Supply Chain Report / Minimum Wage Chiba
千葉県の最低賃金1,195円はいつから、10月1日発効と支払日ではなく働いた日という基準
千葉県の最低賃金が、2026年10月1日から1,195円になる見通しとなった。8月5日に千葉地方最低賃金審議会が55円の引き上げを答申している。ただし適用の基準は給与の支払日ではなく、実際に働いた日である。本稿は千葉労働局の公表資料をもとに、発効までに残る手続き、時給への換算方法、事業者と働く側の双方が確認しておく点を整理する。
ANSWER
千葉県の最低賃金は2026年10月1日から、現行の1,140円より55円高い1,195円になる見通しである。千葉地方最低賃金審議会が8月5日に答申した。適用の基準は給与の支払日ではなく実際に働いた日で、9月分の給与を10月に支払う場合でも9月中の労働は現行額のままとなる。月給制では時給に換算して判定する。
改定後の時間額
1,195円
現行1,140円から55円の引き上げ
引き上げ率
4.82%
前年度は64円・5.95%だった
発効の見通し
10月1日
前年度は10月3日。年によって異なる
目安との差
+1円
中央審議会が示した目安は54円
TL;DR
- 10月1日から1,195円になる見通しである。千葉地方最低賃金審議会が2026年8月5日に、現行1,140円から55円引き上げて時間額1,195円に改正することが適当であると答申した。引き上げ率は4.82%にあたる。
- まだ答申の段階で、確定ではない。異議申出などの手続きを経て千葉労働局長が決定し、官報に公示されて発効する。発効日が10月1日になるのは見通しであり、前年度は10月3日だった。
- 適用の基準は支払日ではなく働いた日である。9月分の給与を10月に支払う場合でも、9月中の労働には現行の1,140円が適用される。10月1日以降に働いた分から1,195円以上が必要になる。
- 月給制でも時給に換算して判定する。月給を1か月の所定労働時間数で割った金額が判定の対象になる。月給20万円でも所定労働時間が170時間なら時間額は1,176円で、1,195円を下回る。
- 目安54円を1円上回った。労働者側は消費者物価指数の水準を挙げて大幅な引き上げを求め、使用者側は中小企業の設備投資や価格転嫁の遅れを挙げた。議論の末に55円でまとまり、全会一致は2年ぶりとなった。
いつから1,195円になるのか、いまどの段階か
金額と日付はすでに公表されているが、決定はまだ完了していない。手続きのどこまで進んでいるかを最初に整理する。
千葉労働局の公表によると、第451回千葉地方最低賃金審議会は2026年8月5日午後3時30分から千葉労働局1階会議室で開かれ、同審議会の会長から千葉労働局長へ答申文が手渡された。内容は千葉県最低賃金を55円引き上げ、時間額1,195円に改正することが適当であるというものである。
答申は「決定」ではない
地域別最低賃金は、地方最低賃金審議会の答申を受けたあと、異議申出などの手続きを経て都道府県労働局長が決定し、官報に公示されることで効力が生じる。本稿執筆時点では答申の段階にあり、正式な決定と公示はこれからである。
答申に対する異議申出は2026年8月20日まで受け付けられていた。近年、異議申出によって答申額が変更される例は多くないと報じられているが、手続き上は決定前の段階にある。
CHECK
発効日の10月1日も、現時点では見通しである。前年度の千葉県は10月3日発効だった。発効日は都道府県ごとに異なり、同じ年でも日付がそろわない。確定した日付は千葉労働局の公示で確認する必要がある。
手続きの流れ
- 中央最低賃金審議会が引き上げの目安を示す(2026年は7月28日)。
- 各都道府県の地方最低賃金審議会が調査審議し、答申する(千葉県は8月5日)。
- 答申に対する異議申出を受け付ける(千葉県は8月20日まで)。
- 都道府県労働局長が決定し、官報に公示する。
- 公示された発効日から新しい最低賃金が適用される。
全国の目安がどう決まり、答申が政府に何を求めたかについては、最低賃金2026はいくら上がるのか、全国1,176円・千葉1,194円と答申に書かれた価格転嫁の要望で扱っている。本稿は千葉県の確定額と実務に絞る。
上記の記事は2026年8月11日の公開時点で、中央最低賃金審議会の目安(Aランク54円)にもとづく見込み額として千葉県1,194円を示していた。その後の8月5日の答申で目安を1円上回る55円の引き上げとなり、金額は1,195円になっている。
適用の基準は支払日ではなく働いた日
発効日をまたぐ給与計算期間では、どの時点の賃金が適用されるかで混乱が起きやすい。基準は給与を支払った日ではない。
