パレットのノウハウ 5パレットを選ぶ前に
輸出パレットの基本
熱処理・くん蒸は要る?どの大きさにする?
輸出に使うパレットは、国内で使うパレットと選び方が少し違います。プラスチックパレットなら熱処理・くん蒸が要らないこと、返ってこない(ワンウェイ)こと、荷崩れ防止が前提になること。荷物・行き先・枚数を選ぶと、合う大きさと当社で扱っている型が分かります。
1輸出パレットの3つの基本
まずはこの3つだけ押さえれば、選び方で大きく外しません。
熱処理・くん蒸が要らない
木のパレットやこん包材を輸出に使うときは、国際基準(ISPM No.15)で決められた熱処理(木の中心を56℃以上で30分以上)か臭化メチルのくん蒸をして、マークを付けます。プラスチックパレットはこの基準の対象外なので、処理の手配・待ち時間・マークが要りません。
返ってこない(ワンウェイ)
輸出したパレットは、多くの場合そのまま相手先に渡り、戻ってきません(ワンウェイ)。そのため輸出用は軽くて安い型が中心です。繰り返し使う保管用の型より強さは控えめなので、使い方の条件(平置きだけ・均等に積む)を守ります。
荷崩れ防止が前提
軽い輸出用のパレットの「1枚に載せられる重さ」は、荷崩れ防止をして、荷物を均等に積んだ場合の値です。ストレッチフィルムやPPバンドで荷物とパレットを一体にしてから運びます。やり方は「荷崩れを防ぐ4つの方法」で。
参考:日本プラパレット株式会社のカタログ・ウェブサイト(輸出・ワンウェイ)
2木製・プラスチック・合板の違い
輸出で差が出るのは、処理(ISPM No.15)の要る・要らないです。木製は無垢の木、合板はベニヤ・LVL などの加工木材のことです。
| 比べること | 木製 | プラスチック | 合板 |
|---|---|---|---|
| 輸出のときの処理(ISPM No.15) | 熱処理かくん蒸が要る | 要らない(対象外) | 要らない(対象外) |
| 処理済みのマーク | 2か所以上に表示 | 要らない | 要らない |
| 処理を待つ時間 | かかる | かからない | かからない |
| 水・湿気 | 濡れると乾きにくい | 水を吸わない | 型による |
| 木くず | 出る | 出ない | 型による |
| 重さ(1100×1100) | 型による | 軽い型は約5〜7kg | 型による |
合板・LVL・OSB などの加工木材や、厚さ6mm以下の木片も ISPM No.15 の対象外です。プラスチックの軽い型の重さは当社で扱う岐阜プラJL軽量シリーズの値です。合板パレットについては「合板パレット完全ガイド」で詳しく書いています。
3あなたの輸出に合うパレット
4つ選ぶと、合う大きさと当社で扱っている型が出ます。
積む荷物は?
どう運びますか?
行き先は?
枚数は?
4行き先でよく使われる大きさ
相手先の倉庫やトラックに合わせると、現地で積み替えずに済みます。
| 行き先 | よく使う大きさ | ひとこと |
|---|---|---|
| 中国 | 1200×1000 | 国家規格は1200×1000と1100×1100。実際は1200×1000が中心 |
| 韓国 | 1100×1100・1200×1000 | 国家規格は2013年から2つが標準 |
| 東南アジア | 1200×1000 | 小売のパレット共同利用は1200×1000が中心 |
| 北米 | 1219×1016(48×40インチ) | 現地の倉庫の指定があれば合わせる |
| 欧州 | 1200×800・1200×1000 | 1200×800(ユーロパレット)が最も多い。イギリスは1200×1000 |
| オーストラリア | 1165×1165 | ほかの国にない大きさ |
くわしくは「業界別のパレットサイズ早見表(海外の規格サイズ)」に出典つきでまとめています。当社で常に扱っているのは1100×1100・1200×1000・1300×1100・1400×1100が中心です。ほかの大きさはご相談ください。
5書類と手続きの注意
- プラスチックパレットは ISPM No.15 の対象外です。アメリカ農務省も、プラスチックパレットは木材こん包材の規制の対象外としています。
- 荷物と一緒に木のこん包材(木枠・角材・ダンネージなど)を使うと、その木には処理とマークが要ります。パレットだけプラスチックにしても、ほかに木を使っていれば対象です。
- 国によっては、こん包材についての書類が要ります。たとえばオーストラリア向けの海上コンテナ(FCL)では、荷物を詰めた人がこん包材を申告する書類(Packing declaration)が要ります。
