RAW MATERIAL / PACKAGING COST
ニップンが名指しした「包装資材の高騰」、食品トレーとフィルムに何が起きているのか
食品メーカーが値上げの理由に挙げる「包装資材」。その資材そのものに何が起きているのかは、あまり報じられていない。2026年6月1日、食品容器の主要3社が同じ日の出荷分から一斉に値上げした。上げ幅は20%以上、25%以上、30%以上。しかも最大手は、業績が伸びているにもかかわらず翌期の業績予想を出せなかった。本稿は、原油から食品トレーまでの経路と、その先の食品価格への転嫁を、公表資料に基づいて整理する。
TL;DR
- 食品容器メーカー3社が2026年6月1日出荷分から一斉に値上げした。エフピコが製造製品全般(約1万種類)を20%以上、中央化学が全製品・商品を30%以上、シーピー化成が全製品を25%以上。3社とも原油やナフサなど石油化学原料の調達環境の悪化を理由に挙げている。
- エフピコは2026年3月期に連結純利益が前年比19.1%増の約148億円、営業利益が17.0%増の約216億円と好調だったにもかかわらず、2027年3月期の連結業績予想を未定とした。中東情勢を背景とした原油価格の急騰で原料調達環境が不透明であり、6月末以降の原料の安定調達について見通しが立たないことが理由とされる。
- この資材コストが食品側に転嫁されている。帝国データバンクの調査では、包装・資材を要因とする食品の値上げが69.8%を占め、前年同月から10.5ポイント上昇した。ニップンは家庭用冷凍食品45品の値上げについて、中東情勢による包装資材の仕入れ価格高騰を理由に挙げている。
ANSWER
食品容器3社が2026年6月1日出荷分から一斉に値上げした。エフピコ20%以上、シーピー化成25%以上、中央化学30%以上。原料はナフサ由来のポリスチレンである。エフピコは業績好調ながら中東情勢を理由に業績予想を未定とした。食品側では包装・資材が値上げ要因の69.8%を占める。
目次
エフピコの改定幅
20%以上
製造製品全般 約1万種類
2026年6月1日出荷分
中央化学の改定幅
30%以上
全製品・商品
3社中で最大
食品値上げ要因に占める割合
69.8%
包装・資材
前年同月から10.5pt上昇
エフピコ 連結純利益
148億円
2026年3月期・前年比19.1%増
それでも次期予想は未定
CHAPTER 01
食品メーカーが名指しした「包装資材」
2026年6月17日、ニップンは家庭用冷凍食品45品の値上げを発表した。9月1日納品分から約7〜15%引き上げるという内容である。注目すべきは、その理由として挙げられた項目だった。
値上げ理由の筆頭に挙がったもの
日本経済新聞の報道によると、ニップンは中東情勢による包装資材の仕入れ価格高騰のほか、肉や油脂などの原材料、人件費、冷凍物流の輸送費の上昇を価格に転嫁するとしている。原材料ではなく、包装資材が先に挙げられている点が、この局面の性格を表している。
これは同社に限った話ではない。帝国データバンクの「食品主要195社」価格改定動向調査(2026年6月30日公表)によると、2026年7月時点で値上げ要因のうち包装・資材が69.8%を占め、前年同月から10.5ポイント上昇している。原材料高(92.5%)に次ぐ規模であり、伸び幅では最大である。
では、その包装資材そのものには何が起きていたのか。食品の値上げは広く報じられる一方、その上流にあたる容器・資材の動きは、業界外にはあまり伝わっていない。本稿はそこを扱う。
CHAPTER 02
容器メーカー3社が、同じ日に動いた
食品トレーや弁当容器を製造する主要3社が、2026年6月1日出荷分という同じタイミングで価格を改定した。
| 企業 | 対象 | 改定幅 | 発表日 |
|---|---|---|---|
| エフピコ | 製造製品全般(約1万種類) | 20%以上 | 2026年4月30日 |
| 中央化学 | 全製品・商品 | 30%以上 | 2026年5月1日 |
| シーピー化成 | 全製品 | 25%以上 | ー |
出典:エフピコの内容はロイター(2026年4月30日)、3社の比較は報道による整理。いずれも2026年6月1日出荷分からの適用。3社は原油やナフサなど石油化学原料の調達環境が悪化したことを理由に挙げている。
