無印良品が9月4日から489品目を値上げ、なぜ生活雑貨が対象の中心なのか
無印良品が2026年9月4日から489品目を値上げします。前回2025年は85品目でしたから、5.75倍です。ただ数が増えただけではありません。前回は食品が中心でしたが、今回は生活雑貨が大半を占めます。良品計画が理由に挙げた「国際情勢の変化に伴う供給環境の不安定化」とは何のことなのか。公式の価格表で実際の上げ幅を確かめながら、やさしくご説明します。
- 無印良品は2026年9月4日から、衣料品・生活雑貨・食品の計489品目を値上げします。良品計画が6月25日に公表したもので、対象商品と改定後の価格は同社のリストで公開されています。
- 前回の値上げは2025年9月5日で85品目でした。今回は5.75倍にあたる489品目です。前回は食品が59品目と中心でしたが、今回は生活雑貨が大半を占めると報じられています。
- 値上げの理由に「国際情勢の変化に伴う供給環境の不安定化の継続」が加わりました。生活雑貨に多い収納用品や日用品は石油から作られる素材が多く、そこが前回との違いを生んでいます。
無印良品は2026年9月4日から489品目を値上げします。前回2025年の85品目から5.75倍です。中心は食品から生活雑貨へ移りました。良品計画は理由のひとつに「国際情勢の変化に伴う供給環境の不安定化の継続」を挙げています。収納用品や日用品の多くは石油から作られる素材でできているためです。
489品目中の最大値ではありません
CHAPTER 01いつから、何が上がるのでしょうか
結論から書きます。2026年9月4日(金)からです。良品計画が2026年6月25日に公表しました。
対象は衣料品・生活雑貨・食品の計489品目です。同社は対象商品と改定後の価格をリストにして公開しているので、ご自身がよく買うものが入っているかどうかは、その場で確かめられます。
① 実施は9月4日(金)です。9月3日(木)までは現在の価格で買えます。
② 対象は489品目で、無印良品の全商品ではありません。上がらないものも多くあります。
③ 上げ幅は商品によってまったく違います。5.6%のものもあれば、35.5%のものもあります。「無印が値上げ」とひとまとめにすると、実態を見誤ります。
値上げの理由として挙げられているもの
良品計画は、次の4つを理由として挙げています。
| 挙げられた理由 | どういうことか |
|---|---|
| 原料価格の高騰 | 商品を作るもとになる材料の値段が上がっています |
| 物流費高騰や人件費上昇 | 運ぶ費用と、人にかかる費用です |
| 円安の影響 | 海外から仕入れるときに、同じものでも円で払う額が増えます |
| 国際情勢の変化に伴う供給環境の不安定化の継続 | この記事で扱うのは、ここです |
出典:良品計画「無印良品 一部商品 価格改定のお知らせ」(2026年6月25日)。同社の発表文をそのまま引用しました。
最初の3つは、ここ数年どの会社の発表にも出てくる言葉です。4つめが、前回にはなかったものです。ここが今回の値上げの性格を決めています。
CHAPTER 02前回とくらべると、何が変わったのでしょうか
無印良品の値上げは、今回が初めてではありません。前回は2025年9月5日で、ほぼ1年前の同じ時期です。並べてみると、違いがはっきりします。
| 項目 | 2025年 | 2026年(今回) |
|---|---|---|
| 実施日 | 9月5日 | 9月4日 |
| 対象 | 85品目 | 489品目 |
| 内訳 | 生活雑貨26/食品59 | 生活雑貨373/食品108/衣料品8 |
| 中心 | 食品 | 生活雑貨 |
| 理由に挙がった原料 | コーヒー豆、米、カカオ、紙、陶土 | 記載なし(かわりに国際情勢に言及) |
2025年の内容は良品計画のプレスリリース(2025年6月12日)、2026年の品目数と実施日は同社の発表(2026年6月25日)によります。2026年の内訳は同社の発表文には記載がなく、流通ニュース(2026年6月30日)の報道によるものです。公式リストで衣料品が8品目であることは確認しました。倍率は当社で計算しました。
85品目から489品目へ、5.75倍です。ただ、数の話よりも大事なのは中身のほうです。
