Supply Chain Report / Tire Pricing 2026
タイヤ値上げは2026年9月1日から、ブリヂストン5%・ダンロップ6%・横浜ゴム5%とスタッドレスも対象
2026年9月1日、国内で流通する主要タイヤメーカー4社が同じ日にメーカー出荷価格を改定する。ブリヂストンと横浜ゴムが平均5%、住友ゴムが平均6%、日本ミシュランが3〜5%である。対象の中心は冬タイヤとトラック・バス用で、スタッドレスも含まれる。本稿は4社の公式リリースから対象商品と改定率を並べ、原料の経路までたどる。
ANSWER
タイヤの値上げは2026年9月1日からである。ブリヂストンが平均5%、住友ゴムのダンロップとファルケンが平均6%、横浜ゴムが平均5%、日本ミシュランが3〜5%を同じ日に改定する。対象の中心は冬タイヤとトラック・バス用で、スタッドレスも含まれる。
同じ日に改定するメーカー
4社
ブリヂストン・横浜ゴム・住友ゴム・日本ミシュラン
改定率の幅
3〜6%
最小はミシュランの下限、最大は住友ゴムの平均
発表が集中した期間
15日間
国内3社が6月15日から6月29日に発表
この記事の要点
- 2026年9月1日、ブリヂストン・横浜ゴム・住友ゴム・日本ミシュランの4社が国内市販用タイヤのメーカー出荷価格を同じ日に改定する。国内3社の発表は6月15日から29日までの15日間に集中した。
- 改定率は平均5%が2社、平均6%が1社、3〜5%が1社である。各社とも「商品により改定率が異なる」としており、商品別やサイズ別の率は公表されていない。発表されているのはメーカー出荷価格である。
- 9月1日の対象は冬タイヤとオールシーズンが中心で、スタッドレスも含まれる。横浜ゴムと日本ミシュランは乗用車用の夏タイヤを6月1日に改定済みで、9月1日分には含めていない。
- トラック・バス用、建設・産業車両用、農業機械用、リトレッドタイヤも9月1日の対象である。乗用車の夏タイヤを使う利用者は6月に、冬タイヤと業務用を使う層は9月にという二段構えになっている。
- 各社が挙げる理由は原材料価格の高騰、物流費、人件費、エネルギー費で共通する。合成ゴムはナフサから作られるため、荷物を包む資材とタイヤは同じ原料の川上を共有している。
2026年9月1日、大手4社が同じ日に改定する
2026年9月1日、国内で流通する主要タイヤメーカー4社が、メーカー出荷価格を同じ日に改定する。各社がそれぞれ公式リリースで発表しており、実施日が一致している。
| メーカー | 発表日 | 実施日 | 改定率 | 対象ブランド |
|---|---|---|---|---|
| ブリヂストン | 2026年6月15日 | 9月1日 | 平均5% | ブリヂストン |
| 横浜ゴム | 2026年6月19日 | 9月1日 | 平均5% | ヨコハマ |
| 住友ゴム工業 | 2026年6月29日 | 9月1日 | 平均6% | DUNLOP、FALKEN |
| 日本ミシュランタイヤ | 2026年4月15日 | 9月1日 | 3〜5% | MICHELIN、BFGoodrich |
出典:各社公式リリース。ブリヂストン・住友ゴムは公式ページを直接確認した。横浜ゴムと日本ミシュランは公式リリースの内容を報じた媒体により確認している。改定率はいずれも「商品により異なる」との但し書きが付く。
国内3社の発表は15日間に集中した
ブリヂストンが6月15日、横浜ゴムが6月19日、住友ゴムが6月29日と、国内3社の発表は15日間に収まっている。日本ミシュランはこれより早く、4月15日に夏タイヤと冬タイヤの改定をまとめて公表していた。
4社が挙げる理由の書き方も、ほぼ同じ構造をとる。
| メーカー | 公表されている理由 |
|---|---|
| ブリヂストン | タイヤ原材料価格の高騰に加え、物流コストや人件費、エネルギー費などが上昇。企業努力での吸収は困難と判断 |
| 横浜ゴム | タイヤ原材料価格の高騰に加え、物流費や人件費、エネルギー費等のコストが高い水準で推移 |
