2026年海外旅行の値上げをやさしく解説、パスポート代が7千円下がっても追いつかない理由
今年の夏、海外旅行の見積を見て「思ったより高い」と感じた方もいるかもしれません。実際、航空券の代金そのものとは別に上乗せされる費用が、この数か月で大きく増えています。家族4人でハワイなら16万8千円、欧州なら27万2千円。同じ7月にパスポート代が7千円下がりましたが、規模が違います。何にいくらかかるのかを、1つずつ見ていきます。
- 航空券には、代金とは別に3つの費用が上乗せされます。燃油サーチャージ、国際観光旅客税(出国税)、航空保険特別料金です。このうち燃油サーチャージが4月から7月にかけて2倍以上になり、出国税は7月1日から3倍になりました。
- 家族4人(2歳以上)の往復で見ると、ハワイは4月発券分の17万3千円から7〜8月発券分の34万1千円へ、16万8千円増えました。欧州なら26万5千円から53万8千円へ、27万2千円の増加です。これは航空券の本体運賃とは別の金額です。
- 金額は搭乗日ではなく、航空券を買った日(発券日)で決まります。6月30日までに買っていれば出国税は1,000円のままです。9月以降発券分の燃油サーチャージは2026年8月に案内される予定とされています。
2026年7月、海外旅行にかかる費用が変わりました。家族4人でハワイに行く場合、航空券に上乗せされる費用は4月に買った場合より16万8千円、欧州なら27万2千円増えています。同じ7月にパスポート代が7千円下がりましたが、大人2人でも1万4千円で桁が違います。
17万3千円→34万1千円
26万5千円→53万8千円
7〜8月発券分
1人あたり
CHAPTER 01海外旅行が高くなったと感じるのは、なぜでしょうか
旅行会社の見積を見て、記憶にある金額と違うと感じたことはありませんか。ホテルのランクを落としたわけでもなく、人数も同じ。それでも総額が上がっている。この差はどこから来ているのでしょうか。
答えは航空券の代金そのものではなく、そこに上乗せされる費用にあります。航空券の見積は「運賃」と「その他の費用」に分かれていて、後者がこの数か月で大きく増えました。
料理の値段は変わっていないのに、会計の総額が上がっている。よく見るとサービス料や席料の欄が増えていた、という状況に近いかもしれません。航空券の場合、この「サービス料や席料」にあたる部分が、燃料の値段や税金の変更によって動きます。料理(=運賃)を安いものに変えても、そこは減りません。
なぜ2026年に増えたのでしょうか
大きな流れとしては、2026年2月28日以降の中東情勢を受けてジェット燃料の値段が急に上がったことが起点にあります。航空会社は燃料代の変動分を「燃油サーチャージ」という形で別に請求する仕組みを持っており、そこに反映されました。
加えて、これとは無関係の理由で税金も変わりました。2026年7月1日から、日本を出国するときにかかる税金が1人1,000円から3,000円になっています。こちらは観光施策の財源を確保するための税制改正で、中東情勢とは別の話です。
つまり由来の異なる2つの変更が、たまたま同じ時期に重なったのが2026年7月という時点です。
- 高くなったのは航空券の運賃ではなく、そこに上乗せされる費用です。
- 燃料の値段が上がったことと、税金が変わったことの2つが重なりました。
- この2つは理由が別で、たまたま同じ時期に重なっています。
CHAPTER 02航空券に上乗せされる3つの費用
まず、何が上乗せされているのかを整理します。名前が似ていて分かりにくいので、1つずつ見ていきます。
| 費用の名前 | 何のための費用か | 2026年7〜8月発券分の金額 |
|---|---|---|
| 燃油サーチャージ (燃油特別付加運賃) |
燃料代の変動分を運賃とは別に請求するもの。航空会社が受け取ります | 日本発片道1人あたり 欧米は65,000円、ハワイは40,400円、韓国は7,400円 |
| 国際観光旅客税 (通称:出国税) |
日本から出国する人にかかる国の税金。観光施策の財源になります | 出国1回1人あたり3,000円 (6月30日までは1,000円) |
| 航空保険特別料金 | 航空保険料や保安強化にかかる費用の一部を負担するもの | 1区間片道1人あたり780円 (3月31日購入分までは800円) |
燃油サーチャージと航空保険特別料金はANA公式サイト(2026年6月30日更新)の日本発の金額です。航空保険特別料金は日本での購入の場合で、日本〜カナダ・香港・メキシコ発着便およびブラジル発の旅程には適用されません。
