サプライチェーン・レポート / 暮らしと値段

電子タバコと加熱式たばこの違い、値上げされるのはどれか、ベイプ・IQOS・VELOのたばこ税と値段

電子たばこと加熱式たばこは、見た目は似ていても法律上の扱いがまったく違います。加熱式たばこはたばこ葉を使う「たばこ」で、2026年は4月(グローは6月)と10月の2回値上げされました。ニコチンを含まない電子たばこはたばこではなく、たばこ税がかかりません。ベイプやVELOも含めて、どれが値上げの対象になるのかを整理しました。

初版公開: / 最終更新: / プラスチックパレット株式会社

ANSWER

加熱式たばこ(IQOS・プルーム・グロー)と口に含むVELOはたばこ税がかかる「たばこ」で、値段は財務大臣の認可で決まり、2027年4月からの国のたばこ税の引き上げも対象です。ニコチンを含まない電子たばこ(ベイプ)はたばこではないため、たばこ税はかからず、引き上げの対象にもなりません。

アイコス・テリア(20本)

640円

10月1日から。年初の580円から2回で60円上がった

VELO(1缶)

360円

2025年12月1日から全銘柄。報道による

ニコチンなしの電子たばこのたばこ税

0円

たばこ製品に当たらないため

この記事の要点

  • 加熱式たばこはたばこ葉を加熱して吸うたばこ、電子たばこはたばこ葉を使わず液体(リキッド)を加熱するもの、VELOは唇の裏に置いて使う口に含むたばこです。法律上たばことして扱われるのは、加熱式たばことVELOです。
  • たばこの値段は、メーカーが申請し財務大臣が認可した小売定価です。ニコチンを含まない電子たばこはたばこではないため、たばこ税がかからず、値段も販売する会社が決めます。
  • 加熱式たばこは、たばこ税の計算方法を重さで換算する方式に改めたことにあわせて、2026年に2回値上げされました。アイコス・テリアは年初の580円から10月に640円、プルーム・エボは550円から620円です。
  • 国のたばこ税は2027年4月から3年続けて1本あたり0.5円ずつ上がります。加熱式も口に含むたばこも紙巻たばこの本数に換算して税をかけるため、引き上げの対象です。電子たばこ(ニコチンなし)は対象外です。
  • 日本では、ニコチン入りのリキッドに医薬品医療機器等法の承認を受けた製品がなく、国内で売られている電子たばこはニコチンを含まないものです。海外から取り寄せたものにはニコチンが入っていることがあります。

電子たばこ・加熱式たばこ・VELOは何が違うか

違いは、たばこ葉を使うかどうかと、法律上「たばこ」として扱われるかどうかです。たばことして扱われるものにだけ、たばこ税がかかります。

加熱式たばこは、たばこ葉を燃やさずに加熱して、出てくる蒸気を吸います。アイコス(フィリップ モリス ジャパン)、プルーム(JT)、グロー(BATジャパン)がこれにあたります。電子たばこは、たばこ葉を使わず、液体(リキッド)を電気で加熱して出る蒸気を吸うもので、ベイプとも呼ばれます。

VELO(ベロ)は、白い小袋(パウチ)を唇の裏に置いて使う製品です。火もデバイスも使わず、燃やすことも加熱することもありません。BATジャパンは「オーラルたばこ」として売っており、依存性のあるニコチンを含むと説明しています。

3つの違いを一覧で

種類代表的な製品ニコチンたばこ税
加熱式たばこアイコス、プルーム、グロー含むかかる
口に含むたばこVELO含むかかる
電子たばこ(ベイプ)国内で売られているリキッド式の製品含まないかからない
紙巻たばこ(参考)メビウス、セブンスター含むかかる

出典:浜松市「たばこに関する情報、新型たばこ(加熱式たばこ・電子たばこ)に関する情報」、目黒区「加熱式たばこと電子たばこの違い」、BATジャパンの発表(2025年11月17日・2026年3月26日)。

電子たばこは「たばこ」ではない

日本では、ニコチンは医薬品の成分として扱われ、ニコチン入りのリキッドを売るには医薬品医療機器等法の承認が必要です。承認を受けた製品はなく、国内で売られている電子たばこはニコチンを含まないものです。