「一部商品」ではなく「全製品」である意味
この表で見落とせないのが対象範囲である。食品メーカーの値上げは「一部商品」「対象45品」のように範囲が限定されることが多い。ところが容器メーカー3社は、製造製品全般、全製品・商品、全製品と、いずれも範囲を限定していない。
特定の原料を使う一部製品ではなく、事業全体が同じ原料に依存しているためである。ポリスチレンをはじめとする石油化学原料が上がれば、作っているもの全部が影響を受ける。範囲を絞る余地がない構造だといえる。
「以上」という表現
3社とも「20%以上」「25%以上」「30%以上」と、上限を示さない書き方をしている。通常の価格改定では「5〜17%」のように幅を示すことが多い。上限を書かないのは、原料価格の先行きが読めない状況を反映していると考えられる。エフピコは、今後の原料市況や国際情勢の変動によって追加の価格改定を要請する可能性があるとしている。
CHAPTER 03
好業績でも業績予想を出せなかった理由
本稿で最も注目すべきはここである。エフピコは2026年4月30日、価格改定の発表と同時に、2027年3月期の連結業績予想を未定とした。
業績は伸びていた
| 項目 | 2026年3月期 | 前年比 |
|---|---|---|
| 連結純利益 | 約148億円 | 19.1%増 |
| 営業利益 | 約216億円 | 17.0%増 |
| 年間配当 | 73円 | 前期61円50銭から増配 |
出典:ロイター(2026年4月30日)。製品価格改定効果や原料価格の改善が寄与したとされる。期末配当は1円50銭増配の1株当たり41円50銭。
純利益は約2割増、営業利益は約17%増、配当も増やしている。数字だけを見れば好調である。それにもかかわらず、翌期の見通しを示さなかった。
理由は原料調達の不透明さ
ロイターの報道によると、エフピコは中東情勢を背景とした原油価格の急騰で原料調達環境が不透明であることを理由に挙げている。同社は2026年3月期決算短信で、2026年6月末までの原料調達の目処は立っているとしたうえで、それ以降の見通しが立たないため業績予想の開示を見送ったとされる。
「価格が読めない」ではなく「調達できるか読めない」
ここは区別しておきたい。原料が高いという問題であれば、価格に転嫁すれば対応できる。実際に20%以上の値上げを実施している。しかしそもそも原料が調達できるかどうかが読めないとなると、生産計画そのものが立たない。業績予想を出せない理由は、価格ではなく数量の側にある。
同社は同じ日に、茨城県坂東市への新工場・配送センター建設も発表している。投資総額は約580億円で、新素材「新OPPシート」の量産体制構築と首都圏の物流能力の強化が目的とされ、2028年9月の竣工予定である。短期の見通しは出せない一方で、長期の投資は進めるという判断が同時に示されたことになる。
CHAPTER 04
原油から食品トレーまでの経路
ここまで「石油化学原料」と書いてきたものを、具体的に分解する。エフピコが値上げの背景として挙げたのは、国産ナフサおよびベンゼン価格の上昇により、ポリスチレンをはじめとする主要原料価格が高騰しているという点である。
| 段階 | 物質・製品 | 内容 |
|---|---|---|
| 1 | 原油 | 中東情勢の影響で価格が急騰。輸送経路にも支障 |
| 2 | ナフサ | 原油を精製して得られる。石油化学製品の出発点 |
| 3 | ベンゼン | ナフサを分解して生産される基礎化学品 |
| 4 | ポリスチレン | ベンゼンから作られる樹脂。食品トレーの主要原料 |
| 5 | 食品トレー・容器 | スーパー、コンビニ、外食の持ち帰り商品に使用 |
| 6 | 食品の販売価格 | 弁当、惣菜、精肉、鮮魚の販売コストに含まれる |
経路の整理はエフピコの公表内容および石油化学の一般的な製造工程に基づく。ナフサ価格の推移については当社の別稿で詳しく扱っている。
当社の商材も、同じ経路の上にある
この経路は、当社にとって他人事ではない。プラスチックパレット、PPバンド、ストレッチフィルムは、いずれもナフサ由来の樹脂から作られる。枝分かれする先が違うだけで、川上は同じである。
| 樹脂 | 主な用途 | 本稿との関係 |
|---|---|---|
| ポリスチレン(PS) | 食品トレー、容器 | 本稿の主題 |
