パレットのノウハウ 7パレットを選ぶ前に

パレットの耐荷重の見方

動荷重・静荷重・ラックで、何kgまで?

パレットの「何kgまで」は、持ち上げて運ぶとき(動荷重)、床で段積みするとき(静荷重)、ラックに置くときの3つで見ます。カタログの数字の前提と、ラックに置くときの注意、当社の型の数字をまとめました。

公開・更新読む時間 約6分

1耐荷重は、3つの数字で見ます

パレットの「何kgまで」は1つではありません。持ち上げて運ぶとき、床で段積みするとき、ラックに置くときで、それぞれ別に決まっています。

運ぶとき

動荷重

荷物を載せたまま、フォークリフトやハンドリフトで持ち上げて運べる重さです。カタログでは「最大積載荷重」と書かれることもあります。

段積みするとき

静荷重

床に置いて段積みしたとき、一番下のパレットが受けられる重さです。「段積み総重量」とも書かれます。上に積んだ荷物の重さの合計と比べます。

ラックに置くとき

ラックでの使い方

ラックやネステナーでは、パレットは端だけで支えられ、真ん中がたわみます。平置きの数字とは別に、その置き方に使える型かを確かめます。

段積みの○と×(動荷重1,000kg・静荷重2,000kgの型の場合)

1,000kg1,000kg1,000kg×2段=2,000kg静荷重2,000kg以下500kg500kg500kg500kg×3段=1,500kg静荷重2,000kg以下1,000kg1,000kg1,000kg1,000kg×3段=3,000kg静荷重2,000kgを超える
一番下のパレットには、上に積んだ段も含めた合計の重さがかかります。この合計が静荷重以下なら積めます。1段の重さは、動荷重以下にします。段数は、安全と倉庫の高さから4段までを目安にしてください。静荷重2,000kgの軽い型は、合計が静荷重以下でも、2段目より下のパレットにかかる負荷が大きくなるため、500kgの荷物で3段程度までにしておきましょう。荷物を均等に積み、荷崩れ防止の措置をした場合です。
  • よく見る組み合わせは動荷重1,000kg・静荷重4,000kgです。1段1,000kgの荷物を載せて運べ、床では4段まで積める(4段分の合計4,000kgが一番下のパレットにかかる)、という意味になります。
  • 軽い型では動荷重1,000kg・静荷重2,000kg、薄いスキッド型では動荷重500kg・静荷重1,000kgなどもあります。同じ大きさでも、型によって数字が違います。
  • 数字が同じでも、使い方は型で違います。動荷重1,000kg・静荷重4,000kgでも、平置き・段積み用の軽い型があります。数字と一緒に、備考の「平置き専用」などを見てください。ラック・ネステナーでの使い方は3章で説明します。

2カタログの数字には、前提があります

耐荷重の数字は「どう積んでも大丈夫な重さ」ではありません。決まった条件で試験した値です。条件から外れると、数字より軽い荷物でも壊れることがあります。

前提 1

荷物を全面に、均等に積む

カタログの「1,000kg※」「4,000kg※」の※は、均等に積み付けた場合という意味です(プラスチックパレットの規格 JIS Z0606 による試験の値)。一部に重さが集中すると、数字の範囲内でも局部的に割れるおそれがあります。

前提 2

荷崩れ防止の措置をする

ストレッチフィルム・PPバンド・配積み・紙を挟む、のどれかで荷崩れ防止の措置をすると、比較的弱いパレットでも運べます。措置がないと、持ち上げたときにパレットがたわんで荷割れが起き、運べないことがあります。

前提 3

荷物の形が合っている

同じ1,000kgでも、段ボールのように底が平らな荷物と、フレコンや袋物のように形が変わる荷物では、パレットへのかかり方が違います。荷物の形に合った型を選ぶのが前提です(下の表)。軽い型では「1,000kgまで載せられるのは、段ボール・コンテナのような均等にかかる荷物に限る」と書かれています。

荷物の形と、必要な強さ

荷物の形例重さのかかり方選ぶ型
均等にかかる荷物段ボール箱・コンテナ・P箱底が平らで、面全体にかかる軽い型でも使える
一部にかかる荷物ドラム缶・一斗缶底の縁など、狭い所に集中する中くらい以上の強さの型。軽い型は避ける
偏ってかかる荷物フレコン・紙袋などの袋物形が変わり、片寄る強い型。段積みするなら両面使用形

参考:JIS Z0606(プラスチック製平パレット)、日本プラパレット株式会社 総合カタログ(2026年版)の「荷姿・梱包状態」「使用上の注意」。

3ラック・ネステナーに置くときは、別に確かめます

平置きでは床が全体を支えますが、ラックやネステナーでは端だけで支えます。そのため、平置きの動荷重・静荷重が同じでも、ラックに置けるかどうかは型で変わります。

置き方と、必要な強さ

平置き・段積み<ネステナー・固定ラック(補助の梁あり)<補助の梁のない二辺支持ラック・自動倉庫

右へ行くほど、強い型が要ります。ラックに置ける型でも、ラックに置くときの重さは動荷重より小さく決められていることがあります。カタログの使用上の注意を見てください。

  • ×「平置き専用」で、静荷重が4,000kgより小さい型は、ラック・ネステナーでは使えません。ラック・ネステナーで使うなら、静荷重4,000kgと記載のパレットをまずご検討ください。
  • !「平置き専用」で、動荷重1,000kg・静荷重4,000kgの型は、ラック・ネステナーでの使用を検討される場合には、事前にご相談ください。
  • ○「平置き専用」と書いていない型でも、ラックの梁の間隔、補助の梁の本数、パレットのどこを支えるかで、たわみ方が変わります。置く前に確かめてください。
  • !自動倉庫は、荷物の形・重さ・支える間隔・支える向き・温度・置いておく時間・設備が許すたわみの量などで決まります。自動倉庫に対応と書いた型でも、条件を伺ってからのご提案になります。

