パレットの規格を知る
樹脂パレットのJIS規格とは?Z 0606とZ 0609の違いと強度
この記事の答え
- 何が起きた
- プラスチック製の平パレットのJISは2つです。JIS Z 0606(2008年改正)と、容器包装リサイクル材を使うJIS Z 0609(2017年制定)です。
- 2つの違い
- Z 0609は容リ材を1枚の質量の80%以上使うパレットの規格です。最大積載質量は1.0tまでで、強さの基準の値はZ 0606のB種と同じです。
- 確かめておくこと
- カタログの強さの数字が、どの規格の、どの種別(A種・B種)の基準で試したものかを見ます。
- 次に見るところ
- Z 0606は2008年の版が、2026年10月時点の最新です。規格が改正されたら、この記事を更新します。
出典は JIS Z 0606:2008・JIS Z 0609:2017・JIS Z 0602:1988 の本文です。くわしくは第1章と第3章にあります。
プラスチック製の平パレットのJISは、Z 0606とZ 0609の2つです
Z 0606はプラスチック製平パレット全体の規格、Z 0609は容器包装リサイクル材を80%以上使うパレットの規格です。
プラスチック製の平パレットについて、日本産業規格(JIS)には2つの規格があります。JIS Z 0606「プラスチック製平パレット」と、JIS Z 0609「容器包装リサイクル材を用いたプラスチック製平パレット」です。
JIS Z 0606とJIS Z 0609のくらべ(規格の本文から当社がまとめたもの)
容器包装リサイクル材は、容器包装リサイクル法で家庭から回収されたプラスチックです。主にポリエチレンとポリプロピレンでできています。Z 0609では、日本容器包装リサイクル協会のガイドラインに合う品質であることが前提です。
あわせて知っておきたい関係の規格
形・差込口・寸法の決まりは、2つの規格で共通です
形は単面形・片面使用形・両面使用形、差込口は二方差し・四方差し・準四方差しの3つずつです。
パレットの形と差込口の分け方、寸法の決まりは、2つの規格で共通です。形は3つ、差込口は3つに分けられます。
形は3つ
単面形
上にだけデッキボード(荷物を載せる板)がある形です。下は桁やブロックだけです。
片面使用形
上と下にデッキボードがあり、上の面だけに荷物を載せる形です。
両面使用形
上と下のどちらの面にも荷物を載せられる形です。
差込口は3つ
二方差し
向かい合う2つの方向から、フォークを差し込めます。
四方差し
4つの方向から、フォークを差し込めます。
準四方差し
四方差しの形ですが、パレットトラックでは2方向(図の実線)からしか使えません。点線の方向はフォークリフトだけです。
寸法の主な決まり
長さ×幅
大きさの表し方。1100系列と1200系列があります
Z 0606・Z 0609
±0.7%
長さと幅の許容差。Z 0606のA種だけは±3mm
Z 0606・Z 0609
0.2%以下
2本の対角線の長さの差。長いほうの対角線に対して
Z 0606・Z 0609
7mm以内
上と下のデッキボードの平面度。用途で付けた凹凸を除く
Z 0606・Z 0609
50mm超
フォークリフトの差込口の高さ。50mm以下であってはならない
Z 0606・Z 0609
89〜156mm
パレットトラックの差込口の高さ
Z 0606・Z 0609
180mm以上
パレットトラックで使う下面の開口(長さ・幅とも)
Z 0606・Z 0609
35%以上
下面の受圧面積(床に接する面積)。下面デッキの平面寸法に対して
Z 0606・Z 0609
パレットトラックは、ハンドリフトとも呼ばれる手動の運搬具です。差込口の高さと下面の開口の決まりは、パレットトラックの車輪が入るためのものです。
強さは4つの試験で確かめ、A種のほうが基準が厳しくなっています
圧縮・曲げ・下面デッキボード・落下の4つです。Z 0609の基準の値は、Z 0606のB種と同じです。
強さは、JIS Z 0602の方法で4つの試験をして確かめます。Z 0606はA種とB種で基準が分かれていて、A種のほうが厳しい基準です。Z 0609の基準の値は、Z 0606のB種と同じです。
強さの基準(荷重は最大積載質量の何倍か。A種・B種はZ 0606の種別。値はZ 0606・Z 0609の表3、試験の方法はZ 0602)
たわみ率は、たわんだ量を支点の間の距離で割って100を掛けた値(%)です。落下の高さは、Z 0602では500mmですが、Z 0606では1mと定めています。
1tのパレットなら、1.25tの荷重で曲げて試します
1.25t
最大積載質量1tのパレットの曲げ試験で、最後にかける荷重
JIS Z 0602 の曲げ試験
13.5mm
A種のたわみの上限の例。試験の長さが900mmのとき
大阪府立産業技術総合研究所の資料
45mm
B種のたわみの上限の例。同じ条件のとき
大阪府立産業技術総合研究所の資料
13.5mmと45mmは、900mm×1.5%と900mm×5%で求めた値です。実際の試験の長さはパレットの大きさで変わります。
そのほかの試験(受け渡す当事者どうしで決めて行うもの)
カタログの重さの読み方(動荷重・静荷重、ラックで載せられる重さ)は、別の記事にまとめています。