| ポリプロピレン(PP) | プラスチックパレット、PPバンド | 当社の主力商材 |
| ポリエチレン(PE) | ストレッチフィルム、包装用フィルム | 当社の商材および食品包装 |
いずれもナフサを出発点とする樹脂である。用途は異なるが、原料価格の変動は同じ方向に効く。
食品トレーが20%以上値上がりしたということは、同じ原料系統にある資材にも同種の圧力がかかっているということでもある。ナフサ価格そのものの推移については、ナフサ・原油完全まとめで3系列に分けて整理している。
CHAPTER 05
なぜ「20%以上」という書き方になるのか
価格改定の発表を読み慣れていると、3社の表現に違和感を覚える。通常は「5〜17%」「約3〜20%」のように幅を示すのに、今回は「20%以上」「25%以上」「30%以上」と下限だけが示されている。
| 表現の型 | 例 | 意味するところ |
|---|---|---|
| 幅で示す | 約2〜17%(ニッスイ) | 商品ごとに改定率が決まっており、上限も見えている |
| 下限だけ示す | 20%以上(エフピコ) | 最低でもこれだけ必要。上限は状況次第 |
表現の違いに関する整理は当方によるもの。各社が意図した含意を断定するものではない。
エフピコは、今後の原料市況や国際情勢の変動によって追加の価格改定を要請する可能性があるとしている。第3章で見た「6月末以降の原料調達の見通しが立たない」という状況と合わせて読むと、この表現の背景が見えてくる。
数量の調整という対応も出ている
価格だけでなく、供給の側でも動きがある。シーピー化成は実需に基づいた発注への協力を求め、需給状況が急に変わった場合には出荷数量や納期を調整する場合があるとしている。中央化学は前倒し発注への対応にも言及している。
調達側が読み取るべきこと
「実需に基づいた発注」という要請は、先回りの大量発注を控えてほしいという意味である。値上げ前の駆け込み発注が集中すれば、本当に必要としている取引先に回らなくなる。価格の話と供給の話が同時に出ている局面では、発注のタイミングだけでなく発注量の妥当性も見られていると考えたほうがよい。
CHAPTER 06
資材から食品への転嫁は、どこまで進んだか
容器が6月1日出荷分から20%以上上がった。では、それが食品の値札に届くまでにどれくらいかかるのか。帝国データバンクの調査から追える。
| 時期 | 食品値上げ品目数 | できごと |
|---|---|---|
| 2026年4〜5月 | ー | 容器3社が値上げを発表(4月30日・5月1日ほか) |
| 2026年6月1日 | ー | 容器の新価格が出荷分に適用開始 |
| 2026年7月 | 2,566品目 | 包装・資材を要因とする値上げが69.8%に。前年同月から10.5pt上昇 |
| 2026年8月 | 1,898品目 | ー |
| 2026年9月 | 3,029品目 | 2026年内で最多。冷凍食品を中心に大手が一斉値上げ |
食品の品目数は帝国データバンク「食品主要195社」価格改定動向調査(2026年6月30日公表)による。容器の値上げ時期との対応は当方による整理であり、因果関係を定量的に示すものではない。
容器の値上げが6月に始まり、食品側では7月に包装・資材要因が69.8%まで上がり、9月に品目数が年内最多となる。3カ月ほどの時間差で下流に届いている形が読み取れる。
転嫁には順番がある
原料が上がってから最終製品の値札が変わるまでには、契約更改のタイミングや在庫の消化期間が挟まる。容器メーカーが6月に上げた分は、食品メーカーの原価に反映され、そこから価格改定の判断を経て、9月以降の値札に現れる。ニュースで「原料が下がった」と報じられても手元の仕入価格がすぐ下がらないのは、同じ構造が逆向きに働くためである。
9月の食品値上げの内訳については、2026年9月 値上げ一覧で企業別・商品別に整理している。
CHAPTER 07
家計にはいくら届くのか
ナフサ由来製品の値上げが家計に及ぼす影響について、試算が公表されている。時事ドットコムが2026年4月11日に報じた内容によると、4人家族の年間負担額は22,500円から35,100円増えると試算されている。
| 区分 | 年間 | 月あたり(当方計算) |
|---|---|---|
