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YASASHIKU KAISETSU / 暮らしと値段

VAIO個人向けPCの値上げは9月18日出荷分から、いくら上がるかは当日まで非公表、メモリ高騰で4月に続く2回目

VAIOが2026年8月27日、個人向けPCの価格改定を発表しました。9月18日10時以後、順次実施されます。理由はメモリ半導体の高騰ですが、値上げ幅は当日まで公表されません。そしてメモリの相場そのものは、2026年第3四半期には上昇率が1割台まで鈍化する見通しです。相場が落ち着いてきたのに、なぜ今なのでしょうか。公表データで整理します。

公開日: 最終更新: カテゴリ:暮らしと値段
この記事のポイント
  • VAIOは9月18日10時以後、個人向けPC製品の価格を改定します。公式オンラインストアとソニーストアはVAIO PC全製品、大型家電量販店はSX14-Rの2026年5月発売モデルが対象です。
  • 値上げ幅は発表時点で公表されていません。改定後の価格は当日に公式オンラインストアで公開されるとされています。前回の4月23日の改定も同じ形でした。
  • VAIOは2025年12月の業界アンケートに「現時点で値上げの予定はない。パートナーとの契約により、部品の安定的な調達ができている」と答えていました。そこから4月と9月の2回、価格を改定することになります。
  • DRAMの契約価格は2026年第1四半期に前四半期比93〜98%上がりましたが、第3四半期の見通しは13〜18%まで鈍化しています。相場のピークと店頭価格のピークは、同じ時期には来ません。
かんたんに言うと

VAIOの個人向けPCが9月18日から値上がりします。ただしいくら上がるかは、その日まで分かりません。同社は改定後の価格を当日に公開するとしています。理由はメモリ半導体の高騰です。DRAMの契約価格は2026年第1四半期に前四半期比93〜98%上がりました。相場の上昇は第3四半期に13〜18%まで鈍化していますが、その分が製品の値段に届くのはこれからです。

実施日
9月18日
10時以後 順次
値上げ幅
非公表
当日に公式ストアで公開とされる
DRAM契約価格
93〜98%
2026年第1四半期の前四半期比(実績)
PC出荷台数
56.1%
2026年7月・前年同月比(JEITA)

CHAPTER 01何が、いつから変わるのでしょうか

VAIOは2026年8月27日、個人向けPC製品の価格改定を発表しました。実施は9月18日(金)10時以後、順次です。

買う場所対象
VAIO公式オンラインストア(VAIO Store等)VAIO PC全製品(一部アウトレット製品およびReborn VAIOを除く)
ソニーストア(オンライン・店舗)VAIO PC全製品
大型家電量販店SX14-R(2026年5月発売モデル)の4型番

VAIO「個人向けPC製品の価格改定のお知らせ」(2026年8月27日)を直接参照しました。大型家電量販店の対象はVJS4R295101B、VJS4R295102G、VJS4R295103B、VJS4R295104Gです。

値上げの理由として、同社は生成AIの普及に伴いDRAMなどメモリ半導体の需要が世界的に拡大し、関連部材の価格も高い水準で推移していることを挙げています。そのうえで、現行価格を維持したまま安定供給を続けることは困難と判断した、としています。

今回は個人向けです。前回2026年4月の改定は「個人向け・法人向けPC製品の価格改定」という題で、法人向けも含まれていました。今回の発表は題名も本文も個人向けに限られています。法人向けについての記載は、今回の発表にはありません。

CHAPTER 02値上げ幅は、当日まで分かりません

いちばん知りたいのは「いくら上がるのか」だと思います。それが、発表時点では公表されていません。

同社の発表資料には、改定後の販売価格については実施日当日にVAIO公式オンラインストアで公開する、と書かれています。機種ごとの金額も、率も、発表には含まれていません。

当社では値上げ幅を申し上げられません

報道でも値上げ幅は伝えられていません。したがって、この記事でも「何円上がる」「何%上がる」とは書けません。推測でお伝えすれば、買うかどうかの判断を誤らせます。金額は9月18日に公式オンラインストアでご確認ください。

前回の4月23日の改定も同じ形でした。2026年4月1日の発表資料にも値上げ幅の記載はなく、当日に公式オンラインストアで公開するとされていました。同社にとっては例外的な告知の仕方ではなく、繰り返されている形です。

CHAPTER 03VAIOは去年12月、「値上げの予定はない」と答えていました

この改定の意味は、時間の流れで見ると分かりやすくなります。

時期VAIOの立場
2025年12月「現時点で値上げの予定はない。パートナーとの契約により、部品の安定的な調達ができている」
2026年1月中旬「価格改定は具体的には決まっていないが、部材の動向や市場環境を見極めながら判断」
2026年4月1日個人向け・法人向けPC製品の価格改定を発表(4月23日実施)
2026年8月27日個人向けPC製品の価格改定を発表(9月18日実施)

