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イラン情勢がお中元商戦を直撃|2026年人気ランキングと法人ギフトの価格高騰実態
SUMMER GIFT MARKET REPORT 2026

イラン情勢がお中元商戦を直撃|2026年人気ランキングと法人ギフトの価格高騰実態

2026年2月末の米イスラエルによるイラン攻撃を発端とした「ナフサショック」が、夏ギフト商戦の値札を書き換えている。食用油・ハム・ソーセージ・果汁飲料・食品包装フィルム・宅配運賃の同時値上げで、お中元の調達コストは多層的に上昇。法人購入を控える企業のために、人気ランキング・カテゴリ別値上げ実態・経費処理・発注スケジュールを実証データで整理する。

初版公開 最終更新 カテゴリー物価・サプライチェーン分析
ANSWER BLOCK

2026年お中元はカテゴリにより5〜30%の値上げが連鎖している。食用油11〜16%(J-オイルミルズ6月1日納品分)、ハム・ソーセージ5〜30%(丸大食品7月1日出荷分)、食品包装フィルム35%以上(エフピコチューパ6月1日出荷分)、宅配運賃約10%(ヤマト2025年10月実施分)の同時値上げで、定番3,000〜5,000円帯の中身は実質縮小局面にある。

食用油値上げ率
11〜16
% 家庭用
ハム・ソーセージ
5〜30
% 約200品目
食品包装フィルム
35
%以上
包装資材要因
69.9
% 過去最多

1. なぜイラン情勢がお中元市場を揺らすのか

2026年2月28日、イスラエルとアメリカ合衆国はイラン各地への大規模軍事作戦を開始した。これに伴いイラン革命防衛隊はホルムズ海峡を海上封鎖し、4月7日に一時停戦合意が成立した後も、商業通航は1日数隻という極端な低水準で推移している(global-scm.com 2026年4月28日報告)。商船三井・日本郵船・川崎汽船の邦船大手3社はいずれも通航を停止しており、商船三井の田村社長は4月10日の取材で「停戦の当初合意期間より後にホルムズ海峡を通過する船を送る判断は現段階でならない」と発言。本記事執筆時点の2026年6月14日現在も、ホルムズ海峡は「全面封鎖ではないが商業的に機能していない」状態が継続している。

お中元商戦にとっての問題は「原油そのものの値段」ではない。お中元の中身を構成する食用油・加工肉・果汁飲料・スイーツと、それらを包むフィルム・トレー・化粧箱、さらに届け先まで運ぶ宅配便のほぼ全てが、ナフサ由来の樹脂や燃料・人件費と直結する構造的な依存関係にある。

株式会社帝国データバンクの2026年4月調査によると、2026年内の飲食料品値上げで「原材料高」を要因とする値上げは99.6%に達し、集計開始の2023年以降で最高水準を記録した。「包装・資材」を要因とする値上げは69.9%と、前年同月の60.2%を大幅に上回り、年間ベースで過去最多ペースで推移している。

ナフサショックがお中元を直撃する4経路

食用油・果汁飲料は原料・燃料代替需要で相場が高止まり、②ハム・包装肉は石油由来フィルムと豚肉のダブル高、③菓子・缶詰・ゼリーは化粧箱・OPP包装の樹脂高で間接コスト膨張、④宅配便は人件費と燃料費の二重高。お中元商品の調達は、これら4経路が同時に効いてくる。

2. 2026年お中元市場の現状とトレンド

2026年のお中元商戦は、各百貨店が例年通り6月1日前後にオンライン予約を開始した。三越伊勢丹オンラインストアは6月1日10時〜8月3日10時を会期に設定し、伊勢丹「2026 夏の贈り物カタログ」も冷茶をモチーフにした新ビジュアルで展開中である。高島屋・大丸松坂屋・西武そごう・小田急・京王・東武の各百貨店も主要ECモールと並んでギフト受注を開始している。

お中元の相場は、リメギフ等の業界解説によると3,000〜5,000円が主流で、上司・取引先には5,000〜10,000円が標準とされる。三越伊勢丹2026年カタログでも、〈ヨックモック〉アソルティモン ドゥ ビスキュイ3,240円、〈アサヒ〉スーパードライ5,500円、〈赤坂柿山〉ななこ夏5,400円、〈フィーカ〉夏のスイーツアソート3,240円といった主力ラインナップが、3,000〜5,500円帯に厚く配置されている。

