やさしく解説

ユミルリンクの情報漏洩でなぜJRも、延べ5162万件とスマートEXの会員ID

公開この記事は2026年10月27日時点の公表をもとにしています読む時間 約8分

文:プラスチックパレット株式会社 編集部

この記事でわかること

何が起きたの?会社の代わりにメールを送るサービス「Cuenote FC」を提供するユミルリンクが不正アクセスを受けました。10月26日の第二報で、漏えいが確認されたのは50システム、メールアドレスなどの情報が延べ5,162万8,280件になりました。 なぜJRも?JR東海・JR西日本・JR九州は、新幹線の予約サービスの会員にメールを送るためにユミルリンクのサービスを使っていました。そのため、会員のメールアドレスや会員IDなどが漏れました(3社の発表)。件数はユミルリンクが確認中で、報道では約17万件とされています。 今やることは?会社を名乗るメールやSMSのリンクからログインしない。ID・パスワードを聞いてくる連絡に答えない。この2つが一番大切です。 次に見るところは?まだ件数を調べている16システムの結果と、どの会社が影響を受けたかの発表です。
Cuenote FCで漏えいが確認された件数(メールアドレスを含む情報)延べ5,162万8,280件ユミルリンクの第二報(2026年10月26日)を伝えた報道・人数ではありません
数字のまとめ4つ
  • 延べ5,162万8,280件 Cuenote FCで漏えいが確認された件数(メールアドレスを含む情報)。人数ではありません
  • 50システム 漏えいが確認されたシステムの数。Cuenote FCが49、顧客管理のCuenote BASEが1
  • 約17万件 JR3社のエクスプレス予約・スマートEXの会員情報(報道)。3社の発表では件数は確認中
  • 16システム 第二報の時点で、件数を調べている途中のシステム。数字は増える可能性があります

1つ目・2つ目・4つ目はユミルリンクの第二報(2026年10月26日)を伝えた報道、3つ目は朝日新聞・RKB毎日放送の報道です。3社の発表では、件数はユミルリンクが確認中としています。16システムは件数を調べている途中で、数字は増える可能性があります。

メール配信サービス「Cuenote FC」を提供するユミルリンクが不正アクセスを受け、漏えいが確認されたのは50システム、延べ5,162万8,280件になりました。JR東海・JR西日本・JR九州の新幹線予約サービスの会員情報も漏れています。名前を知らない会社から、なぜ自分の情報が漏れるのか、自分が対象かの確かめ方と今やることを整理しました。

第1章

ユミルリンクって、どんな会社?

答え:お店や鉄道会社が会員に送るメールは、その会社が自分で送っているとは限りません。メールを送る専門の会社に、宛先の名簿を預けて送ってもらうことがあります。

たとえば、新幹線の予約サービスから「予約が完了しました」「おトクなお知らせ」というメールが届くとします。差出人はJRです。でも、何十万人にメールを一度に送るのは大変なので、メールを送る専門のサービスを使うことがあります。ユミルリンクの「Cuenote FC(キューノート エフシー)」は、そうしたメール配信サービスの1つです。

メールが届くまでの流れ

JRなどの会社
会員の名簿を持っている

↓ 名簿を預ける

ユミルリンク
Cuenote FCのシステムでメールを送る
(ここが不正アクセスを受けた)

↓ メールが届く

あなた
差出人はJRなどの会社に見える

ですから、ユミルリンクという名前を一度も聞いたことがなくても、自分のメールアドレスがそこに預けられていることがあります(当社の見方)。今回は、その預けられた側のシステムが外から入られました。

会社が名簿の扱いを外の会社に任せることを「委託(いたく)」といいます。任せた会社には、任せた先をきちんと見張る責任があります。くわしい仕組みは、別の記事で説明しています。

第2章

900万件から5162万件へ、10日で何がわかったの?