最低賃金法は、使用者が最低賃金の適用を受ける労働者に対して最低賃金額以上の賃金を支払わなければならないと定めている。この義務は、新しい最低賃金が効力を生じた日以降の労働に対して発生する。つまり判定の基準になるのは労働した日であり、その賃金がいつ支払われるかではない。
締め日をまたぐ場合の考え方
給与が月末締め・翌月払いの事業所を例にすると、次のようになる。
| 労働した期間 | 支払日 | 適用される最低賃金 |
|---|---|---|
| 9月1日〜9月30日 | 10月支払い | 1,140円(現行) |
| 10月1日〜10月31日 | 11月支払い | 1,195円(改定後) |
発効日を10月1日とした場合の整理。当社が制度の考え方をもとに作成した。
支払日が10月以降だからという理由で9月分の賃金を引き上げる必要はなく、逆に10月分を旧額のままにすることもできない。給与計算期間が月の途中で区切られている場合は、発効日の前後で単価を分けて計算することになる。
この点について、厚生労働省が一般向けに公表している資料で直接の記述を確認することはできなかった。上記は最低賃金法の定めと発効日の関係から導かれる整理であり、複数の社会保険労務士事務所も同じ内容を説明している。個別の給与計算については、所轄の労働基準監督署または千葉労働局賃金室に確認されたい。
55円は千葉県で何番目の引き上げか
額としては大きいが、前年度を下回る。過去数年の推移に置くと位置づけが見えてくる。
| 発効 | 改定前 | 改定後 | 引き上げ額 | 引き上げ率 |
|---|---|---|---|---|
| 2023年10月1日 | 984円 | 1,026円 | +42円 | +4.27% |
| 2024年10月1日 | 1,026円 | 1,076円 | +50円 | +4.87% |
| 2025年10月3日 | 1,076円 | 1,140円 | +64円 | +5.95% |
| 2026年10月1日(見通し) | 1,140円 | 1,195円 | +55円 | +4.82% |
引き上げ額と率は当社が各年度の金額から算出した。2026年度は答申額にもとづく見通しである。
引き上げ額の55円は、最低賃金が時間額に一本化された2002年度以降で過去2番目にあたる。最大だったのは前年度の64円である。率で見た4.82%は過去3番目となる。
3年で211円上がっている
2023年10月の984円を起点にすると、今回の改定で1,195円になり、3年で211円、率にして21.4%の上昇である。年あたりの上げ幅は42円、50円、64円、55円と推移してきた。
額の伸びが前年度より縮んだ一方で、水準そのものは上がり続けている。単年の引き上げ額だけを見ると今年は落ち着いたように映るが、累積の負担は逓増している。人件費の見積もりでは、単年の増分ではなく数年の累積で見る必要がある。
時間数ごとの増加額
| 働き方 | 月間の増加 | 年間の増加 |
|---|---|---|
| フルタイム(月160時間) | +8,800円 | +105,600円 |
| 週30時間(月120時間) | +6,600円 | +79,200円 |
| 週20時間(月80時間) | +4,400円 | +52,800円 |
| 週15時間(月60時間) | +3,300円 | +39,600円 |
55円に各時間数を乗じて当社が算出した。実際の負担には社会保険料の事業主負担などが加わる。
いずれも1人あたりの金額である。最低賃金近傍の労働者を多く抱える事業所では、人数を乗じた額が10月以降の固定費として乗る。
同じ時間数でも年収が上がる
時給が上がると、労働時間を変えていなくても年収が増える。週20時間で働く場合を計算すると次のようになる。
| 時給 | 週20時間の月収 | 年収 |
|---|---|---|
| 1,140円(現行) | 約98,800円 | 約1,185,600円 |
| 1,195円(改定後) | 約103,600円 | 約1,242,800円 |
週20時間・年52週として当社が算出した。実際の月収は月ごとの週数によって変動する。
働き方を変えていないのに、年収が約57,000円増える。審議会の報告書が「いわゆる年収の壁への対応」を千葉労働局に求めているのは、この構造が背景にある。社会保険料の負担が生じる収入の水準に近い労働者では、時給の上昇が就業調整の判断に影響する場合がある。
社会保険の加入要件は法改正が続いており、適用の範囲は変動している。自分または従業員が該当するかどうかは、日本年金機構または年金事務所で確認されたい。当社は社会保険労務の専門ではないため、本稿では時給の変化が年収に及ぼす金額のみを示す。