表示は、Z 0606が6つ、Z 0609が4つです
材料と強度の種別の表示は、Z 0606だけにあります。A種のパレットには「A」と表示します。
JISのパレットには、決まった事がらを表示します。Z 0606は6つ、Z 0609は4つです。材料と強度の種別は、Z 0606だけにあります。
表示すること(各規格の「表示」の箇条から)
Z 0606の表示の例として、「1 100×1 100 略号1111 A」が挙げられています。1100×1100mmで、A種のパレットという意味です。
カタログを読むときに確かめること
どちらの規格か
Z 0606か、容リ材のZ 0609かを見ます。
A種かB種か
Z 0606の場合は、どちらの種別の基準で試したかを見ます。曲げのたわみの基準は3倍以上違います。
最大積載質量は何tか
Z 0606は1.5tまで、Z 0609は1.0tまでの区分があります。
JISマークの認証か、試験の結果か
製品にJISマークを付けるには、登録された認証機関の認証が要ります。「JISの方法で試験した」という書き方とは別のことです。
容リ材のパレットは、載せる重さと使い方で選びます
Z 0609の区分は1.0tまでです。再生した原料を使うので、食品衛生法に適合するとは名乗れません。
容器包装リサイクル材のパレットは、家庭から出たプラスチックを生かしたパレットです。Z 0609ができたことで、容リ材のパレットにも国の決まった物差しができました。
選ぶときは、次の点を知っておくと迷いません。
載せられる重さの区分は1.0tまで
Z 0609の最大積載質量は0.25tから1.0tまでの4つです。1.0tを超える荷物には、Z 0606の区分の型を選びます。
強さの基準はZ 0606のB種と同じ値
曲げのたわみ率5以下など、B種と同じ値で確かめます。
食品に直接触れる使い方は相談する
再生した原料を使うパレットは、食品衛生法に適合するとは名乗れません。
当社が扱う容リ材のパレットが、どの規格のどの基準で試されているかは、メーカーの資料で確かめてお伝えします。
あわせて読みたい記事
よくある質問
JIS Z 0606とJIS Z 0609の違いは何ですか。
Z 0609は、容器包装リサイクル材を1枚の全質量の80%以上使うパレットの規格です。最大積載質量の区分は1.0tまでで、強さの基準の値はZ 0606のB種と同じです。Z 0606は1.5tまでの区分と、A種・B種の2つの基準があります。
A種とB種は、どちらが強いですか。
A種のほうが基準が厳しくなっています。たとえば曲げ試験のたわみ率は、A種が1.5以下、B種が5以下です。A種のパレットには「A」と表示します。
JIS Z 0606は、今の版はいつのものですか。
2008年に改正された版が、2026年10月時点の最新です。1982年に制定され、1993年にも改正されています。
JISの試験で、荷物は何倍まで載せて試しますか。
曲げ試験では最大積載質量の1.25倍、圧縮試験では1.1倍、下面デッキボードの試験では1.15倍まで荷重をかけます。
容リ材のパレットは、食品に使えますか。
再生した原料を使うパレットは、食品衛生法に適合するとは名乗れません。食品を扱う場所で使うときは、使い方をご相談ください。
言葉の意味6語
- JIS(日本産業規格)
- 日本の国の規格です。2019年7月に、日本工業規格から名前が変わりました。
- 容器包装リサイクル材
- 容器包装リサイクル法で家庭から回収された、主にポリエチレンとポリプロピレンのプラスチックです。
- 最大積載質量
- そのパレットに載せられる荷物の重さの上限です。
- たわみ率
- 荷重をかけてたわんだ量を、支点の間の距離で割って100を掛けた値(%)です。
- 準四方差し
- 四方差しの形ですが、パレットトラックでは2方向からしか使えない差込口です。
- パレットトラック
- ハンドリフトとも呼ばれる、手で動かすパレットの運搬具です。
出典・エビデンス一覧7件(規格の本文5・公的機関1・規格の販売サイト1)
- JIS Z 0606:2008 プラスチック製平パレット(日本産業規格)
- JIS Z 0609:2017 容器包装リサイクル材を用いたプラスチック製平パレット(日本産業規格)
- kikakurui.com「JIS Z 0606:2008 プラスチック製平パレット」
- kikakurui.com「JIS Z 0609:2017 容器包装リサイクル材を用いたプラスチック製平パレット」
- JIS Z 0602:1988 平パレット試験方法
- 大阪府立産業技術総合研究所「平パレットの強度試験」技術シート
- Standards Ireland「JIS Z 0606:2008」
- ※規格の内容は、2026年10月29日時点で確認できた本文によります。数値の正確な条件は、規格の原本で確かめてください
- ※寸法の表(1100系列・1200系列の大きさの一覧)は、この記事では載せていません
- ※本記事は情報提供を目的としたもので、特定の判断を推奨するものではありません。
文:プラスチックパレット株式会社 編集部
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