Supply Chain Report / Used Pallet Buyback
プラスチックパレットの買取はなぜ断られるのか、100枚に届かない量と産業廃棄物になる分かれ目
買い取れないと言われたパレットには、共通した理由がある。当社が実際にお断りしているのは、鉄心入りと油汚れという材質の問題、4t車1台に満たない数量、そしてレンタル会社の所有物であることの3つである。材質は再原料化の工程が止まり、数量は引取運賃が売却代金を上回る。レンタルは値の問題ではなく、売る権限がないという別の理由による。
ANSWER
プラスチックパレットの買取が断られる理由は、材質・数量・所有権の3つに整理できる。鉄心入りと油汚れは再原料化を止め、4t車1台に満たない数量は引取運賃が売却代金を上回る。レンタル会社のパレットは売る権限がないため対象外になる。割れや汚れ、印字の有無は、それだけでは理由にならない。
材質でお断りしている区分
2区分
鉄心入りと油汚れ。海外製とR-1などの容リ材は条件により買い取る
当社が有価で買い取る数量の下限
100枚〜
4t車1台に積める目安と同じ線。ご相談自体は数量を問わずお受けする
引取が組める数量の目安
4t車1台
積める目安は100枚以上。1台に満たない量は、引取運賃が売却代金を上回りやすい
この記事の要点
- 買取を断られる理由は、パレットが汚れているか綺麗かではない。そのパレットが次にどこへ行けるかで決まる。再使用に回せるか、砕いて再原料化できるか、どちらもできず産業廃棄物として処理するしかないか、の3つである。
- 材質が混ざっていると再原料化の工程が止まる。材質を理由にお断りしているのは、鉄心入りと油汚れがひどいものの2つで、このうち鉄心入りは金属を抜く工程が別に要るため、樹脂として扱えない。
- 数量の問題は枚数そのものではなく、車が1台立つかどうかである。4t車1台に積める目安が100枚以上で、当社の有価買取の下限100枚はこの線から来ている。これに満たない量では、置場まで車を回す運賃が売却代金を上回る。
- 割れや欠け、汚れ、色あせ、印字の有無は、それ自体ではお断りの理由にならない。再使用に回せなくても、材質が揃っていれば砕いて原料に戻す道が残るためである。きれいにしても、材質の問題は変わらない。
- 断られた場合でも行き先がなくなるわけではない。数量がまとまるまで置いておく、同じ材質でまとめ直す、引き取りのご相談として扱う、産業廃棄物として処理する、の順に選択肢がある。
- レンタル会社のパレットは、材質や数量の条件を満たしていてもお引き受けできない。荷主様の資産ではなくレンタル会社の所有物で、手元にあっても売却する権限がないためである。値が付くかどうか以前の話であり、材質の問題とは理由の性質が違う。
- R-1に代表される容リ材のパレットと、海外製の軽量ワンウェイパレットは、条件が合えば買い取る。これらを対象外としている会社もあるが、当社は出た材料の販売先を持っているためお引き受けできる。買取の可否は、買い取る側がどこへ出せるかでも変わる。
値が付くかどうかは、パレットの状態ではなく次の行き先で決まる
買取を断られた方の多くが、汚れや傷を理由だと考えている。実際に見ているのはそこではない。そのパレットが当社の手を離れたあとに、どこへ行けるかを見ている。
中古のプラスチックパレットには、行き先が3つしかない。もう一度パレットとして使うか、砕いて樹脂の原料に戻すか、どちらもできずに産業廃棄物として処理するかである。値が付くのは前の2つで、3つ目に落ちた時点で、費用を払って処理する側に回る。買取の可否は、この分岐のどこに入るかを見て決めている。
そして、この分岐を決めているのは見た目ではない。材質と数量、そして所有権である。割れや欠けがあっても再原料化には回せるが、材質が混ざっていると回せない。きれいな状態でも、数がまとまらなければ引取そのものが組めない。この3つを順に見ていく。
再使用・再原料化・産業廃棄物という3つの行き先
網掛けは、当社が有価でお引き受けできない区分。
| 行き先 | 満たす必要があるもの | 値の付き方 |
|---|---|---|
| そのまま再使用 | 寸法と仕様が揃っている。差込口が使える。荷物を載せられる強度が残っている | 3つのうちで最も高い。中古パレットとして販売できるため |
| 砕いて再原料化 | 樹脂の種類が揃っている。金属や異物が入っていない。油分が染みていない | 樹脂の相場と数量で決まる。寸法が不揃いでも成り立つ |
