価格改定の動き

2026年8月に値上がりしたもの一覧、食品2,311品目と紙製品15%以上

公開 更新(本文は7月31日公表分、続報は10月23日時点の情報)読む時間 約15分

この記事の答え

何が起きた
帝国データバンクの7月31日公表分では、8月の食品の値上げは2,311品目でした。大王製紙は家庭用・業務用の全品を、8月1日納品分から15%以上改定すると発表しています。
暮らしと調達への影響
食品は8月1日の出荷分・納品分からの改定が中心で、店頭に出るのは在庫がはけてからです。紙製品・衛生用品は食品の品目数に含まれず、分けて見る必要があります。
確かめておくこと
値上げの理由に「包装資材」「包材費」が入っているかどうかです。入っている場合、原油相場が下がっても短期間では戻りにくくなります。
次に見るところ
毎月末の帝国データバンクの調査です。9月は9月30日の公表で4,965品目に確定しました。最新の値上げは11月の値上げ一覧にあります。
この記事のあとの動き

この記事で「9月は年内最多となる4,531品目の見通し」と書いた9月の食品の値上げは、帝国データバンクが9月30日に公表した調査で4,965品目と確定しました。2026年でいちばん多い月になっています。

10月は3,153品目、2026年の累計は20,187品目です(帝国データバンク、9月30日)。

続きの記事:11月の値上げ一覧 ›
2026年8月 飲食料品の値上げ2,311品目帝国データバンクの集計(7月31日公表分)
2026年9月 年内最多の見通し4,531品目同じ集計(7月31日公表分)。9月30日の公表で4,965品目に確定
紙製品・衛生用品15%以上大王製紙の全品。8月1日納品分から

食品の品目数は判明分の集計で、発表の時点によって同じ月の数字が変わります。紙製品・衛生用品は、食品の品目数には含まれません。

公開時の数字カードの値本文の数字にそろえる前の表示

公開時の数字カードには、2026年8月の飲食料品の値上げ1,898品目、2026年9月の見通し3,029品目、2026年通年累計(1〜11月の判明分)14,902品目と表示していました。

いずれも本文の数字(7月31日公表分の2,311品目・4,531品目・18,347品目)と合っていなかったため、カードは本文の数字にそろえました。

7月末の集計で、8月は2,311品目、9月は年内最多の4,531品目です

帝国データバンクの7月31日公表分では、8月は2,311品目、9月は4,531品目の見通しです。9月は2026年内で最多で、単月4,000品目超は2023年10月(4,758品目)以来です。

帝国データバンクには、「食品主要195社」価格改定動向調査があります。主要メーカー195社の価格改定計画を、毎月末に集計して公表しているものです。2026年7月31日公表分によると、月別の見通しは次のとおりです。

月別の食品の値上げ品目数(7月31日公表分)
時期品目数位置づけ
2026年7月2,664品目単月2,000品目超は4月(2,838品目)以来3カ月ぶり。7月単月としては2023年(3,595品目)に次ぐ水準
2026年8月2,311品目2,000品目にせまる水準
2026年9月4,531品目2026年内で最多。単月4,000品目超は2023年10月(4,758品目)以来
2026年通年(1〜11月判明分)18,347品目2022年の調査開始以降5年連続で年間1万品目超。2024年通年(12,520品目)を上回った

出典:帝国データバンク「食品主要195社」価格改定動向調査(2026年7月31日公表分)。この記事では、同社の公表ページと日本経済新聞2026年6月30日付の報道で数値を確認しました。品目数は各社の発表にもとづき、年内に複数回値上げした品目は、それぞれ別の品目として集計されています。価格据え置きで内容量を減らす実質値上げも、対象に含まれます。

数値は発表時点によって更新されます 同調査は判明分の集計のため、発表の時点によって同じ月の品目数が変わります。2026年5月29日発表の時点では、8月は849品目、9月は580品目とされていました。その後に各社の発表が積み上がり、7月31日公表分では8月2,311品目・9月4,531品目へと増えています。

