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Supply Chain Report / Subscription Pricing

iCloud+の料金改定はいつから請求に反映されるのか、次回更新日と韓国だけの据え置き規定

2026年7月18日、AppleはiCloud+の日本価格を改定した。しかし請求額が変わるのは改定日ではなく、契約ごとの次回更新日からである。本稿はApple公式サポートおよびApp Store Connectヘルプの一次資料を直接読み、切替日の決まり方、日本語ウェブで流通する据え置き規定の誤読、6TBと12TBに残る留意点を整理する。

初版公開: / 最終更新: / プラスチックパレット株式会社

ANSWER

2026年7月18日にAppleが改定したiCloud+の新料金は、改定日ではなく契約ごとの次回更新日から請求に反映される。50GBは月180円、200GBは540円、2TBは1,800円、6TBは5,500円、12TBは11,000円である。「2024年8月21日以前は据え置き」はApple公式が韓国の行にのみ付した脚注で、日本には設定されていない。

改定率(全5プラン)

20.0〜22.2%

50GBから2TBが20.0%、6TBと12TBが22.2%

日本の同意基準額

800円

月額サブスクの場合。年間契約は8,000円

事前通知の時期

27日 / 7日前

次回更新日を起点にメール等で送信される

据え置き規定のある国

韓国のみ

iCloud+料金表の脚注5。日本の行には付かない

TL;DR

  • 請求が変わる日は人によって違う。改定日は2026年7月18日だが、新料金が実際に請求されるのは契約ごとの次回更新日からである。7月18日を過ぎても明細が旧料金のままなのは、更新日がまだ来ていないためである。
  • 自分の切替日は設定アプリで確認できる。iPhoneの「設定」からApple Accountのサブスクリプション画面を開くと、改定後の金額と適用開始日が本人の契約に即した形で表示される。当社が確認した契約では改定日の40日後が適用開始日だった。Webの解説記事ではなくこの画面が確実である。
  • 「2024年8月21日以前の契約は据え置き」は日本には当てはまらない。この規定はApple公式のiCloud+料金表で韓国の行にのみ付された脚注5であり、日本の行に付いているのは税込表示を示す脚注3だけである。
  • 韓国が例外なのは制度上の理由がある。Appleが公開する価格引き上げの国別基準額表で、韓国は金額ではなく「同意が必須」と記載されている。ドイツ、オーストリア、ポーランドも同じ扱いである。
  • 6TBと12TBは差額が日本の基準額を超える。日本の基準額は月額サブスクで800円だが、6TBは1,000円増、12TBは2,000円増である。通知の文面に承諾を求める記載がないか確認しておきたい。
  • 上位3プランの単価の横並びが崩れた。改定前は2TB・6TB・12TBの1GBあたり単価が0.732円で完全に一致していたが、改定後は2TBだけが0.879円と割安側にずれ、6TBと12TBが0.895円で揃う形に変わった。

届いたのは本物の通知か、確認できる場所は一つしかない

2026年8月に入り、iCloud+の利用者のもとへ「サブスクリプション料金の改定」と題した通知が順次届いている。件名だけを見て詐欺を疑い、検索で確かめようとする人が増えている。

この通知そのものは、Appleが規定に沿って送っているものである。Apple公式サポートは、価格の値上がりが予定されている場合にメール、プッシュ通知、App内のメッセージで事前に知らせると説明している。複数の経路で届くのは仕様であり、重複して届いても異常ではない。

ただし、メールの真偽をメール自体で判断することはできない。Appleを名乗る文面もリンクも、外形だけなら模倣できる。判断の基準を文面に置かず、確認できる場所を一つに固定しておくのが安全である。

設定アプリの中だけで完結させる

  1. iPhoneまたはiPadで「設定」を開く。
  2. 最上部にある自分の名前(Apple Account)をタップする。
  3. 「サブスクリプション」を開き、iCloud+を選ぶ。
  4. 改定の案内が表示されていれば、それが正規の通知である。