2-1. 価格据置・容量調整型ギフトの増加

2026年のお中元商品では、メーカー出荷価格の値上げを店頭価格に全額転嫁するのではなく、同一上代を維持しつつ内容量・点数を微調整する運用が増えていると報じられている。具体的な前年比内容量データは個別商品単位で公開されないため、本記事として確定的な縮小率は提示しないが、見積もり比較時には本数・グラム数・セット点数での確認が実務的に重要となる。

2-2. 法人需要と個人需要の二極化

市場全体としては、法人ギフトは特定取引先・役員層へ絞り込む傾向が定着しており、その分カジュアル化した個人間ギフトや、ふるさと納税を活用した夏ギフトが伸びている。三越伊勢丹は2026年も「ふるさと納税のお中元2026」を展開しており、寄附を通じてお中元を贈る選択肢が定着しつつある。価格高騰局面で法人予算が頭打ちとなる中、「件数を絞って単価を維持する」運用と「ふるさと納税で実質負担を抑える」運用の組合せが現実解となりつつある。

3. カテゴリ別・価格変動の実態

以下は2026年に発表・実施された主要メーカーの値上げ事例である。お中元の中核品目を抽出した。

カテゴリ メーカー 値上げ率 実施時期 背景
食用油(家庭用) J-オイルミルズ 11〜16% 2026年6月1日納品分 中東情勢緊迫による原油高、原料相場高止まり、物流費・包装資材コスト上昇
食用油(業務用一斗缶等) J-オイルミルズ 17〜22% 2026年6月1日納品分 同上。飲食店・工場向け大容量で値上げ幅が拡大
食用油(家庭・業務用) 日清オイリオグループ 最大14% 2026年4月1日納入分 バイオ燃料需要、エネルギー費・物流費・包材・人手不足
ハム・ソーセージ等 丸大食品(約200品目) 5〜30% 2026年7月1日出荷分 中東情勢で物流費・包材費増、スペイン産豚肉輸入停止、調達先南米拡大
ハム・ソーセージ・加工食品 伊藤ハム米久HD 段階的改定 2026年7月1日出荷分 家畜疾病、国際情勢緊迫化、原材料・ユーティリティ・物流・人件費上昇
家庭用飲料(トマト・野菜系等) カゴメ(104品目) 5.9〜19.1% 2026年2月納品分 主力トマトジュース・野菜生活100等。原材料・包材・物流費上昇
果汁・炭酸飲料(オレンジ系含む) 飲料各社(6月614品目) 原材料高90.7% 2026年6月以降順次 オレンジ・カカオ・コーヒー等の輸入原料不作。お中元ジュースギフト直撃
食品包装フィルム(規格OPP防曇) エフピコチューパ 35%以上 2026年6月1日出荷分 原油・ナフサ供給逼迫、樹脂・添加剤等の主要原材料価格上昇
ラミネート製品(食品向け包材) 大倉工業 30%以上 2026年6月1日出荷分 中東情勢不安による原油・ナフサ調達環境悪化
グラビアインキ(化粧箱印刷) 東京インキ 30%以上 2026年6月1日出荷分 原油・ナフサ供給逼迫、顔料・樹脂・添加剤・溶剤上昇
宅配運賃(個人向け基本) ヤマト運輸 平均約10% 2025年10月実施済 2024年問題以降の人件費上昇、ドライバー不足。2026年も継続トレンド
ビール系飲料(参考) アサヒ・キリン・サントリー・サッポロ 5〜12% 2025年4月実施済 ※2026年4月は値上げなしの安定カテゴリ。10月の酒税改正はビール下げ・発泡酒上げで、お中元時期には影響なし

この表が示す通り、お中元の中核を成す食品本体(油・肉加工品・果汁飲料)・外装(フィルム・箱・インキ)・配送(宅配運賃)の3層が同時に二桁%の値上げを実施している。仕入れ単価ベースで、ギフトセット1個あたりの原価は前年比で確実に上昇しており、店頭価格や定価への転嫁・内容量調整は今夏以降さらに進む見通しである。