この記事の数値は7月31日公表分で、7月末以降の発表でさらに増える可能性があります。他の集計記事を参照する際は、どの時点の発表にもとづく数字かをご確認ください。

値上げ率と、値上げ理由の内訳

品目数と合わせて見ておきたいのが、改定率です。2026年7月の値上げ1回あたりの平均値上げ率は11%でした。

7月の分野別では、即席めんや缶詰を中心とした加工食品が1,084品目で最も多くなりました。大手メーカーが一斉に改定したパンが、1,078品目で続きます。

帝国データバンクは、中東情勢の悪化によるコスト高などを理由とした値上げが、年内の判明分のうち6月末時点で2割を超えているとしています。

加えて2026年6月30日には、外国為替市場で1ドル162円台と、39年半ぶりの円安水準になりました。輸入コストの上昇も重なっています。同社は年間の値上げ品目数について、2万品目台での着地を想定するとしています。

出典:帝国データバンク「食品主要195社」価格改定動向調査(2026年7月31日公表分)。平均値上げ率・分野別品目数は流通ニュース2026年6月30日付、為替水準と年間見通しはnippon.com掲載記事で確認しました。

分野別の内訳

2026年通年の判明分を分野別に見ると、構成は次のようになります。

2026年通年の判明分(分野別)
分野品目数備考
加工食品5,780品目冷凍食品やパック米飯など。前年の通年実績(4,791品目)を上回る
調味料3,467品目だし、たれ、醤油製品など

出典:同調査(2026年7月31日公表分)。加工食品と調味料の2分野で、通年判明分の6割超を占めます。

8月は8月1日の改定に集まり、紙製品は全品が15%以上上がります

8月の改定は、8月1日を基準日とするものに集中しています。食品は缶詰・ハム・冷凍食品が中心で、日用品では大王製紙が全品を15%以上改定します。

缶詰・ハム・冷凍食品といった保存性の高い分野が中心で、家庭のストック需要にも業務用の調達にも影響します。

以下は、この記事の執筆時点で当社が確認できた主な改定です。8月の2,311品目は主要195社の集計で、下の表がその全体を網羅するものではありません。個別の品目や改定率は、各社の公式発表をご確認ください。

8月に値上がりする主な食品(企業別)
企業対象適用基準
はごろもフーズ家庭用製品114品、業務用製品46品2026年8月1日出荷分
極洋缶詰・パウチ製品2026年8月1日納品分
プリマハムハム・ソーセージ、加工食品など約250品目2026年8月1日出荷分
ニチレイフーズ冷凍食品2026年8月1日納品分

各社の発表内容を、価格改定情報を集約した媒体を経由して確認しました(取得経路は出典・エビデンス一覧に記載)。プリマハムは規格変更をともなう改定を含みます。適用日には出荷分・納品分の別があります。店頭価格に反映される時期は、小売各社の在庫状況によって異なります。

「出荷分」と「納品分」の違い 出荷分はメーカーが工場から出す時点、納品分は卸や小売に届く時点を指します。同じ8月1日でも、納品分のほうが店頭反映はやや遅れます。

加えて小売は、既存在庫を旧価格で売り切ることが多くあります。そのため、店頭価格が動くのは基準日から数週間後になる場合があります。調達側が価格改定の影響を受けるタイミングと、消費者が実感するタイミングには、ずれが生じます。

8月1日から値上がりする日用品

8月1日の改定は、食品にとどまりません。紙製品と衛生用品では、単月の改定幅として食品を上回る水準が発表されています。

帝国データバンクの調査は飲食料品を対象としているため、この分野は品目数の集計には含まれません。買い物の総額で見るときは、食品の2,311品目と分けて把握する必要があります。

8月前後に値上がりする紙製品・衛生用品
企業対象改定幅適用基準
大王製紙家庭用・業務用製品 全品(エリエールの紙製品ほか)15%以上2026年8月1日納品分
ユニ・チャーム紙オムツ、生理用品などの主力商品5%前後2026年7月以降順次
花王生理用品「ロリエ」など未公表2026年9月以降検討中と報道

大王製紙の内容は、同社の公式発表(2026年5月15日)で確認しました。対象品種は「家庭用・業務用製品 全品」と記載されています。報道では、紙オムツ「グーン」、大人用紙オムツ「アテント」、生理用ナプキン「エリス」も対象と伝えられています。ユニ・チャームは日本経済新聞2026年5月15日付、花王は読売新聞オンライン2026年5月の報道によります。花王については、この記事の更新時点で正式発表を確認できていません。