この画面には「サブスクリプション料金の改定」という見出しで、改定後の金額と適用が始まる日付が表示される。当社が2026年8月20日に200GBプランの契約で確認した文面は、「Appleは、2026年8月27日以降、月額¥450から月額¥540へこのサブスクリプション料金の引き上げを行います」というものだった。日付も金額も本人の契約内容に即して表示されるため、他人の画面や解説記事の数字とは一致しない。

CHECK

メール本文のリンクからサインイン画面に進む必要はない。設定アプリを自分で開いて同じ内容が出るかどうかを見れば足りる。設定アプリに何も表示されないのに支払いを促すメールだけが届いている場合は、その差異自体が判断材料になる。

Appleは、サブスクリプションの確認、管理、解約はiPhoneやiPadの「設定」画面、またはMacのApp Storeから直接できると案内している。確認の起点をここに置いておけば、通知の文面を読み解く必要はなくなる。

請求が変わるのは7月18日ではなく、次回更新日から

改定日を過ぎたのに請求額が変わらない、という戸惑いが起きている。これは手続きの遅れではなく、価格改定と請求の切り替えが別の日付で動く仕組みによるものである。

Appleが日本のiCloud+料金を改定したのは2026年7月18日である。ただしこれは価格表が書き換わった日であって、既存の契約者の請求額が一斉に変わる日ではない。

自動更新サブスクリプションは、契約を開始した日を起点に請求サイクルが回る。月額プランであれば、その日から1か月ごとに更新される。新料金が適用されるのは、その契約の次の更新日が来たときである。契約開始日は人によって異なるため、切り替わる日も人によって異なる。

この仕組みは、Apple公式の記述からも読み取れる。同社は価格引き上げの通知を「次回更新日」を起点に送信すると説明し、承諾が必要な場合に承諾が得られなければ「次回の請求期間」での更新が行われないとしている。いずれも改定日ではなく、契約ごとの更新日と請求期間を基準に記述されている。設定アプリに表示される適用開始日も、この更新日に対応する。

通知は次回更新日の27日前または7日前に届く

Appleは価格引き上げの通知について、次回更新日の27日前または7日前にメールやプッシュ通知で送信すると説明している。iOS 13.4以降ではApp内メッセージでも通知される。

つまり、通知が届いた時期から逆算すれば、自分の切替日はおおよそ推定できる。ただし推定に頼る必要はなく、設定アプリの画面に日付そのものが書かれている。

当社が確認した200GBプランの契約では、適用開始日が2026年8月27日と表示されていた。改定日の7月18日から40日後にあたる。改定日から1か月以上あとの日付が表示されても、それは遅延ではなく、その契約の更新日が該当月にあるためである。

この例では、確認した日(8月20日)が適用開始日のちょうど7日前にあたる。Appleが定める27日前または7日前という通知の時期と、実際の表示が一致している。

「今月はまだ旧料金だった」も正しい

7月18日より後に更新日が来ていない契約では、8月の請求も旧料金のままになる。明細を見て金額が動いていないことは、通知が誤りであることを意味しない。通知は「これから変わる」ことを予告するものであって、「すでに変わった」ことを知らせるものではない。

iCloud+の料金は月額で表示されており、当社が確認した範囲では年額での契約形態は公開されていない。そのため切替日の間隔は最長でも1か月程度である。

全5プランの新旧月額と差額

iCloud+は5つの容量プランで構成される。改定はすべてのプランに及んでおり、容量が大きいプランほど金額の増え方が大きい。

プラン改定前改定後差額改定率年間差額
50GB150円180円+30円+20.0%+360円
200GB450円540円+90円+20.0%+1,080円
2TB1,500円1,800円+300円+20.0%+3,600円
6TB4,500円5,500円+1,000円+22.2%+12,000円
12TB9,000円11,000円+2,000円+22.2%+24,000円

いずれも税込の月額。改定後の金額は設定アプリのプラン一覧画面で確認した。改定前の金額はApple公式サポート「iCloud+のプランと料金」の表示による。改定率と年間差額は当社で算出した。

