コンビニおにぎりはいくら安くなるのか、9月8日セブン19円・9月29日ローソン10円と、まだ前年より高い米の取引価格
大手コンビニがおにぎりの値下げに動いています。ローソンは手巻おにぎり全品を10円、セブン-イレブンは2品を19円下げます。理由は米価の下落と報じられていますが、農林水産省のデータを見ると、業者間の取引価格は今年7月時点で前年同月比104%、つまりまだ前年より高いままです。何がどう下がったのかを、公表データで整理します。
- ローソンは9月29日から手巻おにぎり全品を10円(一部11円)下げます。194円の商品なら184円です。同社の発表資料に理由として「米の市場価格が低下したことを受け」と書かれています。
- セブン-イレブンは9月8日から手巻おにぎり2品を232円から213円へ、19円下げると報じられています。下げ幅は大きいものの、対象は2品です。
- スーパーの精米5kgの平均価格は3,191円で、前年同期比16.1%下がっています。ここは確かに下がりました。
- いっぽう業者間の相対取引価格は令和8年7月で前年同月比104%です。下がったのは令和7年10月のピークからであって、前年からではありません。
おにぎりは9月に安くなります。ローソンは9月29日から手巻おにぎり全品を10円、セブン-イレブンは9月8日から2品を19円下げます。ただし「米が安くなったから」で片づけると読み違えます。スーパーの5kg袋は前年比16.1%安くなりましたが、コンビニが買う業者間の取引価格は前年同月比104%とまだ前年より高いままです。下がったのはピークからです。
CHAPTER 01いつ、いくら安くなるのでしょうか
3社の動きを並べます。実施日も、対象の広さも、下げ幅もそろっていません。
| 社 | 実施日 | 対象 | 下げ幅 | 出所 |
|---|---|---|---|---|
| セブン-イレブン | 9月8日 | 手巻おにぎり2品 | 19円 | 報道 |
| ローソン | 9月29日 | 手巻おにぎり全品 | 10円(一部11円) | 同社リリース |
| ファミリーマート | 8月下旬 | 大きなおむすび 昆布とツナマヨネーズ | 22円 | 報道 |
ローソンの内容は同社ニュースリリース「おにぎりの価格改定でお米の消費拡大」(2026年8月24日)を直接参照しました。セブン-イレブンとファミリーマートの内容は、ANN NEWS(テレビ朝日系)が2026年8月24日に配信した記事によります。当社では、この2社については公表資料そのものを確認できていません。詳しくは第5章に書きます。
ローソンが公表した商品別の価格は次のとおりです。これは同社の発表資料に載っている数字です。
| 商品(手巻おにぎり) | 9月28日まで | 9月29日から | 差 |
|---|---|---|---|
| シーチキンマヨネーズ | 181円 | 171円 | -10円 |
| 熟成紀州南高梅 | 194円 | 184円 | -10円 |
| 北海道産日高昆布 | 194円 | 184円 | -10円 |
| 追い鰹製法おかか | 194円 | 184円 | -10円 |
| 炙り熟成紅鮭 | 221円 | 211円 | -10円 |
| 熟成辛子明太子 | 235円 | 225円 | -10円 |
価格は税込です。ローソン ニュースリリース(2026年8月24日)に掲載された6商品を写しました。同リリースには「手巻おにぎり全品」を対象とし、一部は11円下げると書かれていますが、対象の品目数は記載されていません。報道では20品とされています。
CHAPTER 02ローソンは全品、セブンは2品です
下げ幅だけを並べると、セブン-イレブンの19円がいちばん大きく見えます。ですが対象の広さが違います。
セブン-イレブンは2品を19円。いつもその2品を買う方には効きますが、別の具を選ぶ方には関係がありません。ローソンは手巻おにぎり全品を10円。どれを選んでも下がる代わりに、1個あたりの下げ幅は小さくなります。どちらが得かは、何を買うかで変わります。
ファミリーマートは少し性格が違います。報じられているのは「大きなおむすび 昆布とツナマヨネーズ」1品で、320円から298円です。ただし同社は原材料などを一部見直したと伝えられており、値札だけを下げたわけではありません。298円という価格は、2026年8月25日発売の同名商品の税込価格としても伝えられています。商品の作り直しに伴う価格の付け替えという面があり、他の2社の価格改定とは並べにくいところがあります。
「コンビニ3社がおにぎりを値下げ」とまとめられがちですが、中身は3通りです。ローソンは全品の価格改定、セブン-イレブンは2品の価格改定、ファミリーマートは商品の見直しを伴う価格の付け替えです。
CHAPTER 03スーパーのお米は、確かに下がっています
まず、下がっているほうの数字を見ます。農林水産省は全国約1,000店舗のスーパーを対象に、精米の販売価格を毎週公表しています。
