各社の発表を並べる

樹脂の値上げはいつ何円か、2026年の東ソー・プライムポリマーなど一覧

2026年10月27日 公開・10月28日 更新10月28日 9時(日本時間)までに当社が確かめた発表をもとにしています読む時間 約7分

この記事の答え

何が起きた
2026年3月から、国内の樹脂メーカーが次々に値上げを発表しました。当社が確かめた発表は17件です。日本ポリエチレンはPEを3回で合計149円以上上げました。
いまの状況
7月13日の住友化学のあと、値上げも値下げも発表はありません。国産ナフサは4〜6月期が山で、7〜9月期は下がる見込みです。
確かめておくこと
上げ幅は「以上」で書かれた下限です。人件費や物流費の分は、ナフサが下がっても戻りません。
次に見るところ
10月29日の貿易統計のあとに出る、国産ナフサの7〜9月期の確定値です。新しい発表が出たら、この記事に足します。
日本ポリエチレンのPE149円以上3回の値上げの合計(1kgあたり、当社の計算)
確かめた発表17件1月27日〜7月13日(どれも会社の発表)
7月以降の値下げの発表0件確かめた5社のニュース一覧(10月28日)

上げ幅はどれも各社が求めた下限です。実際の取引の値段とはちがうことがあります。

2026年の値上げは3月から5月に集中しました

3月に90円前後の大きな値上げが並び、4〜5月に追加、6〜7月に人件費などの分が続きました。

2026年2月末にホルムズ海峡が止まり、ナフサの値段が急に上がりました。ナフサは、樹脂(プラスチックの原料)のもとになる油です。

これを受けて、国内の樹脂メーカーは3月から次々に値上げを発表しました。当社が各社の発表で確かめられたものを、発表の順に並べます。

2026年の樹脂の値上げの発表(発表の順)
発表日会社樹脂上げ幅(1kgあたり)いつから
1月27日プライムポリマーPE・PP5円以上4月1日納入分
3月17日プライムポリマーPE・PP90円以上4月1日納入分
3月19日日本ポリエチレンPE全製品90円以上4月1日納入分
3月19日カネカ発泡性ポリスチレン150円以上4月1日出荷分
3月19日日本ポリプロPP全製品80円以上4月1日納入分
3月23日東ソーPE全製品90円以上4月1日納入分
3月26日大洋塩ビ塩ビ(PVC)45円以上4月21日納入分
4月21日プライムポリマーPE・PP30円以上5月1日納入分
4月21日プライムポリマーPE・PP9円以上5月1日納入分
5月12日大洋塩ビ塩ビ(PVC)15円以上6月1日納入分
5月14日東ソーPE全製品45円以上5月21日納入分
5月18日日本ポリエチレンPE全製品50円以上5月25日納入分
5月18日日本ポリプロPP全製品50円以上5月25日納入分
5月29日DICポリスチレン20〜30円以上6月1日納入分
6月8日日本ポリエチレンPE全製品9円以上7月1日納入分
6月8日日本ポリプロPP全製品7円以上7月1日納入分
7月13日住友化学低密度PE17円8月1日納入分

PEはポリエチレン、PPはポリプロピレンです。DICはGPPSなどが20円以上、HIPSなどが30円以上です。日本ポリプロの3件は、10月28日に会社のニュース一覧で発表文を確かめました。

このほか、日本経済新聞は3月に「旭化成がポリエチレンを3割超値上げ」と報じました。当社は旭化成の発表文を見つけられていないため、表には入れていません。

会社ごとの合計は、PEで134円から149円以上です

3社のPEの値上げを足すと、134〜149円以上です。そのうち一部は、ナフサ以外の理由によるものです。

同じ会社が何回も値上げしています。上げ幅を足すと、1kgあたりの合計が分かります(当社の計算)。

会社ごとの上げ幅の合計(2026年1〜7月の発表、当社の計算)
会社樹脂回数合計(1kgあたり)
日本ポリエチレンPE3回149円以上
日本ポリプロPP3回137円以上
東ソーPE2回135円以上
プライムポリマーPE・PP4回134円以上
大洋塩ビ塩ビ2回60円以上