率はほぼ揃い、額は容量に比例して開く

改定率は50GBから2TBまでが20.0%、6TBと12TBが22.2%である。率で見ればおおむね2割の一律改定に近い。一方で金額の差は30円から2,000円まで開き、年間では360円から24,000円の幅になる。

率が揃っていることは、個々のプランの原価を積み直した結果というより、価格表全体を一段引き上げた形であることを示している。ただしAppleは改定の理由について公式に説明を出していないため、これは価格の並びから読み取れる範囲にとどまる。

同じ日にApple MusicとApple Oneも改定されている

2026年7月18日には、iCloud+以外の月額サービスも改定された。Apple One個人は月1,350円、ファミリーは月2,500円である。

ただしiCloud+とApple Musicでは、改定の性質が異なる。Apple Musicは米国を含む各国で同時に上がったのに対し、iCloud+は米国が据え置かれ、日本を含む一部の国だけが対象になった。この違いと、日本価格から逆算した想定為替については、月額はいくら増えるのか、iCloud+180円・Apple Music1,180円・Apple One1,350円への改定と2つの理由で扱っている。本稿は請求のタイミングに絞る。

なお同じ7月18日には、iPhone・Apple Watch・AirPodsの本体価格も改定されている。Mac・iPadはこれより早い6月25日の改定で、こちらは米国価格も同時に上がった世界共通の部品コスト由来という違いがある。ハードウェア側の改定内容はMac miniが94,800円→134,800円、Apple日本のMac・iPad値上げはいつから何がいくら上がったのかにまとめている。

単価で見ると、上位3プランの横並びが崩れた

公表されている月額を容量で割ると、改定前後で価格設計が変わったことが見えてくる。ここで扱うのは公表値の割り算だけで、推定は含まない。

改定前のiCloud+は、2TB以上の3プランで1GBあたりの単価が完全に一致していた。1,500÷2,048、4,500÷6,144、9,000÷12,288。いずれも0.732円で、小数点以下4桁まで揃う。意図的に設計された価格表であることがわかる。

プラン容量改定前の単価改定後の単価50GBを100とした割安度
50GB50GB3.000円/GB3.600円/GB100.0
200GB200GB2.250円/GB2.700円/GB75.0
2TB2,048GB0.732円/GB0.879円/GB24.4
6TB6,144GB0.732円/GB0.895円/GB24.9
12TB12,288GB0.732円/GB0.895円/GB24.9

1TBを1,024GBとして換算した。単価は当社が公表月額を容量で割って算出したもので、Appleが公表している数値ではない。

改定後は2TBだけが割安側にずれた

改定後の単価は、2TBが0.879円、6TBと12TBが0.895円である。改定前に揃っていた3プランの横並びが、2TBだけ抜ける形で崩れた。改定率が2TBは20.0%、6TBと12TBは22.2%だったことの帰結である。

この差は、一段上のプランに移るときの見え方を変える。改定前は2TBから6TBへ移っても1GBあたりの単価は変わらなかったが、改定後は単価が1.02倍になる。容量を増やすほど単価が下がるという並びが、この一段だけで途切れている。

移行月額の増加容量の倍率単価の倍率(改定後)
50GB → 200GB+360円4.0倍0.75倍
200GB → 2TB+1,260円10.2倍0.33倍
2TB → 6TB+3,700円3.0倍1.02倍
6TB → 12TB+5,500円2.0倍1.00倍

当社が公表月額から算出した。単価の倍率は、移行後プランの1GB単価を移行前プランの1GB単価で割ったもの。

なお、どのプランを選ぶべきかはここでは述べない。必要な容量は保存しているデータ量で決まり、単価の並びだけで判断できるものではないためである。ここで示したのは、改定によって価格表の並びがどう変わったかという事実にとどまる。