4. 見落とされがちな「配送料金」の上昇

お中元は実質的に「商品+配送料込み」の価格体系で、配送コストの上昇は商品価格に直結する。法人購買担当者が見落としやすい論点である。

ヤマト運輸は2025年10月に平均約10%の個人向け運賃値上げを実施し、佐川急便も2026年4月にマテリアル資材を含む料金改定を行った。2024年問題(ドライバー時間外労働規制の厳格化)の施行以降、運送業の人件費上昇が固定費構造を直接押し上げており、運輸業で5%以上の賃上げを実施した企業は40.5%に達した。これらは2026年お中元シーズンの百貨店・通販事業者の物流コストに既に反映されている。

百貨店の「全国送料無料」キャンペーンも、内訳としてはこの上昇分を商品マージン側で吸収しており、無料化が継続できる商品単価のラインは年々上昇している。3,240円台のスイーツアソートが「送料無料」で成立する裏には、メーカー出荷価格・百貨店マージン・物流費の三者間で苦しい配分調整が続いている事実がある。

法人発送の配送実務ポイント

件数が多い法人発送では、①早期予約による旧運賃適用、②同一住所への複数件まとめ送り、③地域別配送日指定で繁忙日を避ける、④百貨店外商口座の活用、の4点で実質的な配送コストを抑えられる。とくに7月初旬・お盆前は宅配便が繁忙ピークとなり、追加料金や指定日不可となる事例がある。

5. 2026年お中元 人気ランキング(本記事による総合評価)

主要百貨店のオンラインカタログ・売れ筋一覧、業界解説(リメギフ・小田急百貨店オンラインコラム等)、おとなの週末お取り寄せ倶楽部の2026年6月インターネット調査(有効回答1,000件)を総合し、本記事独自に整理した順位である。読者自身の取引先構成・予算・地域により最適解は変動する点をご了承いただきたい。

01

ビール・ビールテイスト飲料

2025年4月の大手4社一斉値上げ(5〜12%)を経て、2026年4月時点では目立った価格改定なし。アサヒ「スーパードライ」5,500円、サントリー「ザ・プレミアム・モルツ」など中元定番セットが安定して上位。2026年10月の酒税改正でビールは値下げ予定だが、お中元(7〜8月)には影響しない。

PRICE STABLE / 法人定番
02

フルーツ・フルーツゼリー

桃・さくらんぼ・メロン・マンゴーの生フルーツ、千疋屋系の高級ゼリーが堅調。原料相場と物流費上昇の影響を受けつつ、見栄え・季節感で「お中元らしさ」を確保しやすい。包装フィルム高騰の影響は受けるが、化粧箱グレードを保ちつつ単価を維持しやすいカテゴリ。

SEASONAL / 富裕層向け
03

ハム・ソーセージギフト

日本ハム・伊藤ハム・丸大食品・プリマハムの大手4社で市場の約7割を占める定番。2026年7月1日出荷分から5〜30%の値上げが本格化するため、6月中の早期予約と価格据置キャンペーン活用が特に重要。OPP・ラミネートフィルムの値上げ影響も二重に被るカテゴリ。

PRICE UP 確定 / 早期予約必須
04

洋菓子・焼き菓子アソート

ヨックモック「アソルティモン ドゥ ビスキュイ」3,240円、フィーカ「夏のスイーツアソート」3,240円など、3,000円台の主力価格帯。カカオ高騰でチョコレート系は上振れ、ビスケット・クッキーは比較的安定。化粧箱・個包装フィルムの値上げが利益率を圧迫しており、上代維持が困難になりつつある。

PACKAGING COST UP / 上代維持困難
05

うなぎ・海産物・缶詰アソート

夏の特別感を演出する定番。三越伊勢丹限定の海苔・かに缶詰・あわび缶詰・ほたて貝柱缶詰アソートが5,000円台後半で主力。缶詰本体は石油直接由来ではないものの、ラミネート印刷・外箱の値上げ影響を受ける。うなぎは資源価格に加え物流費・包材費の二重高。

PREMIUM / 役員・主要取引先向け
06

そうめん・うどん・蕎麦

保存性・夏らしさ・万人受けの三拍子が揃う伝統的定番。野菜練り込みなどの華やかな素麺が登場し、Z世代・若手社員にも受け入れられる。乾麺自体の値上げは比較的緩やかだが、化粧箱・包装フィルムの高騰により実質的な原価上昇が進む。

