で、店頭価格に反映される時期は小売各社の在庫状況により異なります。

なぜ2026年の夏以降に値上げが集中しているのですか

原材料高と物流費・人件費の上昇に加えて、2026年は中東情勢の悪化による影響が加わりました。ホルムズ海峡の混乱で石油製品の供給に不安が生じ、トレーやフィルムといった包装資材の価格が上昇しています。資材の値上げが製品価格に反映されるまでには数カ月の時間差があるため、春の資材改定が夏以降の食品値上げとして表面化する構造になっています。

10月以降の値上げはどうなりますか

2026年10月分については、本稿執筆時点で公表資料上まとまった品目数を確認できていません。加熱式たばこの税制移行にともなう改定が予定されているとの報道はありますが、食品分野の集計は毎月末の調査発表を待つ必要があります。帝国データバンクは通常、前月末に翌月以降の見通しを公表しています。

なぜプラスチックパレット株式会社がこの記事を書いているのですか

当社はプラスチックパレット・再生樹脂材料・PPバンド・ストレッチフィルムなどの物流資材を扱う商社です。今回の値上げの一因となっているトレーやフィルムは、当社が日々取引している資材そのものです。資材の価格がどの経路をたどって食品の店頭価格に届くのかを、実需者の立場から整理できると考え、本記事を作成しました。

免責事項・編集方針
  1. 本記事は2026年7月26日時点で取得した公表情報にもとづきます。品目数は判明分の集計であり、今後の発表により増減します。
  2. 企業別の改定情報は、価格改定情報を集約する媒体を経由して確認したものを含みます。該当箇所はChapter 07に取得経路を明記しています。
  3. 改定の適用日は出荷分・納品分の別があり、店頭価格に反映される時期は小売各社の在庫状況により異なります。
  4. Chapter 04の段階別の時間差は当社の実務上の見立てであり、公表統計に基づく数値ではありません。
  5. 本記事は特定の商品の購買や投資判断を推奨するものではありません。調達判断は最新情報と各社の公式発表をご確認のうえ行ってください。
プラスチックパレット株式会社(千葉県我孫子市青山台3-8-5)
プラスチックパレット・再生樹脂材料・PPバンド・ストレッチフィルム等の物流資材を全国へ供給しています。
公開 / 最終更新
2026年8月の値上げ一覧、食品1,898品目と9月3,029品目の全体像
PRICE REVISION MONITOR ── 2026 AUGUST

2026年8月の値上げ一覧、食品1,898品目と9月3,029品目の全体像

2026年8月の飲食料品値上げは1,898品目、9月は年内最多となる3,029品目の見通しである。8月は8月1日を基準日とする改定が集中し、9月は冷凍食品が中心となる。本稿は企業別の改定時期を一覧化したうえで、トレーやフィルムなど包装資材のコスト上昇が、どの経路をたどって食品の価格に届くのかを整理する。

公開 / 最終更新 / 次回更新目安:月末の調査発表後
TL;DR ── 3行でわかる要点
  • 8月は1,898品目、9月は3,029品目。9月は2026年内で最多となり、単月3,000品目超は2025年10月の3,161品目以来11カ月ぶりとなる(帝国データバンク、2026年6月30日発表)。
  • 8月は8月1日を基準日とする改定に集中する。はごろもフーズ、極洋、プリマハム、ニチレイフーズなど、缶詰・ハム・冷凍食品の分野で改定が重なる。
  • 9月は冷凍食品が中心。冷凍食品やすり身商品の値上げが目立ち、大手各社が一斉に改定する見通しである。値上げの背景には包装資材のコスト上昇がある。
【結論】

2026年8月の飲食料品値上げは1,898品目、9月は年内最多の3,029品目(帝国データバンク・6月30日発表)。8月は8月1日基準の改定にはごろもフーズ・極洋・プリマハムなどが集中し、9月は冷凍食品が中心となる。背景には原材料高に加え、トレーやフィルムなど包装資材の価格上昇がある。