人件費に限らず、2026年は各分野で価格改定が重なっている。10月以降に実施される品目については2026年10月の値上げ一覧で扱っている。
目安54円を1円上回った経緯
中央最低賃金審議会が示した千葉県の目安は54円だった。答申はこれを1円上回っている。1円の差がどこから出たのかは、審議の記録に残っている。
報道によると、労働者側は消費者物価指数が全国の基準と比べて高い水準で推移していることなどを挙げ、大幅な引き上げを求めた。一方で使用者側は、中小企業にとって設備投資が重要であることや、価格転嫁が十分に進んでいないことなどを主張した。議論を重ねた結果、55円でまとまっている。
全会一致は2年ぶり
審議会では労働者側委員、使用者側委員、中立の公益委員の全員が賛成した。全会一致となったのは2年ぶりである。千葉の審議会は公益委員、労働者委員、使用者委員が各5人の構成となっている。
最低賃金の審議は、金額をめぐって労使の意見が一致しないまま公益委員案で決着することも珍しくない。全員の賛成が得られたという事実は、額の妥当性について労使双方に一定の納得があったことを示している。
報告書が労働局に求めた3点
審議会は改正決定に関する報告書も取りまとめ、千葉労働局に対して次の3点に取り組むことを求めた。
| 要請事項 | 内容 |
|---|---|
| 価格転嫁 | 価格転嫁対策の徹底や消費者の理解促進 |
| 経営支援 | 生産性向上や経営に対する支援強化 |
| 年収の壁 | いわゆる年収の壁への対応 |
報道により確認した。答申文の原本はPDFで公開されているが、当社の取得環境ではテキストの一部が欠落したため、報告書の正確な文言は本稿では引用していない。
賃上げを求めるだけでなく、その原資をどう確保するかが同じ報告書に書かれている点は押さえておきたい。取引先から価格改定の相談を受ける側にとっては、この構造が交渉の前提になる。
月給制の時給換算という盲点
最低賃金は時間額で定められるが、対象は時給制の労働者に限らない。月給制でも、換算した時間額が下回れば違反になる。
最低賃金法の施行規則は、賃金が時間以外の期間で定められている場合の換算方法を定めている。月によって定められた賃金は、その金額を月における所定労働時間数で割った金額とする。月によって所定労働時間数が異なる場合は、1年間における1か月平均所定労働時間数で割る。
月給20万円でも下回ることがある
| 月給 | 所定160時間 | 所定170時間 | 判定(1,195円) |
|---|---|---|---|
| 180,000円 | 1,125円 | 1,059円 | いずれも下回る |
| 200,000円 | 1,250円 | 1,176円 | 170時間では下回る |
| 220,000円 | 1,375円 | 1,294円 | いずれも満たす |
当社が月給を所定労働時間数で割って算出した。円未満は四捨五入している。実際の判定では算入しない賃金を除いた額で計算する必要がある。
月給20万円は一見すると余裕があるように見えるが、所定労働時間が170時間なら時間額は1,176円で、1,195円に届かない。所定労働時間が長い事業所ほど、同じ月給でも時間額は下がる。
所定160時間で1,195円を満たすには月給191,200円が必要になる。金額の絶対値ではなく、所定労働時間との組み合わせで判定される点が見落とされやすい。
すべての賃金が算入されるわけではない
換算にあたっては、最低賃金に算入しない賃金を除いて計算する。時間外労働、休日労働、深夜労働に対する割増賃金のほか、賞与、通勤手当、家族手当などは算入されない。総支給額をそのまま所定労働時間で割ると、実際より高い時間額が出てしまう。
CHECK
最低賃金は常勤やパートといった雇用形態で区別されず、県内事業所の全労働者と使用者に適用される。試用期間中であっても対象となる。月給制の労働者を含めて、10月以降の時間額を一度洗い出しておく必要がある。
答申が引いた「ちば共同宣言」という千葉県固有の枠組み
今回の答申文には、千葉県内で採択された共同宣言への言及がある。全国共通の議論とは別に、県内に賃上げと価格転嫁を結びつける枠組みが存在している。
千葉県内では2024年1月19日、行政、労働団体、経済団体などで構成される「ちばの魅力ある職場づくり公労使会議」において、『「適切な価格転嫁と生産性向上による持続的な賃上げの実現」ちば共同宣言』が採択された。
