やさしく解説
ナフサとは何か、ナフサからできるものと不足で値上がりする日用品
文:プラスチックパレット株式会社 編集部
この記事でわかること
ナフサって、何なの?原油から取り出す、ガソリンに似た透明な液体です。 ナフサから、何ができるの?身の回りのプラスチック製品のほとんどです。 何が値上がりするの?包装された食品、生理用品、紙おむつ、ゴミ袋などです。 本当に不足しているの?海峡の通航は平常時の1割ほどで、製品が足りない状態です。2026年10月23日時点:この記事の「見通し」「予定」は公開した時点のものです。この記事で「〜の見通し」「〜の予定」と書いた時期は、すでに過ぎています。最新の数字と動きは、毎月更新しているナフサ・原油の完全まとめで確かめてください。
この記事のあとの動き(2026年10月27日の追記)
- アジアのナフサのスポット価格は、10月23日に942.76ドル/トンで、1か月で12.43%上がりました(Trading Economics)。8月に底を打ったあと、9月から上向いています。
- 石油化学用ナフサの輸入CIFは、8月が87.55千円/kLで、7月の104.33千円/kLから下がりました(財務省 貿易統計。新電力ネット、10月9日更新)。
- 国産ナフサ基準価格は、7〜9月期が96,500円/kL、10〜12月期が98,900円/kLの見込みです(三協化学、10月6日更新)。どちらもまだ確定値ではありません。過去最高は4〜6月期の118,900円/kLです。
- 経済産業省は10月2日の資料で、国内の川中在庫の取り崩しがなくなり、平時の水準(2か月分)に戻ったとしています(内閣官房タスクフォース第5回)。
最新の数字は、毎週更新しているナフサ価格推移2026まとめの「いまの値段」で確かめられます。
2026年に入ってから、ニュースで「ナフサ」という言葉を見かけるようになりました。石油の話らしいけれど、自分の生活とどうつながるのかは分かりにくいと思います。
この記事では、ナフサとは何か、そこから何ができるのか、いま何が起きているのかを、順を追ってご説明します。当社は物流資材の商社で、パレットやフィルムの原料としてナフサを毎日追いかけています。その側から見た話です。
第1章
ナフサとは、何なのでしょうか
答え:原油から取り出す、ガソリンに似た透明な液体です。石油とプラスチックの間にある、中間の材料と考えると分かりやすいと思います。
ナフサナフサ原油を精製して取り出す、ガソリンに似た透明な液体です。日本では主にプラスチックや合成繊維の原料として使われます。「粗製ガソリン」と呼ばれることもあります。とは、原油を精製して取り出す、ガソリンに似た透明な液体です。
原油はそのままでは使えません。製油所で熱を加えると、軽いものから順に分かれていきます。
| 分かれる順番 | 名前 | 主な用途 |
|---|---|---|
| 軽い | 石油ガス(LPG) | 家庭用ガス、カセットボンベ |
| ↓ | ガソリン | 自動車の燃料 |
| ↓ | ナフサ | プラスチック・合成繊維の原料 |
| ↓ | 灯油 | ストーブ、ジェット燃料 |
| ↓ | 軽油 | トラック・船の燃料 |
| 重い | 重油 | 工場のボイラー、船の燃料 |
一般的な石油精製の流れとして整理したものです。実際にはさらに細かく分かれます。
この並びの中で、ガソリンのすぐ下にあるのがナフサです。日本ではそのまま燃料として使うことは少なく、ほとんどがプラスチックや合成繊維の原料になります。
小麦を製粉すると小麦粉ができて、そこからパンやうどんが作られます。原油が小麦、ナフサが小麦粉、プラスチック製品がパンやうどんにあたります。私たちが目にするのは完成品のほうですが、その手前に必ず小麦粉の段階があります。ナフサはその「粉」の位置にあります。
ナフサは、そのままでは製品になりません