どの発表も「以上」と書いています。実際の値段は、取引ごとの話し合いで決まります。表の数字は、メーカーが求めた幅の下限です。

ナフサの分と、ナフサ以外の分があります

発表の理由を見ると、2つに分かれます。ひとつはナフサの値上がりです。もうひとつは、人件費・物流費・修繕費などです。

上げ幅の理由(各社の発表から)
理由主な発表
ナフサの値上がりプライムポリマー90円・30円、日本ポリエチレン90円・50円、東ソー90円・45円、日本ポリプロ80円・50円
人件費・物流費などプライムポリマー5円・9円、日本ポリエチレン9円、日本ポリプロ7円、住友化学17円

ナフサ以外の分は、ナフサが下がっても下がらない部分です。樹脂の値段がナフサにどう連動するかは、樹脂の値段はいつ下がるのかの記事で説明しています。

発表のときに想定していたナフサの値段

値上げの発表には、国産ナフサの値段をいくらと見たかが書かれているものがあります。

発表で想定した国産ナフサの値段と、その後の値
時期国産ナフサ(1kLあたり)
3月の発表で想定10万〜11万円超
5月の発表で想定12.5万円超
4〜6月期(確定値)118,900円
7〜9月期(見込み)96,500円
10〜12月期(見込み)98,900円

想定の値は日本ポリエチレン・プライムポリマー・東ソーの発表から。4〜6月期は化学工業日報(7月31日)、7〜9月期と10〜12月期は三協化学(10月6日更新)の値です。7〜9月期と10〜12月期は、まだ確定していません。

7月以降、値下げの発表はまだ出ていません

ナフサは山を越えましたが、確かめた5社のニュース一覧に、7月以降の値下げの発表はありません。

7月13日の住友化学のあと、樹脂の値上げも値下げも、当社が見た範囲では発表がありません。

各社のニュース一覧で確かめた範囲(10月28日に当社が確認)
会社7月以降の価格改定の発表
プライムポリマーなし(最後は4月21日)
日本ポリエチレンなし(最後は6月8日)
住友化学なし(最後は7月13日)
東ソーなし(最後は5月14日)
日本ポリプロなし(最後は6月8日)

国産ナフサは4〜6月期の118,900円が山で、7〜9月期は下がる見込みです。それでも値下げの発表は出ていません。

樹脂の値段は、国産ナフサの値段が決まってから、取引ごとに話し合われるのがふつうです。7〜9月期の確定値は、10月29日の貿易統計のあとに計算できます。くわしくはこちらの記事にあります。

旭化成と、ポリスチレンのPSジャパンは、会社の発表を当社が開けていません。この2社の7月以降の動きは確かめられていません。

10月は、海外でナフサと樹脂が再び上がっています

アジアのナフサは1か月で12%、中国のPPとLLDPEは7〜8%上がりました。国内の発表はまだありません。

10月に入って、ナフサと樹脂の値段は、海外で再び上がっています。

10月の海外の値段
項目値変化
アジアのナフサ(10月23日)942.76ドル/トン1か月で+12.43%
中国のLLDPE(10月中旬)9,999元/トン9月下旬から+7.0%
中国のPP(10月中旬)10,666.4元/トン9月下旬から+7.8%
中国のPE先物(10月26日)9,083元/トン1か月で+10.71%
中国のPP先物(10月26日)9,520元/トン1か月で+10.74%

ナフサと先物はTrading Economics、中国のLLDPEとPPは中国国家統計局の流通段階の値段(10月24日公表)です。どれも国内の樹脂の値段とは基準がちがい、そのまま比べられません。

国産ナフサの10〜12月期の見込みは98,900円で、7〜9月期の96,500円より少し高くなっています。国内のメーカーが、これを受けて値上げや値下げを発表するかは、まだ分かりません。新しい発表が出たら、この記事の表に足します。