2025年に理由として名前が挙がっていたのは、コーヒー豆、米、カカオ、紙、陶土でした。どれも農産物か天然の材料です。だから対象も食品が59品目と中心になりました。
2026年の発表文には、この個別の原料名が出てきません。かわりに入ったのが「国際情勢の変化に伴う供給環境の不安定化の継続」です。そして対象の中心は生活雑貨へ移りました。上がっている原料の種類が入れ替わった、と読むのが自然です。
CHAPTER 03なぜ生活雑貨が中心なのでしょうか
ここが、この記事でいちばんお伝えしたいところです。
無印良品の生活雑貨を思い浮かべてみてください。収納ケース、詰め替えボトル、ファイルボックス、掃除用品の柄、洗面用具。これらの多くはプラスチックでできています。
プラスチックは石油から作られます。正確には、原油を精製してできるナフサという液体が出発点です。ナフサを分解するとエチレンやプロピレンができ、そこからポリエチレンやポリプロピレンといった素材になります。
今回の対象に「ポリプロピレン衣装ケース」があります。商品名にそのまま素材が入っています。ポリプロピレンは、ナフサから作られる代表的なプラスチックです。無印良品の収納用品には「ポリプロピレン」「ポリエチレン」と名前に付いたものが数多くあります。名前を見れば、何からできているかが分かるのです。
2026年に入ってから、中東の情勢が悪化し、ナフサの供給が不安定になりました。国産ナフサ基準価格は2026年4〜6月期に1キロリットルあたり118,900円となり、前の四半期の65,700円から53,200円上がりました。1.81倍で、水準・上げ幅とも過去最高です。
出典:化学工業日報「4~6月の国産ナフサ11・8万円 上げ幅含め最高」(2026年7月31日)。倍率は当社で計算しました。
良品計画の発表文に「ナフサ」という言葉は出てきません。ですから、これは当社が原料の側から見た解釈です。ただ、「国際情勢の変化に伴う供給環境の不安定化」という表現と、対象の中心が生活雑貨へ移ったことは、いずれも同社が公表した事実です。その2つを並べると、こう読むのが素直だと考えています。
生活雑貨のすべてがプラスチックでできているわけではありません。今回の対象には陶器の器や木の家具も含まれています。「生活雑貨=石油由来」と単純化するのは正確ではありません。あくまで、前回との違いを説明する一つの見方としてお読みください。
CHAPTER 04実際に、いくら上がるのでしょうか
良品計画が公開している価格改定リストから、実際の数字を見てみます。上げ幅の大きい順に並べました。
| 商品 | 区分 | 現在 | 9月4日から | 上げ幅 |
|---|---|---|---|---|
| 体にフィットするソファ本体 | 生活雑貨 | 9,990円 | 12,900円 | +29.1% |
| オリーブオイル200mL | 食品 | 1,690円 | 2,290円 | +35.5% |
| 紳士ストレッチジャージースリムテーパードパンツ | 衣料品 | 3,990円 | 4,990円 | +25.1% |
| ホホバオイル50mL | 生活雑貨 | 890円 | 1,090円 | +22.5% |
| 白磁角鉢・小 | 生活雑貨 | 490円 | 590円 | +20.4% |
| ポリプロピレン衣装ケース・小 | 生活雑貨 | 1,990円 | 2,290円 | +15.1% |
| 精油の香りシャンプー | 生活雑貨 | 1,490円 | 1,690円 | +13.4% |
| リビングテーブル・1・オーク材 | 生活雑貨 | 39,900円 | 44,900円 | +12.5% |
| 素材を生かしたカレー | 食品 | 350円 | 390円 | +11.4% |
| 不揃いバナナバウム | 食品 | 180円 | 190円 | +5.6% |
出典:良品計画「26AW 価格改定のお知らせ」(同社サイト掲載のリスト)。金額は税込です。上げ幅は当社で計算しました。ここに挙げたのは489品目の一部です。
同じ「値上げ」でも、幅がまったく違います。お菓子は5.6%ですが、オリーブオイルは35.5%です。ソファは金額で見ると2,910円上がります。