| 住友ゴム | タイヤの原材料価格の高騰、人件費や物流費、エネルギー費などのコスト上昇 |
| 日本ミシュラン | 世界的なインフレや原材料高、エネルギー価格の高止まり、地政学リスクによる燃料費と輸送コストの上昇 |
出典:各社公式リリースおよび日刊自動車新聞(日本ミシュラン分)。表記は各社の発表内容に基づく。
国内3社は原材料・物流費・人件費・エネルギー費の4つを並べる点で一致する。日本ミシュランのみ地政学リスクという語を使い、燃料費と輸送コストへの影響を明示している。4月15日という早い時期の発表であり、中東情勢が意識されていたことがうかがえる。
これはメーカー出荷価格の改定である
各社が発表しているのはメーカーから販売店・代理店への出荷価格であり、店頭の販売価格そのものではない。店頭価格がいつどれだけ変わるかは販売店ごとの判断による。9月1日を境に店頭価格が一律に上がるとは限らず、在庫や仕入れ時期によって差が出る。
9月1日は冬タイヤと業務用タイヤの回である
4社の対象商品を並べると、9月1日の改定が何を狙ったものかが見えてくる。乗用車の夏タイヤは中心ではない。
| メーカー | 9月1日の対象商品 |
|---|---|
| ブリヂストン | 国内市販用タイヤ(夏/冬)、チューブ、フラップ |
| 横浜ゴム | 乗用車用・バン用タイヤ(冬・オールシーズン)、小型トラック・バス用タイヤ(夏・冬・オールシーズン)、トラック・バス用タイヤ(夏・冬・オールシーズン)、建設・産業車両用タイヤ、農業機械用タイヤ、リトレッドタイヤ、チューブ、フラップ |
| 住友ゴム | 国内市販用タイヤおよびチューブ、フラップ |
| 日本ミシュラン | 冬タイヤ。乗用車・ライトトラック用、二輪車用、トラック・バス用、鉱山・建設車両用、産業車両用、農業機械用、チューブ・フラップを含む |
出典:各社公式リリース。日本ミシュランは夏タイヤを2026年6月1日に改定済みで、9月1日分は冬タイヤが対象となる。
横浜ゴムは6月と9月で対象を分けている
横浜ゴムは2026年6月1日に、乗用車用およびバン用の夏タイヤを平均5%改定している。9月1日の対象にはこの夏タイヤが含まれていない。9月に上がるのは冬・オールシーズンと、トラック・バス用以下の業務用である。
日本ミシュランも同じ分け方をしている。夏タイヤが6月1日、冬タイヤが9月1日である。乗用車の夏タイヤを使う一般の利用者は6月に、冬タイヤと業務用を使う層は9月に、それぞれ改定を受ける構造になっている。
建設・産業車両用、農業機械用、リトレッドまで含まれる
横浜ゴムと日本ミシュランの対象には、建設・産業車両用タイヤと農業機械用タイヤが明記されている。横浜ゴムはこれに加えてリトレッドタイヤも対象としている。
リトレッドは摩耗したタイヤの表面を張り替えて再利用する製品で、運送事業者がコストを抑える手段として使ってきたものである。新品だけでなく、その代替手段にあたるリトレッドも同時に上がる。タイヤ費用の圧縮余地が、両側から狭まる形になる。
夏タイヤが9月1日に上がるメーカーと、6月に上がり済みのメーカーがある
「9月1日にタイヤが上がる」といっても、夏タイヤが対象かどうかはメーカーによって分かれる。整理すると次のようになる。
| メーカー | 夏タイヤ | 冬タイヤ・オールシーズン |
|---|---|---|
| ブリヂストン | 9月1日 | 9月1日 |
| 住友ゴム(DUNLOP/FALKEN) | 9月1日 | 9月1日 |
| 横浜ゴム | 6月1日(実施済み) | 9月1日 |
| 日本ミシュラン | 6月1日(実施済み) | 9月1日 |
各社公式リリースによる。ブリヂストンと住友ゴムは「国内市販用タイヤ」として夏冬を分けずに9月1日としている。横浜ゴムは2026年6月1日に乗用車用およびバン用の夏タイヤを平均5%改定しており、日本ミシュランも夏タイヤを同日に改定済みである。
夏タイヤの購入を検討している場合、横浜ゴムと日本ミシュランは既に改定後の価格に入っている。ブリヂストンと住友ゴムはこれからである。冬タイヤはいずれも9月1日で揃う。