燃油サーチャージと航空保険特別料金は片道ごとにかかります。往復なら2倍です。一方、国際観光旅客税は出国1回につきなので、往復でも1回分です。往復の旅行では次のような計算になります。
| 費用 | 大人1人・欧州往復の場合 |
|---|---|
| 燃油サーチャージ | 65,000円 × 2 = 130,000円 |
| 国際観光旅客税 | 3,000円 × 1 = 3,000円 |
| 航空保険特別料金 | 780円 × 2 = 1,560円 |
| 合計 | 134,560円 |
これで13万円を超えます。しかも航空券の本体運賃はこれとは別にかかります。運賃が安い便を選んでも、この部分は変わりません。
燃油サーチャージがなぜこの金額になったのか、どう計算されているのかについては、当社の別稿「燃油サーチャージが片道65,000円になった本当の理由をやさしく解説」で仕組みから説明しています。出国税の詳しい内容は「2026年宿泊税ラッシュと出国税3倍をやさしく解説」をご覧ください。
- 上乗せされるのは、燃油サーチャージ・国際観光旅客税・航空保険特別料金の3つです。
- 燃油サーチャージと航空保険特別料金は片道ごと、出国税は出国1回ごとにかかります。
- 大人1人の欧州往復で13万4千円。航空券の運賃はこれとは別です。
CHAPTER 03家族4人でいくら変わったのでしょうか
ここが一番知りたいところだと思います。家族4人(全員2歳以上)で往復する場合、上乗せされる費用の合計を行き先ごとに計算しました。
| 行き先 | 4月発券分 | 5〜6月発券分 | 7〜8月発券分 | 4月との差 |
|---|---|---|---|---|
| ハワイ | 173,440円 | 304,640円 | 341,440円 | +168,000円 |
| 欧州・北米本土 | 265,440円 | 458,240円 | 538,240円 | +272,800円 |
| タイ・シンガポール等 | 140,640円 | 242,240円 | 286,240円 | +145,600円 |
| 韓国 | 36,640円 | 63,840円 | 77,440円 | +40,800円 |
当社による試算です。家族4人が全員2歳以上で、往復ともANAの日本発の金額を用いた場合の計算です。航空券の本体運賃、空港までの交通費、現地での費用は含まれていません。4月発券分の出国税は1人1,000円として計算しています。
この金額をどう受け止めればよいでしょうか
数字だけを見てもぴんとこないかもしれません。身近なものに置き換えてみます。
家族4人の1か月の食料費を約8万円とすると、おおよそ2か月分にあたります。家族4人の国内旅行1回の費用を10万〜20万円とすれば、ほぼ1回分です。欧州の27万2千円なら、食料費の約3.4か月分になります。旅行の予算全体から見て、無視できる額ではありません。
ただし、この差は4月に買った場合と比べた金額です。4月はまだ燃油サーチャージが上がりきっていない時期でした。「去年と比べて」ではなく「数か月前と比べて」の差であることは押さえておいてください。
- 家族4人の往復で、ハワイは16万8千円、欧州は27万2千円の増加です。
- これは航空券の本体運賃とは別にかかる金額です。
- ハワイの増加額は、家族4人の食料費でおよそ2か月分にあたります。
- 4月に買った場合との比較であり、前年との比較ではありません。
CHAPTER 04パスポート代は下がりました
負担が増える話ばかりではありません。同じ2026年7月1日から、パスポートの申請手数料が引き下げられました。
| 申請方法 | これまで | 2026年7月1日以降 | 差 |
|---|---|---|---|
| 電子申請(10年旅券) | 15,900円 | 8,900円 | −7,000円 |
| 窓口申請(10年旅券) | 16,300円 | 9,300円 | −7,000円 |
対象は18歳以上の10年旅券です。電子申請と窓口申請で金額が異なります。12歳未満のお子さんが取得する5年旅券の扱いについては、当社が確認できた資料の範囲では把握できていないため記載していません。
ただし、規模が違います
ここが本記事のタイトルにした部分です。パスポート代の引き下げは確かにありがたいのですが、増えた分を埋めるには足りません。
増えた分:航空券に上乗せされる費用が16万8千円の増加
減った分:大人2人が電子申請で更新した場合、7,000円×2=1万4千円の軽減
差し引き:それでも15万4千円ほど負担が増えています