2025年12月の回答はPC Watchが13社に行ったアンケート(2025年12月26日公開)、2026年1月中旬の回答はASCII.jpの記事(2026年1月23日公開)によります。4月と8月の発表はVAIOの公表資料を直接参照しました。

長期契約は、値上げを防ぐのではなく遅らせます

VAIOが12月の時点で「予定はない」と答えられたのは、パートナーとの契約で部品を安定的に調達できていたからです。ですが契約はいつか切り替わります。切り替わったときの相場が高ければ、そこから原価が上がります。長期契約は値上げを防ぐ盾ではなく、値上げが届く時期を後ろにずらす仕組みです。

同じアンケートで、Dynabookは2026年1〜3月に値上げを実施する予定と答え、マウスコンピューターは2026年1月以降に順次実施するとしていました。VAIOはそれより遅く動いた側です。遅く動いた分、届くのも遅くなりました。

CHAPTER 04メモリの相場は、どれくらい上がったのでしょうか

VAIOが理由に挙げているDRAMの契約価格が、どう動いてきたかを見ます。

時期DRAM 前四半期比NAND 前四半期比実績か予測か
2025年 第4四半期45〜50%実績
2026年 第1四半期93〜98%実績
2026年 第2四半期58〜63%70〜75%予測
2026年 第3四半期13〜18%10〜15%予測

いずれもTrendForceの調査で、EE Times JapanおよびITmediaオルタナティブ・ブログの報道によります。当社はTrendForceの原資料を直接読んでおらず、報道を出所としています。第2四半期と第3四半期は予測値です。

第1四半期の93〜98%は実績です。汎用DRAMの平均販売価格が、前の四半期からほぼ倍になりました。メーカー別ではSamsungが93.4%、Micronが81.6%、SK hynixが62.5%の上昇です。

2四半期を通すと、2.8倍から3.0倍です

2025年第4四半期に45〜50%上がり、続く2026年第1四半期にさらに93〜98%上がりました。この2四半期を掛け合わせると、2.8倍から3.0倍になる計算です。第2四半期と第3四半期は予測値なので、ここには掛け合わせていません。

ただし、この2つは同じ物差しではありません。前者は契約価格、後者は平均販売価格として報じられたものです。おおよその規模をつかむための計算であり、正確な倍率としては読まないでください。

上がった原因は、生成AI向けの需要です。メモリメーカーがサーバ向けやHBMに生産を振り向けた結果、PC向けやスマートフォン向けに回る量が絞られました。PCメーカーは、少ない割当を高い価格で取り合う側になりました。

CHAPTER 05相場のピークは、もう過ぎています

ここが、この記事でいちばんお伝えしたいところです。

もう一度、前の章の表をご覧ください。上昇率は第1四半期の93〜98%を頂点に、第2四半期58〜63%、第3四半期13〜18%と下がってきています。

「上昇率が下がる」は「値段が下がる」ではありません

13〜18%というのは、前の四半期よりさらに13〜18%高くなるという意味です。値下がりではありません。上がる勢いが弱まった、というだけです。水準そのものは、いまも上がり続けています。

TrendForceは鈍化の理由として、DRAMでは供給の増加、NANDではAI関連需要の一巡とPC・スマートフォン市場の需要の弱さを挙げていると報じられています。

つまり、相場の「勢い」のピークは2026年前半に過ぎました。それなのに、VAIOの値上げは9月です。

CHAPTER 06それでも値上げが続くのは、なぜでしょうか

相場と店頭価格のあいだには、時間のずれがあります。理由は3つに整理できます。

ずれの原因中身
契約の切り替わり長期契約で安く調達できていた分が、契約更新のたびに新しい相場に置き換わります。VAIOが2025年12月に「安定的な調達ができている」と答えていたのは、この段階でした。
在庫の入れ替わりすでに買ってある部品で作った製品が売られているあいだは、値段が変わりません。高く買った部品で作った製品が棚に並ぶのは、その後です。
積み上がった水準上昇率が鈍っても、水準は積み上がったままです。第1四半期までの2四半期で2.8倍から3.0倍になった分は、まだ製品原価に乗り切っていません。

当社が公表資料をもとに整理したものです。VAIOの発表資料にこの3点が書かれているわけではありません。

調査会社Gartnerは、2026年末までにDRAMとSSDを合わせた価格が2025年比で130%上昇し、PCの価格を17%押し上げると予測していると報じられています。相場が落ち着いても、押し上げはこれからも効く、という見方です。