ブリヂストンと住友ゴムの公式リリースは「国内市販用タイヤ」とのみ記載しており、車種別の内訳を公表していない。両社の改定にトラック・バス用が含まれるかどうかは、リリースの文言からは確定できない。ただし日本経済新聞はブリヂストンの改定について、乗用車やトラック・バス向けを含めた夏用・冬用タイヤが対象と報じている。
スタッドレスが9月1日に集中する理由
4社のうち3社が、冬タイヤを9月1日の改定対象に含めている。この時期に集中するのには、商品の性質による事情がある。
冬タイヤの需要期は10月以降に立ち上がる
スタッドレスタイヤの購入は、降雪の見通しが立つ時期に集中する。積雪地では10月から、それ以外の地域では11月から12月にかけて動く。9月1日はその直前にあたる。
メーカーから見れば、需要期に入る前に新価格へ切り替えれば、シーズン中の出荷を新価格で通せる。夏タイヤを6月1日に、冬タイヤを9月1日に分ける横浜ゴムと日本ミシュランの設計は、それぞれの需要期の直前に置いたものと読める。
店頭価格に反映される時期は販売店によって異なる
第1章のとおり、今回発表されているのはメーカー出荷価格である。販売店が9月1日以前に仕入れた在庫は旧価格で仕入れたものであり、それをいつまで旧価格で売るかは販売店の判断による。
9月1日に店頭価格が一斉に変わるわけではない。ただし在庫が入れ替われば新価格に置き換わっていく。購入を検討している場合は、店頭で現在の価格と改定後の見込みを確認するのが確実である。当社は販売店ではないため、個別の店頭価格については案内できない。
本稿は特定の時期での購入を推奨するものではない。タイヤは保管環境によって劣化が進むため、早期に購入して長期保管することが有利とは限らない。使用時期と保管条件を踏まえて判断されたい。
原料はナフサと天然ゴムの両方から来ている
4社が共通して挙げる「タイヤ原材料価格の高騰」の中身を分解すると、性質の異なる2つの原料に行き着く。
合成ゴムはナフサから作られる
タイヤに使われるゴムには天然ゴムと合成ゴムがある。合成ゴムは石油化学原料であるナフサを起点として作られる。ナフサを分解して得られるブタジエンなどが、合成ゴムの原料になる。
当社は2026年のナフサ価格を継続して追ってきた。ナフサ価格には性質の異なる3つの系列があり、それぞれ水準もピーク時期も異なる。
| 系列 | 2026年の水準 | 性質 |
|---|---|---|
| アジアスポット市況 | 3月末に1トン1,200ドル超 | 最も早く動く。実際の到着は約2か月後 |
| 輸入CIF(通関統計) | 5月16日に1,043ドル | スポットの高騰が約2か月遅れて反映される |
| 国産ナフサ基準価格 | 第1四半期 1kLあたり65,700円 | 四半期ごとに決まる。第2四半期は過去最高の見込み |
出典:当社「ナフサ価格推移2026完全まとめ」。同記事で系列ごとの出典と取得経路を明示している。
この3系列の関係は、タイヤの価格改定を読むうえでも効いてくる。上流のスポット価格が下がっても、四半期ごとに決まる国産基準価格には約2か月から半年の遅れで届く。メーカーが実際に負担する原料コストは、報道で目にするスポット価格とは時期がずれている。
天然ゴムは合成ゴムと相互に代替する
天然ゴムはゴムノキの樹液から得られる農産物で、産地の作柄と季節に左右される。合成ゴムとは用途が重なるため相互に代替でき、一方の価格が上がればもう一方に需要が向かうという関係が指摘されている。
4社が公表している理由は「タイヤ原材料価格の高騰」までであり、その内訳としてどの原料がどれだけ効いたかは開示されていない。この関係が成り立つとすれば、ナフサの高騰で合成ゴムのコストが上がる局面では、代替先である天然ゴムにも需要が向かい、タイヤメーカーは2つの原料が同時に上がる状況に置かれることになる。ただし本稿執筆時点で、2026年8月の天然ゴム相場が実際にどの水準にあるかは確認できていない。上の記述は原料間の一般的な関係であり、今回の改定との因果を数値で裏づけたものではない。