大王製紙の発表文にある「全品」という表現は、紙製品に加え、紙オムツと生理用ナプキンまでを含みます。紙製品とは、ティッシュペーパー、トイレットペーパー、キッチンタオル、ペーパータオルといったものです。

食品の改定が1品目あたり数円から数十円で進むのに対し、こちらは15%以上という下限だけが示され、上限は示されていません。商品ごとに原料の構成比が異なるため、一律の率にできないという事情によります。

なぜ紙製品と衛生用品が同じ日に動くのか 紙オムツと生理用ナプキンは、次の構成です。肌に触れる面が不織布(ポリプロピレン)、水分を抱える吸収体がパルプと高吸水性ポリマー、裏面が漏れを防ぐフィルムです。

パルプ以外はいずれもナフサ由来で、食品トレーやフィルムと同じ原料をたどります。第4章で整理した資材からの経路が、包装ではなく製品そのものに効いている分野といえます。素材ごとの内訳は、紙オムツの値上げ解説と生理用品の値上げ解説で分解しています。

なお8月1日は、「納品分から」の改定です。メーカーが小売店に納める価格が変わる時点で、店頭の値札が同じ日に一斉に書き換わるわけではありません。

店の在庫がはけるまでは現行価格で販売されることが多く、地域や店舗によって反映時期には差が出ます。この点は、食品の改定と同様です。

9月は冷凍食品とすり身商品の改定が中心です

9月は4,531品目と、2026年内で最多になる見通しです。冷凍食品大手が一斉に改定するため、単月の品目数を押し上げる構図になっています。

9月は、冷凍食品とすり身商品の改定が目立ちます。

9月に値上がりする主なもの(企業・品目別)
分野企業対象確度
冷凍食品ニッスイ、テーブルマーク、ニップン冷凍食品、すり身商品日本経済新聞が社名を挙げて報道
菓子カルビーポテトチップス、じゃがりこ価格改定情報の集約媒体で確認
調味料・飲料キッコーマンしょうゆ、つゆ、ぽんず、たれ類、みりん、デルモンテ飲料、豆乳など同上
衛生用品花王生理用品「ロリエ」など読売新聞オンラインが検討中と報道

確度の欄は、情報の確認方法を示します。冷凍食品3社は、日本経済新聞2026年6月30日付が社名を挙げて報じています。カルビーとキッコーマンは、価格改定情報を集約する媒体を経由して確認したものです。各社の公式発表そのものを直接参照したものではありません。花王は2026年5月の報道にもとづく検討段階の情報で、正式発表を確認できていません。改定率や個別品目数は、この記事の執筆時点で確認できていません。

9月がなぜ年内最多になるのか 冷凍食品は、包装フィルムと冷蔵物流の両方にコストがかかる分野です。中身の原材料に加えて、包材のフィルム、保管・輸送の電力と燃料が同時に上がると、価格改定を先送りする余地が小さくなります。

加えて冷凍食品は、品目数そのものが多い分野です。1社が全ラインを改定すれば数百品目単位で計上されるため、大手が同じ月に重なると単月の集計が跳ね上がります。9月の4,531品目という数字は、こうした構造の反映として読むのが妥当です。

包装資材の値上げは、数カ月遅れて食品の値段に届きます

資材が値上がりした月と、食品が値上がりする月は一致しません。春に起きた資材の価格改定が、夏から秋にかけての食品値上げとして表面化します。

2026年の値上げには、例年と異なる要因が加わっています。帝国データバンクは調査資料のなかで、次の2つが食料品にも表面化しているとしています。米国とイスラエルによるイランへの攻撃で高まった中東地域の地政学的リスクと、ホルムズ海峡の混乱に端を発した国内の石油製品の供給不安です。

同社は、インクや食品フィルム、トレー類などで値上げや品薄が生じ、包装資材のコストが上がっている点を挙げています。日本経済新聞も6月30日付で報じました。トレーやフィルムといった資材価格や原材料高が目立ち、それを販売価格に転嫁する動きが広がっているという内容です。