答え:10月19日の第一報は5システム・延べ約900万件でした。10月26日の第二報では50システム・延べ5,162万8,280件に広がり、まだ増える可能性があります。

いつ何があったか
10月16日(金)未明ユミルリンクの担当者が、一部のシステムで不正アクセスに気づく(公式発表)
10月19日 第一報Cuenote FCの5システムで、メールアドレスを含む情報が延べ約900万件持ち出されたと試算(公式発表)
10月20日ユミルリンクのドメイン(メールアドレスの@から後ろの部分)を使い、ほかの会社をかたる迷惑メールが出ていると注意をよびかけ(報道)
10月26日 第二報漏えいが確認されたのは50システム、Cuenote FCで延べ5,162万8,280件に(報道)。同じ日、JR東海・JR西日本・JR九州も会員情報の漏えいを発表(報道)

どうやって入られたのか

第一報(公式発表)によると、流れは次のとおりです。①プログラムの弱いところを使われ、②ユミルリンクのサポート担当者がログインに使う情報を取られ、③不正なプログラムを置かれてデータを持ち出され、④その担当者の情報で、ほかのシステムにも入ろうとされました。

第二報では、その後の調べで新たに45のシステムで、ほかのシステムのデータを見られたり、ログインしたときの情報を盗まれて不正にログインされたりしていたことがわかったとしています(報道)。

わかったこと数第二報の内容
入られようとしたシステム81複数の会社が使う3システムと、1社だけで使う78システム
漏えいが確認されたシステム50Cuenote FC 49(すべて1社だけで使うシステム)+顧客管理のCuenote BASE 1
件数延べ5,162万8,280件Cuenote FCの件数。うち16システムは件数を調査中で、増える可能性
Cuenote BASE190件ユミルリンクと契約している会社の担当者の情報(企業名、氏名、電話番号、メールアドレス)
悪用―漏えいした情報の不正利用は確認されていない

出典:ユミルリンク第二報(2026年10月26日)を伝えたINTERNET Watch・ビジネス+IT・セキュリティ対策Labの報道。第一報はユミルリンクの適時開示(2026年10月19日)。

「延べ」は人数ではない

「延べ」とは、同じ人を重ねて数えた数です。たとえば、ある人が3つの会社のメール会員なら、3件と数えます。ですから5,162万件は「5,162万人」ではありません(当社の見方)。

第3章

なぜJRの会員情報も漏れたの?

答え:JR東海・JR西日本・JR九州は、エクスプレス予約・スマートEXの会員のメールアドレス、会員ID、カタカナの氏名、会員種別が漏れたと発表しました。生年月日・住所・電話番号・カード番号は含まれていません。件数はユミルリンクが確認中です。

JR東海・JR西日本・JR九州の3社は10月26日、東海道・山陽・九州新幹線のネット予約サービス「エクスプレス予約」と「スマートEX」の会員の情報が漏れたと発表しました。会員にメールを送るために、ユミルリンクの「Cuenote FC」を使っていたためです。

漏れた情報(3社の発表)
  • メールアドレス
  • 会員ID
  • 氏名(カタカナ)
  • 会員種別
漏れたおそれがない情報(3社の発表)
  • カタカナ以外の氏名
  • 生年月日
  • 住所
  • 電話番号
  • クレジットカードの番号と有効期限

3社は、JRのシステムからの漏えいは確認されていないとしています。

わかったこと3社の発表(2026年10月26日)
対象になりうる人Cuenote FCで送られた、一部の会員への販売促進メールや、熊本地震の影響による発車時刻の変更を知らせるメールなどを受け取った会員
件数ユミルリンクが確認中(発表には書かれていない)
経緯10月16日の不正アクセスのあと、ユミルリンクからは「影響はない」と報告を受けていた。10月26日に、会員の情報が見られたり取られたりしたと連絡があった
対応メール配信サービスの使用をすぐに停止。同じ日に個人情報保護委員会に報告
連絡対象の会員には、電子メールなどで個別に連絡する

件数について、朝日新聞やRKB毎日放送は「約17万件」と報じています。一方、3社の発表では件数はユミルリンクが確認中としています。数字は今後の発表で変わる可能性があります(当社の見方)。JR九州は取材に、新幹線の予約や利用に影響はなく、被害の報告もないと答えています(報道)。