原料相場の直近値は本稿に記載していない
天然ゴムとブタジエンの2026年8月時点の相場について、本稿執筆時点で信頼できる一次資料を確認できなかったため、具体的な数値は記載していない。原料相場は日々変動するため、判断に用いる場合は東京商品取引所や業界紙の最新値を直接参照されたい。ナフサについては当社の関連記事で系列ごとの推移を記録している。
同じナフサが、荷物を包む資材も上げている
合成ゴムがナフサから作られるということは、当社が扱う物流資材と原料の川上を共有しているということでもある。
ナフサから分かれる先に、資材とタイヤの両方がある
ナフサを分解すると、エチレンやプロピレン、ブタジエンといった基礎原料が得られる。この先が分かれる。
| ナフサからの経路 | できるもの | 物流での用途 |
|---|---|---|
| エチレン → ポリエチレン | ストレッチフィルム | パレットに積んだ荷物を巻いて固定する |
| プロピレン → ポリプロピレン | プラスチックパレット、PPバンド | 荷物を載せる、結束する |
| ブタジエン → 合成ゴム | タイヤ | その荷物を運ぶ |
石油化学の基本的な系統を整理したもの。実際の製造では他の原料や工程も関わる。
荷物を載せるもの、包むもの、運ぶものが、すべて同じナフサを起点としている。2026年に入ってから、この3つが順に上がってきた。当社が扱うプラスチックパレットやストレッチフィルム、PPバンドの価格改定と、今回のタイヤの改定は、別々の出来事ではなく同じ川上を持つ。
運送コストの計算では二重に効く
荷主から見ると、この構造は二か所で効いてくる。梱包資材の価格が上がり、それを運ぶ運賃の原価も上がる。タイヤは運送事業者の変動費に含まれるため、改定は時間差で運賃交渉の材料になる。
2026年の食品値上げでも、帝国データバンクの調査で「包装・資材」を要因とする値上げが64.0%、「物流費」が65.8%を占めている。包装と物流はほぼ同じ比率で並んでおり、どちらか一方の話ではない。
ナフサ価格の3系列と、それぞれがどの時期にどう動いたかについてはナフサ価格推移2026完全まとめ、国産ナフサ価格・スポット・通関CIFの最新チャートで整理している。仕組みを専門用語なしで追いたい場合はナフサの「目詰まり」を一般向けにわかりやすく解説を参照されたい。9月に予定されている食品などの値上げ全体は2026年9月 値上げ一覧、年内最多4,531品目と食品消費税1%引き下げ方針で扱っている。
事業者の負担はいくらになるか
改定率が平均3%から6%と分かっているため、年間のタイヤ関連費用が把握できていれば増加額は比例計算で求められる。
| 年間のタイヤ関連費用 | 5%の場合 | 6%の場合 |
|---|---|---|
| 50万円 | +25,000円 | +30,000円 |
| 100万円 | +50,000円 | +60,000円 |
| 300万円 | +150,000円 | +180,000円 |
| 500万円 | +250,000円 | +300,000円 |
改定率をそのまま乗じた比例計算。当社による試算であり、特定の事業者の実績ではない。実際の負担はメーカー構成、車種、交換本数、販売店との取引条件によって変わる。
1本あたりの金額は本稿では示さない
各社が公表しているのは平均の改定率のみで、商品ごとの改定額も、トラック・バス用タイヤの単価も公表されていない。1本あたりいくら上がるかを示すには単価を仮定する必要があり、それは推定を数値として提示することになる。本稿では行わない。
自社の負担を見積もる場合は、過去1年の実際のタイヤ購入額を起点に、上の比例計算を当てるのが確実である。
リトレッドを含めて見積もる
第2章のとおり、横浜ゴムはリトレッドタイヤも改定対象としている。新品からリトレッドへ切り替えることで改定を回避する、という考え方は成り立ちにくい。年間費用を積算する際は、リトレッドの支出も同じ率で見ておく必要がある。