SAFE CHOICE / 万人向け
07

野菜ジュース・果汁飲料ギフト

カゴメ「野菜生活100ギフト」「すこやかファミリーギフト」「つぶより野菜」などの定番セット。カゴメは家庭用飲料104品目を2026年2月納品分から5.9〜19.1%値上げ済みで、出荷価格は既に新水準。健康志向ギフトとして取引先・社員双方に贈りやすく、6月時点の店頭価格は比較的落ち着いている。

HEALTH GIFT / 値上げ済み新水準
08

アイス・ジェラート・冷菓ギフト

「夏に涼を感じる」軸の代表格。〈きんつば中田屋〉能登大納言アイス最中5,670円など、和洋問わず展開。低温流通コスト・包装フィルム・パッケージインキの三重高で、価格据置が最も難しいカテゴリの一つ。クール便運賃の上昇も直接効く。

COLD CHAIN COST UP
09

カタログギフト

価格高騰局面で再評価が進むカテゴリ。届け先が受取後に商品を選べるため、メーカー側は柔軟に商品構成を入れ替えてコスト調整できる。法人がBCP(事業継続)と物価変動リスクをヘッジする手段として、2026年お中元では選択頻度が上昇している。配送1回で済むため宅配運賃上昇の影響も小さい。

FLEXIBILITY / 法人推奨度UP
10

eギフト・デジタルギフト

受取人がスマホで商品を選んで受け取る形態。配送先住所が不要なため、住所変更・転勤・新規取引先など住所未確定のケースで強い。物価高による予算管理の難しさを「金額固定・商品変動」で吸収できるため、若手取引先・カジュアル接点向けに2026年は採用率が上昇している。

DX TREND / 住所不要

6. 法人購入のための実務ポイント

6-1. 発注スケジュール(2026年版)

2026年お中元の発注は、例年以上に「日程ごとの意味」が大きい。価格据置キャンペーン期限・包装資材値上げの本格化・宅配ピークの3点が、6月後半から7月前半に密集している。

〜6月20日
早期予約割引・送料無料の最厚期。各百貨店の早割キャンペーンが集中。取引先リストの最新化・住所確認・予算配分を完了させたい。
〜6月30日
ハム・ソーセージは旧価格の最終局面。丸大食品・伊藤ハム米久HDの7月1日出荷分値上げ前に発注確定するなら、この週がリミット。
7月初旬
関東を中心にお中元の到着ピーク。宅配便も繁忙ピークで、指定日不可・追加料金事例あり。新価格在庫への切替が本格化。
〜7月15日
東日本(関東)のお中元慣習期限。これを過ぎる場合、表書きを「暑中御見舞」に変更する判断が必要となる。
〜8月15日頃
西日本(関西)のお中元慣習期限。地域別の届け先がある法人発送では、配送指定日を分けて手配する。
8月16日〜
「残暑御見舞」に切り替える時期。発注タイミングを逃した場合の救済策として、商品選定・のし表書きを変更して対応可能。

6-2. カテゴリ選定の優先順位

価格安定性を優先

ビール系飲料(2025年に値上げ済みで2026年は安定)、生フルーツ(包材依存度が比較的低い)、カタログギフト(メーカー側で構成調整可能)、eギフト(金額固定)。

取引先への印象を優先

うなぎ・缶詰アソート・千疋屋系フルーツゼリー。高単価帯(5,000〜10,000円)は包材高騰の影響を相対的に受けにくく、見栄えを維持しやすい。

件数を絞って単価維持

主要取引先・役員層に絞り、1件あたり7,000〜10,000円帯の限定ギフトを選定。三越伊勢丹限定・百貨店限定の表示は受取側の印象を強化する。

BCP・分散発注

百貨店2〜3社・ECモール・ふるさと納税ギフトを組み合わせる。1社に依存せず、欠品時の代替を確保。住所未確定先にはeギフトで対応。

6-3. 複数発送先の管理

10件を超える発送がある場合は、百貨店の法人向け一括受注サービスを活用するのが効率的である。三越伊勢丹「ビジネスギフト」、高島屋「法人ギフト相談デスク」、大丸松坂屋「法人外商」、SEIBU SOGO e.デパートの法人窓口など、各百貨店が住所一括登録・分配伝票・請求書一括発行に対応している。配送日地域別指定、のし表記の取引先名一括入力、月締請求への対応など、個別発注では実現しにくい運用が可能となる。