| 産業廃棄物として処理 | 上の2つに入らないもの。材質の混在、金属の内蔵、油分の付着など | 値は付かない。処理費用を負担する側になる |
当社が案件をお引き受けする際の判断の整理であり、業界の統一基準ではない。行き先は、樹脂の相場と引取先の受入条件によって動く。
本稿が扱うのは、有価で買い取れるかどうかの判断だけである。3つ目に落ちた場合の手続き、つまり産業廃棄物としての委託契約や管理票の扱いは、案件ごとに条件が変わるため本稿では扱わない。必要な場合は個別にご案内するので、お問い合わせいただきたい。
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この章の結論
買取の可否は、パレットの見た目ではなく次の行き先で決まる。そして行き先を決めているのは、材質と数量の2つである。
当社が買取をお断りしている3つの理由
実際にお断りしている案件を分けると、理由は3つに収まる。材質が混ざっていること、数量が足りないこと、そしてレンタル会社の所有物であることである。前の2つは値が付くかどうかの話だが、3つ目は値の話以前に売る権限がないという別の問題である。枚数だけを見てお断りしているわけではない。
先に材質のほうを見る。ここでいう「混ざっている」は、1枚のパレットの中で樹脂の素性が追えなくなっている状態と、1つのロットの中で仕様の違うものが混じっている状態の両方を指す。どちらも、砕いて原料に戻す工程で行き止まりになる。
材質が混ざると、砕いたあとの行き先がなくなる
| 当社がお断りしている区分 | 何が起きているか |
|---|---|
| 鉄心入りのパレット | 補強の金属が樹脂の内側に入っている。樹脂だけを取り出すには金属を抜く工程が別に要り、その手間が売却代金を超える |
| 油汚れがひどいパレット | 表面の汚れではなく、油分が樹脂に入り込んでいる状態を指す。洗っても落ちず、再原料化の受入条件から外れる |
当社の運用にもとづく区分であり、業界共通の基準ではない。容リ材と海外製のパレットは、条件により買い取る(次節)。同じ品物でも、引取先の設備や求める規格によって扱いは変わる。他社では買取の対象になる場合がある。
逆に言えば、割れや欠け、汚れ、色あせ、印字の有無は、それ自体ではお断りの理由にならない。再使用には回せなくても、砕いて原料に戻す道が残っているためである。断られた経験のある方が「もっときれいにしておけばよかった」と考えることがあるが、材質の問題は洗っても変わらない。
容リ材と海外製のパレットは、条件が合えば買い取る
R-1に代表される容リ材を使ったパレットは、材質を理由に一律でお断りするものではない。条件が合えば買い取る。ただし、ほかの仕様のパレットと比べると単価は下がる。再生材を原料にしているため、砕いて原料に戻したあとの用途が、バージン材のパレットほど広くないためである。
見るところは、ほかのパレットと変わらない。寸法と仕様が揃っているか、金属や油分が入っていないか、数量と置場で車が立つか。容リ材であることそのものは、可否の分かれ目にはならない。単価に反映される要素である。
海外製のパレットも同じである。海外製であることを理由にお断りすることはない。とくに海外製の軽量ワンウェイパレットは、国内のパレットと同じ条件で買い取る。見るのは製造国ではなく、寸法と仕様が揃っているか、金属や油分が入っていないか、数量が車立てに届くかである。
ただし、海外製と容リ材を買取の対象外としている会社はある。断られた経験がある方は、そちらに当たった可能性がある。当社がお引き受けできるのは、これらの販売先を持っているためである。第1章に書いたとおり、値が付くかどうかは次の行き先で決まる。行き先は品物の側だけでなく、買い取る側がどこへ出せるかによっても変わる。同じパレットを他社が断り、当社が買い取ることがあるのはそのためである。
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仕様がばらばらのまま積まれていると、判断がつかない
もう1つ、材質そのものではないが同じ結果になるものがある。寸法も仕様も違うパレットが、置場で1つの山になっている状態である。この形では、再使用に回せる枚数も、砕いて原料に戻せる重量も見積もれない。写真を1枚いただいても判断がつかず、結果としてお断りに近い回答になる。