| 週 | 精米5kgの平均価格 |
|---|---|
| 7月13日〜19日 | 3,220円 |
| 7月20日〜26日 | 3,204円 |
| 7月27日〜8月2日 | 3,198円 |
| 8月3日〜9日 | 3,220円 |
| 8月10日〜16日 | 3,191円 |
農林水産省「スーパーでの精米の販売数量及び価格の推移」(令和8年8月21日公表)を直接参照しました。全国約1,000店舗が対象です。
直近の週は3,191円で、前の週から29円(0.9%)下がりました。前年の同じ時期と比べると613円、16.1%の下落です。買い物かごの実感としては、確かに軽くなっています。
CHAPTER 04業者間の価格は、まだ前年より高いままです
ここからが、この記事でいちばんお伝えしたいところです。
コンビニがおにぎりに使うお米は、スーパーの5kg袋を買ってくるわけではありません。集荷業者と卸売業者のあいだで取引される価格が元になります。農林水産省はこれを「相対取引価格」として公表しています。
| 時期 | 全銘柄平均(玄米60kg当たり) |
|---|---|
| 令和7年10月 | 37,058円 |
| 令和7年11月 | 36,493円 |
| 令和7年12月 | 36,075円 |
| 令和8年7月 | 32,486円 |
農林水産省「令和7年産米の相対取引価格・数量」の各月公表資料を直接参照しました。税込・玄米60kg当たりの全銘柄平均です。
令和7年10月の37,058円から令和8年7月の32,486円まで、4,572円下がりました。1割を超える下げ幅です。
ところが、同じ資料には令和8年7月の対前年同月比が104%と書かれています。つまり前年の同じ月と比べると、まだ高いのです。
スーパーの5kg袋は前年より16.1%安くなりました。業者間の取引価格はピークより1割以上安くなりましたが、前年より4%高いままです。同じ「米価下落」という言葉でも、指しているものが違います。
この差はどこから来るのでしょうか。スーパーの店頭価格には備蓄米の放出や小売各社の販売施策が効きやすく、下がり方が速く出ます。いっぽう相対取引価格は年産ごとの需給を反映するため、動きがゆるやかです。したがって「スーパーで安くなった分だけコンビニの原価も下がった」とは言えません。
CHAPTER 053社が挙げた理由は、同じではありません
値下げの理由についても、確かめられる範囲には差があります。
| 社 | 当社が確認できたもの | 理由として示されているもの |
|---|---|---|
| ローソン | 同社ニュースリリース本文 | 「米の市場価格が低下したことを受け」と明記 |
| セブン-イレブン | 報道のみ | 調達コストの削減と報じられている |
| ファミリーマート | 報道のみ | 原材料などを一部見直したと報じられている |
ファミリーマートについては、同社サイトの2026年ニュースリリース一覧を確認しましたが、おにぎりの価格改定に関するリリースは見当たりませんでした。セブン-イレブンについては、同社のニュースリリース一覧の本文を当社では取得できませんでした。したがってこの2社は報道を出所としています。
お米の価格を理由として公表資料に明記しているのは、3社のうちローソンだけです。「米価下落を受けてコンビニ各社が値下げ」というまとめ方は、少なくとも当社が確認できた資料の範囲では、ローソンについてしか言えません。他の2社が米価と無関係だという意味ではありません。確かめられていない、ということです。
CHAPTER 06ローソンは「お米が余っていること」に触れています
ローソンのリリースには、原価の話だけでなく、もう一つの数字が書かれています。精米の消費量が2025年度平均で前年より6.1%減っているという点です。
そのうえで同社は、この価格改定を通じて「お客様によりお求めやすい価格でおにぎりを提供するとともに、米の消費拡大を応援する」としています。
ひとつは「原料が安くなったので、その分を返す」向きです。もうひとつは「売れなくなってきたので、価格で需要を呼び戻す」向きです。ローソンのリリースは、後者にもはっきり触れています。米価が下がった背景にはお米が余っていることがあり、余っているから消費を増やしたい、という筋道です。
この観点は、値下げがいつまで続くかを考えるときに効いてきます。原価が理由の値下げは原価が戻れば戻りますが、需要喚起が理由の値下げは、需要が戻るまで続く可能性があります。
CHAPTER 07家計には、どれくらい効くのでしょうか
1個あたりの下げ幅は10円から22円です。金額としては小さく見えますが、買う回数で効きます。
| 買い方 | ローソン(10円) | セブン-イレブン(19円) |
|---|---|---|
| 1個 | 10円 | 19円 |
| 2個 | 20円 | 38円 |
| 3個 | 30円 | 57円 |
当社で計算しました。セブン-イレブンの19円は対象2品に限られるため、3個とも対象商品を選んだ場合の金額です。