資材の値上げが食品価格に届くまでの時間差

ここが、この記事で最も伝えたい点です。資材が値上がりした月と、食品が値上がりする月は一致しません。経路と時間差を整理すると、次のようになります。

資材から食品の値段に届くまでの段階
段階何が起きるか時間差の目安
① 原油・ナフサ中東情勢を受けて原料価格が変動する―
② 樹脂・フィルム原反ポリプロピレン、ポリエチレン等の価格に反映される①から1〜2カ月
③ トレー・フィルム・インク成形品・印刷資材の価格改定が通知される②から1〜2カ月
④ 食品メーカーの原価包材費として原価に乗る。既存在庫を消化してから反映③から1〜3カ月
⑤ 製品価格の改定取引先への価格改定通知、実施④から1〜3カ月

段階ごとの時間差は、当社が物流資材の取引を通じて把握している一般的な目安で、公表された統計値ではありません。契約形態や在庫水準によって前後します。

この経路をたどると、春に起きた資材の価格改定が、夏から秋にかけての食品値上げとして表面化するという順序になります。2026年8月・9月に品目数が積み上がっているのは、この時間差の帰結として理解できます。

逆に言えば、原油やナフサの相場が足元で落ち着いても、すでに通知済みの資材改定は取り消されません。そのため、食品の値上げはしばらく続くことになります。

日用品では、経路がもう一段短い

第2章で扱った紙製品と衛生用品では、この経路の②から④が省かれます。包装ではなく製品そのものがナフサ由来の素材でできているためです。

紙オムツと生理用ナプキンの吸収体に使われる高吸水性ポリマーは、ナフサからプロピレン、アクリル酸を経て作られます。表面の不織布はポリプロピレン、防漏フィルムはポリエチレンです。

経路が短いぶん、原料の変動が製品価格に届くまでの時間も短く、改定幅も大きく出やすくなります。食品の平均値上げ率が11%であるのに対し、大王製紙の改定が15%以上という下限を置いているのは、この違いによるものと読めます。

値上げの発表を分野横断で見るときは、包材として効いているのか、製品本体として効いているのかを区別します。そうすると、次にどこが動くかの見当がつけやすくなります。

包装資材が「価格」ではなく「供給」の制約になるとき

値上げよりも実務上やっかいなのは、資材が調達できない状況です。価格が上がっただけなら、原価計算で吸収の可否を判断できます。しかしトレーやフィルムが必要量そろわなければ、製造計画そのものを組み直す必要があります。

品薄が生じた分野では、規格の変更、容量の見直し、包装形態の切り替えといった対応が取られることがあります。プリマハムの8月改定が規格変更をともなうと発表されているのも、こうした流れのなかに位置づけられます。

調達実務での見方 食品の値上げ発表を見るときは、理由の記載を確認するとよいでしょう。「原材料価格の高騰」だけであれば中身の問題で、相場が戻れば価格も落ち着く可能性があります。

一方で、「包装資材」「包材費」が理由に含まれている場合、原油相場が下がっても短期間では戻りにくくなります。資材メーカーの改定は年単位の契約に紐づくことが多く、いったん通知されると次の改定サイクルまで据え置かれるためです。

10月分の品目数は、公開時点では確認できていません

この記事の更新時点(2026年7月30日)で、10月分についてまとまった品目数を公表資料上で確認できていません。通年の判明分18,347品目も、最終的な着地点ではありません。

帝国データバンクは通常、前月末に翌月以降の見通しを公表しています。そのため、7月末の発表を待つ必要がありました。

公開時点で確認できている範囲では、加熱式たばこの税制移行にともなう改定が、10月に予定されているとの報道があります。ただしこれは食品分野の集計とは別枠で、この記事では詳細に立ち入りません。

通年見通しの読み方 2026年通年の判明分は、6月30日時点で18,347品目です。参考として、2025年通年の実績は20,609品目、2024年通年は12,520品目でした。

判明分は、月を追うごとに積み上がる性質があります。そのため、現時点の18,347品目という数字は最終的な着地点ではありません。帝国データバンクは、年間2万品目台での着地を想定するとしています。8月以降の発表で、通年の数字はさらに増えます。