通知に気づかない経路がある

Appleは複数の経路で通知すると説明している。ただしそれぞれの経路には前提条件があり、条件が満たされていなければ通知は届かない。

プッシュ通知には条件が付いている

Apple公式の説明では、通知の送信経路としてメール、プッシュ通知、App内メッセージが挙げられている。このうちプッシュ通知については「登録者が有効にしている場合」という条件が明記されている。通知を切っていれば、この経路は機能しない。

メールについても、Apple Accountに登録されているアドレスが現在も受信できる状態でなければ届かない。携帯キャリアのメールアドレスで登録したまま回線を乗り換えた場合や、迷惑メールフォルダに振り分けられている場合、通知は存在するのに読まれないことになる。

残るApp内メッセージは、iOS 13.4以降で表示される。ただしこれは設定アプリを開いたときに目に入るもので、能動的に開かなければ気づく機会がない。

ファミリー共有では支払者だけが通知を受ける

iCloud+は最大5人の家族で共有できる。Apple公式のプラン説明にも、50GBから12TBまでの全プランについて共有できる旨が記載されている。

ただし契約と支払いを担っているのは1人であり、通知はその契約者に届く。共有を受けている側は、容量を使い続けている当事者でありながら、料金が変わったことを知る経路を持たない。

CHECK

家族で共有している場合、金額の変化を把握しているのは支払っている1人だけになる。世帯の固定費として見直す場面では、共有している側にも改定の事実が伝わっているかを確かめておきたい。

複数のサービスを契約していると通知が別々に届く

2026年7月18日には、iCloud+のほかApple Music、Apple One、Apple TVも改定されている。これらを個別に契約している場合、それぞれの契約に別々の更新日があるため、通知も別々のタイミングで届く。

同じ月に何通も「サブスクリプション料金の改定」という件名のメールが届くことがあるのは、この構造による。重複や誤送信ではなく、契約ごとに独立して通知が動いている。

「2024年8月21日以前は据え置き」が日本に効かない理由

通知を受け取った人が検索すると、「2024年8月21日より前から契約している人は旧料金のまま」という説明にたどり着くことがある。金額まで日本円で書かれている場合もあり、自分は対象外ではないかと考える材料になっている。

この記述の出どころは、Apple公式サポート「iCloud+のプランと料金」に実在する脚注である。ただしその脚注が付いているのは韓国の行であって、日本の行ではない。

脚注は国ごとに付き先が決まっている

同ページの価格表は国・地域ごとに行が分かれており、それぞれの行に脚注番号が振られている。当社が2026年8月20日に同ページを直接確認したところ、次の構造になっていた。

付いている脚注脚注の内容
日本(JPY)3表示価格が税込であることの注記
韓国(KRW)52024年8月21日以降に加入した利用者に新料金が適用される旨
米国(USD)4州によって課税される場合がある旨

Apple公式サポート「iCloud+のプランと料金」(日本語版)を2026年8月20日に直接参照した。脚注番号と対応関係は同ページの記載による。

脚注5は「韓国の場合」という語で始まり、2024年8月21日より前に購入したプランには初回購入時の価格が引き続き請求される(プランを変更または解約した場合を除く)と述べている。この条件は韓国の行に対する注記であり、日本の行には契約時期による据え置きが設定されていない。

日付が日本の改定時期と噛み合っていない

誤読が広がった一因は、日付そのものにもある。2024年8月21日は韓国での改定日であり、日本の前回改定はその年の後半だった。国をまたいで規定と日付を貼り合わせると、日本の利用者にとっては存在しない基準が生まれてしまう。

2024年の改定時にも、日本語の複数の記事で「それ以前に加入した場合は加入時の料金が適用される」という説明が掲載された。当時の記述が現在も検索結果に残り、2026年の改定を調べている人に読まれている。

CHECK

自分が据え置きの対象かどうかを脚注から読み解く必要はない。設定アプリのサブスクリプション画面に改定後の金額が表示されていれば、その契約は改定の対象である。表示されている金額が答えであり、契約開始時期をさかのぼって判定する作業は不要である。