しかも性質が違います。パスポートの手数料は10年に1回だけの費用で、航空券に上乗せされる費用は渡航するたびにかかります。年に1回海外へ行くご家庭なら、10年で1回の7,000円に対して、渡航のたびの増加が10回積み上がる計算になります。
すでに有効なパスポートをお持ちで、今回それを使って旅行される方の場合は、引き下げの恩恵はまったく受けられません。増えた分だけが表れます。
- 18歳以上の10年旅券の手数料が7,000円下がりました。
- 電子申請なら8,900円、窓口申請なら9,300円です。
- ただしパスポート代は10年に1回、上乗せ費用は渡航のたびにかかります。
- すでに有効なパスポートをお持ちの方は、引き下げの恩恵を受けられません。
CHAPTER 05いつ買うかで金額が決まります
ここは知っておくと役に立つ仕組みです。上乗せされる費用は、いつ飛ぶかではなく、いつ買ったかで金額が決まります。
「6月30日までのお会計は旧価格、7月1日からは新価格」というお店のルールに似ています。商品を受け取る日(=出発日)ではなく、レジで支払いを済ませた日(=発券日)で値段が決まる、という考え方です。旅行の日程がまだ先でも、6月中に買っていれば旧価格のまま、というわけです。
出国税には経過措置があります
国際観光旅客税は7月1日から3,000円になりましたが、2026年6月30日までに発券された航空券であれば、7月1日以後の出発でも1人1,000円のままです。判定に使われるのは券面に書かれた発券日です。
このため、同じ8月に同じ飛行機で出発する場合でも、6月中に予約と発券を済ませていた方は1,000円、7月に入ってから買った方は3,000円と、金額が分かれることがあります。旅行代金の内訳を見比べて違っていても、発券日が理由である場合があります。
燃油サーチャージは2カ月ごとに変わります
燃油サーチャージは2カ月ごとに改定されます。2026年は4月・5〜6月・7〜8月と段階的に上がってきました。その期間内に発券すれば、その金額で確定します。
日本航空は2026年6月12日の発表のなかで、9月以降発券分の燃油特別付加運賃を2026年8月に案内する予定としています。金額は6〜7月の燃料価格と為替の平均で決まる仕組みです。旅程が確定している方にとっては、8月の発表を待つか、8月31日までに発券して現在の金額で固定するかの判断になります。どちらが有利かは発表を見るまで分かりませんので、取消手数料や旅程の確実性と見比べてご判断ください。
- 金額は出発日ではなく、航空券を買った日(発券日)で決まります。
- 6月30日までに買っていれば、出国税は1,000円のままです。
- 燃油サーチャージは2カ月ごとに改定され、その期間内の発券で確定します。
- 9月以降発券分の金額は2026年8月に案内される予定です。
CHAPTER 06行き先によって差が大きいです
燃油サーチャージは、行き先の距離に応じた区分ごとに金額が決まっています。近いところほど安く、遠いところほど高い仕組みです。
| 行き先の区分 | 7〜8月発券分 (片道1人) | 5〜6月発券分 | 4月発券分 |
|---|---|---|---|
| 欧州・北米(ハワイを除く)・中東・オセアニア | 65,000円 | 56,000円 | 31,900円 |
| ハワイ・インド・インドネシア | 40,400円 | 36,800円 | 20,400円 |
| タイ・シンガポール・マレーシア等 | 33,500円 | 29,000円 | 16,300円 |
| ベトナム・グアム・フィリピン等 | 22,500円 | 19,700円 | 10,500円 |
| 東アジア(韓国を除く) | 15,400円 | 14,700円 | 9,400円 |
| 韓国・ロシア(ウラジオストク) | 7,400円 | 6,700円 | 3,300円 |
ANA公式サイト(2026年6月30日更新)の日本発の金額です。
いくつか意外な点があります。ハワイは北米ですが、欧州・北米本土とは別の区分です。逆にインドとインドネシアはハワイと同じ区分で、東南アジアに近いから安いだろうと考えると誤ります。また韓国は東アジアのなかで別扱いで、他の東アジアの半額以下です。予算を立てるときは、感覚ではなく区分表で確認するのが確実です。
近い行き先を選ぶという考え方
家族4人の往復で見ると、欧州は53万8千円、韓国は7万7千円です。差は46万円を超えます。もちろん行きたい場所が第一ですが、「今年は近場にして、来年は遠くへ」という組み替えは、金額の面では大きな違いになります。
- 燃油サーチャージは距離に応じた6つの区分に分かれています。
- ハワイは北米本土とは別の区分で、インド・インドネシアと同じです。