ラックで変形しやすくなる条件

  • 支える梁の間隔が広いほど、真ん中がたわみます。
  • 置いておく時間が長いほど、たわみは大きくなります。プラスチックは重さがかかり続けると少しずつ変形します。
  • 気温が高いほど、たわみやすくなります。夏の倉庫や屋根裏に近い段は注意が要ります。
  • 差込口のある向きより、桁のある向きで支えるほうがたわみにくくなります。二方差しの型は、差込口のない側で曲げに強く、重い荷物や自動倉庫に向きます。
  • 補助の梁がパレットの桁の下を支えると強く、下面の板の下だけを支えると弱くなります。梁の上に板を敷いているかどうかでも変わります。

4当社の型で、数字を見てみる

同じ1100×1100でも、動荷重・静荷重と備考はこれだけ違います。商品ページの仕様表でも、この3つ(動荷重・静荷重・備考)を見てください。

型番大きさ(mm)動荷重静荷重備考
J-D4・1111F1100×1100×1501,000kg4,000kg片面使用形・四方差し。汎用
JH-D2・11111100×1100×1441,000kg4,000kg片面使用形・二方差し。自動倉庫に対応
JL-D4・1111F1100×1100×1501,000kg4,000kg均等積み付け、平置き専用
JL-D4・1111E⑧1100×1100×1201,000kg2,000kgシュリンク包装・ストレッチ包装限定、平置き専用
J-D4・1181141180×1140×140750kg3,000kg海上コンテナに合う大きさ
JL-S2・1111E1100×1100×85500kg1,000kgスキッド型(重ねて保管できる)
  • 数字はメーカー(岐阜プラスチック工業)のカタログの値です。備考の「平置き専用」「シュリンク包装・ストレッチ包装限定」も、耐荷重と同じ重さで読んでください。
  • 当社の商品ページでは、メーカーが静荷重を公表している型だけに静荷重を載せています。書いていない型で段積み・ラックを考えているときは、お問い合わせください。
  • JIS Z0606 では、曲げの試験で積む重さの1.25倍をかけたときのたわみの大きさで、パレットをA種(たわみ1.5%以下)とB種(5%以下)に分けています。同じ「1,000kg」でも、たわみにくさは型で違います。

5よくある失敗

  1. 数字が同じだから、ラックにも置けると思った動荷重1,000kg・静荷重4,000kgでも、平置き・段積み用の軽い型があります。ラックでは端だけで支えるので、平置きの数字は当てはまりません。「平置き専用」の型をそのままラックに置くと、たわみや荷崩れの原因になります。ラックで使うときは、事前にご相談ください。
  2. 段積みで、一番下にかかる重さを数えなかった静荷重と比べるのは1段の重さではなく、上の段を含めた合計です。1段800kgを3段積むと、一番下には2,400kgかかります。静荷重2,000kgの型では積めません。
  3. 袋物を、軽い片面の型に載せたフレコンや紙袋は重さが片寄り、片面の軽い型は変形しやすくなります。段積みするなら両面使用形が向きます。
  4. 荷崩れ防止をせずに、重い荷物を載せたフィルムやバンドで荷物をまとめないと、持ち上げたときにパレットがたわんで荷割れが起き、運べないことがあります。措置をすれば、比較的弱いパレットでも運べます。
  5. ドラム缶を、段ボール用の軽い型に載せたドラム缶や一斗缶は底の縁に重さが集中します。重さが数字の範囲内でも、局部的に割れることがあります。
  6. 割れたパレットを、同じ重さで使い続けたひび割れや大きな変形があるパレットは、カタログの数字を前提にできません。重い物を載せる・積む・ラックに置く使い方からは外してください。

6よくある質問

動荷重と静荷重は、どちらを見ればよいですか?

両方です。フォークリフトやハンドリフトで持ち上げて運ぶ重さは動荷重、床に置いて段積みしたときに一番下のパレットにかかる重さは静荷重と比べます。ラックやネステナーに置くときは、どちらとも別に、その置き方に使えるかを確かめます。

1,000kgの荷物を載せて、ハンドリフトで運べますか?

運べる重さは、ハンドリフトの積める重さとパレットの動荷重の、小さいほうまでです。パレットの動荷重が1,000kgでも、ハンドリフトが800kgまでなら800kgまでになります。荷崩れ防止の措置も前提です。

中古パレットにも、カタログの耐荷重はそのまま当てはまりますか?

カタログの数字は、新品を決まった方法で試験した値です。中古は割れや反りの具合が1枚ずつ違うので、同じ数字を前提にせず、重い物を載せる・段積みする・ラックに置く使い方では、余裕を持たせてください。

商品ページに静荷重が書いていない型があるのはなぜですか?

当社のページでは、メーカーが静荷重を公表している型だけに静荷重を載せています。書いていない型で段積みやラックを考えているときは、積む重さと段数をお知らせください。お答えします。

載せる重さと置き方から、合う型をご提案します

荷物の形・1段の重さ・段数・置き方(平置き・ラック・ネステナー・自動倉庫)をお知らせください。

この記事をつくった人

プラスチックパレット株式会社 編集部。千葉県我孫子市の、プラスチックパレット専門の卸売会社です。メーカーのカタログと、毎日いただくご相談をもとに書いています。

更新日:2026年10月27日 / 内容に誤りを見つけたら、お問い合わせからお知らせください。

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