なぜ韓国だけが例外なのか、基準額表が答えを持っている

韓国にだけ据え置き規定が置かれているのは、Appleが韓国を特別扱いしているからではない。価格引き上げの手続きに関する国別のルールを見ると、構造上そうなる理由が見えてくる。

Appleは自動更新サブスクリプションについて、値上げ幅が一定の基準額を超える場合は利用者の同意が必須になると定めている。基準額は国・地域ごとに設定されており、一覧表が公開されている。

当社が2026年8月20日に同表を確認したところ、大半の国には金額が入っている一方で、いくつかの国には金額の代わりに「同意が必須」と記載されていた。

国・地域通貨1年更新以外のサブスクリプション
日本JPY800
米国USD5
英国GBP5
韓国KRW同意が必須
ドイツEUR同意が必須
オーストリアEUR同意が必須
ポーランドPLN同意が必須

Apple公式 App Store Connectヘルプ「自動更新サブスクリプションの価格引き上げに関する基準額」を2026年8月20日に直接参照した。表からの抜粋である。同表には200を超える国・地域が掲載されている。

金額の閾値がない国では、値上げに常に同意が要る

韓国、ドイツ、オーストリア、ポーランドの4か国には金額の設定がなく、値上げ幅の大小にかかわらず同意が必要とされている。同意を取れなければ、既存契約者の価格は引き上げられない。

この構造に照らすと、iCloud+の脚注5は理解しやすくなる。韓国では既存契約者から一律に同意を取ることが前提になるため、契約時期で新旧の価格を分ける運用が生まれる。日本にはこの制約がないため、同じ規定を置く必要がない。

ここで確認できていない点を明示しておく。この基準額表はアプリを提供する事業者向けのヘルプに掲載されているものである。iCloud+はApple自身のサービスであり、Appleが自社サービスにも同じ基準額を適用しているかどうかは公表されていない。本稿は公開されている規定と各国の据え置き状況が整合することを示したにとどまり、Appleの内部運用を確認したものではない。

6TBと12TBは差額が日本の基準額800円を超える

日本の基準額は月額サブスクリプションで800円である。この数字を今回の改定幅と照らすと、5つのプランのうち2つが基準額を上回る。

プラン差額改定率基準額800円との関係
50GB+30円+20.0%下回る
200GB+90円+20.0%下回る
2TB+300円+20.0%下回る
6TB+1,000円+22.2%上回る
12TB+2,000円+22.2%上回る

基準額はApple公式 App Store Connectヘルプの国別表による。差額と改定率は当社で算出し、照合結果を記載した。

基準額を超える場合、承諾がないと更新されない

Apple公式サポートは、値上げ幅が基準額や年間の回数制限を超える場合、または現地の法律で要求される場合には、値上げ適用の前に利用者による承諾が必要になると説明している。そして承諾しなかった場合は、次回の請求期間での更新は行われないとしている。

更新が行われなければ、その時点で有料プランは終了する。iCloud+の場合、無料の5GBを超えて保存されているデータの扱いに影響が及ぶ。承諾しないまま期限を迎えることは、実質的にプランを解約したのと同じ状態になる。

基準額を下回るプランでは事情が異なる。この場合Appleは同意を求めず、価格引き上げの通知のみを自動的に送信するとしている。50GB、200GB、2TBの利用者は、通知を受け取ったあと特に操作をしなくてもサービスは継続する。

CHECK

6TBまたは12TBを契約している場合は、届いた通知の文面に承諾や確認を求める記載がないかを読んでおきたい。設定アプリのサブスクリプション画面に操作を促す表示が出ていれば、それが期限のあるものかどうかを合わせて確認する。

この照合の限界

第7章と同じ留保がここにも及ぶ。基準額表は事業者向けの資料であり、Appleが自社サービスであるiCloud+に同じ基準を適用しているかは公表されていない。実際には6TBと12TBについても通知のみで処理されている可能性がある。