| 試算の下限 | 22,500円 | 約1,875円 |
| 試算の上限 | 35,100円 | 約2,925円 |
年間額は時事ドットコム(2026年4月11日)が報じた試算による。月あたりの金額は当方で12で除して算出した参考値である。試算の前提条件は報道の範囲では確認できていない。
月に1,875円から2,925円という水準である。ナフサ由来製品全体を対象とした試算であり、食品トレーだけの影響ではない点には注意が必要だが、川上の原料が家計に届く規模感の目安にはなる。
この試算の詳細な前提(対象品目の範囲、価格転嫁率の想定など)は、報道された範囲では確認できていない。数値の性格上、幅をもって受け取るべきものである。
CHAPTER 08
回収率30%という、もうひとつの論点
原料が高く、調達も不透明という局面では、使ったものを再び使うという選択肢の重みが増す。
エフピコは1990年から使用済みトレーを回収してリサイクルする取り組みを続けている。しかし使用済み食品トレーの回収率は約30%にとどまるとされている。裏を返せば、7割は回収されていない。
再生材の位置づけが変わる局面
再生樹脂は従来、環境対応の文脈で語られることが多かった。しかしバージン材の調達自体が不透明になると、再生材は「調達手段のひとつ」としての性格を強める。当社が再生樹脂材料を扱っているのも、価格面だけでなく、調達経路を複数持つことの意味が大きいためである。
ただし再生材にも制約がある。食品に直接触れる容器では衛生面の要件があり、すべてを再生材に置き換えられるわけではない。物流資材のように用途によって適性が異なるため、どの用途で再生材を使えるかを整理しておくことが、調達の選択肢を広げる作業になる。
CHAPTER 09
調達実務への示唆
本稿で見てきた事実から、樹脂資材を調達する立場で確認しておきたい点を整理する。
| 確認すべきこと | 理由 |
|---|---|
| 改定幅が「以上」表記か | 上限が示されていない場合、追加改定の可能性が織り込まれている。1回で終わらない前提で予算を組む |
| 供給に関する記載の有無 | 「実需に基づいた発注」「出荷数量の調整」といった記載があれば、価格だけでなく数量の確保も論点になっている |
| 仕入先の業績予想 | 上場企業であれば、業績予想を出しているかどうかが調達環境の安定性を示す指標になる |
| 原料系統の重複 | 扱う商材が同じ樹脂系統に偏っていれば、リスクが集中する。系統の分散も検討材料になる |
| 再生材の適用可否 | 用途ごとに使える・使えないを整理しておくと、調達経路を増やせる |
公表資料から読み取れる情報をもとにした整理であり、個別の取引条件を推奨するものではない。
3つ目の「仕入先の業績予想」は、本稿で扱ったエフピコの事例が示すとおりである。業績予想を出せないということ自体が、その企業から見た調達環境の情報になる。上場企業であれば決算短信で確認できる。
なお、円建てで提示された仕入価格が為替でどこまで説明できるかを検証する手法は、iPhoneの日本価格から想定為替を逆算する実務ガイドで扱っている。原料高と円安が同時に効いている局面では、値上げ要請の内訳を分解する作業が有効になる。
CHAPTER 10
用語集
ポリスチレン(PS)
ベンゼンから作られる樹脂で、食品トレーや容器の主要原料。発泡させたものが発泡スチロールにあたる。
ベンゼン
ナフサを分解して得られる基礎化学品。ポリスチレンをはじめ多くの樹脂や化学品の出発原料となる。
ナフサ
原油を精製して得られる石油製品。石油化学製品の出発点にあたり、プラスチック全般の原料となる。
国産ナフサ基準価格
国内の樹脂価格の値決め基準として用いられる四半期ごとの指標。数カ月前の市況を入着時の為替で円換算して決まるため、上流の変化が遅れて反映される。
出荷価格
メーカーが出荷する時点の価格。小売店の店頭価格とは異なり、間に流通段階が挟まる。家庭用商品ではオープン価格が多く、店頭価格は小売店が決める。
実需に基づいた発注
実際に必要な数量に応じた発注のこと。値上げ前の駆け込みや先回りの大量発注を控えるよう求める文脈で使われる。
業績予想の未定
上場企業が翌期の業績見通しを合理的に算定できないとして開示を見送ること。事業環境の不確実性が高いことを示す。
再生樹脂