次にどこを見ればよいか

  • 毎月末の価格改定動向調査。翌月以降の見通しが更新されます。同じ月の数字が上方修正されることが多くあります。
  • 値上げ理由に包装資材が含まれるか。含まれていれば、相場が戻っても価格は戻りにくくなります。
  • 規格変更をともなう改定かどうか。資材の調達制約が背景にある可能性があります。
  • ナフサと樹脂の市況。上流の動きは、数カ月遅れで食品価格に届きます。
  • 花王の生理用品の正式発表。9月以降の改定が検討されていると報じられていますが、対象と改定幅は未公表です。

ナフサから樹脂、包装資材に至る上流側の推移は、当社のナフサ・原油完全まとめで価格系列ごとに整理しています。

値上げの背景を暮らしの言葉で確認したい場合は、ナフサ不足はいつまで続くのか、目詰まりの原因と値上げが止まらない理由をご覧ください。

よくある質問

2026年8月はどれくらいの品目が値上げされますか

帝国データバンクの「食品主要195社」価格改定動向調査(2026年7月31日公表分)によれば、8月の飲食料品値上げは2,311品目で確定しました。前年同月の1,262品目から約8割増で、8月単月としては集計を開始した2022年に次いで過去2番目に多い水準です。7月も2,664品目へ上方修正されています。なお同調査は公表のたびに数字が積み上がるため、6月30日公表時点では2,311品目、5月29日公表時点では849品目とされていました。

2026年9月の値上げが年内最多というのは本当ですか

同調査(2026年7月31日公表分)で9月は4,531品目の見通しとされ、2026年内では最多です。単月で4,000品目を超えるのは2023年10月の4,758品目以来となります。冷凍食品やすり身商品の値上げが目立ち、冷凍食品大手が一斉に改定する見通しです。ただし判明分の集計であり、今後さらに増える可能性があります。

8月に値上げする主な企業を教えてください

8月1日を基準日とする改定が集中しています。はごろもフーズが家庭用114品・業務用46品、極洋が缶詰・パウチ製品、プリマハムがハム・ソーセージなど約250品目、ニチレイフーズが冷凍食品を対象としています。いずれも出荷分または納品分からの適用で、店頭価格に反映される時期は小売各社の在庫状況により異なります。

8月から値上がりするのは食品だけですか

食品だけではありません。大王製紙が家庭用・業務用製品の全品を8月1日納品分から現行価格より15%以上改定すると発表しており、ティッシュやトイレットペーパーなどの紙製品に加え、報道では紙オムツ「グーン」や生理用ナプキン「エリス」も対象とされています。ユニ・チャームは7月以降に5%前後、花王は9月以降の改定を検討していると報じられています。帝国データバンクの2,311品目は飲食料品の集計であり、これらの日用品は含まれていません。

なぜ2026年の夏以降に値上げが集中しているのですか

原材料高と物流費・人件費の上昇に加えて、2026年は中東情勢の悪化による影響が加わりました。ホルムズ海峡の混乱で石油製品の供給に不安が生じ、トレーやフィルムといった包装資材の価格が上昇しています。資材の値上げが製品価格に反映されるまでには数カ月の時間差があるため、春の資材改定が夏以降の食品値上げとして表面化する構造になっています。

10月以降の値上げはどうなりますか

2026年10月分については、この記事執筆時点で公表資料上まとまった品目数を確認できていません。加熱式たばこの税制移行にともなう改定が予定されているとの報道はありますが、食品分野の集計は毎月末の調査発表を待つ必要があります。帝国データバンクは通常、前月末に翌月以降の見通しを公表しています。

なぜプラスチックパレット株式会社がこの記事を書いているのですか

当社はプラスチックパレット・再生樹脂材料・PPバンド・ストレッチフィルムなどの物流資材を扱う商社です。今回の値上げの一因となっているトレーやフィルムは、当社が日々取引している資材そのものです。資材の価格がどの経路をたどって食品の店頭価格に届くのかを、実需者の立場から整理できると考え、本記事を作成しました。

