Engine Oil / ILSAC GF-7 and API SQ

GF-6は10月1日で廃止、GF-7とAPI SQは何が違うのかとエンジンオイルの選び方

エンジンオイルの缶に表示されている規格が、2026年10月1日に切り替わります。ILSAC GF-6が廃止され、2025年3月に始まったGF-7とAPI SQに一本化されます。何が厳しくなったのか、0W-16や0W-8はどう扱われるのか、いま乗っている車に何を入れればよいのかを、API(米国石油協会)の規定と規格の資料で確かめました。

初版公開: / 最終更新: / プラスチックパレット株式会社

ANSWER

ILSAC GF-6は2026年10月1日で廃止され、GF-7とAPI SQに切り替わります。GF-7は、劣化したオイルでの異常燃焼(LSPI)の試験を新設し、タイミングチェーンの摩耗や堆積物の基準を強めた規格です。API SQは、SP以前の規格が指定された車にも使えるとAPIが定めています。

GF-6の廃止日

10/1

2026年。APIが重複期間を18か月に延長

GF-7・API SQの開始

2025.3.31

ライセンスの開始日

GF-7Bの対象粘度

0W-16

0W-8と0W-12はAPI SQのみ

この記事の要点

  • エンジンオイルの規格ILSAC GF-6は、2026年10月1日で廃止されます。本来は1年の重複期間を、APIが2025年10月に18か月へ延ばしたため、この日付になりました。
  • 後継のGF-7とAPI SQは、2025年3月31日にライセンスが始まっています。10月1日以降、ILSACの認証マークを付けられるのはGF-7に合格したオイルだけになる見込みです。
  • GF-7は、使い込んで劣化したオイルでの低速早期着火(LSPI)の試験を新たに設け、タイミングチェーンの伸び、ピストンやターボの堆積物の基準も強めました。小排気量のターボ車を想定した変更です。
  • 粘度の扱いも変わりました。0W-16はGF-7B(盾型のシールドマーク)で、0W-8と0W-12はGF-7の対象外となり、API SQだけで表示されます。いずれも燃費を重視した低粘度です。
  • APIの規定では、API SQのオイルは、SPやそれ以前の規格が指定された車にも使えます。まず取扱説明書で粘度と規格を確かめ、交換のときに缶の表示と照らし合わせます。

10月1日に何が変わるのか

ILSAC(国際潤滑油標準化認証委員会)の乗用車用エンジンオイル規格は、2026年10月1日にGF-6からGF-7へ完全に切り替わります。

金色の太字は、今回の切り替えの日付です。

日付出来事
2025年3月31日ILSAC GF-7(GF-7A・GF-7B)とAPI SQのライセンスが始まる
2025年10月6日APIが、GF-6とGF-7の重複期間を通常の12か月から18か月に延長
2026年10月1日ILSAC GF-6(GF-6A・GF-6B)が廃止

出典:API「API 1509」第23版、MOTOR(2025年10月6日)、ヤナセ製油(2026年1月5日)。

APIの規格では、ガソリン車用のILSAC規格に合格したオイルは、缶に「スターバースト」と呼ばれる丸いマークを付けられます。前回GF-5がGF-6に切り替わったとき、APIはGF-5のオイルが廃止日以降このマークを付けられなくなり、APIの認証一覧からも外れると定めていました。今回も同じ扱いになる見込みです。

店頭に残っているGF-6のオイルの扱いは未確認です

10月1日より前に製造・出荷されたGF-6表示のオイルが、その後も販売できるかどうかを定めた一次資料は、当社では確認できませんでした。オイルそのものの性能が10月1日に変わるわけではありません。

この章の結論

GF-6は2026年10月1日で廃止され、ILSACの認証マークはGF-7に合格したオイルだけのものになる見込みです。後継のGF-7とAPI SQは、2025年3月31日から始まっています。

GF-7はGF-6から何が厳しくなったのか

GF-7の変更点は、主に小排気量のターボエンジンを守るための試験の追加と強化です。

項目GF-7での変更
低速早期着火(LSPI)使い込んで劣化したオイルでの試験(Sequence IX 劣化油)を新設。新油だけでなく、交換前のオイルでも異常燃焼を抑える
タイミングチェーンの摩耗チェーンの伸びの上限を0.080%に(Sequence X)
堆積物ピストンとターボチャージャーの堆積物の基準を強化
省燃費燃費試験(Sequence VIE・VIF)の基準を強化

出典:API「API 1509」第23版、MOTOR(2025年3月)、Afton Chemical、Infineum、Chevron の規格解説資料。

LSPIは、小排気量のターボエンジンが低回転で強く加速したときに、点火より先に燃料が燃えてしまう現象です。エンジンを傷めることがあります。GF-6でも新油での試験はありましたが、GF-7では交換時期に近い劣化したオイルでも同じ水準を求めるようになりました。