ニコチンを含まない電子たばこは、たばこ製品には当たりません。このため、たばこ税はかかりません。値段についても、たばこのような財務大臣の認可はありません。

ニコチンを含まなくても体への影響は報告されています

浜松市は、電子たばこについて、ニコチンを含まないだけで、発がん性物質などが検出されたという研究結果も報告されていると説明しています。また、加熱式たばこは販売から年数がたっていないため、長い期間での健康への影響はまだ分かっていないとしています。

この章の結論

加熱式たばことVELOはニコチンを含むたばこで、たばこ税がかかります。国内で売られている電子たばこはニコチンを含まず、たばこではないため、たばこ税はかかりません。

2026年に値上げされたのはどれか

2026年に大きく値上げされたのは加熱式たばこです。VELOはその前の2025年12月に改定され、電子たばこはたばこ税の改定とは関係がありません。

加熱式たばこは2026年に2回上がった

加熱式たばこのたばこ税は、これまで重さと値段を組み合わせて紙巻たばこの本数に換算していました。2025年度(令和7年度)の税制改正で、重さだけで換算する方式に改められ、2026年4月1日に半分、10月1日に残りの半分を切り替えました。

これにあわせて、加熱式たばこは2026年に2回値上げされました。JTは発表で、課税方式の見直しにともなう改定と説明しています。フィリップ モリス ジャパンとBATジャパンは、発表に改定の理由を書いていません。

銘柄年初1回目10月から年間の差
アイコス・テリア580円4月 620円640円+60円
アイコス・センティア530円4月 570円590円+60円
アイコス・ミックス510円4月 560円590円+80円
プルーム・エボ550円4月 580円620円+70円
プルーム・メビウス520円4月 550円590円+70円
プルーム・キャメル500円4月 530円570円+70円
グロー・ネオ500円6月 530円570円+70円
グロー・ケント(グロー・ハイパー用)500円6月 520円550円+50円
グロー・ラッキー・ストライク450円6月 480円500円+50円

出典:JT(2026年2月26日・8月5日)、フィリップ モリス ジャパン(2026年2月17日・8月26日)、BATジャパン(2026年8月18日)の発表、glo公式サイト(6月改定)、Impress Watch(グローの銘柄別の値段、2026年8月18日)。年間の差は当社の計算です。

アイコス・ミックスは年間で80円、プルームの3ブランドとグロー・ネオは70円上がりました。グロー・ヴァルト(グロー・ハイロ用)は6月には上がらず、10月に580円から600円になりました。

VELOは2025年12月に360円にそろった

VELOは2025年12月1日に、それまで320円と340円に分かれていた値段が、全銘柄360円にそろいました(報道による)。2026年10月1日のBATジャパンの改定は、グロー専用スティックが対象でした。

電子たばこの値段は販売する会社が決める

ニコチンを含まない電子たばこはたばこではないため、たばこ税の改定で値段が動くことはありません。値段は販売する会社が決めます。加熱式たばこのデバイス(本体)も、たばこそのものではないため、小売定価の認可の対象ではありません。

この章の結論

2026年は加熱式たばこが2回値上げされ、アイコス・テリアは640円、プルーム・エボは620円になりました。VELOは2025年12月から360円で、電子たばこはたばこ税の改定とは関係がありません。

2027年4月からのたばこ税の引き上げはどれが対象か

2027年4月から3年続けて、国のたばこ税が1本あたり0.5円ずつ上がります。紙巻たばこの本数に換算して税をかけるたばこは、すべて対象です。

国のたばこ税は、2027年4月1日に1,000本あたり7,302円、2028年4月1日に7,802円、2029年4月1日に8,302円へ上がります。道府県たばこ税と市町村たばこ税は変わりません。

たばこ税は、紙巻たばこ以外のたばこも紙巻たばこの本数に換算して、同じ税率をかけます。換算に使う量は次のとおりです。

たばこの区分紙巻たばこ1本にあたる量
加熱式たばこ(紙などで巻いたもの)0.35g
加熱式たばこ(それ以外)0.2g
葉巻たばこ・パイプたばこ1g
刻みたばこ・かみ用・かぎ用2g