- 韓国は他の東アジアより安く設定されています。
- 家族4人の往復で、欧州と韓国では46万円を超える差があります。
CHAPTER 07現地での支出にも円安が効きます
航空券だけの話ではありません。現地で使うお金も、為替によって円換算額が変わります。2026年は円安が進んでいます。
| 使う金額 | 1ドル158.85円 (4〜5月平均) | 1ドル163.83円 (7月24日終値) | 差 |
|---|---|---|---|
| 100ドル | 15,885円 | 16,383円 | +498円 |
| 1人・5日間で500ドル | 79,425円 | 81,915円 | +2,490円 |
| 家族4人・5日間で2,000ドル | 317,700円 | 327,660円 | +9,960円 |
当社による試算です。1人1日100ドルを使う前提で計算しています。実際のレートは両替の方法や手数料によって変わります。
率にすると3.14%の増加です。上乗せ費用の増え方に比べれば小さいものの、食事や買い物、現地の交通費すべてに効いてきます。家族4人で1万円程度と見ておくとよいでしょう。
クレジットカードで支払った場合、円換算のレートはカード会社が売上票を受け取った日のレートが使われるのが一般的です。旅行中に円安が進めば、帰国後の請求額が想定より増えることもあります。為替が動いている局面では、少し余裕を持った予算にしておくと安心です。
上乗せ費用と比べると、規模が違います
ここで一度、金額の大きさを並べておきます。同じ「値上がり」でも、影響の大きさはまったく違います。
| 何が変わったか | 家族4人・ハワイ旅行での金額 |
|---|---|
| 航空券に上乗せされる費用 | +168,000円 |
| 現地でのドル建て支出(2,000ドル想定) | +9,960円 |
| パスポート代(大人2人が更新した場合) | −14,000円 |
| 差し引き | 約+164,000円 |
当社による試算です。パスポートの更新をしない場合は、軽減がないため増加額はさらに大きくなります。
こうして並べると、影響の大半は航空券に上乗せされる費用から来ていることが分かります。為替の影響は無視できないものの、桁が1つ小さい。パスポート代の引き下げは、その為替の影響すら相殺しきれていません。
逆に言えば、予算を見直すときに効くのも上乗せ費用の部分です。現地での節約を頑張るより、行き先の区分や発券のタイミングを検討するほうが、金額としての効果は大きくなります。
- 現地で使うお金も、円安の分だけ円換算額が増えます。
- 家族4人で2,000ドル使う場合、約1万円の増加になります。
- クレジットカードは支払日ではなく売上処理日のレートが使われるのが一般的です。
- 影響の大半は航空券の上乗せ費用で、為替の影響は桁が1つ小さくなります。
CHAPTER 08海外にも宿泊税のような税金があります
日本国内では2026年に宿泊税を導入する自治体が増えました。実は海外にも同じような税金が広くあり、日本よりも高いところが多いです。
| 都市・国 | 宿泊税・観光税の目安 |
|---|---|
| パリ(フランス) | 1人1泊 約100〜850円。宿泊施設のカテゴリーによる階層制 |
| ローマ(イタリア) | 1人1泊 約500〜1,200円。ホテルのクラスによる階層制 |
| アムステルダム(オランダ) | 宿泊料金の12.5%+1人1泊3ユーロ。欧州で最も高い水準 |
| ニューヨーク(米国) | 宿泊料金の14.75%+1泊2ドル |
| (参考)日本の主な都市 | 東京都100〜200円、熊本市200円、京都市200円〜最高10,000円 |
たとえばニューヨークで1泊2万円のホテルに泊まると、宿泊税だけで約3,000円が上乗せされます。家族2部屋で4泊すれば2万4千円ほどです。旅行の予算を組むときは、宿泊料金の表示に税が含まれているかを確認しておきたいところです。
シンガポールでは2026年10月から新しい負担が始まります
もう一つ知っておくとよいのが、シンガポールの動きです。2026年10月1日以降にシンガポールを出発する便に対し、飛行距離に応じた課金が始まるとされています。持続可能な航空燃料の普及にかかる費用を、利用者に負担してもらう仕組みです。
| 目的地の区分 | エコノミー | 上級クラス |
|---|---|---|
| 東南アジア | S$1.00(約123円) | S$4.00(約492円) |
| 日本を含む北東アジア・南アジア・豪州等 | S$2.80(約344円) | S$11.20(約1,378円) |
