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Easy Explainer | プラスチックパレット株式会社 公式ブログ

ニュースで聞くイラン情勢が招く「2026年養生テープショック」をやさしく解説、
ホームセンターから消えた
1巻の本当の理由

DIY・台風対策・引越し・店舗運営への影響を、一般の方向けにわかりやすく解説します【2026年6月版】

📌 この記事の結論(30秒で読める)

2026年、ホームセンターから養生テープが消え、値段も大幅に上昇。原因は中東のホルムズ海峡封鎖。国産品は+40%以上、輸入品は+60%以上の値上げが定着。ヨドバシ「販売を終了しました」、トラスコ系「一時受注停止」、アスクル「取り扱いを一時停止」など通販でも品切れ表示が連鎖。台風シーズン前の早めの備蓄が必要です。

「ホームセンターに買いに行ったら養生テープが棚から消えていた」「ネット通販で『お一人さま1巻まで』『販売を終了しました』の表示が並んでいる」「引越しのために業者に頼んだら『養生テープが手に入らず工期が延びるかも』と言われた」──2026年に入ってから、このような声が全国の家庭から聞こえてくるようになりました。

この背景にあるのが、メディアで「養生テープショック」「テープ目詰まり」と呼ばれている現象です。本記事では、専門用語をできるだけ使わず、一般の方が暮らしと家計への影響を理解できるよう、やさしく解説します。なぜ起きたのか、私たちの生活にどう影響するのか、家庭としてどう対処すればよいのか──順番に見ていきましょう。

CHAPTER 01

そもそも「養生テープ」って何?──暮らしの意外なところで活躍する1巻

「養生テープ」と聞くと、引越し業者さんが段ボールに貼っている緑色のテープを思い浮かべる方が多いかもしれません。実はその通りで、養生テープは「汚したくない場所」「壊したくない場所」を一時的に保護するためのテープです。最大の特徴は、剥がしたときに跡が残りにくいよう、特殊な粘着剤で作られていること。これが普通のテープとの一番の違いです。

やさしい例え

養生テープは「お肌に貼るバンドエイド」のようなもの。しっかり貼り付くけれど、剥がしたあとに跡が残らないように設計されています。同じテープでも、ガムテープのようにベタベタした糊残りがあると、フローリングや壁紙を傷めてしまいますよね。養生テープは「貼っても元通り剥がせる」ことが価値の核心なのです。

養生テープが使われている場面は、私たちの想像以上に幅広いのが特徴です。代表例として、引越し時の段ボール仮止めや家具・家電の養生、外壁塗装やリフォーム時の壁・床の保護、台風や強風時の窓ガラス飛散防止、DIYでの塗装作業の境界マスキング、店舗看板や什器の補修・養生、さらにイベント・舞台の備品仮止め、災害時の応急処置など、ありとあらゆる「一時的に保護する」場面で活躍しています。

つまり、養生テープが手に入らなくなると、私たちの暮らしの「ちょっと困ったとき」の頼みの綱が消える──そんな影響力のある1巻なのです。主な原料はポリエチレン(基材)と粘着剤の2つで、どちらも原油(石油)から作られています。だからこそ、世界の原油市場や中東情勢の影響を、養生テープは直接的に受けるのです。

Why It Happened
CHAPTER 02

なぜホームセンターから消えたの?──中東のホルムズ海峡封鎖

事の発端は、米国とイスラエルがイランを軍事攻撃したことでした。これに対しイランが反撃し、ペルシャ湾の出口にあたるホルムズ海峡が事実上封鎖されたのです。

やさしい例え

ホルムズ海峡は、日本にとって「石油の高速道路の料金所」のような場所です。日本が輸入する原油の多くがこの海峡を通って運ばれてきます。料金所が閉まってしまうと、後ろに何台もタンカーが渋滞してしまい、日本に石油が届かなくなる──そんなイメージです。

養生テープの原料は、原油から作られるポリエチレン(基材)と粘着剤。ホルムズ海峡が止まる=養生テープの原料供給が不安定になるという連鎖が起きたのです。さらに追い打ちとなったのが、もうひとつのルートの問題でした。

2.1 もうひとつのルート──紅海・喜望峰問題

養生テープの「剥がしても跡が残らない」性能は、ドイツのBASFやヘンケルといった欧州の化学メーカーが作る特殊な粘着剤の原料に支えられています。これまで、これらの原料はエジプトの紅海(スエズ運河)を通る最短ルートで日本に運ばれていました。

ところが、紅海では2023年末から武装勢力による商船襲撃が続いており、コンテナ船は安全のためアフリカ南端の喜望峰を回る大回りルートに変更されています。これにより、ヨーロッパから日本までの輸送期間は、従来の1ヶ月から3ヶ月以上に長期化しました。

やさしい例え

東京から大阪に行くとき、新東名高速が通行止めになって一般道で行かなければならないと想像してください。所要時間は2倍、3倍にもなりますよね。喜望峰ルートはまさにそんな状態。海上輸送のコストも時間も大きく跳ね上がり、養生テープの原料が日本に届かない事態が続いているのです。

2.2 「物がない」のではなく「届かない」のが本当の問題

ここがやや意外に感じられる部分ですが、実は日本国内の原料在庫は、ある程度は確保されていました。経済産業省も「在庫量は確保できている」と説明しています。では、なぜ現場に届かなかったのか。理由は、養生テープメーカーや問屋が「将来、原料が入ってこなくなるかもしれない」と不安になり、手持ちのテープを抱え込んでしまったからです。