当社が2026年8月20日に確認した200GBプランの通知には、承諾や操作を求める記載はなく、改定後の金額(月450円から540円へ)と適用開始日が示されるのみだった。差額90円は基準額800円を下回っており、Appleが説明する「通知のみ」の扱いと矛盾しない。しかし6TBと12TBの通知が同じ形式かどうかは、実物を確認していないため断定できない。

ここでも結論は同じところに戻る。自分の契約がどう扱われるかは、設定アプリの表示が最も確実である。

公式ページを開いても旧価格が表示されることがある

価格を確かめようとしてApple公式サポートの料金ページを開いた人が、通知の金額と違う数字を見て混乱する例がある。これは通知が誤っているのではなく、ページ側の表示が追いついていないことによる。

当社が2026年8月20日にApple公式サポート「iCloud+のプランと料金」の日本語版を取得したところ、日本の行には改定前の金額が表示されていた。ページ末尾の公開日表記も2026年5月19日のままで、7月18日の改定が反映されていなかった。

プラン公式サポートページの表示設定アプリの表示
50GB150円180円
200GB450円540円
2TB1,500円1,800円
6TB4,500円5,500円
12TB9,000円11,000円

いずれも2026年8月20日時点。公式サポートページはWeb経由での取得結果、設定アプリはiPhone実機の全プラン画面による。取得環境や時期によって表示は異なりうる。

プレスリリースを伴わない改定では起きやすい

Appleは今回の改定にあたって、公式サイトに発表を掲載していない。価格表の書き換えとメールでの個別通知が周知の中心になっている。発表資料という起点がないため、どのページがいつ更新されたかを利用者側から追いにくい構造になっている。

同様のことは2024年の改定時にも起きている。当時も報道が広く出たのは改定から数か月後だった。価格ページと請求実態の間に時間差が生じうることは、繰り返し確認されている。

調達実務でも同じ確認手順を取る

当社は物流資材を扱う商社として、ドル建てで仕入れる資材の価格改定を日常的に受け取る立場にある。そこで最初に確認するのは、公開されているカタログ価格ではなく、自社宛に発行された通知と、次回の適用時期がいつかという2点である。

カタログや公式サイトの表示は、改定の反映が遅れることも、地域や取引区分によって異なることもある。個別に発行された通知のほうが、その取引に適用される条件を正確に示している。iCloud+の確認手順も構造は同じで、公開ページより設定アプリの表示が優先する。

次回更新日までに確認しておく4つのこと

ここまで整理してきた内容を、読者が自分の契約について確かめられる形にまとめる。いずれも設定アプリの中で完結し、Appleが公式に案内している経路である。どのプランを選ぶか、契約を続けるかどうかの判断そのものは、各自の保存データ量と使い方によって決まる。

ACTION 01

自分の適用開始日を確認する

「設定」から自分の名前をタップし、「サブスクリプション」でiCloud+を開く。改定の案内が表示されていれば、そこに改定後の金額と適用が始まる日付が本人の契約に即した形で書かれている。改定日の7月18日ではなく、この日付が実際に請求が変わる日である。解説記事や他人の画面の日付とは一致しない。

ACTION 02

通知が届く経路が生きているか確認する

Appleはメール、プッシュ通知、App内メッセージで知らせるとしているが、プッシュ通知は有効にしている場合に限られる。またApple Accountに登録したメールアドレスが現在も受信できる状態かも確認しておきたい。設定アプリのサブスクリプション画面には通知の設定にかかわらず表示されるため、通知が来ていなくてもこの画面で状況を把握できる。

ACTION 03

現在の使用量と契約容量の対応を見直す

同じ画面に、契約している容量と現在の使用量が表示される。「iCloudストレージを管理」を開くと、写真、バックアップ、書類など何が容量を占めているかを内訳で確認できる。使用量と契約容量が大きく離れている場合、その差が毎月の支払いに反映されている。ただし容量を下げると保存中のデータが収まらなくなる可能性があるため、内訳を見てから判断されたい。