出典:財務省「たばこ税等に関する資料」。重さが基準に満たない場合の扱いなど、細かな規定は省いています。

このため、税率の引き上げは、加熱式たばこにも、VELOのような口に含むたばこ(かみ用・かぎ用)にも、換算した本数を通じて及びます。ニコチンを含まない電子たばこはたばこではないため、対象になりません。

税が上がったぶんが値段にどう反映されるかは、各社の申請と財務大臣の認可で決まります。2026年10月4日時点で、2027年4月の改定は、当社が確認した範囲では発表されていません。

この章の結論

2027年4月からのたばこ税の引き上げは、紙巻たばこ・加熱式たばこ・口に含むたばこのすべてが対象です。ニコチンを含まない電子たばこは対象外です。

買う前に確かめる3つのこと

値段や使い方のルールを確かめるときの見方をまとめました。どれを選ぶかは読者の判断です。

加熱式たばこは銘柄ごとの改定日を確かめる

加熱式たばこの改定日は会社によって違います。2026年は、JTとフィリップ モリス ジャパンが4月1日と10月1日、BATジャパンが6月1日と10月1日でした。改定は財務大臣の認可を受けてから各社が発表するため、使っている銘柄の会社の発表で確かめられます。

電子たばこはニコチンが入っていないか確かめる

日本では、ニコチン入りのリキッドに医薬品医療機器等法の承認を受けた製品はありません。三重県は、インターネットでの個人輸入など、ニコチンが含まれているおそれのある製品に注意するよう呼びかけています。

使える場所のルールを住んでいる自治体で確かめる

加熱式たばこと電子たばこでは、使える場所のルールが違うことがあります。たとえば東京都目黒区では、加熱式たばこは紙巻たばこと同じく歩きたばこ・路上喫煙の禁止の対象で、電子たばこは区の規制の対象ではありません。ルールは自治体ごとに違います。

よくある質問

電子たばことIQOS(アイコス)は同じものですか
違います。アイコスはたばこ葉を加熱する加熱式たばこで、たばこ税がかかります。電子たばこは、たばこ葉を使わず液体(リキッド)を加熱するもので、国内で売られているものはニコチンを含まず、たばこ税はかかりません。
電子たばこ(ベイプ)も値上げされますか
ニコチンを含まない電子たばこはたばこではないため、たばこ税の引き上げの対象ではありません。値段は販売する会社が決めるため、たばこ税とは別の理由で変わることはあります。
VELO(ベロ)はいくらですか
報道によると、2025年12月1日から全銘柄が1缶360円です。それまでは320円または340円でした。VELOはBATジャパンが「オーラルたばこ」として売っている、ニコチンを含むたばこ製品です。
加熱式たばこは2026年に何回値上げされましたか
2回です。JTとフィリップ モリス ジャパンは4月1日と10月1日、BATジャパンは6月1日と10月1日に改定しました。アイコス・テリアは年初の580円から640円、プルーム・エボは550円から620円になりました。
なぜプラスチックパレット株式会社がこの記事を書いているのですか
当社は物流資材を扱っており、原材料や燃料、税制の変化が商品の値段に表れる仕組みを日々追っています。たばこの値段は税と小売定価の認可という仕組みで動くため、似た製品でも仕組みの内と外で値段の動き方が違うことを、一次資料をもとに整理しました。
出典・エビデンス一覧16件(公的機関5・報道や企業11)

公的機関の資料

メーカーの公表資料と報道

当社の関連記事

  • ※加熱式たばこの値段は、各社の発表(2026年8月27日に確認)による小売定価(税込)です。グローの銘柄別の値段と、VELOの値段は報道によります。
  • ※加熱式たばこの年間の差は当社の計算です。
  • ※VELOがたばこ税法の「かみ用」と「かぎ用」のどちらに当たるかは、BATジャパンの発表では確かめられませんでした。どちらも2gで紙巻たばこ1本に換算されます。
  • ※本稿は情報提供を目的としたもので、特定の製品の使用や判断を推奨するものではありません。

文:プラスチックパレット株式会社 編集部

「日用品・たばこの値上げ」の新しい記事

「日用品・たばこの値上げ」の記事をすべて見る(20本)

ほかのテーマ:テーマから探す

この記事は役に立ちましたか?
押すだけで送信されます。内容の改善に使います(個人を特定する情報は集めません)
トップへ戻る