この構図は、お米やシンナーでも同じでした。当社がコンビニおにぎりの値下げで扱ったのは、原料が下がっても店頭がすぐには下がらないという話でした。今回は向きが逆で、原料の上昇が落ち着いても店頭はこれから上がります。原料相場と店頭価格は、同じ日には動きません。

CHAPTER 07統計では、すでに単価が上がっています

VAIO1社の話ではありません。国内のPC出荷全体の数字を見ます。

出荷台数(千台)台数 前年比金額 前年比
2026年4月56087.3%98.4%
2026年5月50188.6%97.7%
2026年6月96267.7%92.1%
2026年7月47456.1%82.2%

JEITA「パーソナルコンピュータ国内出荷実績」を直接参照しました。7月分は2026年8月26日に公表されています。

読み方はこうです。7月は台数が前年の56.1%まで落ちました。ところが金額は82.2%を保っています。台数の落ち込みのほうが大きいということは、1台あたりの単価が上がっているということです。

1台あたりの平均単価は、報道では2026年4月が139,821円、5月が136,926円、6月が125,052円、7月が約168,400円と伝えられています。これはJEITAの出荷金額を出荷台数で割った値です。

月ごとの単価は大きく振れます

6月は962千台と台数が多く、単価は125,052円でした。7月は474千台で約168,400円です。安い機種がまとまって出た月は単価が下がり、そうでない月は上がります。月ごとの上下だけで判断せず、前年同月比の傾向で見るほうが確かです。台数の前年比は87.3%、88.6%、67.7%、56.1%と落ち続けています。

CHAPTER 08買うなら、いつがよいのでしょうか

当社では、買うべき時期を申し上げません。値上げ幅が公表されておらず、比較できないためです。代わりに、判断の材料になる事実だけを並べます。

確かめられていること確かめられていないこと
9月18日10時以後、順次改定される機種ごとにいくら上がるのか
対象は個人向けのVAIO PC全製品(オンラインストア・ソニーストア)法人向けが今後どうなるのか
DRAM相場の上昇率は第3四半期に13〜18%まで鈍化する見通しこれが最後の改定なのか、3回目があるのか
4月にも同じ形で改定している値下げに転じる時期

当社が公表資料をもとに整理したものです。

言えるのは、9月17日までに出荷される分は現行価格であるということだけです。ただし在庫や納期の状況によって、注文しても改定日までに出荷されるとはかぎりません。実際の適用がどうなるかは、購入前に販売元へご確認ください。

ここだけ押さえておけば大丈夫、という3点

① 実施は9月18日(金)10時以後、順次です。
値上げ幅は公表されていません。金額は当日に公式オンラインストアで公開されます。
③ メモリ相場の上昇の勢いは鈍っていますが、水準は上がったままです。値下がりを意味しません。

CHAPTER 09この記事に出てきた言葉の意味

DRAM
パソコンやスマートフォンの「メインメモリ」に使われる半導体です。電源を切ると内容が消える代わりに読み書きが速く、作業机の広さにあたる役割を持ちます。
NAND
SSDやメモリーカードに使われる半導体です。電源を切っても内容が残ります。DRAMとは別の市場ですが、同じように価格が上がっています。
HBM
AI向けの半導体に積んで使う高速なメモリです。利益率が高いため、メーカーの生産がこちらに振り向けられ、PC向けの供給が絞られる一因になっています。
契約価格
メーカーどうしが四半期などの単位で取り決める価格です。店頭の売価とは別で、その日ごとに動くスポット価格とも異なります。
前四半期比
直前の3か月と比べてどれだけ変わったかを示す割合です。13〜18%の上昇とは、前の3か月よりさらに高くなるという意味で、値下がりではありません。
平均単価
出荷金額を出荷台数で割った値です。売れた機種の構成によって上下するため、月ごとの数字だけでは判断しにくい指標です。
JEITA
電子情報技術産業協会です。国内のパソコン出荷台数と出荷金額を毎月公表しています。

CHAPTER 10主な情報源

VAIO「個人向けPC製品の価格改定のお知らせ」(2026年8月27日)実施日、対象製品、値上げ幅が非公表であること、値上げの理由はこのリリースによります。

VAIO「個人向け・法人向けPC製品の価格改定のお知らせ」(2026年4月1日)前回4月23日の改定が個人向け・法人向けを対象とし、同じく値上げ幅の記載がなかったことはこのリリースによります。

JEITA「パーソナルコンピュータ国内出荷実績」2026年4月から7月の出荷台数と、台数・金額の前年同月比はこの統計によります。

PC Watch「2026年、PCを値上げする?しない?13社にアンケートを取ってみた」(2025年12月26日)VAIOの2025年12月時点の回答、Dynabookとマウスコンピューターの予定、値上げ幅の回答分布はこの記事によります。