この宣言は、労務費を含む適切な価格転嫁、サプライチェーン全体の付加価値向上と共存共栄を目指す「パートナーシップ構築宣言」への参加、働き方改革や業務効率化による生産性向上、人材育成やリスキリングの推進を掲げている。
「令和8年中に3,500社」という目標がある
千葉県は同会議において、パートナーシップ構築宣言を行う県内企業数を令和8年中に3,500社とする目標を確認している。令和8年は2026年にあたるため、現在進行中の目標である。
あわせて千葉県は、埼玉県、東京都、神奈川県、横浜市、川崎市、千葉市、さいたま市、相模原市とともに九都県市として価格転嫁の推進で連携しており、首長連名のチラシと依頼文で事業者に協力を求めている。
答申文のPDFには、この共同宣言に言及した記述が含まれていることを確認した。ただし当社の取得環境ではテキストの一部が欠落したため、答申文における正確な文言はここでは引用していない。共同宣言の内容と目標値は千葉県の公表資料により確認したものである。
賃上げと価格転嫁が同じ文書で結ばれている
最低賃金の引き上げは事業者にとって費用の増加であり、その原資をどこから確保するかという問題が同時に発生する。千葉県の枠組みは、この2つを切り離さず同じ宣言の中で扱っている。
当社は物流資材を扱う商社として、取引先から価格改定の相談を受ける側でもあり、行う側でもある。人件費の上昇を理由とする改定の相談は、こうした県や国の枠組みを背景に持っている場合がある。相手方が何を根拠に交渉に臨んでいるかを知っておくことは、双方にとって話を進めやすくする。
全国の答申がどのように価格転嫁を扱っているかについては、最低賃金2026はいくら上がるのか、全国1,176円・千葉1,194円と答申に書かれた価格転嫁の要望で整理している。
10月1日までに確認しておく4つのこと
ここまでの内容を、事業者と働く側の双方が自分の状況について確かめられる形にまとめる。いずれも公表されている情報と自社の資料で確認できる範囲である。賃金水準そのものをどう設定するかの判断は、各事業所の事情によって決まる。
ACTION 01
確定した金額と発効日を千葉労働局で確認する
本稿の1,195円と10月1日は答申にもとづく見通しであり、確定値ではない。異議申出の手続きを経て千葉労働局長が決定し、官報に公示される。確定した金額と発効日は千葉労働局の公表で確認できる。最低賃金の内容に関する問い合わせ先は、千葉労働局労働基準部賃金室(043-221-2328)または最寄りの労働基準監督署である。
ACTION 02
時給制の労働者の単価を洗い出す
現在1,140円以上1,195円未満の時給で働いている人がいれば、発効日以降の労働分から引き上げが必要になる。最低賃金は常勤やパートで区別されず、県内事業所の全労働者に適用される。試用期間中の労働者も対象である。1人あたりの増加額は月160時間で8,800円、年間で105,600円になる。
ACTION 03
月給制の労働者を時間額に換算して確かめる
月給を1か月の所定労働時間数で割った金額が判定の対象になる。時間外・休日・深夜の割増賃金、賞与、通勤手当、家族手当などは算入しないため、総支給額をそのまま割ると実際より高く出る。所定労働時間が170時間の事業所では、月給20万円でも時間額は1,176円で1,195円を下回る。所定160時間なら191,200円が必要になる。
ACTION 04
締め日と発効日の関係を給与計算の担当者と共有する
適用の基準は支払日ではなく実際に働いた日である。給与計算期間が発効日をまたぐ場合、9月分と10月分で単価を分けて計算する必要がある。月末締め・翌月払いであれば、10月に支払う9月分は現行額、11月に支払う10月分から改定後の額になる。締め日が月の途中にある事業所では、1つの給与計算期間の中で単価が変わる。
審議会の報告書は、生産性向上や経営に対する支援強化を千葉労働局に求めている。事業場内の最低賃金を引き上げて設備投資などを行った中小企業・小規模事業者を対象とする業務改善助成金をはじめ、各種の助成制度が用意されている。要件と申請時期は制度ごとに異なるため、千葉労働局または各制度の窓口で確認されたい。
よくある質問
- 千葉県の最低賃金はいつから1,195円になりますか
- 2026年10月1日から適用される見通しです。千葉地方最低賃金審議会が8月5日に、現行1,140円から55円引き上げて時間額1,195円に改正することが適当であると答申しました。ただしこれは答申の段階であり、異議申出などの手続きを経て千葉労働局長が決定し、官報に公示されることで効力が生じます。発効日は都道府県ごとに異なり、千葉県の前年度は10月3日でした。確定した金額と日付は千葉労働局の公表で確認してください。