ナフサからプラスチックを作るには、もう一段階あります。ナフサを800度前後の高温で熱分解すると、より小さな分子に分かれます。この設備を「ナフサクラッカーナフサクラッカーナフサを高温で分解して、エチレンやプロピレンなどを取り出す設備です。エチレンプラントとも呼ばれます。ここが動かないと、ナフサがあってもプラスチックの材料は作れません。」または「エチレンプラント」と呼びます。
ここで出てくるのが、エチレン・プロピレン・ブタジエン・ベンゼンといった石油化学基礎製品石油化学基礎製品ナフサを分解して得られる、エチレン・プロピレン・ブタジエン・ベンゼン・トルエン・キシレンなどを指します。これらがプラスチックや合成繊維の直接の材料になります。です。名前は聞き慣れないと思いますが、これらがプラスチックの直接の材料になります。
| 出てくるもの | 作られる樹脂 | 身近な製品 |
|---|---|---|
| エチレン | ポリエチレン(PE) | レジ袋、ゴミ袋、ラップ、洗剤の容器 |
| プロピレン | ポリプロピレン(PP) | 食品トレー、弁当容器、不織布、プラスチックパレット |
| ベンゼン・キシレン | ポリスチレン、ポリエステル | 発泡トレー、ペットボトル、衣類の繊維 |
| ブタジエン | 合成ゴム | タイヤ、ホース、靴底 |
代表的な流れを整理したものです。実際には同じ樹脂から多様な製品が作られます。
ナフサは、そのまま使うのではありません。高温で分解してエチレンやプロピレンにし、そこからプラスチックや合成繊維が作られます。
第2章
ナフサから、何ができるのでしょうか
答え:「プラスチックでできているもの」と「化学繊維でできているもの」の、ほぼすべてです。
前の章で流れを見ましたので、ここでは具体的な製品を挙げていきます。
台所と冷蔵庫まわり
ラップ、保存容器、レジ袋、ゴミ袋、食品トレー、弁当容器、ペットボトル、スポンジ。台所にあるプラスチック製品のほぼすべてがナフサ由来です。
意外に思われるかもしれませんが、ポテトチップスの袋もそうです。中身が湿気ないようにフィルムを重ねた構造で、その層の一部が石油由来の樹脂でできています。
洗面所と衛生用品
シャンプーや洗剤の容器、歯ブラシ、マスク。そして生理用ナプキンと紙おむつです。
ナプキンの表面材は不織布不織布繊維を織らずに絡み合わせて作るシート状の素材です。生理用ナプキンの表面材、マスク、紙おむつなどに使われます。ポリエチレンやポリプロピレンを原料とするものが一般的です。で、これはポリエチレンやポリプロピレンから作られます。吸収体に使われる高分子吸収材も石油由来です。パルプ以外の主要な部材が、ナフサを起点としています。
そのほか
塗料、接着剤、合成繊維の衣類、タイヤ、家電の外装、文房具。「プラスチックでできているもの」と「化学繊維でできているもの」は、ほぼすべてと考えて差し支えありません。
レジ袋、食品トレー、洗剤の容器、ペットボトル、生理用ナプキンの不織布、マスク、塗料。身の回りのプラスチック製品のほとんどが、元をたどるとナフサに行き着きます。
当社は物流の現場で使うプラスチックパレット、ストレッチフィルム、PPバンド、折りたたみコンテナなどを扱っています。これらもすべてナフサから作られる樹脂が原料です。ナプキンの不織布とプラスチックパレットは、見た目はまったく違います。でも、原料をたどると同じ場所に行き着きます。だから当社は、生理用品の値上げの理由を説明できる立場にあります。
第3章
身の回りのどこにあるのでしょうか
答え:朝から夜まで、1日のほとんどの場面にあります。食品も、包装されている限り影響を受けます。
「原料が同じ」と言われても実感が湧きにくいので、1日の行動に沿って並べてみます。
| 場面 | ナフサ由来のもの |
|---|---|
| 朝、顔を洗う | 歯ブラシ、洗顔料のチューブ、化粧品の容器 |
| 朝食 | ヨーグルトの容器、パンの袋、ラップ、ペットボトル |
| 身支度 | 化学繊維の衣類、マスク、生理用品 |
| 通勤・通学 | 車のタイヤ、バッグ、スマホケース |
| 買い物 | レジ袋、食品トレー、商品の包装フィルム |
| 帰宅後 | 洗剤の容器、ゴミ袋、保存容器 |
