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退会したのに情報が漏れたのはなぜか、タイムズカーの退会後7年保管と個人情報保護法の消去請求

何年も前に退会したのに、タイムズカーから「情報が漏れた」と連絡が来た人がいます。退会しても情報が残っていたのはなぜか、法律はどこまで保管を求めているのか、残っている情報を消してもらうことはできるのか。タイムズカーの公表、国税庁と国土交通省の資料、個人情報保護法の条文とガイドラインをもとに整理しました。

初版公開: / 最終更新: / プラスチックパレット株式会社

ANSWER

タイムズカーは、退会後も氏名・住所・生年月日を税法等に基づき7年、運転免許情報と画像をなりすまし対策などのため7年保管していたと説明しています。個人情報保護法35条5項は、利用する必要がなくなった場合や報告が必要な漏えいが起きた場合に、本人が消去を求められると定めています。法令で保存が義務づけられた情報は、期間が終わってからの消去になることがあります。

漏れたアカウント(退会者などを含む)

約660万件

タイムズカー第2報

退会後の保管期間(タイムズカーの説明)

7年

氏名・住所・生年月日、免許情報と画像

レンタカーの貸渡簿の保存期間

2年

貸渡しの終了日から。免許証の番号を記録

この記事の要点

  • タイムズカーの第2報によると、漏れた約660万アカウントには、退会した人と、入会を申し込んだものの手続きを終えていない人も含まれます。退会者への個別の案内は10月1日から順に始まりました。
  • タイムズモビリティのFAQは、退会後も氏名・住所・生年月日を税法等に基づき7年、運転免許情報と画像をなりすまし対策や問い合わせ対応のため7年保管していると説明しています。
  • 国税庁によると、法人の帳簿書類の保存期間は7年です。レンタカーの貸渡簿は、運転免許証の番号を書き、貸渡しの終了日から2年保存するよう求められています。免許証の画像の保存を求める決まりは、当社が調べた範囲では見当たりませんでした。
  • 個人情報保護法22条は、利用する必要がなくなった個人データを遅滞なく消去するよう努めることを求めています。ガイドラインは、法令で保存期間が定められている場合はこの限りでないとしています。
  • 35条5項では、利用する必要がなくなった場合や漏えいが起きた場合に、本人が利用停止や消去を求められます。ただし法令で保存が義務づけられた情報は、保存期間が終わってから消去すると約束する対応も認められています。

退会した人の情報も漏れた

タイムズカーで漏れた約660万アカウントには、今の会員だけでなく、すでに退会した人の情報も含まれていました。

漏れた範囲

タイムズカーを運営するタイムズモビリティは、9月25日9時7分にWebシステムへの不正アクセスを検知しました。9月28日の第2報で、漏れたアカウントは約660万件で、タイムズカーの会員と退会した人、入会を申し込んだものの手続きを終えていない人、タイムズビジネスサービスの会員と退会した人が含まれると公表しました。

漏れた項目は人によって違い、氏名、住所、生年月日、電話番号、メールアドレス、運転免許情報、免許証画像などの本人確認書類の情報、パスワード(復元できない形式で保管)、連携サービスIDです。クレジットカード情報は漏れていないとしています。

退会した人への連絡

同社のFAQによると、退会した人への個別の案内は10月1日から順に始まりました。登録されている連絡先が今も使えるとは限らないため、問い合わせフォームで「退会済み会員様の個人情報漏えいについて」を選び、退会時の登録情報を送るよう求めています。記入してから2週間程度をめどに案内するとしています。

タイムズカーの公式FAQでは、もともと「退会後約7年間」保管し、その後に消去すると説明していました。7年前は2019年の秋にあたり、それ以降に退会した人の情報が残っていた計算です(当社の計算)。

この章の結論

漏れた約660万アカウントには、退会した人と入会を終えていない人も含まれます。退会した人は、連絡先が古い場合に備えて、問い合わせフォームから登録時の情報を送れます。