- 9月分の給与を10月に支払う場合、どちらの金額になりますか
- 9月中の労働には現行の1,140円が適用されます。最低賃金の適用は給与の支払日ではなく、実際に働いた日が基準になるためです。10月1日以降に働いた分から1,195円以上が必要になります。給与計算期間が発効日をまたぐ場合は、9月分と10月分で単価を分けて計算することになります。締め日が月の途中にある事業所では、1つの給与計算期間の中で単価が変わります。
- 月給制でも最低賃金の対象になりますか
- 対象になります。最低賃金法の施行規則は、月によって定められた賃金はその金額を月における所定労働時間数で割った金額とすると定めています。月によって所定労働時間数が異なる場合は、1年間における1か月平均所定労働時間数で割ります。所定労働時間が170時間の事業所では、月給20万円でも時間額は1,176円となり1,195円を下回ります。なお時間外・休日・深夜の割増賃金、賞与、通勤手当、家族手当などは算入しないため、総支給額をそのまま割ると実際より高く出ます。
- 55円の引き上げは千葉県で過去最大ですか
- 過去最大は前年度の64円で、今回の55円は2番目です。率で見た4.82%は3番目にあたります。いずれも最低賃金が時間額に一本化された2002年度以降での比較です。ここ数年の推移は2023年10月が984円から1,026円へ42円、2024年10月が1,076円へ50円、2025年10月が1,140円へ64円で、今回1,195円になると3年で211円、21.4%の上昇になります。
- 中央審議会の目安と金額が違うのはなぜですか
- 目安は各都道府県の審議の出発点であり、そのまま金額になるわけではないためです。中央最低賃金審議会が示した千葉県の目安は54円でしたが、答申は1円上回る55円となりました。報道によると、労働者側は消費者物価指数が全国の基準と比べて高い水準で推移していることなどを挙げて大幅な引き上げを求め、使用者側は中小企業の設備投資の重要性や価格転嫁が十分に進んでいないことを主張しました。議論の末に55円でまとまり、労使双方と公益委員の全員が賛成する全会一致は2年ぶりとなりました。
- なぜプラスチックパレット株式会社がこの記事を書いているのですか
- 当社は千葉県我孫子市に本社を置く物流資材の商社であり、千葉県最低賃金が適用される県内事業者の一社です。同時に、取引先から価格改定の相談を受ける側でもあり、行う側でもあります。人件費の上昇を理由とする改定の相談は、最低賃金の改定や価格転嫁を促す制度を背景に持っている場合があります。自社に適用される制度として確認する必要があり、かつ取引の前提としても把握しておくべき事柄であるため、公表資料をもとに整理しました。
出典・エビデンス一覧
答申の内容
- 千葉労働局「千葉県最低賃金の55円の引上げを答申しました。」
- 千葉地方最低賃金審議会「千葉県最低賃金の改正決定について(答申)」
審議の経緯・報告書
- 千葉日報オンライン
- 日本経済新聞
換算・適用のルール
- 厚生労働省「最低賃金法施行規則等の一部を改正する省令案要綱」
- 厚生労働省「平成20年7月1日から最低賃金法が変わりました」
千葉県の枠組み
- 千葉県働き方改革ポータルサイト
- 千葉県「適切な価格転嫁に向けた取組」
- 千葉県「ちばの魅力ある職場づくり公労使会議」
過去の改定額
- 市原市ウェブサイト「千葉県の最低賃金が改正されました」
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本稿の位置づけと留保
- 本稿の1,195円および10月1日は、2026年8月5日の答申にもとづく見通しです。正式な決定と官報公示はこれからであり、確定値ではありません。確定した金額と発効日は千葉労働局の公表でご確認ください。
- 適用が支払日ではなく労働日を基準とすることについて、厚生労働省が一般向けに公表している資料で直接の記述は確認できませんでした。本稿の整理は最低賃金法の定めと発効日の関係から導いたものです。
- 時間額の換算例、引き上げ額と率、時間数ごとの増加額は、公表されている金額をもとに当社が算出したものです。実際の判定では最低賃金に算入しない賃金を除いて計算する必要があります。
- 答申文のPDFは公開されていますが、当社の取得環境ではテキスト抽出が不完全でした。そのため答申文および報告書の文言は本稿では引用していません。原文は千葉労働局のサイトで確認できます。
- 本稿は個別の労務管理や給与計算について助言を行うものではありません。自社への適用については、千葉労働局労働基準部賃金室または所轄の労働基準監督署にご確認ください。