一般的な製品構成をもとに整理したものです。製品によって素材は異なります。
こうして並べると、1日のうちナフサ由来の製品に触れない時間のほうが短いことが分かります。
ここで大切なのは、「プラスチック製品が高くなる」だけの話ではないという点です。食品も、包装されている限り影響を受けます。中身の値段が変わらなくても、包む材料が高くなれば商品の価格に乗ります。次の章で詳しく見ます。
第4章
いま、何が起きているのでしょうか
答え:2026年2月末にホルムズ海峡が実質的に封鎖され、国産ナフサの価格は約1.5倍になりました。円安も重なっています。
2026年に入ってから、ナフサの調達環境が大きく変わりました。
きっかけは中東情勢です
2026年2月末、ホルムズ海峡ホルムズ海峡ペルシャ湾の唯一の出入口にあたる海峡です。中東の原油が世界へ運ばれる主要な経路のため、ここでの輸送が滞ると、原油から作られるあらゆる製品に影響が広がります。が実質的に封鎖されました。ここはペルシャ湾の唯一の出入口で、中東の原油が世界へ出ていく通り道です。
原油が通れなくなると、原油から作るナフサにも影響が出ます。日本は原油の多くを輸入に頼っているため、この影響を直接受けました。
価格は約1.5倍になりました
数字で見てみます。国産ナフサの価格には、四半期ごとに決まる「基準価格」と、日々動く「指標」があります。
| 時期 | 1キロリットルあたり | 種類 |
|---|---|---|
| 2026年1〜3月 | 65,700円 | 国産ナフサ基準価格国産ナフサ基準価格四半期ごとに決まる、日本国内でのナフサ取引の基準となる価格です。3か月平均の輸入ナフサCIF価格に一定額を加えて算出されます。実際の市況からは数か月遅れて反映されます。(確定) |
| 2026年7月30日現在 | 98,023円 | 国産ナフサ価格指標 |
| 差 | +32,323円 | 約1.5倍(当方で計算) |
1〜3月の基準価格は化学工業日報(2026年4月30日)、7月30日の指標は大景化学の公表値によります。この2つは算出方法が異なる数値です。65,700円は3か月平均から四半期ごとに確定する「基準価格」、98,023円は日々更新される「価格指標」です。厳密な同一系列の比較ではないため、上昇の大きさを把握するための参考としてご覧ください。系列の違いはナフサ・原油完全まとめで詳しく扱っています。
1キロリットルは1,000リットルです。1リットルあたりで見ると65.7円から98.0円になった計算です。
この上昇が、包装資材を通じて食品や日用品の値段にも届いています。
ナフサはドルで取引されるため、円安になると同じ量を買うのにより多くの円が必要になります。2026年7月30日時点の為替は1ドル163.70円でした。ナフサ自体の値段が1トンあたり844ドルでも、円に直すと大きな金額になります。原料の値段と為替の両方が、同じ方向に動いている状態です。
第5章
何が値上がりするのでしょうか
答え:樹脂から資材、資材から製品へと順に伝わります。食品の値上げ理由の64.0%に「包装・資材」が入っています。
ナフサが上がると、順番に下流へ伝わっていきます。
| 段階 | 何が起きるか |
|---|---|
| 1. 原油 | 中東情勢で輸送に支障が出る |
| 2. ナフサ | 原油から作るナフサの価格が上がる |
| 3. 樹脂 | ポリエチレン・ポリプロピレンが上がる |
| 4. 資材 | トレー、フィルム、不織布、容器が上がる |
| 5. 製品 | 食品、日用品、衛生用品の価格に反映される |
当社が実務で追っている流れとして整理したものです。
食品の値上げ理由に、資材が入っています
帝国データバンクは毎月、「食品主要195社」価格改定動向調査を公表しています。企業が挙げた値上げの理由も集計しています。2026年7月31日公表分では次のとおりです。
| 理由 | 割合 |
|---|---|
| 原材料高 | 90.9% |
| 物流費 | 65.8% |