7. 経費処理の論点(一般的な整理)

法人がお中元を経費計上する際の勘定科目は、贈る相手と目的によって以下の通り整理される。具体的な処理は顧問税理士に確認のうえ実施されたい。

贈る相手 主な勘定科目 留意点
取引先・仕入先・得意先 接待交際費 事業に関係ある贈答は接待交際費が原則。法人は年間800万円までの損金算入特例あり(資本金1億円以下等の要件)。1件1万円程度までが税務上の妥当範囲とされる。
従業員(社員旅行・慶弔以外の慰労) 福利厚生費 社内規定に基づき全従業員に公平な取扱いがなされていることが要件。一部社員のみへの偏った支出は給与扱いとなるリスクあり。
不特定多数(広告効果を意図) 広告宣伝費 カレンダー・うちわ・社名入り粗品など、宣伝効果が明確な物品が対象。配布対象が限定的・宣伝効果が不明確だと否認されるリスクあり。
政治家・国家公務員 贈答禁止。「収賄」と捉えられる恐れがある。医師・病院関係者・受贈拒否方針の企業も同様に注意。

※換金性の高い金券・ギフトカード・ネットショッピング型のギフトコードは、税務署から経費性を否認されやすい点に注意。お中元実費に対する送料・直接訪問の交通費は、本体と同じ「接待交際費」で処理可能。

8. 今後の見通し|夏以降の値上げラッシュ再燃リスク

帝国データバンクの2026年4月調査によると、2026年5月単月の飲食料品値上げは70品目にとどまり、6月906品目・7月952品目と前年水準を下回って推移している。一見すると「値上げラッシュは一服」に見えるが、報告書は「中東情勢の影響を受けて食品包装などでは大幅な値上げが相次いでおり、早ければ今夏以降、ナフサ不足を要因とした値上げラッシュの可能性がある」と明確に警告している。

実際、食品包装フィルム・ラミネート・グラビアインキの値上げは2026年6月1日出荷分から本格化しており、その影響が食品本体の店頭価格に転嫁されるのは、原材料在庫の入れ替わる2026年秋〜冬のタイミングとなる可能性が高い。お中元シーズンは値上げの「過渡期」に位置しており、お歳暮時期にはさらに大きな価格改定が控えていると見るのが現実的である。

法人ギフト戦略としては、2026年お中元で大きな選定変更を行うよりも、2026年お歳暮を見据えた価格・サプライヤー両面の備えを始めることが合理的な選択肢となる。お中元はやや小ぶりに、お歳暮で集中投資する設計も検討に値する。

お中元購入チェックリスト(2026年版)

  • 取引先リストの最新化:6月20日までに住所・部署・担当者変更を反映。
  • 予算配分:A(5,000〜10,000円)・B(3,000〜5,000円)・C(〜3,000円)の3段階で単価設定。
  • 旧価格在庫の確認:百貨店外商に「7月1日値上げ前の旧価格在庫」の有無を6月中に問合せ。
  • 配送地域別の到着希望日設定:東日本〜7/15、西日本〜8/15のラインで分配。
  • カテゴリ分散:1カテゴリ集中ではなく、ビール・カタログ・ハム・eギフトを組み合わせて欠品リスク分散。
  • 経費科目の事前確認:取引先=接待交際費/従業員=福利厚生費/不特定多数=広告宣伝費。顧問税理士との擦り合わせ。
  • 1万円超のギフトは要稟議:税務上の妥当範囲を超える場合、社内承認フローを通す。
  • 住所未確定先はeギフト:転勤・新規取引先・在宅不確定先はデジタルギフトで対応。
  • お礼状の受領管理:法人発送ではお礼状の到着で配送完了を確認する運用が望ましい。
  • お歳暮の早期予算化:秋〜冬の追加値上げを見据え、2026年下半期予算で前倒し確保。

9. よくある質問(FAQ)