なぜ7年も保管していたのか

タイムズカーは、保管の理由を情報ごとに分けて説明しています。法律が保存を求めている情報と、会社の判断で残している情報があります。

タイムズカーの説明

10月1日に公表したFAQで、同社は「退会後も個人情報を保管しているのはなぜか」という質問に、次のように答えています。

情報タイムズカーの説明保管の理由
氏名・住所・生年月日退会後7年税法等に基づく
運転免許情報・免許証の画像退会後7年なりすまし対策や問い合わせ対応のため

出典:タイムズモビリティ「タイムズカーWebサイトへの不正アクセスに関するご質問と回答」(2026年10月1日、10月6日更新)のQ8。

氏名・住所・生年月日は法令を理由に、免許証の画像はなりすまし対策や問い合わせへの対応という会社の運用を理由に、同じ7年としています。

決まりが求めている保存

会社には、法令や許可の条件で保存が決められている記録があります。主なものを並べました。

決まり保存するもの期間
法人税法(国税庁の案内)帳簿と取引に関する書類確定申告の期限の翌日から7年(欠損金が出た年度などは10年)
レンタカー(自家用自動車有償貸渡)の許可の条件貸渡簿(借りた人・運転する人の氏名と住所、免許の種類と運転免許証の番号など)貸渡しの終了日から2年
個人情報保護法22条利用する必要がなくなった個人データ遅滞なく消去するよう努める(法令で期間が決まっていればその期間)

出典:国税庁 タックスアンサーNo.5930、国土交通省 北陸信越運輸局長野運輸支局「自家用自動車有償貸渡許可申請事案の処理方針について」(2022年6月1日改正)、個人情報保護法22条と個人情報保護委員会のガイドライン(通則編)。2026年10月8日に確認。

カーシェアは、レンタカーと同じ道路運送法の貸渡しの許可を受けて営業しています。長野運輸支局の処理方針では、貸渡簿に書くのは運転免許の種類と番号で、免許証の画像を残すよう定めた項目はありません。免許証の画像の保存を義務づける決まりは、当社が調べた範囲では見当たりませんでした。

税法が求めるのは帳簿と取引の書類の保存で、会員情報のどの項目をいつまで残すかは、会社が判断している部分があります。どの情報を何年残すかが、漏えいしたときに影響を受ける人の数を左右します(当社の見方)。

この章の結論

氏名・住所・生年月日は税法等を理由に、免許証の画像はなりすまし対策などの会社の運用を理由に、どちらも7年保管していました。貸渡簿で求められるのは免許証の番号で、期間は2年です。

残っている情報の消去を求められるか

個人情報保護法には、会社が持つ自分の情報について、利用の停止や消去を求める権利があります。漏えいが起きたことも、求める理由になります。

35条5項で求められる場合

個人情報保護法35条5項は、本人が利用停止や消去を求められる場合として、次の3つを挙げています。会社がその情報を利用する必要がなくなった場合、その情報について報告が必要な漏えいなどが起きた場合、本人の権利や正当な利益が害されるおそれがある場合です。

個人情報保護委員会のガイドラインは、「利用する必要がなくなった」とは、利用目的が達成されて情報を持ち続ける合理的な理由がなくなった場合などをいうとしています。請求に理由があれば、会社は本人の権利利益の侵害を防ぐのに必要な限度で、遅滞なく利用停止や消去をしなければなりません(35条6項)。利用の停止で対応し、消去まではしない場合もあります。ここでいう消去には、データを削除するほか、特定の個人を見分けられないようにすることも含まれます。

すぐには消えない場合

利用停止や消去に多額の費用がかかる場合など、対応が難しいときは、本人の権利利益を守るための代わりの措置でもよいとされています。ガイドラインは、その例として、ほかの法令で保存が義務づけられている情報を、保存期間が終わってから消去すると約束する場合を挙げています。