| 包装・資材 | 64.0% |
| 中東情勢 | 27.8% |
帝国データバンク「食品主要195社」価格改定動向調査(2026年7月31日公表分)。企業が複数の理由を挙げるため、合計は100%を超えます。
3番目に多い理由が「包装・資材」で64.0%です。これがトレーやフィルムのことで、ナフサから作られます。中身の食材だけでなく、包む材料も値段を押し上げているということです。
とくに影響が大きいもの
| 分野 | 影響の受け方 |
|---|---|
| 生理用品・紙おむつ | 不織布と吸収体が石油由来。包装だけでなく中身も影響を受ける |
| 冷凍食品 | 包装資材に加え、冷凍保管・輸送のエネルギー費も上がる |
| 洗剤・シャンプー | 容器が樹脂製。中身の原料にも石油由来のものがある |
| ゴミ袋・ラップ | 製品そのものが樹脂。最も直接的に影響を受ける |
一般的な製品構成に基づく整理です。各社の値上げ理由は個別に公表されています。
個別の品目については、当社の記事で扱っています。生理用品は「2026年生理用品の値上げ」をやさしく解説、紙おむつは「2026年紙オムツショック」をやさしく解説をご覧ください。食品全体の値上げ動向は2026年9月の値上げ一覧にまとめています。
第6章
本当に不足しているのでしょうか
答え:ホルムズ海峡の通航は戻り始めましたが、平常時の1割ほどです。原油よりも、精製された製品のほうが足りない状態です。
最近、「ナフサは本当に不足しているのか」という疑問を持つ方が増えています。理由は分かります。ホルムズ海峡の通航が戻り始めたというニュースが出ているからです。
この疑問に、事実で答えます。
通航は戻り始めています。ただし1割です
| 時点 | 通航 | 平常時(約130隻)比 |
|---|---|---|
| 封鎖表明前 | 約130隻 | 100% |
| 2026年7月20日 | 4隻 | 約3% |
| 2026年7月29日 | 14隻 | 約11% |
当社「原油は戻ってもナフサ不足が続く理由」(2026年8月2日)より。比率は当方で計算しました。
4隻から14隻へ、3倍以上に増えたのは事実です。けれど平常時の約130隻に対しては、まだ1割ほどです。「戻り始めた」と「戻った」は違います。
原油が届いても、ナフサは別です
もうひとつ、大事な点があります。原油が届くことと、ナフサが届くことは同じではありません。
第1章で見たとおり、ナフサは原油から製油所で取り出す製品です。原油が港に着いても、精製する設備が動いていなければナフサは出てきません。
2026年7月末の時点で、日量40万バレルの製油所(ジーザーン製油所)が停止していると伝えられています。
第1章で「原油が小麦、ナフサが小麦粉」とご説明しました。いま起きているのは、小麦を積んだ船が少しずつ入ってくるようになったけれど、製粉所の一つが止まっているという状態です。小麦が港に着いても、小麦粉はすぐには増えません。
もうひとつの証拠があります
「精製マージン精製マージン原油を精製して石油製品にしたときの利ざやです。原油価格と製品価格の差にあたります。この数字が高いほど、原油に対して製品のほうが不足していることを意味します。」という数字があります。原油を精製して製品にしたときの利ざやのことで、製品が足りないほど大きくなります。
2026年7月28日、欧州のディーゼル精製マージンは1バレルあたり70.77ドルとなり、過去最高を記録したと伝えられています。ディーゼルはナフサと同じ精製工程から出てくる製品です。
原油が足りないのではなく、精製された製品のほうが足りない。この数字はそれを示しています。
ニュースで原油価格が下がったと聞くと、プラスチック製品も安くなりそうに思えます。けれど製品のほうが不足している状態では、原油の下落分が下流まで届きません。ナフサ、樹脂、フィルムやトレー、そして商品の値段まで、原油の値動きがそのまま伝わる状態にないのが現在です。
第7章
もっと詳しく知りたいときは、どこを読めばいいの?