2026年のお中元はどのくらい値上がりしましたか
カテゴリにより5〜30%の値上げが連鎖している。食用油は家庭用で11〜16%(J-オイルミルズ6月1日納品分)、業務用一斗缶等は17〜22%、ハム・ソーセージは丸大食品が約200品目で5〜30%(7月1日出荷分)、食品包装フィルムは35%以上、家庭用飲料はカゴメで5.9〜19.1%、宅配運賃は約10%(ヤマト2025年10月実施分)。お中元セット全体の価格転嫁は今夏から本格化する局面にある。
イラン情勢とお中元の値上げはどう関係していますか
2026年2月末のイラン攻撃以降、ホルムズ海峡経由の原油・ナフサ供給が逼迫し、樹脂・包装フィルム・印刷インキの価格が急騰した。お中元商品は食品本体だけでなく、外装フィルム・化粧箱・個包装に大量のナフサ由来素材を使うため、原料相場上昇が二重に転嫁される構造となっている。さらに宅配運賃の上昇が加わる多層構造。
法人ギフトで価格上昇の影響を最小化するには
6月中の早期予約で旧価格を確保すること、ビールや生フルーツなど包材依存度が比較的低いカテゴリを選ぶこと、カタログギフトやeギフトでメーカー側に構成調整を任せること、件数を絞って単価を維持すること、百貨店の法人一括受注サービスを活用すること、の5点が実務的に有効である。
2026年お中元の予算相場はいくらが妥当ですか
個人間は3,000〜5,000円が主流、上司・取引先は5,000〜10,000円が標準。2026年は包装資材・原材料の同時値上げにより、同じ予算でも前年同等の内容量・グレードを維持しにくいため、重要取引先には7,000〜10,000円帯のグレード設定が現実的となっている。なお税務上は1件1万円程度までが接待交際費の妥当範囲とされる。
お中元の経費はどの勘定科目で処理しますか
取引先・仕入先・得意先への贈答は「接待交際費」、従業員への慰労(社内規定に基づき全員公平)は「福利厚生費」、不特定多数への宣伝目的贈答は「広告宣伝費」が原則。送料・直接訪問の交通費も同じ科目で処理可能。換金性の高い金券・ギフトカードは経費性を否認されやすい点に注意。具体的な処理は顧問税理士に確認されたい。
ホルムズ海峡は現在どうなっていますか
2026年4月7日の一時停戦合意後も、商業通航は1日数隻という極端な低水準で推移している。日本の海運大手3社(商船三井・日本郵船・川崎汽船)は通航停止を継続しており、本記事執筆時点の2026年6月14日現在も「全面封鎖ではないが商業的に機能していない」状態が続く。ナフサ調達網は2027年春頃までの長期影響が見込まれており、お歳暮以降にさらに大きな価格改定リスクがある。
お歳暮はもっと値上がりしそうですか
食品包装フィルム・ラミネート・グラビアインキの値上げが2026年6月1日出荷分から本格化しており、その店頭価格への転嫁は秋〜冬に顕在化する見通し。帝国データバンクも「今夏以降、ナフサ不足を要因とした値上げラッシュ再燃の可能性」を警告している。お歳暮時期にはお中元以上の価格改定が想定される。
なぜプラスチックパレット株式会社がこの記事を書いているのですか
当社は物流・梱包のインフラとしてプラスチックパレットを供給しており、食品・包装資材・流通の現場と日常的に接点を持つ立場にある。ナフサショックは当社が扱う再生樹脂・パレット原料にも直結する問題であり、川下の最終商品(お中元等)でどのように価格転嫁が進むかを実証的に観察できる位置にいる。本記事はその現場視点からの実態整理である。