また、チューブとフラップは4社すべてが対象に含めている。タイヤ本体だけでなく、付随する部材も同じ改定に入る。
発注と在庫をどう考えるか
改定日が分かっている場合、発注を前倒しするという選択肢が出てくる。ただしタイヤには、前倒しを一律に有利とはできない事情がある。
タイヤは保管で劣化する
タイヤはゴム製品であり、直射日光、高温、油分、オゾンなどの影響を受けて経年で性質が変わる。大量に買い置きしても、使う頃に性能が落ちていれば意味がない。保管場所の条件と、実際に使うまでの期間を踏まえる必要がある。
この点は、当社が扱うプラスチックパレットやPPバンドと事情が異なる。樹脂製品も紫外線で劣化するが、屋内保管であれば比較的長期の在庫に耐える。タイヤは安全性能に直結する部材であるため、在庫回転の考え方を分けたほうがよい。
前倒しできる範囲を実使用量から決める
現実的なのは、通常の交換サイクルで数か月以内に使う分だけを前倒しする形である。年間の交換本数と交換時期が把握できていれば、9月1日までに消化予定の分と、その次の分までを見て判断できる。
ただし第1章のとおり、今回発表されているのはメーカー出荷価格である。販売店の店頭価格がいつ切り替わるかは販売店ごとに異なるため、前倒しの効果があるかどうかは取引先に確認するのが確実である。
改定の理由を運賃交渉の材料として整理しておく
運送を受託する立場であれば、タイヤの改定は原価の上昇として説明できる材料になる。4社が公式リリースで理由を公表しているため、根拠として提示しやすい。
その際、改定率は「平均」であって商品ごとに異なる点、メーカー出荷価格であって店頭価格ではない点を正確に扱っておくと、話が食い違いにくい。実際の負担額は自社の購入実績から示すのが確実である。
本稿は特定の発注時期や取引条件を推奨するものではない。タイヤの選定と交換時期は安全性に直結するため、車両の使用状況に応じて判断されたい。
今後の見通しと、確認しておく指標
2026年8月10日時点で確認できているのは、4社の改定内容と原料の経路までである。この先については以下を追うことになる。
| 指標 | 現時点で確認できていること | 見方 |
|---|---|---|
| 国産ナフサ基準価格 | 2026年第1四半期は1kLあたり65,700円。第2四半期は金額・上昇幅とも過去最高の見込み | 四半期ごとに決まるため、合成ゴムの原料コストは遅れて反映される |
| 天然ゴム相場 | 2026年8月時点の値は本稿では確認できていない | 合成ゴムと相互代替の関係にあり、片方の上昇が他方に波及する |
| 他社の動向 | TOYO TIREとグッドイヤーについて、2026年の改定を伝える情報はあるが時期が媒体により食い違う。公式リリースは確認できていない | 本稿では4社に限定した。第2章の注記を参照 |
| 次回の改定 | 4社とも今回以降の予告は確認できていない | 横浜ゴムと日本ミシュランは2026年に夏・冬で2回に分けている |
国産ナフサ基準価格は当社「ナフサ価格推移2026完全まとめ」による。
2025年から続く連続的な改定である
日本ミシュランは今回の改定について、2025年2月に平均5〜8%の改定を実施した後の2回目にあたるとしている。今回の3〜5%は、その上に乗る形の改定である。
タイヤは交換までの間隔が数年に及ぶため、前回購入時との差は1回の改定率よりも大きくなる。数年ぶりに交換する場合、複数回の改定が積み上がった価格に直面することになる。
確認できていないこと
本稿では次の点について、根拠のある情報を確認できていない。推測での記載は避ける。
- 各社の商品別・サイズ別の改定率。4社とも「平均」および「商品により異なる」とのみ公表している
- トラック・バス用タイヤの単価と、1本あたりの改定額
- ブリヂストンと住友ゴムの「国内市販用タイヤ」に含まれる車種別の内訳