答え:知りたいことに合わせて、下の表の当社の記事をお読みください。
この記事は「ナフサとは何か」を入口として書きました。もう一段詳しい内容は、当社の別記事で扱っています。関心のある方向にお進みください。
| 知りたいこと | 記事 |
|---|---|
| 価格の推移を数字で追いたい | ナフサ・原油完全まとめ、2026年ナフサ価格3系列の全記録 スポット・通関CIF・国産基準価格という3つの数値が2ヶ月ずつずれて伝わる構造を整理しています |
| なぜ届かないのか、仕組みを知りたい | ナフサ不足はいつまで続くのか、目詰まりの原因と値上げが止まらない理由 |
| いま起きていることを詳しく | 原油は戻ってもナフサ不足が続く理由、ホルムズ通航回復と製品マージン過去最高 この記事の第6章を、数字で詳しく扱っています |
| ホルムズ海峡の当時の状況 | 【2026年7月22日速報】ホルムズ通航が商品輸送船4隻に縮小しLNG船通航ゼロ |
| 生理用品への影響 | 「2026年生理用品の値上げ」をやさしく解説 |
| 紙おむつへの影響 | 「2026年紙オムツショック」をやさしく解説 |
| 食品全体の値上げ | 2026年9月の値上げ一覧/2026年10月の値上げ一覧 |
当社は物流資材の商社で、ナフサそのものを販売しているわけではありません。ただ、パレット・フィルム・PPバンドといった扱い商品の原料がナフサです。そのため、日々の調達を通じて相場と供給状況を追っています。売る立場ではなく、買う立場から見た情報としてお読みいただければと思います。
家でできること
- 包装された食品も、包む材料の値上がりで高くなることを知っておく
- 「原油が下がった」ニュースだけで、プラスチック製品がすぐ安くなるとは考えない
- 生理用品・紙おむつの値上げは、品目ごとの当社の記事で確かめる
- 最新の数字は、毎月更新しているナフサ・原油の完全まとめで確かめる
よくある質問
ナフサとは何ですか。
原油を精製して取り出す、ガソリンに似た透明な液体です。そのまま燃料として使うこともありますが、日本では主にプラスチックや合成繊維の原料として使われます。ナフサを高温で分解すると、エチレン・プロピレン・ブタジエン・ベンゼンなどの「石油化学基礎製品」ができ、そこからポリエチレンやポリプロピレンといった樹脂が作られます。石油を精製すると、軽いものから順にガソリン・ナフサ・灯油・軽油・重油と分かれていき、そのうちの一つがナフサです。
ナフサから何ができるのですか。
身の回りのプラスチック製品のほとんどが、元をたどるとナフサに行き着きます。レジ袋やゴミ袋(ポリエチレン)、食品トレーや弁当容器(ポリプロピレン・ポリスチレン)、ペットボトル、洗剤やシャンプーの容器、生理用ナプキンや紙おむつの不織布と吸収体、マスク、塗料、合成繊維の衣類などです。当社が扱うプラスチックパレットやストレッチフィルムも同じ原料から作られています。
ナフサが値上がりすると、何が値上がりしますか。
直接プラスチック製品が上がるほか、食品の値段にも影響します。食品はトレーやフィルムで包装されているため、包装資材の値上がりが商品の価格に乗るためです。帝国データバンクの調査では、2026年の食品値上げの要因として包装・資材が64.0%、中東情勢が27.8%を占めています(2026年7月31日公表分・複数回答)。生理用品や紙おむつは不織布と吸収体が石油由来のため、より直接的に影響を受けます。
ナフサは本当に不足しているのですか。
原油の輸送は戻り始めていますが、ナフサの調達環境は改善していません。ホルムズ海峡の通航は2026年7月29日に14隻へ戻りましたが、封鎖表明前の約130隻に対して約11%の水準です。またナフサは原油そのものではなく、原油を精製して取り出す製品のため、製油所が動いていなければ量が増えません。2026年7月末時点では日量40万バレルのジーザーン製油所が停止していると伝えられています。原油タンカーが通れることと、ナフサが届くことは同じではありません。