主な情報源

  1. 日本経済新聞「Jオイル、家庭用油脂11〜16%値上げ 中東緊迫の原油高で」(2026年4月27日)https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC2769U0X20C26A4000000/
  2. 日本経済新聞「丸大食品、ハム・ソーセージなど200品目値上げ 物流・包材費増加」(2026年5月29日)https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF292SV0Z20C26A5000000/
  3. 伊藤ハム「価格改定のお知らせ」(2026年5月22日)https://www.itoham.co.jp/news/
  4. 株式会社帝国データバンク プレスリリース「飲食料品値上げ、ナフサ供給不安でラッシュ再燃の兆し 値上げ要因『包装・資材』、過去最多ペース」(2026年4月30日)https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001323.000043465.html
  5. パックタイムス「【6/2更新】食品包装資材メーカーの値上げ・供給情報まとめ【2026年版】」https://packtimes.net/useful/0936/
  6. LNEWS「日清オイリオグループ/食用油を最大14%値上げ、物流費高騰も要因」(2026年3月12日)https://www.lnews.jp/2026/03/s0306704.html
  7. カゴメ(YouTubeニュース報道)「トマトジュースや『野菜生活100』など計148品を値上げへ」(2025年11月25日発表、2026年2月納品分から実施)https://www.youtube.com/watch?v=Oq5qLJzmLTE
  8. 流通ニュース「食品主要195社/6月の値上げ614品目、のり・オレンジジュースなど」https://www.ryutsuu.biz/commodity/q053119.html
  9. StockCrew「2026年春闘・賃上げ5%超えで宅配便コストはどう変わるか」(2026年4月26日)https://stockcrew.co.jp/insights/article_domestic_shunto_logistics_cost_2026-04-26
  10. プライシー「2026年最新 ヤマト運輸の値上げはいつから?新旧料金と節約術」https://www.pricey.jp/web/articles/4484
  11. global-scm.com「ホルムズ海峡危機:情勢と実務リスク(2026年4月28日更新)」https://global-scm.com/blog/?p=6564
  12. Spectee(株式会社Spectee)「ホルムズ海峡封鎖が日本の製造業サプライチェーンに与える影響」(2026年3月)https://spectee.co.jp/report/impact_hormuz_blockade_japan_manufacturing/
  13. JBpress「2027年春頃までの石油確保もナフサやアルミニウム、チッソなどの不足は顕在化」(2026年4月26日)https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/94562
  14. 第一ライフ資産運用経済研究所「イラン情勢悪化後の消費・物価の動向」(2026年4月17日)https://www.dlri.co.jp/report/macro/598022.html
  15. 三越のお中元・夏ギフト2026https://mitsukoshi.mistore.jp/chugen/index.html
  16. 伊勢丹のお中元・夏ギフト2026https://isetan.mistore.jp/chugen/
  17. 高島屋オンラインストア「2026最新 もらってうれしいお中元・夏ギフトランキング」https://www.takashimaya.co.jp/shopping/gift/story/ochugen/616151/
  18. 三越伊勢丹ふるさと納税のお中元2026https://mifurusato.jp/pr/chugen.html
  19. おとなの週末お取り寄せ倶楽部「お中元・夏ギフト特集2026」インターネット調査(2026年6月実施/有効回答1,000件)https://www.otoshu.com/f/ochugen
  20. リメギフ「2026年お中元おすすめ人気ランキング20選」https://www.remegift.jp/articles/ochugen-osusume-2026
  21. カゴメ健康直送便「夏ギフト2026」https://shop.kagome.co.jp/lineup/gift2/
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  23. マネーフォワード クラウド「贈答品を経費にする場合の仕訳と勘定科目まとめ」https://biz.moneyforward.com/accounting/basic/49585/
  24. 弥生「接待交際費とは?経費にできる範囲や注意点などを解説」https://www.yayoi-kk.co.jp/kaikei/oyakudachi/settaikosaihi/
  25. プラスチックパレット株式会社「建設・物流・包装資材 値上げ一覧 2026年6月|30社超・ナフサショック影響まとめ」https://plastic-pallet.co.jp/price-hike-construction-logistics-materials-20260501/
  26. プラスチックパレット株式会社「2026年ナフサ危機の全体像|世界石化サプライチェーン総まとめ」https://plastic-pallet.co.jp/naphtha-crisis-20260415/
  27. プラスチックパレット株式会社「ナフサの『目詰まり』を一般向けにわかりやすく解説」https://plastic-pallet.co.jp/naphtha-bottleneck-explained-2026/
記事の注意事項:本記事は2026年6月14日時点で公開されている各社プレスリリース・主要メディア報道・業界統計をもとに整理しています。価格・値上げ率・実施時期は各社発表時点の情報であり、その後の市況・為替・サプライチェーン状況により変動する可能性があります。経費処理に関する記載は一般的な整理であり、具体的な税務処理は必ず顧問税理士にご相談ください。法人購入の意思決定にあたっては、各販売事業者の最新公式情報をご確認ください。投資判断・経営判断の根拠としての利用は、利用者ご自身の責任において行ってください。
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