この場合は、山を崩して寸法ごとに分けていただくだけで、話が変わることがある。仕分けの手間が現場に発生するため、そこまでして売るかどうかは数量次第になる。
レンタル会社のパレットは、値が付く付かない以前に売れない
3つ目の理由は、材質とも数量とも性質が違う。レンタル会社が所有するパレットは、荷主様の資産ではない。手元にあっても売却する権限がないため、状態が良くても、枚数が揃っていてもお引き受けできない。
これは品物の良し悪しの話ではない。値が付くか付かないかを判断する前の段階で外れる。材質や汚れを理由に断る場合と混同されやすいが、理由の性質はまったく違う。
印字や成形されたロゴは、それだけではお断りの理由にならない
側面や上面に社名やロゴが入っていても、それ自体は買取の可否を分けない。分かれるのは所有権が誰にあるかである。自社で購入したパレットであれば、社名が入っていてもお引き受けできる。構内にレンタル品が紛れていることがあるため、出す前に返却の対象がないかをご確認いただきたい。所有者の表示が読めずに判断が付かない場合は、その部分の写真をお送りいただければ判別できることがある。
この章の結論
材質でお断りしているのは、鉄心入りと油汚れの2つである。どちらも砕いたあとの行き先がなくなるもので、割れや汚れといった見た目の傷みとは別の話である。容リ材と海外製のパレットは、当社に販売先があるため、条件が合えば買い取る。これとは別に、レンタル会社の所有物は、売る権限がないため状態にかかわらずお引き受けできない。
4t車1台に満たない量が、なぜ有価にならないのか
材質に問題がなくても、数量が足りなければ成り立たない。ここで見ているのは枚数そのものではなく、車が1台立つかどうかである。
中古パレットの引取は、置場までトラックを回し、積み込んで、引取先まで運ぶ工程でできている。この運賃は、積んだ枚数が少なくても、ほとんど変わらない。片道の距離と車種で決まるためである。したがって1台あたりに積める量に近いところまで数量が寄っていないと、運賃が売却代金を上回る。当社が4t車1台という言い方をしているのは、この形が組めるかどうかの目安である。
当社の有価買取は100枚からとしている。この100枚は、4t車1台に積める数量の目安がおよそ100枚以上であることから来ている。枚数の下限を先に決めたのではなく、車が1台立つ形を枚数に置き換えたものである。したがって同じ100枚でも、置場が引取先に近ければ成立し、遠ければ運賃が売却代金を超えて成立しない。枚数・寸法・置場の3つが揃ってはじめて、有価かどうかが決まる。
査定のときに見ている順序
- 材質を見る。鉄心入りと油汚れに当たらないかを確認する。ここで外れた場合、以降は見ない
- 寸法と仕様の揃い方を見る。1100×1100などの規格品がまとまっているか、寸法がばらけているかで、再使用に回せる枚数が変わる
- 数量と車立てを見る。4t車1台の目安である100枚以上が揃っているか、次の便まで置いておける場所があるかを確認する
- 置場と運賃を見る。ここまでの3つが揃っていても、置場が遠ければ運賃が売却代金を超えて成立しない
産業廃棄物として出す場合について
有価で引き取る形が組めない場合、そのパレットは産業廃棄物として処理することになる。手続きや委託先の選び方は案件ごとに変わるため、本稿では扱わない。必要な場合は個別にご案内するので、お問い合わせいただきたい。
もう1つ、当社が買い取らない場合でも案件が止まるとは限らない。当社は中古パレット売買掲示板を公開している。当社が買主や売主になるとは限らず、条件の合う相手を掲示板の上で探す形である。数量が揃わない案件や、材質が特殊で当社の引取先に合わない案件は、こちらのほうが早いことがある。
この章の結論
数量の問題は枚数ではなく車立てである。4t車1台の目安は100枚以上で、これに満たない量では運賃が売却代金を上回り、有価で買い取る形が組めなくなる。
で、どうすればいいのか
ここに書くのは、売るかどうかの判断ではなく、問い合わせる前に手元で確かめられることである。この3つが分かっていれば、どの業者に聞いても回答が早くなる。
ACTION 01
材質を先に確かめる
パレットの裏側や側面に、メーカー名・品番・材質の表示がないかを見る。持ち上げたときに樹脂だけにしては重いものは、補強の金属が入っている可能性がある。油を扱う工程で使っていたものは、表面の汚れではなく染み込みの有無を見る。この3点が分かれば、前章の1つ目の関門は手元で判定できる。
ACTION 02
寸法ごとに分けて数える