使用済みのプラスチック製品を回収・処理して再び原料としたもの。環境面に加え、調達経路を複数持つ手段としての意味も持つ。
CHAPTER 11
出典
一次資料を直接確認したもの
- 帝国データバンク「食品主要195社」価格改定動向調査 ― 2026年7月(2026年6月30日公表)
報道として参照したもの
- ロイター(2026年4月30日)
- 報道各社
- 日本経済新聞
- 時事ドットコム(2026年4月11日)
- エフピコ公表資料(報道経由)
当社の関連記事
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- iPhoneの日本価格から想定為替を逆算する、円安で輸入コストはいくら上がるのかの実務ガイド
本稿における月あたり金額(22,500円および35,100円を12で除した値)は当方計算による参考値である。容器の値上げ時期と食品の値上げ品目数の対応は時系列の整理であり、因果関係を定量的に示すものではない。
CHAPTER 12
よくある質問
食品トレーはどれくらい値上がりしたのですか
容器メーカー3社が2026年6月1日出荷分から一斉に値上げしました。エフピコが製造製品全般(約1万種類)を20%以上、中央化学が全製品・商品を30%以上、シーピー化成が全製品を25%以上引き上げています。3社はいずれも原油やナフサなど石油化学原料の調達環境の悪化を理由に挙げています。
なぜトレーの値上げが食品の値段に響くのですか
容器は食品の販売コストに含まれるためです。帝国データバンクの調査では、2026年7月時点で包装・資材を要因とする食品の値上げが69.8%を占め、前年同月から10.5ポイント上昇しました。ニップンは家庭用冷凍食品45品の値上げについて、中東情勢による包装資材の仕入れ価格高騰を理由の一つに挙げています。
エフピコが業績予想を出せなかったのはなぜですか
原料の調達環境が不透明なためです。ロイターの報道によると、同社は中東情勢を背景とした原油価格の急騰で原料調達環境が不透明であるとして、2027年3月期の連結業績予想を未定としました。2026年3月期は連結純利益が前年比19.1%増の約148億円、営業利益が17.0%増の約216億円と好調でしたが、原料の安定調達について6月末以降の見通しが立たないことが理由とされています。
原油からトレーまで、どういう経路でつながっているのですか
原油を精製してナフサが作られ、ナフサからベンゼンなどが生産され、そこからポリスチレンが作られます。食品トレーの主要原料がこのポリスチレンです。エフピコは値上げの背景として、国産ナフサおよびベンゼン価格の上昇によりポリスチレンをはじめとする主要原料価格が高騰していると説明しています。当社が扱うプラスチックパレットやストレッチフィルムも、同じナフサ由来の樹脂から作られています。
なぜプラスチックパレット株式会社がこの記事を書いているのですか
当社はプラスチックパレット、再生樹脂材料、PPバンド、ストレッチフィルム等の物流資材を扱う商社です。食品トレーやフィルムと当社の商材は、ナフサから作られる樹脂という同じ原料に行き着きます。原料価格の変動が製品価格に届くまでの経路を、日々の調達を通じて把握できる立場から整理しました。
DISCLAIMER
- 本記事は2026年7月31日時点で確認できた公表情報に基づいて作成しています。原料価格および各社の価格改定は変動するため、記載した数値は執筆時点のものです。
- エフピコに関する記載はロイターの報道によるものであり、当社が同社の決算資料を直接確認したものではありません。中央化学およびシーピー化成の改定幅も報道によります。正確な内容は各社の公表資料をご確認ください。
- 第6章に示した容器の値上げ時期と食品の値上げ品目数の対応は、公表されている事実を時系列に並べた整理です。両者の因果関係を定量的に示すものではなく、食品の値上げには包装・資材以外の要因も含まれます。
- 第7章の家計への影響は時事ドットコムが報じた試算であり、対象品目の範囲や価格転嫁率などの前提条件は報道の範囲では確認できていません。月あたりの金額は年間額を12で除した当方の参考計算です。
- 本記事は特定の企業・商品の取引や投資判断を推奨するものではありません。個別の調達条件および契約判断については、取引先および専門家にご相談ください。