| アフリカ・欧州・中東等 | S$6.40(約787円) | S$25.60(約3,149円) |
| 南北アメリカ | S$10.40(約1,279円) | S$41.60(約5,117円) |
2025年11月10日のシンガポール民間航空局の発表による金額です。1シンガポールドルを約123円(2026年1月時点)として当社が換算しました。対象はシンガポールを出発する便で、日本を出発する便には課されません。シンガポールで乗り継ぐ場合や、シンガポールから日本へ帰る便が該当します。
金額そのものは大きくありませんが、こうした負担が各国で広がっていく流れにあることは知っておくとよいでしょう。日本でも同じような仕組みを検討しているとされています。
- 海外の宿泊税は日本より高いところが多く、ニューヨークやアムステルダムは特に高水準です。
- 宿泊料金の表示に税が含まれているかを予約時に確認しましょう。
- シンガポールでは2026年10月1日から、出発便に飛行距離に応じた課金が始まります。
- 日本発の便には課されず、シンガポール発の便が対象です。
CHAPTER 09少しでも安く行くための工夫
仕組みが分かったところで、実際にできることを整理します。
工夫1:すでに買った航空券の内訳を確認する
もし6月中に予約と発券を済ませていたなら、出国税は1人1,000円のままです。旅行代金の内訳で「国際観光旅客税」の欄を見れば分かります。家族4人なら8,000円分、想定より安くなっている可能性があります。
工夫2:8月の発表を確認してから判断する
旅程がまだ確定していないなら、9月以降発券分の金額が案内される2026年8月まで待つという選択があります。燃料価格は4月のピークからすでに下がっているため、下がる可能性もあります。ただし逆に上がることもあり、取消手数料と見比べた判断になります。
工夫3:行き先の区分を確認して選ぶ
第6章の表のとおり、区分によって金額が大きく違います。「アジアのどこか」と考えているなら、区分表で比べてみる価値があります。タイ・シンガポールと、ベトナム・フィリピンでは片道1万1千円の差があります。
工夫4:パスポートの更新が近ければ7月以降に申請する
すでに7月を過ぎていますので、これから申請される方は自動的に新しい手数料が適用されます。電子申請なら窓口申請より400円安いので、手続きの方法も選択肢になります。
工夫5:現地の宿泊税を事前に調べる
予約サイトの表示が税込みか税別かを確認しましょう。チェックアウト時に「思ったより高い」と感じないための備えになります。
工夫6:予算に余裕を持たせる
為替は日々動きます。クレジットカードの請求は帰国後になるため、出発時のレートで計算した予算にいくらか上積みしておくと安心です。家族4人の旅行なら1万円程度を見ておくと、想定外になりにくいでしょう。
燃料価格も為替も税制も、私たちが動かせるものではありません。一方でいつ買うか、どこへ行くか、いくら持っていくかは選べます。仕組みを知っておけば、同じ予算でも配分を変えられます。旅行そのものをあきらめる前に、まず内訳を確認してみてください。
- 6月中に発券していれば出国税は1,000円のまま。内訳を確認しましょう。
- 旅程が未確定なら、8月の発表を待つ選択があります。
- 行き先の区分によって金額が大きく違うので、表で比べましょう。
- パスポートは電子申請が窓口より400円安く済みます。
- 現地の宿泊税と為替の分を見込んで、予算に余裕を持たせましょう。
CHAPTER 10この記事に出てきた言葉の意味
正式には燃油特別付加運賃といいます。燃料の値段が変わった分を、航空券の運賃とは別に請求する仕組みです。ANA・JALの国際線では、シンガポールケロシンという燃料の価格と為替の2カ月平均で計算され、2カ月ごとに金額が見直されます。
日本から出国する人にかかる国の税金です。2026年7月1日以後の出国から1人3,000円(それまでは1,000円)。日本人も外国人も同じように支払います。航空券の代金に上乗せして徴収されるため、空港で個別に払う必要はありません。
航空保険料や保安の強化にかかる費用の一部を利用者が負担する料金です。ANAの国際線では2026年4月1日以降の購入分で1人1区間片道あたり780円が設定されています。
航空券を買って支払いを済ませた日のことです。燃油サーチャージと国際観光旅客税の金額は、出発日ではなくこの発券日を基準に決まります。券面や旅程表に記載されています。
制度が変わるときに、一定の条件を満たすものには古い扱いを続ける仕組みです。国際観光旅客税では、2026年6月30日までに発券された航空券なら、7月1日以後の出発でも1,000円が適用されます。