2026年8月
飲食料品の値上げ
1,898品目
2026年9月
年内最多の見通し
3,029品目
2026年7月
実績見通し
2,566品目
2026年通年累計
1〜11月の判明分
14,902品目
CHAPTER 01

2026年8月・9月の値上げ品目数

帝国データバンクの「食品主要195社」価格改定動向調査は、主要メーカー195社の価格改定計画を毎月末に集計して公表している。2026年6月30日発表分によれば、月別の見通しは次の通りである。

時期品目数位置づけ
2026年7月2,566品目単月2,000品目超は4月(2,838品目)以来3カ月ぶり。7月単月としては2023年(3,595品目)に次ぐ水準
2026年8月1,898品目2,000品目にせまる水準
2026年9月3,029品目2026年内で最多。単月3,000品目超は2025年10月(3,161品目)以来11カ月ぶり
2026年通年(1〜11月判明分)14,902品目2022年の調査開始以降5年連続で年間1万品目超。2024年通年(12,520品目)を上回った

出典:帝国データバンク「食品主要195社」価格改定動向調査(2026年6月30日発表)。本稿は同社の公表ページおよび日本経済新聞2026年6月30日付報道により数値を確認した。品目数は各社発表に基づき、年内に複数回値上げした品目はそれぞれ別品目として集計されている。価格据え置きで内容量を減らす実質値上げも対象に含まれる。

数値は発表時点によって更新される

同調査は判明分の集計であるため、発表の時点によって同じ月の品目数が変わる。2026年5月29日発表の時点では8月は849品目、9月は580品目とされていた。その後に各社の発表が積み上がり、6月30日発表では8月1,898品目・9月3,029品目へと増えている。本稿の数値は6月30日発表分であり、7月末以降の発表でさらに増える可能性がある。他の集計記事を参照する際は、どの時点の発表に基づく数字かを確認されたい。

分野別の内訳

2026年通年の判明分を分野別に見ると、構成は次のようになる。

分野品目数備考
加工食品5,780品目冷凍食品やパック米飯など。前年の通年実績(4,791品目)を上回る
調味料3,467品目だし、たれ、醤油製品など

出典:同調査(2026年6月30日発表)。加工食品と調味料の2分野で通年判明分の6割超を占める。

CHAPTER 02

2026年8月の値上げ一覧(企業・品目別)

8月の改定は8月1日を基準日とするものに集中している。缶詰・ハム・冷凍食品といった保存性の高い分野が中心で、家庭のストック需要にも業務用の調達にも影響する。

以下は本稿執筆時点で当社が確認できた主な改定である。8月の1,898品目は主要195社の集計であり、下表がその全体を網羅するものではない。個別の品目や改定率は各社の公式発表をご確認いただきたい。

企業対象適用基準
はごろもフーズ家庭用製品114品、業務用製品46品2026年8月1日出荷分
極洋缶詰・パウチ製品2026年8月1日納品分
プリマハムハム・ソーセージ、加工食品など約250品目2026年8月1日出荷分
ニチレイフーズ冷凍食品2026年8月1日納品分

各社の発表内容を、価格改定情報を集約した媒体を経由して確認した(取得経路はChapter 07に記載)。プリマハムは規格変更をともなう改定を含む。適用日は出荷分・納品分の別があり、店頭価格に反映される時期は小売各社の在庫状況によって異なる。

「出荷分」と「納品分」の違い。出荷分はメーカーが工場から出す時点、納品分は卸や小売に届く時点を指す。同じ8月1日でも、納品分のほうが店頭反映はやや遅れる。加えて小売は既存在庫を旧価格で売り切ることが多いため、店頭価格が動くのは基準日から数週間後になる場合がある。調達側が価格改定の影響を受けるタイミングと、消費者が実感するタイミングにはずれが生じる。
CHAPTER 03

2026年9月の値上げ一覧(企業・品目別)

9月は3,029品目と2026年内で最多になる見通しで、冷凍食品とすり身商品の改定が目立つ。冷凍食品大手が一斉に改定するため、単月の品目数を押し上げる構図になっている。