会社は、消去したときも、しないと決めたときも、遅滞なく本人に知らせなければなりません(35条7項)。しない場合は、理由を説明するよう努めることになっています(36条)。税法で残す帳簿の情報はすぐに消えないことがありますが、保存の決まりがない免許証の画像などは、求める余地があると考えられます(当社の見方)。

この章の結論

35条5項では、利用する必要がなくなった場合や漏えいが起きた場合に消去を求められます。法令で保存が義務づけられた情報は、期間が終わってからの消去を約束する対応も認められています。

退会した人と、これから退会する人が確かめる3つのこと

タイムズカーの公表と、個人情報保護法の条文・ガイドラインをもとにまとめました。会社に求めるときは、各社が定めた窓口と手順に沿って申し出ます。

タイムズカーを退会した人は、問い合わせフォームで自分の情報が含まれるか確かめる

タイムズカーは、退会した人の連絡先が今も使えるとは限らないとして、問い合わせフォームから退会時の登録情報を送るよう求めています。タイトルは「退会済み会員様の個人情報漏えいについて」を選び、記入から2週間程度をめどに案内があるとしています。

残っている情報を消してほしいときは、理由を書いて会社の窓口に求める

個人情報保護法35条5項は、利用する必要がなくなった場合や漏えいが起きた場合に、利用停止や消去を求められると定めています。会社が受け付けの方法を定めた場合は本人が知り得る状態に置くことになっているため、プライバシーポリシーなどで「開示等の請求」の窓口を確かめ、その手順に沿って申し出ます。

これから退会するサービスでは、退会後の保存期間と本人確認書類の扱いを見る

退会後に何をどれだけ残すかは、サービスのプライバシーポリシーやFAQに書かれていることがあります。免許証などの画像を登録したサービスでは、退会のときに、画像の削除や保存期間を問い合わせておくと、残る情報を減らせます。

よくある質問

退会すれば、登録した情報はすぐに消えますか
すぐに消えるとは限りません。タイムズカーは、退会後も氏名・住所・生年月日と運転免許情報・画像を7年保管していたと説明しています。退会後の扱いは、サービスごとのプライバシーポリシーやFAQで確かめられます。
7年の保管は法律で決まっているのですか
法人の帳簿書類は、国税庁の案内で7年の保存が求められています。一方、レンタカーの貸渡簿で求められるのは運転免許証の番号で、期間は2年です。タイムズカーは、免許証の画像はなりすまし対策や問い合わせ対応のために7年保管していたと説明しています。
会社に自分の情報の消去を求めることはできますか
個人情報保護法35条5項により、会社が利用する必要がなくなった場合や、その情報の漏えいが起きた場合などに、利用停止や消去を求められます。法令で保存が義務づけられた情報は、保存期間が終わってから消去する対応になることがあります。
入会の手続きを途中でやめた人の情報も漏れましたか
漏れた可能性があります。タイムズカーは、漏れた約660万アカウントに、入会を申し込んだものの手続きを終えていない人も含まれると公表しています。
なぜプラスチックパレット株式会社がこの記事を書いているのですか
当社もタイムズカーの法人会員で、漏えいを知らせる連絡を受け取りました。退会した人や、これから退会する人が自分の情報の扱いを確かめられるよう、公表資料と法律の条文をもとに整理しました
出典・エビデンス一覧9件(公的機関や法令4・企業や報道5)

公的機関の資料と法令

企業の公表と報道

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  • ※タイムズカーの公表は2026年10月8日に確認したものです。同社は調査結果をあらためて報告するとしており、内容が変わる可能性があります。
  • ※法令の条文は2026年10月8日にe-Gov法令検索で確認したものです。2026年7月に公布された改正個人情報保護法の施行後は、条文が変わる可能性があります。
  • ※「免許証の画像の保存を義務づける決まりは見当たらない」は、当社が調べた範囲での結論です。
  • ※本稿は情報提供を目的としたもので、法的な判断を代行するものではありません。個別の対応は弁護士や消費生活センター、個人情報保護委員会の相談窓口に相談してください。

文:プラスチックパレット株式会社 編集部

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