有効期間が10年のパスポートです。18歳以上の方が申請できます。2026年7月1日以降の申請から手数料が7,000円下がり、電子申請は8,900円、窓口申請は9,300円になりました。
アジアのジェット燃料の値段を示す代表的な指標です。シンガポール市場で取引される灯油(ケロシン)の価格で、日本の航空会社の燃油サーチャージもこの価格をもとに計算されます。
廃食油やバイオマスなどを原料とするジェット燃料です。従来の燃料より二酸化炭素の排出を減らせる一方、値段は高くなります。この費用をどう分担するかが各国で議論されており、シンガポールは利用者から集める仕組みを導入します。
自治体がホテルや旅館の宿泊者に課す税金です。集めたお金は観光振興に使われます。日本では2026年に導入する自治体が増え、海外にも同じような仕組みが広くあります。
通貨を交換するときの比率です。1ドル163円なら、100ドルの支払いに16,300円が必要になります。円の価値が下がる(円安になる)と、同じ金額の買い物でも日本円での支払額が増えます。
FAQよくあるご質問
2026年に海外旅行の費用は何が変わったのですか。
航空券に上乗せされる3つの費用が変わりました。1つ目は燃油サーチャージで、ANA公式サイトによると欧州・北米路線の日本発片道が2026年4月発券分の31,900円から7〜8月発券分の65,000円になりました。2つ目は国際観光旅客税(出国税)で、7月1日以後の出国から1人1,000円が3,000円になりました。3つ目は航空保険特別料金で、こちらは1区間片道800円から780円へわずかに下がっています。あわせて円安が進み、現地で使うお金の円換算額も上がっています。
家族4人だと、いくら増えたのですか。
行き先によって異なります。当社の試算では、家族4人(2歳以上)の往復で、航空券に上乗せされる費用の合計は次のようになります。ハワイは4月発券分が173,440円、7〜8月発券分が341,440円で、差は168,000円です。欧州・北米本土は265,440円から538,240円へ、差は272,800円です。タイやシンガポールなどは140,640円から286,240円へ、差は145,600円。韓国は36,640円から77,440円へ、差は40,800円となります。これは航空券の本体運賃とは別にかかる金額です。
パスポート代が下がったと聞きましたが、いくらですか。
2026年7月1日以降の申請から、18歳以上の10年旅券の手数料が7,000円下がりました。電子申請は15,900円から8,900円に、窓口申請は16,300円から9,300円になっています。ただし、これは海外旅行のたびに安くなる仕組みではありません。パスポートの手数料は新しく取るときや更新するときにかかる費用で、航空券に上乗せされる費用は渡航のたびにかかります。大人2人が電子申請で更新した場合の軽減は14,000円で、家族4人でハワイに行く場合の増加額168,000円と比べると規模が大きく違います。
いつ航空券を買えば安くなりますか。
燃油サーチャージと国際観光旅客税は、どちらも搭乗日ではなく発券日で金額が決まります。燃油サーチャージは2カ月ごとに改定され、その期間内に発券すればその金額で確定します。国際観光旅客税には経過措置があり、2026年6月30日までに発券された航空券であれば、7月1日以後の出発でも1人1,000円が適用されます。つまり同じ便に乗る家族でも、買った時期によって金額が分かれることがあります。なお9月以降発券分の燃油サーチャージは2026年8月に案内される予定とされており、旅程が決まっている方はこの発表を待つか、8月31日までに発券するかの判断になります。
行き先によって差はありますか。
大きく違います。燃油サーチャージは距離に応じた路線区分ごとに設定されており、2026年7〜8月発券分では日本発片道で欧州・北米(ハワイを除く)・中東・オセアニアが65,000円、ハワイ・インド・インドネシアが40,400円、タイ・シンガポール・マレーシア等が33,500円、ベトナム・グアム・フィリピン等が22,500円、韓国を除く東アジアが15,400円、韓国とロシア(ウラジオストク)が7,400円です。近い行き先ほど金額が小さいため、同じ人数で旅行しても総額の差は大きくなります。
なぜプラスチックパレット株式会社がこの記事を書いているのですか。
当社は千葉県我孫子市を拠点に、プラスチックパレット・再生樹脂原料・PPバンド・ストレッチフィルムなどの物流資材をお取扱いしています。海外の仕入先とのやりとりや輸入の手配があり、航空運賃や燃料価格の動きを日常的に確認しています。同じ仕組みが家族旅行の費用にも表れるため、業務で追っている内容を暮らしの目線に置き換えて整理しました。旅行を計画されている方や、出張の多い会社にお勤めの方のお役に立てば幸いです。