言葉の意味7語
食品主要195社 価格改定動向調査
帝国データバンクが主要メーカー195社の価格改定計画を集計し、毎月末に公表している調査。実施済みを含み、年内に複数回値上げした品目はそれぞれ別品目として数える。価格を据え置いて内容量を減らす実質値上げも対象に含む。対象は飲食料品であり、紙製品や衛生用品などの日用品は含まれない。
実質値上げ
価格を変えずに内容量を減らすこと。店頭価格が同じでも単価は上がる。上記調査では値上げとして計上される。
出荷分/納品分
改定の基準となる時点。出荷分はメーカーの工場出荷時点、納品分は卸や小売への納入時点を指す。店頭反映は納品分のほうが遅れる傾向がある。
ナフサ
原油を精製して得られる留分で、プラスチックや合成繊維の出発原料。食品トレー、包装フィルム、ボトルはいずれもナフサ由来の樹脂から作られる。
高吸水性ポリマー(SAP)
自重の数百倍の水を吸ってゲル状になる粉末。紙オムツや生理用ナプキンの吸収体に使われる。原料はナフサ由来のプロピレンから作られるアクリル酸が主流である。
包材費
製品を包む資材にかかる費用。トレー、フィルム、ラベル、インク、段ボールなどを含む。食品の原価に占める比率は品目によるが、単価の低い商品ほど比率が高くなりやすい。
規格変更
内容量、包装形態、仕様などの変更。資材の調達制約や原価上昇への対応として、価格改定と同時に実施されることがある。
出典・エビデンス一覧11件

この記事で用いた数値について、出典と、当社がどの経路で確認したかを区別して記載する。

  1. 帝国データバンク「食品主要195社」価格改定動向調査(2026年7月31日公表分)。8月2,311品目・9月4,531品目・7月2,664品目・通年累計18,347品目・分野別内訳の各数値。同社の公表ページおよび下記の日本経済新聞報道により確認
  2. 日本経済新聞「9月の食品値上げ3029品目に 冷凍食品・すりみ商品など、年間最多」(2026年6月30日)。9月の品目数、冷凍食品大手3社の社名、値上げ理由として資材価格が挙げられている点
  3. 流通ニュース「帝国データバンク/7月の食品値上げは2566品目、中東情勢によるコスト増響く」(2026年6月30日)。7月の平均値上げ率11%、7月の分野別品目数(加工食品1,084品目・パン1,078品目)
  4. nippon.com「7月の食品値上げ2566品目―帝国データの食品195社調査」。2026年6月30日の1ドル162円台という為替水準、年間2万品目台着地の想定、中東情勢を理由とする値上げが年内判明分の2割超である点
  5. 帝国データバンク「食品主要195社」価格改定動向調査(2026年5月29日発表)。8月849品目・9月580品目という発表時点による差異の確認
  6. 帝国データバンク「食品主要195社」価格改定動向調査(2025年12月発表分)。2025年通年20,609品目・2024年通年12,520品目
  7. はごろもフーズ/極洋/プリマハム/ニチレイフーズの各価格改定発表。価格改定情報を集約する媒体を経由して確認したものであり、各社の発表資料を直接参照したものではない
  8. カルビー/キッコーマンの9月改定。価格改定情報を集約する媒体を経由して確認。改定率および個別品目数は確認できていない
  9. 大王製紙株式会社「家庭用・業務用製品の価格改定について」(2026年5月15日)。対象品種=家庭用・業務用製品 全品、改定幅=現行価格より15%以上、改定時期=2026年8月1日納品分より。同社公式サイトの発表内容により確認
  10. 日本経済新聞「ユニ・チャームや大王製紙、紙おむつ値上げ 材料高騰で2026年夏から」(2026年5月15日)。ユニ・チャームの5%前後の改定
  11. 読売新聞オンライン「おむつ・生理用品・洗剤…生活必需品値上げ、ナフサ高騰の影響広がる」(2026年5月)。大王製紙の対象にグーン・エリスが含まれること、花王の9月以降の方針。Yahoo!ニュース掲載分で確認
第4章の段階別の時間差は、当社が物流資材の取引を通じて把握している一般的な目安であり、公表統計に基づく数値ではない。この記事では、公表資料で確認できた事実と、当社の実務上の見立てとを区別して記載している。

文:プラスチックパレット株式会社 編集部

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