- 行き先の国ごとの決まりは、農林水産省 植物防疫所の「輸出用木材こん包材に関する各国の情報」で確かめられます。最終的には通関業者・フォワーダーに確かめてください。
- 航空便は重さで運賃が決まることが多いので、パレットが軽いほど有利です。
出典:農林水産省 植物防疫所(木材こん包材)、同 米国向けの要求(熱処理 56℃・30分)、ジェトロ(加工木材は対象外)、アメリカ農務省 APHIS、EU の木材こん包材の決まり(ベルギー食品安全庁)、オーストラリア農林水産省(Packing declaration)
6よくある失敗
- 輸出用の軽いパレットをラックに置く軽い輸出用は平置き・段積みの強さで作られています。ラック保管には使えません。保管用は「ラック・自動倉庫に入れる前の確認」へ。
- 荷崩れ防止をしないで運ぶ表示の重さは、フィルムやバンドで固定して均等に積んだ場合の値です。固定しないと荷割れ・荷崩れのもとです。
- 木のこん包材を一緒に使って処理を忘れるパレットがプラスチックでも、木枠や角材を使えばその木には処理とマークが要ります。
- 行き先の倉庫のサイズに合わない欧州は1200×800、北米は48×40インチが中心です。相手先の指定を先に確かめます。
- 片面使用形のまま、袋物を何段も段積みする袋物は両面使用形が基本です。パレット代を抑えて片面使用形を選ぶときは、段積みで下の袋に脚が食い込まないよう、積む段数や袋の向きを先に決めておきます。
- コンテナの中で荷物がはみ出すパレットからはみ出すと、揺れで崩れやすくなります。荷物の大きさに合うパレットを選びます。
7当社の輸出向けの型
型の名前を押すと、くわしい仕様と価格のページに移ります。
| 型 | 大きさ・重さ | 形 | 向いていること |
|---|---|---|---|
| JL-D4・1111E⑩ | 1100×1100×120mm・5.7kg | 片面使用・四方差し | 岐阜プラJL軽量シリーズ。2枚から |
| JL-D4・1111E⑧ | 1100×1100×120mm・6.7kg | 片面使用・四方差し | 岐阜プラJL軽量シリーズ。2枚から |
| JL-S4・1111E | 1100×1100×115mm・4.9kg | ネスティング(スキッド) | 空のとき重ねてしまえる。10枚から |
| JL-D4・1210E③ | 1200×1000×125mm・7.2kg | 片面使用・四方差し | 1200×1000の軽量タイプ。2枚から |
| JL-D4・1311L | 1300×1100×150mm・13.2kg | 片面使用・四方差し | 1枚から |
| JL-D4・1411L | 1400×1100×150mm・13.8kg | 片面使用・四方差し | 1400×1100の輸出向け。1枚から |
| J-D4・1111F | 1100×1100×150mm・15.8kg | 片面使用・四方差し | 重めの荷物にも。1枚から |
| R-1 | 1100×1100×140mm・18.5kg | 片面使用・四方差し | 輸出ワンウェイの定番。100枚以上に |
| TH-D4P-1111 | 1100×1100×142mm・約20kg | 片面使用・四方差し | 角のツバでフィルムが巻き上がりにくい。100枚以上に。裏面の形状に注意 |
| RE1210-1 | 1200×1000×150mm・20kg | 片面使用・四方差し | 1200×1000の輸出向け。袋物・一斗缶などに |
| WR-D4-1111 | 1100×1100×150mm・30kg | 片面使用・四方差し | 積む面が平らで重い袋物に強い |
| WR-R4-1111 | 1100×1100×150mm・26kg | 両面使用・四方差し | 袋物の基本の形。片面使用形より高め(ハンドリフト不可) |
| WR-R4-1411 | 1400×1100×140mm・34kg | 両面使用・四方差し | 1400×1100の両面使用形。片面使用形より高め(ハンドリフト不可) |
| 岐阜プラ JCK シリーズ(大型) | 1100×1500〜1600×1800mm | 両面使用・二方差し | 1100×1100に収まらない荷物に。1枚から |
岐阜プラスチック工業の型は全国運賃込み、R-1・TH-D4P-1111・ワカクサの型は運賃が別にかかります。大きさごとの一覧は「1100×1100 輸出ワンウェイ」「1200×1000 輸出ワンウェイ」「1200〜1400×1100 輸出」でも見られます。
輸出の条件が決まっていなくても、ご相談ください
荷物・行き先・枚数が分かれば、合うパレットと固定の資材をまとめてご提案します。