お菓子の10円と、ソファの2,910円。率にすると5.6%と29.1%です。ただ、家計に効いてくるのは「よく買うもの」がいくら上がるかです。年に1回買うかどうかの家具が3,000円近く上がるより、毎週買うものが数十円上がるほうが、1年で見ると大きくなることもあります。ご自身がよく買う数点だけを、リストで確かめるのがいちばん確実です。
会社の業績はどうなっているのでしょうか
「値上げしなければならないほど苦しいのか」と思われるかもしれません。公表されている数字を、そのまま挙げておきます。
良品計画の2026年8月期第3四半期(2025年9月〜2026年5月)は、営業収益6,907億8,800万円(前年同期比16.9%増)、営業利益808億2,200万円(36.0%増)でした。同社は通期の予想も上方修正しています。営業利益が増えた要因として、生産体制の内製化による原価低減や、値下げの抑制が挙げられています。
出典:良品計画の決算(2026年7月10日発表、流通ニュースの記事で確認)。
業績が好調であることと、値上げをすることは、同時に起こりえます。原料の値上がりを製品価格に反映する時期は会社が決めるもので、決算の数字と直接に結びつくものではありません。どちらも同社が公表した事実として、並べてお伝えするにとどめます。判断はお読みくださった方にお任せします。
CHAPTER 059月3日までに、できることはあるでしょうか
実施は9月4日(金)です。9月3日(木)までは今の価格で買えます。とはいえ、買いだめをおすすめするわけではありません。落ち着いて考えるための目安を書いておきます。
買っておく価値があるもの。もともと近いうちに買う予定があって、上げ幅が大きく、日持ちするか長く使うもの。収納ケースの買い足しや、使いかけのオイル類の補充などが当てはまります。
急ぐ必要がないもの。まだ使えるものの買い替え、置き場所に困る大きなもの、食べきれない量の食品。数十円のために置き場所を圧迫すると、結局は損になります。
まず確かめること。ご自身がよく買う商品が489品目に入っているかどうか。入っていなければ、今回は関係ありません。
値上げの発表を見るたびに買いだめをしていると、家の中が使わないものでいっぱいになります。上がるものと上がらないものを分けて、上がるものの中から本当に必要なものだけを選ぶ。それだけで十分です。
これから見ておくとよいこと
今回の値上げの背景にあるのが原料の供給だとすれば、次に見るべきはナフサの値段です。四半期ごとに公表され、次に出るのは2026年7〜9月期の数字で、10月下旬ごろの公表が見込まれます。ここが下がり始めれば、数か月遅れて日用品の値上げ圧力も緩みます。ナフサの動きはナフサ価格推移2026完全まとめで追っています。
2026年9月に値上げされるものは無印良品だけではありません。他の品目とあわせて2026年9月 値上げ一覧にまとめています。
CHAPTER 06この記事に出てきた言葉の意味
CHAPTER 07主な情報源
会社の公式発表
- 良品計画「無印良品 一部商品 価格改定のお知らせ」(2026年6月25日)|実施日9月4日(金)、対象は衣料品・生活雑貨・食品の計489品目、理由として原料価格の高騰、物流費高騰や人件費上昇、円安の影響、国際情勢の変化に伴う供給環境の不安定化の継続を挙げていること。ページを直接参照しました。発表文に内訳の品目数と値上げ幅の記載はありません
- 良品計画「26AW 価格改定のお知らせ」(同社サイト掲載の価格改定リスト)|第4章に挙げた商品名と改定前後の価格、衣料品が8品目であること。リストを直接参照しました
- 良品計画「無印良品 生活雑貨・食品など一部商品 価格改定のお知らせ」(2025年6月12日)|前回の実施日9月5日、対象85品目(生活雑貨26、食品59)、理由としてコーヒー豆、米、カカオ、紙、陶土などの原料価格の高騰、物流費高騰や人件費上昇、円安の影響を挙げていること。ページを直接参照しました
報道
- 流通ニュース「無印良品/9月4日から489品目を値上げ、原料価格や物流費の高騰・円安などの影響で」(2026年6月30日)|内訳が衣料品8品目、生活雑貨373品目、食品108品目であること、値上げ幅が10〜400円程度であること。この内訳は良品計画の発表文にはなく、当該記事によるものです
- 流通ニュース「良品計画 決算/9〜5月は2桁の増収増益、通期予想を上方修正」(2026年7月10日発表分)|第3四半期の営業収益6,907億8,800万円(前年同期比16.9%増)、営業利益808億2,200万円(36.0%増)、通期予想の上方修正