JR東日本の「えきねっと」とは別の件

10月9日には、JR東日本が「えきねっと」の会員のメールアドレスなどの漏えいを発表しています。こちらはIDCフロンティアへの不正アクセスが原因で、今回のユミルリンクの件とは別です(当社の見方)。

ほかにも、自分で発表した会社や役所がある

ユミルリンクは、どの会社のデータが漏れたのかを一覧にしていません。それぞれの会社や団体が、自分で発表しています。たとえば埼玉県は、委託先の会社を通じて使っていたメールマガジンで、669者の情報が流出した可能性があると発表しました。NTTPCコミュニケーションズは、影響は確認できていないものの、注意のよびかけとして公表しています。

第4章

自分は対象?今やることは?

答え:ふだんメールを受け取っている会社の発表を見る。会社を名乗るメールのリンクからログインしない。IDやパスワードを聞いてくる連絡に答えない。この3つです。

  1. ふだんメールをもらっている会社の発表を見る
    ユミルリンクの名前でメールが来ることは、ほとんどありません。新幹線の予約サービスやお店など、メールを受け取っている会社の公式サイトで、ユミルリンクの件のお知らせが出ていないかを見ます。対象の人には、その会社から個別の連絡が来ます。
  2. 会社を名乗るメールやSMSのリンクからログインしない
    今回漏れたのは主にメールアドレスです。メールアドレスと名前がわかると、本物らしい偽メールが送りやすくなります(当社の見方)。実際にユミルリンクは、自分の会社のドメインを使い、セゾンカードをかたって「ご利用確認のお願い」などの件名で送られる迷惑メールが確認されていると注意をよびかけています(報道)。リンクは押さず、公式アプリやブックマークから開きます。
  3. ID・パスワード・暗証番号を聞いてくる連絡には答えない
    エクスプレス予約・スマートEXでは、会員IDも漏れました(公式発表)。JR東海などは以前から、会員IDやパスワードの変更をうながす偽メールに注意をよびかけ、偽メールは見た目で見分けるのが難しいとしています。会員IDを知っている相手からの連絡でも、本物とは限りません。

パスワードは、3社の発表では漏れた項目に入っていません。ただ、同じパスワードを別のサービスでも使っているなら、別々のものに変えておくと安心です(IPA)。

家でできること

  • ふだんメールをもらっている会社の発表を見る
  • 会社を名乗るメールやSMSのリンクからログインしない
  • ID・パスワード・暗証番号を聞いてくる連絡には答えない

よくある質問

ユミルリンクという会社と取引した覚えがありません。関係ありますか

関係があるかもしれません。ユミルリンクは、会社の代わりにメールを送るサービス「Cuenote FC」を提供している会社です。受け取るメールの差出人はふだん使っている会社なので、ユミルリンクの名前を知らなくても、名簿が預けられていることがあります。

自分が対象かどうかは、どうすれば分かりますか

ふだんメールを受け取っている会社や団体の発表と、そこからの個別の連絡で確かめます。ユミルリンクは、どの会社のデータが漏れたのかを一覧にしていません。JR東海・JR西日本・JR九州のように、自分で発表している会社もあります。

スマートEXやエクスプレス予約の会員です。何をすればいいですか

3社の発表によると、漏れたのはメールアドレス、会員ID、カタカナの氏名、会員種別です。生年月日、住所、電話番号、クレジットカードの番号と有効期限は含まれていません。JRを名乗るメールやSMSのリンクからはログインせず、公式アプリやブックマークから開きます。会員IDやパスワードを聞いてくる連絡には答えません。

5162万件というのは、5162万人のことですか

いいえ。「延べ」の件数で、同じ人が何社にも登録していれば、その数だけ数えます。人数ではありません。また、16のシステムは件数を調べている途中で、数字は増える可能性があるとされています。

えきねっとの情報漏えいと同じ件ですか

別の件です。えきねっとはJR東日本のサービスで、2026年10月9日にIDCフロンティアへの不正アクセスの影響として発表されました。今回はJR東海・JR西日本・JR九州の新幹線予約サービスで、原因はユミルリンクへの不正アクセスです。