主な情報源
- ANA(全日本空輸)公式サイト「燃油特別付加運賃 / 航空保険特別料金について」2026年6月30日更新(路線区分別の燃油サーチャージ、航空保険特別料金780円および改定前800円、適用除外路線の根拠)|https://www.ana.co.jp/ja/jp/guide/plan/charge/fuelsurcharge/
- 日本航空 プレスリリース第26025号「JAL/JTA国際線『燃油特別付加運賃』の改定を申請(2026年7月〜8月発券分)」2026年6月12日(算定に用いた為替2カ月平均158.85円、9月以降発券分を2026年8月に案内予定とする記載の根拠)|https://press.jal.co.jp/ja/release/202606/009574.html
- 国土交通省 航空局・経済産業省 資源エネルギー庁「第8回持続可能な航空燃料(SAF)官民協議会 事務局説明資料」令和8年1月28日(シンガポールのSAF Levyが2026年10月1日以降の出発便を対象とすること、帯域別の金額、1シンガポールドル約123円の換算の根拠)|資料PDF
- TRAICY「出国税、きょうから引き上げ 3,000円に」2026年7月1日(国際観光旅客税3,000円の施行と非課税対象の根拠)|https://www.traicy.com/posts/20260701375132/
- 税理士法人 小山・ミカタパートナーズ「出国税が3,000円に引き上げ(2026年7月1日〜)」(経過措置と券面の発券日で判定する取扱いの根拠)|https://kmp.or.jp/kokusai-kanko-ryokakuzei-3000en-2026/
- fptrendy「出国税3000円に引き上げ、海外旅行の負担増と観光地対策の行方」2026年7月2日(パスポート10年旅券の手数料が電子申請15,900円→8,900円、窓口16,300円→9,300円へ7,000円減額の根拠)
- みんかぶFX「24日の為替市場の四本値」2026年7月25日掲載(ドル円 7月24日終値163.83円の根拠)|https://fx.minkabu.jp/news/374216
- LIVE JAPAN「【2026年最新版・一覧】日本全国の宿泊税ガイド」(日本国内の宿泊税の水準の根拠)|https://livejapan.com/ja/article-a0005857/
- 外務省(パスポートの申請方法と手数料の確認先)|https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/passport/
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- 本記事は2026年7月26日時点で確認できた各社の公表内容および報道をもとに、当社が整理したものです。燃油サーチャージ・為替・宿泊税はいずれも変動します。9月以降発券分の燃油サーチャージは2026年8月に案内される予定とされており、発表内容により状況が変わります。ご旅行の計画にあたっては、航空会社・旅行会社の最新の案内を必ずご確認ください。
- 第3章および第7章の試算は、すべて当社による概算です。家族4人が全員2歳以上で往復ともANAの日本発の金額を用いた場合の計算であり、航空券の本体運賃、空港までの交通費、現地での宿泊費・食費・移動費は含まれていません。実際の費用は利用する航空会社・便・予約の方法・時期によって異なります。
- パスポート手数料について記載したのは18歳以上の10年旅券の金額です。12歳未満のお子さんが取得する5年旅券の扱いについては、当社が確認できた資料の範囲では把握できていないため記載していません。申請の要件と手数料は外務省および都道府県の申請窓口でご確認ください。
- 海外の宿泊税・観光税の金額は目安であり、都市や施設のカテゴリー、時期によって異なります。シンガポールの課金についても制度の詳細は今後変わる可能性があります。第8章の円換算は当社が2026年1月時点のレートで計算したものです。実際の負担額は渡航時のレートによって変わります。
- 本記事は特定の航空会社・旅行会社・サービスの利用を推奨するものではありません。引用に際しては出典として本記事URLを明記のうえお願いいたします。記載内容に事実誤認があった場合は、お問い合わせフォームよりご連絡ください。