なぜプラスチックパレット株式会社がこの記事を書いているのですか。
当社は千葉県我孫子市を拠点に、プラスチックパレット・再生樹脂原料・PPバンド・ストレッチフィルムなどの物流資材をお取扱いしています。これらはすべてナフサを起点とする石油化学製品で、日々の調達を通じて原料の相場と供給状況を追っています。ナフサという言葉が一般のニュースに出るようになった今、原料の側を見ている立場からご説明できることがあると考えています。
出典・エビデンス一覧10件(公的機関2・報道や企業8)
価格について
- 大景化学「ナフサ価格推移表」2026年7月30日現在|国産ナフサ価格指標98,023円/kL、ナフサ844ドル/t、為替163.70円/ドルの根拠。同社は出典を財務省貿易統計としています|https://www.daikeikagaku.co.jp/naphtha/
- 化学工業日報「国産ナフサ価格、過去最高へ 1〜3月は横ばい」2026年4月30日|2026年第1四半期の国産ナフサ基準価格が1キロリットルあたり65,700円である旨、この期間のナフサ市況が1トン565〜590ドル・ブレント原油が60ドル台〜68ドル台後半で推移した旨、ホルムズ海峡の実質封鎖で3月以降の需給環境が一変し4〜6月は大幅上昇の見込みである旨の報道
- 新電力ネット「ナフサの価格推移(通関統計)」|ナフサがガソリンに似た透明な液体である旨、ナフサからエチレン・プロピレン・ブタジエン・ベンゼン・トルエン・キシレンといった石油化学基礎製品が作られる旨、CIF価格が日本における実質的なナフサの価格である旨の記載
値上げ要因について
- マイナビニュース「2026年8月の飲食料品値上げは2311品目、前年比8割増」2026年7月31日|帝国データバンク「食品主要195社」価格改定動向調査(2026年7月31日公表)の内容として、値上げ要因が原材料高90.9%・物流費65.8%・包装資材64.0%・中東情勢27.8%である旨の記載|https://news.mynavi.jp/article/20260731-4760168/
当社の関連記事(この記事の詳細版)
- 原油は戻ってもナフサ不足が続く理由、ホルムズ通航回復と製品マージン過去最高(2026年8月2日)|第6章の詳細版。ホルムズ通航14隻・平常時約130隻・約11%、欧州ディーゼル精製マージン70.77ドル、ジーザーン製油所日量40万バレル停止の根拠はすべて同記事によります
- ナフサ・原油完全まとめ、2026年ナフサ価格3系列の全記録|スポット・通関CIF・国産基準価格の3系列と、2ヶ月ずつずれて伝わる構造
- ナフサ不足はいつまで続くのか、目詰まりの原因と値上げが止まらない理由|届かない仕組みの解説
- 【2026年7月22日速報】ホルムズ通航が商品輸送船4隻に縮小しLNG船通航ゼロ|7月20日時点の記録
- 「2026年生理用品の値上げ」をやさしく解説/「2026年紙オムツショック」をやさしく解説|個別品目への影響
- 2026年9月の値上げ一覧/2026年10月の値上げ一覧|食品全体の動向
この記事における計算値(65,700円から98,023円への上昇率約1.5倍、差額32,323円、1リットルあたりの換算、通航の平常時比)は、上記資料の数値をもとに当方で計算したものです。65,700円は四半期ごとに確定する「国産ナフサ基準価格」、98,023円は日々更新される「国産ナフサ価格指標」で、算出方法が異なります。厳密な同一系列の比較ではなく、上昇の大きさを把握するための参考としてご覧ください。3つの価格系列の違いについては「ナフサ・原油完全まとめ」で詳しく扱っています。
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