分野企業対象確度
冷凍食品ニッスイ、テーブルマーク、ニップン冷凍食品、すり身商品日本経済新聞が社名を挙げて報道
菓子カルビーポテトチップス、じゃがりこ価格改定情報の集約媒体で確認
調味料・飲料キッコーマンしょうゆ、つゆ、ぽんず、たれ類、みりん、デルモンテ飲料、豆乳など同上

確度欄は情報の確認方法を示す。冷凍食品3社は日本経済新聞2026年6月30日付が社名を挙げて報じている。カルビーとキッコーマンは価格改定情報を集約する媒体を経由して確認したもので、各社の公式発表そのものを直接参照したものではない。改定率や個別品目数は本稿執筆時点で確認できていない。

9月がなぜ年内最多になるのか

冷凍食品は包装フィルムと冷蔵物流の両方にコストがかかる分野である。中身の原材料に加えて、包材のフィルム、保管・輸送の電力と燃料が同時に上がると、価格改定を先送りする余地が小さくなる。加えて冷凍食品は品目数そのものが多い。1社が全ラインを改定すれば数百品目単位で計上されるため、大手が同じ月に重なると単月の集計が跳ね上がる。9月の3,029品目という数字は、こうした構造の反映として読むのが妥当である。

CHAPTER 04

なぜ夏以降に集中するのか、包装資材から見た構造

2026年の値上げには、例年と異なる要因が加わっている。帝国データバンクは調査資料のなかで、米国とイスラエルによるイランへの攻撃で高まった中東地域の地政学的リスクと、ホルムズ海峡の混乱に端を発した国内の石油製品の供給不安が食料品にも表面化しているとし、インクや食品フィルム、トレー類などで値上げや品薄が生じ、包装資材のコストが上がっている点を挙げている。日本経済新聞も6月30日付で、トレーやフィルムといった資材価格や原材料高が目立ち、それを販売価格に転嫁する動きが広がっていると報じた。

資材の値上げが食品価格に届くまでの時間差

ここが本稿で最も伝えたい点である。資材が値上がりした月と、食品が値上がりする月は一致しない。経路と時間差を整理すると次のようになる。

段階何が起きるか目安の時間差
① 原油・ナフサ中東情勢を受けて原料価格が変動する
② 樹脂・フィルム原反ポリプロピレン、ポリエチレン等の価格に反映される①から1〜2カ月
③ トレー・フィルム・インク成形品・印刷資材の価格改定が通知される②から1〜2カ月
④ 食品メーカーの原価包材費として原価に乗る。既存在庫を消化してから反映③から1〜3カ月
⑤ 製品価格の改定取引先への価格改定通知、実施④から1〜3カ月

段階ごとの時間差は、当社が物流資材の取引を通じて把握している一般的な目安であり、公表された統計値ではない。契約形態や在庫水準によって前後する。

この経路をたどると、春に起きた資材の価格改定が、夏から秋にかけての食品値上げとして表面化するという順序になる。2026年8月・9月に品目数が積み上がっているのは、この時間差の帰結として理解できる。逆に言えば、原油やナフサの相場が足元で落ち着いても、すでに通知済みの資材改定は取り消されないため、食品の値上げはしばらく続くことになる。

包装資材が「価格」ではなく「供給」の制約になるとき

値上げよりも実務上やっかいなのは、資材が調達できない状況である。価格が上がっただけなら原価計算で吸収の可否を判断できるが、トレーやフィルムが必要量そろわなければ、製造計画そのものを組み直す必要がある。品薄が生じた分野では、規格の変更、容量の見直し、包装形態の切り替えといった対応が取られることがある。プリマハムの8月改定が規格変更をともなうと発表されているのも、こうした流れのなかに位置づけられる。

調達実務での見方。食品の値上げ発表を見るときは、理由の記載を確認するとよい。「原材料価格の高騰」だけであれば中身の問題であり、相場が戻れば価格も落ち着く可能性がある。一方で「包装資材」「包材費」が理由に含まれている場合、原油相場が下がっても短期間では戻りにくい。資材メーカーの改定は年単位の契約に紐づくことが多く、いったん通知されると次の改定サイクルまで据え置かれるためである。
CHAPTER 05