置場で1つの山になっている場合は、寸法ごとに分けて枚数を数える。1100×1100、1200×1000といった規格ごとに何枚あるかが分かると、再使用に回せる分と原料に戻す分を分けて見積もれる。仕分けの手間に見合うかどうかは数量によるため、まず概数だけでも数えておく。
ACTION 03
置場の住所と、車が入れるかを伝える
問い合わせのときに、置場の市区町村までの住所、敷地に4t車が入れるか、フォークリフトと操作できる方がいるかを添える。運賃と積込の条件が決まるため、この3つがあると可否の回答が当日中に出せることが多い。写真は、山全体の引き、1枚の表、1枚の裏の3枚があれば足りる。
よくある質問
- 割れや汚れがあるプラスチックパレットは、買取の対象外になりますか
- 割れや欠け、汚れ、色あせは、それだけでお断りの理由にはなりません。再使用には回せなくても、材質が揃っていれば砕いて樹脂の原料に戻す道が残るためです。お断りしているのは、鉄心入りと油汚れがひどいものという材質の問題と、数量が足りない場合です。
- 100枚あれば必ず買い取ってもらえますか
- 100枚は、4t車1台に積める数量の目安と同じ線です。枚数だけを決めているのではなく、車が1台立つ形を枚数に置き換えたものです。そのため同じ100枚でも、置場までトラックを回す運賃が売却代金を上回れば有価で買い取る形が組めません。枚数・寸法・置場の3つが揃ってはじめて可否が決まります。
- 買い取ってもらえない場合、そのパレットは産業廃棄物になりますか
- 再使用にも再原料化にも回せない場合は、産業廃棄物として処理することになります。手続きや委託先の選び方は案件ごとに変わるため、この記事では扱っていません。必要な場合は個別にご案内しますので、お問い合わせください。
- 買取に対応しているエリアはどこですか
- 当社が買主または売主として取引するエリアは、関東・関西・中国・四国・九州です。回収については全国の最寄りの協力会社で対応しており、近畿エリアは回収を強化しています。古物商許可は千葉県公安委員会 第441370000913号です。
- R-1などの容リ材や海外製のパレットは買い取ってもらえますか
- どちらも条件が合えば買い取ります。容リ材であることや海外製であることを理由にお断りすることはありません。とくに海外製の軽量ワンウェイパレットは、国内のパレットと同じ条件で買い取ります。これらを買取の対象外としている会社もありますが、当社はこれらの販売先を持っているためお引き受けできます。ただし容リ材は再生材を原料にしているため、ほかの仕様のパレットと比べると単価は下がります。
- レンタルパレットも買い取ってもらえますか
- お引き受けできません。レンタル会社が所有するパレットは荷主様の資産ではないため、手元にあっても売却する権限がないためです。状態が良くても、枚数が揃っていても同じです。これは材質や汚れを理由にお断りする場合とは、理由の性質がまったく違います。なお、社名やロゴが成形されているだけであれば、自社で購入されたものはお引き受けできます。分かれるのは表示の有無ではなく、所有権が誰にあるかです。
- なぜプラスチックパレット株式会社がこの記事を書いているのですか
- 当社は中古プラスチックパレットの買取と、再生樹脂原料のお取扱いを行っています。買い取れる案件と買い取れない案件の両方を日々見ており、お断りする理由を説明する機会が多くありました。断る条件を先に開示したほうが、売る側も当社も無駄な往復を減らせると考え、この記事にまとめています。
出典・エビデンス一覧
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- レンタルパレットについての記載は一般的な扱いを示したものです。個別の契約内容はレンタル会社との契約書をご確認ください。
- 本稿の内容は2026年9月13日時点のものです。当社の運用は、樹脂の相場と引取先の受入条件によって見直すことがあります。
- 「4t車1台」「100枚から」は当社の運用上の目安であり、法令や業界団体が定めた基準ではありません。同じ品物でも、引取先の設備・樹脂の相場・置場の位置によって可否は変わります。
- 産業廃棄物としての取扱い、委託契約や管理票の手続きについては本稿では扱っていません。個別の案件に応じてご案内しますので、お問い合わせください。
- 本稿は情報提供を目的としたもので、特定の判断を推奨するものではありません。