Chevronの規格解説資料では、0W-16の燃費試験(Sequence VIF)の合計改善率の下限を4.3%としています。ただし、これは試験用エンジンでの数値で、実際の車の燃費がその分よくなるという意味ではありません。

この章の結論

GF-7は、劣化したオイルでのLSPI試験を新たに設け、チェーンの摩耗、ピストンとターボの堆積物、燃費の基準を強めた規格です。

GF-7A・GF-7BとAPI SQの関係

ILSAC規格とAPI規格は別の規格ですが、同じ時期に改定され、試験の多くを共有しています。粘度によって、表示できるマークが分かれます。

区分表示できる規格マーク
0W-16ILSAC GF-7B、API SQシールドマーク(盾型)
0W-8・0W-12API SQのみ(GF-7の対象外)―
GF-7Aに合格した粘度ILSAC GF-7A、API SQスターバースト(丸型)

出典:API「API 1509」第23版、ヤナセ製油、スタンダードケミックス。GF-7Aの対象となる粘度の一覧は、本記事では確認していません。

API(米国石油協会)は、API 1509の中で「API SQのオイルは、API SPやそれ以前のSカテゴリーが推奨されている場合にも使用できる」と定めています。SQは、SPやSNを指定している車の上位互換として扱われています。

この章の結論

0W-16はGF-7B、0W-8と0W-12はAPI SQだけの扱いです。API SQのオイルは、SPやそれ以前の規格が指定された車にも使えます。

手持ちの車に入れるオイルの確かめ方

どのオイルを選ぶかは、車と使い方によって違います。ここでは確かめる手順だけを並べ、判断は読者に委ねます。

ACTION 01

取扱説明書で粘度と規格を確かめる

車の取扱説明書や整備手帳には、推奨の粘度(0W-20など)と規格(API SP、ILSAC GF-6など)が書かれています。粘度はそのまま守り、規格はその規格か、それより新しい規格のオイルを選びます。

ACTION 02

缶の表示でSQ・GF-7を確かめる

API SQのオイルは、SPやそれ以前の規格が指定された車にも使えるとAPIが定めています。缶の表示に「SQ」やGF-7のマークがあるかを確かめます。

ACTION 03

手元のGF-6表示のオイルを確かめる

10月1日を過ぎても、オイルの中身が変わるわけではありません。手元にあるGF-6表示のオイルを使ってよいかは、車のメーカーの指定や整備工場で確かめます。

ACTION 04

交換のときに使うオイルを聞く

ディーラーや整備工場でのオイル交換では、どの規格のオイルを入れたのかが明細に載らないこともあります。交換を頼むときに、入れるオイルの規格を確かめます。

よくある質問

GF-6はいつ廃止されますか
2026年10月1日です。GF-7が2025年3月31日に始まり、APIが2025年10月に、GF-6との重複期間を通常の12か月から18か月に延ばしたため、この日付になりました。
GF-7とGF-6は何が違いますか
GF-7は、使い込んで劣化したオイルでの低速早期着火(LSPI)の試験を新設し、タイミングチェーンの伸び、ピストンやターボの堆積物、燃費の基準を強めた規格です。劣化油でのLSPI試験は、小排気量のターボエンジンを想定したものです。
API SPが指定の車にAPI SQを入れてもいいですか
APIは、API SQのオイルはSPやそれ以前のSカテゴリーが推奨されている場合にも使用できると定めています。ただし、粘度は取扱説明書の指定を守る必要があります。
0W-16や0W-8のオイルはどの規格になりますか
0W-16はILSAC GF-7Bで、盾型のシールドマークが付きます。0W-8と0W-12はGF-7の対象外で、API SQだけで表示されます。
なぜプラスチックパレット株式会社がこの記事を書いているのですか
当社は物流資材の商社で、ナフサや原油、潤滑油の原料になるベースオイルの値動きを日々の取引で追っています。2026年はエンジンオイルの供給と価格が大きく動いた年で、規格の切り替えも重なりました。公表された規格の資料で確かめてお伝えしています。

出典・エビデンス一覧

規格の一次資料

  • API「API 1509」第23版GF-7A・GF-7BとAPI SQのライセンス開始(2025年3月31日)、SQはSP以前が推奨される場合にも使用可、0W-16の扱い。①一次資料を直接参照
  • API「Latest Oil Categories」前回GF-5廃止時の、認証マークと認証一覧の扱い。①一次資料を直接参照

解説・報道

当社の関連記事

  • 規格の内容と日付は、2026年9月28日時点で当社が確認したAPIの規定と、規格の解説資料によります。
  • 10月1日以降の店頭在庫のGF-6表示オイルの扱いは、一次資料で確認できていません。
  • 燃費試験の数値は試験用エンジンでの基準で、実際の車の燃費の改善幅を示すものではありません。
  • 車に入れるオイルは、車のメーカーの指定を優先してください。
  • 本稿は情報提供を目的としたもので、特定の製品の購入を推奨するものではありません。

文:プラスチックパレット株式会社 編集部

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