① 実施はセブン-イレブンが9月8日、ローソンが9月29日です。ローソンは9月28日まで今の価格です。
② ローソンは手巻おにぎり全品、セブン-イレブンは2品です。下げ幅の大きさと対象の広さは逆向きです。
③ お米が安くなったのはスーパーの店頭が中心です。業者間の取引価格は前年より高いままで、値下げの余地が大きく広がったわけではありません。
CHAPTER 08これから何を見ればよいのでしょうか
9月は新米が出回りはじめる時期です。令和8年産の相対取引価格が公表されると、値下げが続くのか止まるのかの手がかりになります。ここまで見てきた相対取引価格は令和7年産のもので、新しい年産の価格は別に公表されます。
スーパーの店頭価格のほうは、農林水産省が毎週更新しています。直近の5週を見ると3,191円から3,220円のあいだで、下がり続けているというより、下げ止まりに近い動きです。8月3日〜9日の週はいったん3,220円に戻っています。
当社では、この先の価格を予想しません。お米の価格は作柄と需給で動き、まだ確定していない要素が多く残っています。当社が申し上げられるのは、公表されている数字が何を示しているかまでです。当社の米価に関する記事もあわせてご覧ください。
CHAPTER 09この記事に出てきた言葉の意味
CHAPTER 10主な情報源
ローソン「おにぎりの価格改定でお米の消費拡大」(2026年8月24日)
農林水産省「スーパーでの精米の販売数量及び価格の推移」(令和8年8月21日公表)
農林水産省「令和7年産米の相対取引価格・数量について(令和7年10月)」
農林水産省「令和7年産米の相対取引価格・数量について(令和7年11月)」
本記事は2026年8月27日時点で公表されている資料に基づいています。セブン-イレブンとファミリーマートについては、当社は報道を出所としており、両社の公表資料そのものを確認できていません。ファミリーマートの2026年ニュースリリース一覧にはおにぎりの価格改定に関するリリースが見当たらず、セブン-イレブンについてはリリース一覧の本文を取得できませんでした。また、ローソンのリリースに対象品目数の記載はありません。20品という数は報道による数字です。実際の店頭価格や実施日は、各社の最新の案内をご確認ください。
FAQよくあるご質問
おにぎりはいつから安くなりますか。
セブン-イレブンは9月8日から、ローソンは9月29日からと伝えられています。ローソンについては同社のニュースリリースに9月29日と明記されています。ファミリーマートは8月下旬に実施済みと報じられています。
どのおにぎりが安くなりますか。
ローソンは手巻おにぎり全品が対象です。シーチキンマヨネーズが181円から171円、熟成紀州南高梅が194円から184円などです。セブン-イレブンは手巻おにぎり2品で、232円から213円と報じられています。
どちらのほうが得ですか。
買うものによります。セブン-イレブンは1個あたり19円と下げ幅が大きい一方、対象は2品です。ローソンは10円ですが手巻おにぎり全品が対象です。いつも同じ具を買う方と、そのとき食べたいものを選ぶ方とで、向き不向きが分かれます。
お米はそんなに安くなったのですか。
場所によって違います。スーパーの精米5kgの平均価格は3,191円で、前年同期比16.1%下がりました。ただし業者間の相対取引価格は令和8年7月で前年同月比104%と、まだ前年より高い水準です。下がったのは令和7年10月のピークからで、37,058円から32,486円へ4,572円の下落です。
値下げの理由は米価の下落ですか。
ローソンは同社のリリースに「米の市場価格が低下したことを受け」と明記しています。セブン-イレブンは調達コストの削減、ファミリーマートは原材料などの一部見直しと報じられています。当社が公表資料で米価を理由として確認できたのは、3社のうちローソンだけです。
この値下げはいつまで続きますか。
当社では申し上げられません。ローソンは原価の低下に加えて、精米消費量が2025年度平均で前年より6.1%減っていることに触れ、米の消費拡大を掲げています。原価を理由とする値下げと、需要を呼び戻すための値下げでは、続く条件が違います。
他の商品も安くなりますか。
当社が確認できた範囲では、今回の対象はおにぎりと、ファミリーマートのおむすび1品です。弁当やパンなど他の商品についての発表は確認していません。今後の各社の案内をご確認ください。
なぜプラスチックパレット株式会社がこの記事を書いているのですか。
当社は物流資材の商社で、原料価格の変動が製品の値段にどう届くのかを日々の仕入れで追いかけています。原料が下がっても店頭がすぐには下がらない、逆に店頭が下がっても仕入れ値は下がっていない、というずれは、当社の商売でも日常的に起きることです。今回のおにぎりは、そのずれが数字で確かめられる例です。値下げのニュースを読み分ける材料としてお伝えできると考えています。