やさしく解説
アメリカ中間選挙2026で何が変わったか、上院・下院と関税をやさしく解説
この記事の答え
- 何が起きた
- 11月3日のアメリカ中間選挙で、民主党が上院と下院の両方で過半数を取りました。選挙の前は、どちらも共和党が多数でした。
- 日本への影響
- 日本にかかる追加関税は大統領の判断で決めてきたもので、すぐには変わりにくいという見方が出ています。
- 暮らしで気にすること
- 円相場と物の値段です。11月4日は円高の方向に動き、原油は下がりました。
- 次に見るところ
- まだ決まっていない議席と、議会と大統領の関係です。新しい議会は2027年1月からです。
11月5日時点の報道(NBC・OANDA証券のまとめ)によります。数は確定していません。
アメリカの中間選挙とは、どんな選挙でしょうか
大統領の任期の真ん中に、議会の議員を選びます。
アメリカでは11月3日(現地時間)に、中間選挙の投票がありました。中間選挙は、4年ある大統領の任期のちょうど真ん中に行われる選挙です。大統領は選ばれず、国の法律や予算を決める議会の議員などを選びます。
下院(定数435)2年ごとに全員を選び直す
435議席すべて
上院(定数100)任期6年。2年ごとに約3分の1ずつ選ぶ
約3分の1
州知事今回は36の州で選挙
36州
大統領今回は選ばない
トランプ大統領のまま
法律は、上院と下院の両方で可決され、大統領が署名して成立します。大統領は、議会が可決した法律に「拒否権」を使うこともできます。どちらの党が議会の多数を占めるかで、大統領が進めたい政策の通りやすさが変わります。
上院と下院の結果は、どうなったのでしょうか
民主党が両方で過半数を取りました。
報道機関の集計では、民主党が上院と下院の両方で、過半数の議席を取りました。選挙の前は、どちらも共和党が多数でした。
上院選挙前は共和党53・民主党47。過半数は51
民主党54・共和党44
上院でまだ決まっていない州ミシシッピ州・アラスカ州
2議席
下院選挙前は共和党219・民主党214(欠員2)。過半数は218
民主党242以上
下院でまだ決まっていない議席11月5日時点
42議席
上院では、民主党が共和党から議席を取った州がありました。アイオワ・カンザス・テキサス・サウスカロライナ・オハイオ・ノースカロライナなどです。ミシシッピ州は、開票が95%を超えても両候補の差が数十票で、結果が出ていません。
数字の読み方
議席の数は、まだ決まっていない選挙区が残っていて、報道機関ごとに数え方が少し違います。この記事は、11月5日の日本時間の昼までの報道で書いています。数が確定したら、この記事に書き足します。
日本にかかる関税は、変わるのでしょうか
すぐには変わりにくいという見方です。
日本の暮らしや仕事にいちばん関係があるのは、関税です。いまの関税がすぐに変わるかというと、変わりにくいという見方が出ています。
いまの追加関税は、大統領の判断で決めてきた
JETRO(日本貿易振興機構)の解説です。日本の品物への追加関税は、議会の承認なしに、大統領の側(行政府)の判断で決めてきました。
議会の勢力が変わっても、取り消される見込みは低い
JETROは、外交や通商は大統領の裁量が大きく、方針が大きく変わる可能性は低いとみています。当面は、いまの関税が続く前提で考える必要があるとしています。
新しい法律は通りにくくなる
大統領は共和党、議会は民主党が多数になります。大統領は、議会が可決した法案に拒否権を使う構えを見せています。
野村総合研究所の木内登英さんは、選挙の前にこう見ていました。民主党が勝つと新しい追加関税は出しにくくなるものの、歯止めの効果は限られる、という見方です。
株や円相場は、どう動いたのでしょうか
11月4日は日経平均が下がり、円高に動きました。
選挙の翌日の11月4日、株や為替、原油の値段が大きく動きました。選挙のほかにも、いろいろな理由で動いた可能性があります。
ダウ平均(アメリカの株)11月4日の終値
3.03%上昇
日経平均11月4日の終値 6万2,188円
893円安(1.42%下落)
ドル円一時157円台半ばまで
円高の方向
原油(WTI)1バレル88.12ドル
8.29%下落
円相場がこの先どう動くかは、見方が分かれます。木内さんは、選挙の前に、民主党が勝つとドル高・円安が進み、日本の物価高につながる可能性があると書いていました。一方、11月4日には円高の方向に動きました。円安になると輸入品が高くなり、円高になると安くなる方向に働きます。
これから、何を見ればいいのでしょうか
残りの議席と、議会と大統領の関係です。
選ばれた議員が議会に入るのは、2027年1月からです。これからの見どころは、次の3つです。
残りの議席が決まる
ミシシッピ州とアラスカ州の上院、下院の残りの選挙区です。アラスカ州では、結果の確定をめぐる訴えも報じられています。
議会と大統領の関係
予算や法律で、議会と大統領がどこまで折り合うかです。
関税と為替
関税の水準が続くか、円相場がどちらに動くかです。日本の物の値段に関わります。
次の大統領選挙は、2028年11月です。
よくある質問
アメリカの中間選挙とは何ですか。
4年ある大統領の任期の真ん中に行われる選挙です。下院の全435議席と、上院の約3分の1などを選びます。大統領は選びません。
2026年の中間選挙の結果はどうでしたか。
報道機関の集計では、民主党が上院と下院の両方で過半数を取りました。11月5日の時点で、上院の2議席と下院の一部の議席はまだ決まっていません。
トランプ大統領はどうなりますか。
大統領は今回の選挙の対象ではなく、任期は続きます。議会の多数が民主党になるため、法律や予算は議会と折り合う必要があります。
日本への関税は下がりますか。
すぐには下がりにくいという見方です。JETROは、追加関税は大統領の側の判断で決めてきたため、議会の勢力が変わっても取り消される見込みは低いとみています。
円相場はどうなりますか。
見方が分かれています。選挙の前には、民主党が勝つと円安が進むという見方がありました。11月4日は円高の方向に動きました。
新しい議会はいつからですか。
2027年1月からです。
この記事の数字は確定していますか。
いいえ。11月5日時点の報道によるもので、まだ決まっていない議席があります。確定したら書き足します。
言葉の意味3語
- 中間選挙
- 大統領の任期の真ん中に行われる、議会の議員などを選ぶ選挙です。
- 上院・下院
- アメリカの議会の2つの院です。法律は両方で可決される必要があります。
- 拒否権
- 議会が可決した法案に、大統領が署名せずに差し戻す権限です。
出典・エビデンス一覧5件(公的機関1・報道2・金融機関の解説2)
- JETRO「米国中間選挙、民主党が上下両院で多数派奪還、関税政策への影響は限定的か」
- PBS NewsHour(AP)「Democrats take control of the Senate after winning key midterm races」
- NBC Chicago「Midterm results: Which races still haven't been called, and which states flipped blue?」
- OANDA証券「米中間選挙の結果と相場の反応を図解」
- 野村総合研究所 木内登英「米国中間選挙が日本に与える影響」
- ※11月5日時点の報道をもとにしています。議席が確定したら書き足します
- ※議席の数は報道機関ごとに数え方が少し違います。上院はNBC、下院はOANDA証券のまとめの数字です
- ※特定の政党や候補者を支持・評価するものではありません
- ※本記事は情報提供を目的としたもので、特定の判断を推奨するものではありません。
文:プラスチックパレット株式会社 編集部
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