10月以降の見通しと、確認できていないこと

本稿執筆時点(2026年7月26日)で、10月分についてまとまった品目数を公表資料上で確認できていない。帝国データバンクは通常、前月末に翌月以降の見通しを公表しているため、7月末の発表を待つ必要がある。

現時点で確認できている範囲では、加熱式たばこの税制移行にともなう改定が10月に予定されているとの報道がある。ただしこれは食品分野の集計とは別枠であり、本稿では詳細に立ち入らない。

通年見通しの読み方

2026年通年の判明分は6月30日時点で14,902品目である。参考として、2025年通年の実績は20,609品目、2024年通年は12,520品目だった。判明分は月を追うごとに積み上がる性質があるため、現時点の14,902品目という数字は最終的な着地点ではない。8月以降の発表で通年の数字はさらに増える。前年並みの水準に達するかどうかは、9月以降の発表を見てからでなければ判断できない。

次にどこを見ればよいか

  • 毎月末の価格改定動向調査。翌月以降の見通しが更新される。同じ月の数字が上方修正されることが多い
  • 値上げ理由に包装資材が含まれるか。含まれていれば、相場が戻っても価格は戻りにくい
  • 規格変更をともなう改定かどうか。資材の調達制約が背景にある可能性がある
  • ナフサと樹脂の市況。上流の動きは数カ月遅れで食品価格に届く

ナフサから樹脂、包装資材に至る上流側の推移については、当社のナフサ・原油完全まとめで価格系列ごとに整理している。値上げの背景を暮らしの言葉で確認したい場合は、ナフサ不足はいつまで続くのか、目詰まりの原因と値上げが止まらない理由を参照されたい。

CHAPTER 06

用語の整理

食品主要195社 価格改定動向調査
帝国データバンクが主要メーカー195社の価格改定計画を集計し、毎月末に公表している調査。実施済みを含み、年内に複数回値上げした品目はそれぞれ別品目として数える。価格を据え置いて内容量を減らす実質値上げも対象に含む。
実質値上げ
価格を変えずに内容量を減らすこと。店頭価格が同じでも単価は上がる。上記調査では値上げとして計上される。
出荷分/納品分
改定の基準となる時点。出荷分はメーカーの工場出荷時点、納品分は卸や小売への納入時点を指す。店頭反映は納品分のほうが遅れる傾向がある。
ナフサ
原油を精製して得られる留分で、プラスチックや合成繊維の出発原料。食品トレー、包装フィルム、ボトルはいずれもナフサ由来の樹脂から作られる。
包材費
製品を包む資材にかかる費用。トレー、フィルム、ラベル、インク、段ボールなどを含む。食品の原価に占める比率は品目によるが、単価の低い商品ほど比率が高くなりやすい。
規格変更
内容量、包装形態、仕様などの変更。資材の調達制約や原価上昇への対応として、価格改定と同時に実施されることがある。
CHAPTER 07

出典と取得経路

本稿で用いた数値について、出典と、当社がどの経路で確認したかを区別して記載する。

  1. 帝国データバンク「食品主要195社」価格改定動向調査(2026年6月30日発表)。8月1,898品目・9月3,029品目・7月2,566品目・通年累計14,902品目・分野別内訳の各数値。同社の公表ページおよび下記の日本経済新聞報道により確認
  2. 日本経済新聞「9月の食品値上げ3029品目に 冷凍食品・すりみ商品など、年間最多」(2026年6月30日)。9月の品目数、冷凍食品大手3社の社名、値上げ理由として資材価格が挙げられている点
  3. 帝国データバンク「食品主要195社」価格改定動向調査(2026年5月29日発表)。8月849品目・9月580品目という発表時点による差異の確認
  4. 帝国データバンク「食品主要195社」価格改定動向調査(2025年12月発表分)。2025年通年20,609品目・2024年通年12,520品目
  5. はごろもフーズ/極洋/プリマハム/ニチレイフーズの各価格改定発表。価格改定情報を集約する媒体を経由して確認したものであり、各社の発表資料を直接参照したものではない
  6. カルビー/キッコーマンの9月改定。価格改定情報を集約する媒体を経由して確認。改定率および個別品目数は確認できていない
Chapter 04の段階別の時間差は、当社が物流資材の取引を通じて把握している一般的な目安であり、公表統計に基づく数値ではない。本稿では、公表資料で確認できた事実と、当社の実務上の見立てとを区別して記載している。
CHAPTER 08