輸入した樹脂の値段も、1月から5〜7割ほど上がりました

7月の輸入の値段は、PPが1月の約1.5倍、HDPEが約1.7倍です(当社の計算)。

海外から買う樹脂の値段も、春から大きく上がりました。財務省の貿易統計から、1kgあたりの輸入の値段を出しました(当社の計算)。

輸入した樹脂の1kgあたりの値段(全部の国の合計)
樹脂2026年1月2026年7月
PP182.2円271.5円
HDPE159.7円278.5円
LDPE198.8円324.1円
PS172.0円261.5円

財務省 貿易統計の品別国別表(プラサーチ「樹脂別国別輸入実績」2026年7月分)から当社が計算しました。8月分以降はまだ出ていません(10月26日時点)。LDPEにはLLDPEもふくまれます。

国ごとの値段は、国別の輸入価格の記事にまとめています。

値上げの通知を受けたら、4つを確かめます

上げ幅が下限か、いつの納入分か、ナフサの分はいくらか、想定のナフサはいくらかを見ます。

樹脂や樹脂製品を買う側が、値上げの通知を受けたときに確かめておきたいことです。

値上げの通知で確かめること
確かめること理由
上げ幅は「以上」か下限なので、実際の幅は話し合いで決まります
いつの納入分からか発注日ではなく納入日が基準のことが多いです
ナフサの分と、それ以外の分ナフサが下がったときに戻る部分が分かります
想定したナフサの値段実際の国産ナフサの値と比べられます

適用の基準日については、価格改定の適用基準日と価格転嫁2026で説明しています。ナフサの値段の最新は、ナフサ価格推移2026まとめの冒頭の表で毎週更新しています。

よくある質問

2026年に樹脂はいくら値上げされましたか。

会社と樹脂によってちがいます。PEでは、日本ポリエチレンが3回で合計149円以上、東ソーが2回で135円以上、プライムポリマーが4回で134円以上です。PPでは、日本ポリプロが3回で137円以上です(1kgあたり、当社の計算)。どれも各社が求めた下限です。

樹脂の値下げの発表はありますか。

10月28日に当社が確かめた範囲では、7月以降、値上げも値下げも発表はありません。確かめたのは、プライムポリマー・日本ポリエチレン・住友化学・東ソー・日本ポリプロのニュース一覧です。

ナフサが下がったのに、なぜ樹脂は下がらないのですか。

樹脂の値段は、国産ナフサの値段が四半期ごとに決まってから、取引ごとに話し合われるためです。また、人件費や物流費の分の値上げは、ナフサが下がっても戻りません。

10月にナフサがまた上がっているのは本当ですか。

アジアのナフサは10月23日に942.76ドル/トンで、1か月で12.43%上がりました(Trading Economics)。中国のPPとLLDPEも10月中旬に7〜8%上がっています(中国国家統計局)。国内の値段への影響は、まだ分かりません。

この一覧はいつ更新されますか。

樹脂メーカーが新しい値上げや値下げを発表したら、表に足します。国産ナフサの確定値が出たときも更新します。

言葉の意味5語
ナフサ
原油からつくる油で、樹脂のもとになります。
国産ナフサ価格
輸入したナフサの値段などから、四半期ごとに計算する業界の基準の値段です。
納入分
品物が届いた日を基準にする、という意味です。
PE・PP
ポリエチレンとポリプロピレンです。袋やフィルム、容器などに使います。
先物
先の日付で売り買いする約束の値段です。いまの相場の動きを見るのに使われます。
出典・エビデンス一覧14件(会社の発表10・統計3・相場1)
  • ※上げ幅は各社の発表に書かれた値で、実際の取引の値段とはちがうことがあります
  • ※合計の上げ幅と1kgあたりの輸入の値段は当社の計算です
  • ※発表の有無は、10月26日に当社が各社のニュース一覧で確かめた範囲です
  • ※本記事は情報提供を目的としたもので、特定の判断を推奨するものではありません。

文:プラスチックパレット株式会社 編集部

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