ACTION 04

ファミリー共有をしているなら相手に伝える

iCloud+は最大5人で共有できるが、通知が届くのは契約と支払いを担っている1人だけである。共有を受けている家族は、容量を使っている当事者でありながら改定を知る経路を持たない。世帯の固定費として扱う場合は、金額が変わることを共有相手にも伝えておく必要がある。

6TBまたは12TBを契約している場合は、これに加えて第8章で扱った点を確認されたい。差額が日本の基準額800円を上回るため、通知の文面に承諾や操作を求める記載がないかを読んでおく必要がある。

よくある質問

iCloud+の料金改定はいつから請求に反映されますか
価格が改定されたのは2026年7月18日ですが、請求額が変わるのは契約ごとの次回更新日からです。自動更新サブスクリプションは契約を開始した日を起点に請求サイクルが回るため、切り替わる日は人によって異なります。当社が確認した200GBプランの契約では、適用開始日は2026年8月27日で、改定日の40日後にあたりました。自分の適用開始日は、設定アプリのサブスクリプション画面に日付として表示されます。
届いた料金改定のメールは詐欺ではありませんか
Appleは価格の値上がりが予定されている場合、メール、プッシュ通知、App内のメッセージで事前に知らせると説明しています。ただしメールの真偽をメール自体で判断することはできません。「設定」から自分の名前をタップし、「サブスクリプション」でiCloud+を開いてください。そこに同じ内容が表示されていれば正規の通知です。メール本文のリンクからサインインする必要はありません。
2024年8月21日より前から契約していれば旧料金のままですか
日本ではその扱いはありません。この規定はApple公式サポート「iCloud+のプランと料金」の脚注5にあるもので、韓国の行にのみ付されています。日本の行に付いているのは表示価格が税込であることを示す脚注3だけです。2024年8月21日は韓国での改定日であり、日本の改定時期とは一致しません。契約時期にかかわらず、次回更新日から新料金が適用されます。
iCloud+は全部でいくらになりましたか
50GBが月180円、200GBが540円、2TBが1,800円、6TBが5,500円、12TBが11,000円です。いずれも税込の月額で、改定前はそれぞれ150円、450円、1,500円、4,500円、9,000円でした。改定率は50GBから2TBが20.0%、6TBと12TBが22.2%です。年間の差額は50GBで360円、2TBで3,600円、12TBで24,000円になります。
通知を放置していてもiCloudは使い続けられますか
Appleは、値上げ幅が基準額を超える場合は承諾が必要で、承諾しない場合は次回の請求期間での更新が行われないとしています。日本の基準額は月額サブスクで800円です。差額が30円から300円の50GB・200GB・2TBは基準額を下回るため、通知のみで更新は継続します。差額1,000円の6TBと2,000円の12TBは基準額を上回るため、通知に承諾を求める記載がないかを読んでおく必要があります。ただしこの基準額表は事業者向けの資料であり、Appleが自社サービスに同じ基準を適用しているかは公表されていません。
なぜプラスチックパレット株式会社がこの記事を書いているのですか
当社は物流資材を扱う商社として、仕入先からの価格改定通知を日常的に受け取る立場にあります。通知を受け取ったとき最初に確かめるのは、改定の理由よりも「いつから適用されるのか」「自分の取引は対象なのか」の2点です。公開されているカタログ価格と、自社宛に届いた通知の内容が食い違うこともあります。iCloud+の改定は、この確認手順がそのまま当てはまり、かつ一次資料が公開されている題材であるため、当社が実務で用いている見方を当てて整理しました。