- TOYO TIREとグッドイヤーの2026年の改定内容。両社の公式リリースを確認できていないうえ、伝えている情報どうしが食い違っている。ある販売店は2026年9月1日の値上げ対象にTOYO TIREとグッドイヤーを含めており、別の販売店はTOYO TIREを8月からとしている。また業界メディアはグッドイヤーが2026年7月1日に冬タイヤを3〜6%引き上げるとしている。本稿ではいずれも採用していない
- 販売店の店頭価格がいつ改定されるか。これは販売店ごとの判断による
- 天然ゴムおよびブタジエンの2026年8月時点の相場
よくある質問
- タイヤの値上げはいつからですか
- 2026年9月1日である。ブリヂストン、横浜ゴム、住友ゴム、日本ミシュランの4社が同じ日にメーカー出荷価格を改定する。ただしこれはメーカーから販売店への出荷価格であり、店頭の販売価格がいつ変わるかは販売店ごとの判断による。9月1日を境に店頭価格が一律に上がるとは限らない。
- スタッドレスタイヤも値上げの対象ですか
- 対象である。横浜ゴムは乗用車用・バン用の冬タイヤとオールシーズンを9月1日の対象とし、乗用車用の夏タイヤは6月1日に改定済みで9月1日分には含めていない。日本ミシュランも冬タイヤを9月1日、夏タイヤを6月1日としている。ブリヂストンは国内市販用タイヤの夏と冬の両方を9月1日の対象としている。
- 値上げ率はメーカーによってどれくらい違いますか
- ブリヂストンと横浜ゴムが平均5%、住友ゴムのダンロップとファルケンが平均6%、日本ミシュランが3〜5%である。ただし4社とも「商品により改定率が異なる」としており、商品別やサイズ別の率は公表されていない。表示されている数値はいずれも平均または各商品グループの平均にあたる。
- トラックやバス、農業機械のタイヤも上がりますか
- 横浜ゴムと日本ミシュランは、トラック・バス用、建設・産業車両用、農業機械用を9月1日の対象として明記している。横浜ゴムはリトレッドタイヤも含めている。ブリヂストンと住友ゴムのリリースは「国内市販用タイヤ」とのみ記載しており、車種別の内訳は公表されていない。なお日本経済新聞は、ブリヂストンの改定について乗用車やトラック・バス向けを含むと報じている。
- なぜプラスチックパレット株式会社がこの記事を書いているのですか
- 当社が扱うプラスチックパレット、ストレッチフィルム、PPバンドは、いずれもナフサを起点とする石油化学製品である。タイヤに使われる合成ゴムも同じナフサから作られており、荷物を載せるもの、包むもの、運ぶものが同じ原料の川上を共有している。当社は2026年のナフサ価格を系列ごとに追ってきたため、その延長として今回の改定を整理した。
出典・エビデンス一覧
メーカー公式リリース
- 株式会社ブリヂストン「国内市販用タイヤの価格改定について」
- 住友ゴム工業株式会社「国内市販用タイヤおよび関連商品の価格改定について」
- 横浜ゴム株式会社「国内市販用タイヤの価格改定について」(6月1日実施分)
- 横浜ゴム株式会社「国内市販用タイヤの価格改定について」(9月1日実施分)
- 日本ミシュランタイヤ株式会社
報道
- 日本経済新聞
- Car Watch
- LNEWS
- 日刊自動車新聞
- ゴム報知新聞NEXT
本稿で採用しなかった情報
- オートバックス店舗の告知
- BSRweb(株式会社プロトリオス)
原料
- 当社「ナフサ価格推移2026完全まとめ」
- 帝国データバンク「食品主要195社」価格改定動向調査 ― 2026年8月
当社の関連記事
- 本稿で扱う改定率は、各社が公表したメーカー出荷価格の平均値です。商品やサイズによって率は異なり、店頭の販売価格とは別のものです。
- 店頭価格がいつどれだけ変わるかは販売店ごとの判断によります。当社は販売店ではないため、個別の店頭価格については案内できません。
- 負担額の試算は改定率を乗じた比例計算であり、特定の事業者の実績ではありません。
- 原料相場は日々変動します。本稿に記載した数値は記載時点のものです。
- 本稿は情報提供を目的としたもので、特定の時期での購入や取引条件を推奨するものではありません。タイヤの選定と交換時期は安全性に関わるため、車両の使用状況に応じて判断してください。