ASCII.jp「部材高騰で値上げせざるを得ないPCメーカー」(2026年1月23日)VAIOの2026年1月中旬時点の回答はこの記事によります。

EE Times Japan「汎用DRAM価格、26年1Qに9割超上昇、2Qも6割値上がり予測」(2026年6月2日)2026年第1四半期の93〜98%とメーカー別の数値はこの記事によります。

EE Times Japan「DRAM契約価格さらに55〜60%上昇へ 2026年1〜3月」(2026年1月7日)2025年第4四半期の45〜50%はこの記事によります。

EE Times Japan「メモリ価格の上昇、鈍化へ 26年3QはDRAMもNANDも10%台」(2026年7月7日)2026年第3四半期のDRAM13〜18%、NAND10〜15%と鈍化の理由はこの記事によります。

ITmedia オルタナティブ・ブログ「DRAM最大63%、NAND最大75%の値上げ」(2026年4月20日)2026年第2四半期のDRAM58〜63%、NAND70〜75%はこの記事によります。

PC Watch「PC値上げ本格化、平均単価は14万円に」(2026年7月27日)4月から6月の平均単価と、Gartnerの130%・17%の予測はこの記事によります。

この記事の限界について

本記事は2026年8月27日時点で公表されている資料に基づいています。値上げ幅は公表されていないため、当社では申し上げられません。また、メモリ価格に関する数値はTrendForceの調査を報じた記事によるもので、当社はTrendForceの原資料を直接読んでいません。第2四半期と第3四半期の数値は予測値であり、実績ではありません。平均単価は報道による数値で、JEITAは平均単価そのものを公表していません。今後さらに改定が行われる可能性も、行われない可能性もあります。ご購入の判断は、各社の最新の案内をご確認のうえ行ってください。

FAQよくあるご質問

VAIOはいくら値上げしますか。

公表されていません。VAIOは改定後の販売価格を実施日当日にVAIO公式オンラインストアで公開するとしています。発表資料にも報道にも、機種ごとの金額や率は含まれていません。したがって当社では申し上げられません。

いつから値上がりしますか。

2026年9月18日(金)10時以後、順次実施されます。9月17日までに出荷される分は現行価格です。ただし注文しても在庫や納期の都合で改定日までに出荷されるとはかぎりませんので、購入前に販売元へご確認ください。

どの製品が対象ですか。

VAIO公式オンラインストアとソニーストアではVAIO PC全製品です。公式オンラインストアでは一部アウトレット製品とReborn VAIOが除かれます。大型家電量販店ではSX14-Rの2026年5月発売モデル4型番が対象です。

なぜ値上げするのですか。

VAIOは、生成AIの普及に伴ってDRAMなどメモリ半導体の需要が世界的に拡大し、関連部材の価格が高い水準で推移しているためとしています。DRAMの契約価格は2026年第1四半期に前四半期比93〜98%上昇しました。

メモリの値段は下がってきたのではないですか。

下がってはいません。上がる勢いが弱まっただけです。2026年第3四半期の見通しはDRAMが前四半期比13〜18%、NANDが10〜15%の上昇で、いずれもさらに高くなるという意味です。水準は積み上がったままです。

他のメーカーも値上げしていますか。

2025年12月にPC Watchが13社に行ったアンケートでは、Dynabookが2026年1〜3月、マウスコンピューターが2026年1月以降に値上げを予定すると答えていました。値上げ幅は11〜15%と16〜20%がそれぞれ2割弱で、6割以上は調整中または回答できないとしていました。

パソコン全体の値段は上がっているのですか。

JEITAの統計では、2026年7月の国内出荷は台数が前年の56.1%まで落ちる一方、金額は82.2%を保っています。台数の落ち込みのほうが大きいため、1台あたりの単価は上がっています。台数の前年比は4月87.3%、5月88.6%、6月67.7%、7月56.1%と下がり続けています。

いつになったら安くなりますか。

当社では申し上げられません。Gartnerは2026年末までにDRAMとSSDの合算価格が2025年比で130%上昇し、PC価格を17%押し上げると予測していると報じられています。相場の上昇が鈍っても、製品価格への反映はこれから進む段階です。

なぜプラスチックパレット株式会社がこの記事を書いているのですか。

当社は物流資材の商社で、原料価格の変動が製品の値段にどう届くのかを日々の仕入れで追いかけています。原料相場が落ち着いても、長期契約の切り替わりと在庫の入れ替わりを経て値上げが届くまでには時間がかかります。これは樹脂でもメモリでも同じ構造です。相場のニュースと店頭価格を結びつけて読む材料としてお伝えできると考えています。

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