なぜプラスチックパレット株式会社がこの記事を書いているのですか。

当社はプラスチックパレットなどの物流資材を扱う会社です。ふだん名前を聞かない会社から情報が漏れると、自分に関係があるのか分かりにくくなります。公表された資料をもとに、仕組みと今やることを整理してお伝えしています。

この記事の作り方 生成AIを使って公式発表や公的機関の資料を集めて下書きし、数字や引用を出典と照らし合わせたうえで、当社の責任で公開しています。

この記事に出てきた言葉4語
メール配信サービス
会社の代わりに、会員などへメールを一度にたくさん送るサービスです。ユミルリンクの「Cuenote FC」はその1つです。
委託(いたく)
会社が名簿の扱いを外の会社に任せることです。任せた会社には、任せた先をきちんと見張る責任があります。
延べ(のべ)
同じ人を重ねて数えた数です。ある人が3つの会社のメール会員なら、3件と数えます。
ドメイン
メールアドレスの@から後ろの部分です。
出典・エビデンス一覧10件(公的機関2・報道や企業8)

各社と公的機関の資料

  1. 公式ユミルリンク「当社システムへの不正なアクセスに関するご報告(第一報)」(2026年10月19日、適時開示)|10月16日未明の検知、①〜④の経緯、サーバーの切り離しなどの対応。
  2. 公式ユミルリンク「第二報」(2026年10月26日、適時開示)|第二報の原本。当社は自動取得できなかったため、内容は下の報道で確認しました。
  3. 公式JR東海・JR西日本・JR九州「ユミルリンク株式会社で発生した不正アクセスに伴うメールアドレス等の漏えいについて」(2026年10月26日)|対象サービス、漏れた項目と漏れたおそれがない項目、対象になりうる会員、経緯、使用停止、個人情報保護委員会への報告、個別連絡。件数はユミルリンクが確認中。
  4. 公式埼玉県「ユミルリンク株式会社で発生した不正アクセスに伴う個人情報流出の可能性について」(2026年10月20日)|669者、項目、県の対応。
  5. 公式NTTPCコミュニケーションズ「ユミルリンク株式会社で発生した不正アクセスに伴うメールアドレス等の漏えいの可能性について」(2026年10月20日)|影響は確認できていないが注意喚起として公表。
  6. 公式エクスプレス予約「【重要】『EX』のメールサービスを装った偽メールやパスワード管理について」(2025年7月25日)|会員ID・パスワードの変更をうながす偽メールの例、見た目での判断は難しい。
  7. 公式IPA(情報処理推進機構)「チョコっとプラスパスワード」|サービスごとに違うパスワードを使う。

報道

  1. 報道INTERNET Watch「ユミルリンク、不正アクセスで情報漏えい件数を最大約5163万件と発表。対象が50システムに拡大」(2026年10月26日)|50システム、延べ5,162万8,280件、81システム、16システム調査中、Cuenote BASE 190件、不正利用は未確認、セゾンカードをかたる迷惑メール。
  2. 報道RKB毎日放送「『スマートEX』など新幹線ネット予約で会員情報約17万件分流出」(Yahoo!ニュース、2026年10月26日)|約17万件、項目、住所・カード番号は含まれない、予約システムからの流出は未確認、使用停止、個別連絡。
  3. 報道朝日新聞「新幹線予約の個人情報17万件流出 エクスプレス予約・スマートEX」(Yahoo!ニュース、2026年10月26日)|JR3社の発表、17万件、漏れた項目。
  • ※JR3社の項目・経緯は3社の発表(2026年10月26日)で確かめました。件数の約17万件は報道の数字で、3社の発表ではユミルリンクが確認中としています。
  • ※ユミルリンクの件数は延べの数で、調査中のシステムがあるため増える可能性があります。
  • ※「当社の見方」と書いた部分は、公表資料をもとにした当社の整理です。
  • ※被害が疑われるときは、各社の窓口、警察、消費生活センター(188)に相談してください。
  • ※本記事は情報提供を目的としたもので、特定の判断を推奨するものではありません。

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