よくある質問

2026年8月はどれくらいの品目が値上げされますか

帝国データバンクの「食品主要195社」価格改定動向調査(2026年6月30日発表)によれば、8月の飲食料品値上げは1,898品目の見通しです。2,000品目にせまる水準で、7月の2,566品目に続く高い水準が続きます。なお同調査は発表時点によって数字が更新されるため、5月29日発表時点では849品目とされていました。最新の集計をご確認ください。

2026年9月の値上げが年内最多というのは本当ですか

同調査(2026年6月30日発表)で9月は3,029品目の見通しとされ、2026年内では最多です。単月で3,000品目を超えるのは2025年10月の3,161品目以来、11カ月ぶりとなります。冷凍食品やすり身商品の値上げが目立ち、冷凍食品大手が一斉に改定する見通しです。ただし判明分の集計であり、今後さらに増える可能性があります。

8月に値上げする主な企業を教えてください

8月1日を基準日とする改定が集中しています。はごろもフーズが家庭用114品・業務用46品、極洋が缶詰・パウチ製品、プリマハムがハム・ソーセージなど約250品目、ニチレイフーズが冷凍食品を対象としています。いずれも出荷分または納品分からの適用で、店頭価格に反映される時期は小売各社の在庫状況により異なります。

なぜ2026年の夏以降に値上げが集中しているのですか

原材料高と物流費・人件費の上昇に加えて、2026年は中東情勢の悪化による影響が加わりました。ホルムズ海峡の混乱で石油製品の供給に不安が生じ、トレーやフィルムといった包装資材の価格が上昇しています。資材の値上げが製品価格に反映されるまでには数カ月の時間差があるため、春の資材改定が夏以降の食品値上げとして表面化する構造になっています。

10月以降の値上げはどうなりますか

2026年10月分については、本稿執筆時点で公表資料上まとまった品目数を確認できていません。加熱式たばこの税制移行にともなう改定が予定されているとの報道はありますが、食品分野の集計は毎月末の調査発表を待つ必要があります。帝国データバンクは通常、前月末に翌月以降の見通しを公表しています。

なぜプラスチックパレット株式会社がこの記事を書いているのですか

当社はプラスチックパレット・再生樹脂材料・PPバンド・ストレッチフィルムなどの物流資材を扱う商社です。今回の値上げの一因となっているトレーやフィルムは、当社が日々取引している資材そのものです。資材の価格がどの経路をたどって食品の店頭価格に届くのかを、実需者の立場から整理できると考え、本記事を作成しました。

免責事項・編集方針
  1. 本記事は2026年7月26日時点で取得した公表情報にもとづきます。品目数は判明分の集計であり、今後の発表により増減します。
  2. 企業別の改定情報は、価格改定情報を集約する媒体を経由して確認したものを含みます。該当箇所はChapter 07に取得経路を明記しています。
  3. 改定の適用日は出荷分・納品分の別があり、店頭価格に反映される時期は小売各社の在庫状況により異なります。
  4. Chapter 04の段階別の時間差は当社の実務上の見立てであり、公表統計に基づく数値ではありません。
  5. 本記事は特定の商品の購買や投資判断を推奨するものではありません。調達判断は最新情報と各社の公式発表をご確認のうえ行ってください。
プラスチックパレット株式会社(千葉県我孫子市青山台3-8-5)
プラスチックパレット・再生樹脂材料・PPバンド・ストレッチフィルム等の物流資材を全国へ供給しています。
公開 / 最終更新
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