出典・エビデンス一覧

料金・脚注構造

  • Apple公式サポート「iCloud+のプランと料金」(日本語版)2026年8月20日に直接参照。日本・韓国・米国の各行に付された脚注番号と対応関係、脚注5の本文、および同ページに表示されていた日本の金額(150円/450円/1,500円/4,500円/9,000円)。ページ末尾の公開日表記は2026年5月19日。取得経路:①一次資料を直接参照
  • iPhone設定アプリ「サブスクリプション」内のiCloud+全プラン画面2026年8月20日時点の実機表示。改定後の月額(180円/540円/1,800円/5,500円/11,000円)。取得経路:①一次表示を直接確認
  • iPhone設定アプリ内のiCloud+(200GBプラン)に表示された改定通知2026年8月20日時点の実機表示。「サブスクリプション料金の改定」の見出しと本文、適用開始日2026年8月27日、月額450円から540円への引き上げ。承諾を求める記載はなかった。取得経路:①一次表示を直接確認
  • iPhone設定アプリ内のApple One表示2026年8月20日時点の実機表示。Apple One個人1,350円、ファミリー2,500円。取得経路:①一次表示を直接確認

価格改定の手続き規定

  • Apple公式サポート「サブスクリプション価格の変更について」2026年8月20日に直接参照。公開日表記は2023年12月13日。事前通知の経路、基準額や年間回数制限を超える場合に承諾が必要となる旨、承諾しない場合は次回の請求期間での更新が行われない旨、およびサブスクリプションの確認・管理・解約の経路。取得経路:①一次資料を直接参照
  • Apple公式 App Store Connectヘルプ「自動更新サブスクリプションの価格引き上げに関する基準額」2026年8月20日に直接参照。日本の基準額(1年更新以外800円/年間8,000円)、米国5、英国5、および韓国・ドイツ・オーストリア・ポーランドが「同意が必須」と記載されている旨。取得経路:①一次資料を直接参照
  • Apple公式 App Store Connectヘルプ「自動更新サブスクリプションの価格の管理」2026年8月20日に直接参照。価格引き上げの通知が次回更新日の27日前または7日前に送信される旨、プッシュ通知は登録者が有効にしている場合に送られる旨、およびiOS 13.4以降ではApp内メッセージでも通知される旨。取得経路:①一次資料を直接参照
  • Apple公式サポート「iCloud+のプランと料金」(プラン説明部分)2026年8月20日に直接参照。50GBから12TBまでの全プランについて最大5人の家族で共有できる旨。取得経路:①一次資料を直接参照

改定日

  • Impress Watch2026年7月18日付。AppleがApple One、Apple Music、iCloud+、Apple TVを同日に価格改定した旨、および同日にiPhoneとApple Watchの価格改定も発表された旨。取得経路:②二次ソース

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  • 月額はいくら増えるのか、iCloud+180円・Apple Music1,180円・Apple One1,350円への改定と2つの理由改定の性質を為替とライセンス料に分けて逆算した記事。本稿の第3章から参照している
  • Mac miniが94,800円→134,800円、Apple日本のMac・iPad値上げはいつから何がいくら上がったのか2026年6月25日に実施されたMac・iPadの価格改定を扱った記事。7月18日のiPhone改定との性質の違いも整理している

本稿の位置づけと留保

  • 本稿の金額はすべて税込の月額です。記載内容は2026年8月20日時点で確認できた情報に基づいており、以後の変更を反映していません。
  • 適用開始日は契約ごとに異なります。本文で示した日付の考え方は仕組みの説明であり、特定の契約の実際の日付を示すものではありません。ご自身の日付は設定アプリでご確認ください。
  • 価格引き上げの基準額に関する資料は、アプリを提供する事業者向けのヘルプに掲載されているものです。Appleが自社サービスであるiCloud+に同じ基準を適用しているかは公表されておらず、本稿は公開されている規定と各国の据え置き状況が整合することを示したにとどまります。
  • Apple公式サポートページの表示内容は、取得の時期や環境によって異なる場合があります。本稿の第7章はあくまで当社が取得した時点の状態を記録したものです。
  • 1GBあたりの単価は、当社が公表月額を容量で割って算出したものです。Appleが公表している数値ではなく、1TBを1,024GBとして換算しています。
  • 本稿は契約や支払いに関する助言を行うものではありません。解約、プラン変更、支払い方法の判断はご自身の状況に応じて行ってください。
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