- 化学工業日報「4~6月の国産ナフサ11・8万円 上げ幅含め最高」(2026年7月31日)|2026年4〜6月期の国産ナフサ基準価格118,900円/キロリットル、前四半期比53,200円高
倍率(5.75倍、1.81倍)と上げ幅の百分率は、上記の数値をもとに当社で計算したものです。489品目の内訳と値上げ幅の範囲は、良品計画の発表文には記載がなく報道によります。ご自身がよく買う商品の改定後の価格は、良品計画が公開しているリストで直接ご確認ください。
FAQよくあるご質問
無印良品の値上げはいつからですか。
2026年9月4日(金)からです。良品計画が2026年6月25日に公表しました。対象は衣料品・生活雑貨・食品の計489品目で、9月3日(木)までは現在の価格で購入できます。無印良品の全商品が対象ではなく、値上げされないものも多くあります。対象商品と改定後の価格は同社がリストを公開しています。
どのくらい上がるのですか。
商品によって大きく違います。良品計画が公開しているリストで確認できる範囲では、不揃いバナナバウムが180円から190円で5.6%、オリーブオイル200mLが1,690円から2,290円で35.5%です。金額でいちばん大きいのは体にフィットするソファ本体で、9,990円から12,900円へ2,910円上がります。なお、値上げ幅について流通ニュースは「10〜400円程度」と報じていますが、良品計画が公開しているリストにはソファのように2,910円上がるものも含まれており、この範囲に収まりません。報道が主要な品目についてまとめた数字である可能性があります。金額はリストの実額でご確認ください。百分率は当社で計算しました。
前回の値上げと何が違うのですか。
規模と中身の両方が違います。前回は2025年9月5日で85品目、内訳は生活雑貨26品目と食品59品目で、食品が中心でした。今回は489品目で5.75倍にあたり、生活雑貨が373品目と大半を占めると報じられています。理由として挙げられた言葉も変わりました。前回はコーヒー豆、米、カカオ、紙、陶土といった具体的な原料名が並んでいましたが、今回は「国際情勢の変化に伴う供給環境の不安定化の継続」が加わっています。
なぜプラスチックパレット株式会社がこの記事を書いているのですか。
当社は千葉県我孫子市の物流資材の商社で、プラスチックパレットや再生樹脂原料など、ナフサ由来の製品を日常的に取り扱っています。原料価格の変動を仕入れの現場で直接受けている立場です。無印良品の商品は当社の取扱品ではありませんが、生活雑貨に多く使われているポリプロピレンなどの素材については、日々の業務で価格と供給を追いかけています。同じ原料からできているものとして、値上げの背景をお伝えできると考えています。
- 本記事の内容は2026年8月27日時点で公表されている情報に基づいています。対象商品と価格は変更される場合がありますので、購入前に良品計画が公開しているリストで最新の内容をご確認ください。
- 489品目の内訳(衣料品8・生活雑貨373・食品108)と値上げ幅の範囲(10〜400円程度)は、良品計画の発表文には記載がなく、流通ニュースの報道によるものです。公式リストで衣料品が8品目であることのみ当社で確認しました。
- 値上げ幅の「10〜400円程度」という報道と、公式リストの実額は一致しません。リストには体にフィットするソファ本体のように2,910円上がるものが含まれています。報道が主要な品目についてまとめた数字である可能性がありますが、当社では確認できていません。金額はリストの実額をご覧ください。
- 倍率(85品目から489品目で5.75倍、ナフサ基準価格の1.81倍)と各商品の上げ幅の百分率は、公表された数値をもとに当社で計算したものです。
- 生活雑貨の値上げとナフサの供給を結びつけた説明は、当社が原料の側から見た解釈です。良品計画の発表文に「ナフサ」という言葉は出てきません。
- 本記事は情報提供を目的としたもので、特定の判断を推奨するものではありません。引用に際しては出典として本記事URLを明記してください。記載内容に事実誤認がありましたら、お問い合わせフォームよりご連絡ください。