やさしい例え

コロナ初期の「トイレットペーパー騒動」を覚えていますか?倉庫にはトイレットペーパーは十分あったのに、「もう買えなくなるかも」という不安から皆が買いだめし、店頭から消えてしまった現象──今回の養生テープも、これとよく似た構造です。違うのは、買いだめしているのが一般消費者ではなく、テープを扱う業者だという点です。

Maker's Response
CHAPTER 03

メーカー各社の異例の値上げ──たった3ヶ月で2倍近くに

原料供給に不安が広がる中、養生テープを作るメーカー各社は、相次いで大幅な値上げと出荷制限に踏み切りました。2026年3〜5月の動きを整理すると、業界全体に異例の連鎖反応が起きていることがわかります。

3.1 主要メーカーの異例値上げ

業界最大手のダイヤテックス(パイオランブランド)は4月1日出荷分から20〜30%値上げを実施し、同時に「アロケーション」と呼ばれる出荷制限を導入しました。寺岡製作所(P-カットテープ)は1巻あたり100円以上の値上げ、萩原工業(ターピー)20〜30%値上げ日東電工(No.395N など)も約1割弱の値上げと、業界全体に値上げの波が広がっています。

3.2 「アロケーション」って何?

聞き慣れない言葉ですが、これは「既存のお取引先様には届けるが、新規の大口注文はストップ」という供給制限のことです。原料が足りないので、メーカーが「いつもお付き合いのあるお客様優先で出荷します」という対応に切り替えました。

やさしい例え

人気のコンサートチケットの「ファンクラブ会員先行抽選」を思い浮かべてください。原料が不足しているとき、メーカーは「以前から取引のある常連客」を優先するようになります。新規の大口注文は「お断り」、ケース単位での発注も「納期未定」──これがアロケーションの実態です。家庭で1巻買うのは大丈夫でも、工事業者が30巻ケースで仕入れようとすると、ぐっと壁が立ちはだかります。

+40〜60%
国産品は2025年中期の250〜300円から350〜450円へ+40%以上、輸入品・PB品は150〜200円から280〜350円へ+60%以上の値上げ。1巻あたり100〜200円も上がる計算で、家庭のDIY費用に直接響いています。

結果として、ホームセンターの養生テープコーナーには「お一人さま1巻まで」「入荷時期未定」の貼り紙が並び、棚から商品が消える事態となりました。プロの工事業者だけでなく、DIYで家を直したり、台風対策で備えたい一般家庭にも影響が直撃しています。

Online Shopping Reality
CHAPTER 04

ネット通販でも買えない?──主要サイトの「販売終了」表示

「ホームセンターになければネット通販で買えばいい」と思った方も多いでしょう。しかし、現実は厳しい状況です。エルが2026年6月時点で主要な通販サイト9社を確認したところ、定番品の取り扱いが次々と消えていく異例の事態が明らかになりました。

ヨドバシ.com

「予定数の販売を終了しました」

養生テープの定番中の定番、ダイヤテックスのパイオラン Y-09-CL 50mm×25m クリアに対して、ヨドバシ.comは「予定数の販売を終了しました」と表示。日本最大級の家電・日用品通販サイトでも、この定番品が買えない状態です。

オレンジブック.Com

「一時受注停止/在庫限り」

工具・産業資材の大手通販オレンジブック.Com(トラスコ中山運営)は、同じパイオラン Y-09-CL に「【一時受注停止】在庫限り」の表示。寺岡製作所のP-カットテープも「欠品中(在庫数146巻)」と、在庫はあるのに販売を絞っている状況です。

アスクル

「お取り扱いを一時停止、または終了」

オフィス用品通販の大手アスクルは、日東電工の養生テープ No.395N(30巻箱入り)について「アスクルでお取り扱いを一時停止、または終了した商品です」と表示。代替品への誘導が増えています。

梱包ドットコム

「全テープ類の新規受付を停止」

梱包資材の専門通販サイトは公式アナウンスで「中東情勢の影響により、全テープ類の新規ご注文受付を一時停止/既存お取引先様でも納期・出荷に大幅遅延」を掲示。流通の最前線が悲鳴を上げています。

4.1 通販サイトで価格がバラつく異例の事態

もう一つの困った現象が、同じ品物なのにサイトによって値段が大きく違うことです。例えばパイオラン Y-09-CL 50mm×25m 1巻の場合、モノタロウでは税込3,518円、楽天市場では販売店ごとに590円〜1,594円と、同じ品物で5倍以上の価格差が発生しています。

やさしい例え

同じ銘柄のお米なのに、A店では1袋3,000円、B店では600円、C店では1,500円──なんてことが普通の食品スーパーで起きたら大騒ぎですよね。それが今、養生テープの世界で実際に起きています。「いつもの定価」が崩壊し、各販売店が在庫状況に応じて値段をつけている状態なのです。

1巻単位の小口販売は、アスクルやモノタロウ、楽天市場などでまだ流通しています。一方、業務用のケース単位(30巻入りなど)は、ほぼ全ての通販サイトで「新規不可」「納期未定」「お取引制限中」表示が出ています。家庭で1巻買うのは可能でも、工事業者・引越し業者・店舗運営者の業務調達は深刻に直撃されているのが現実です。

Impact on Daily Life
CHAPTER 05

私たちの暮らしへの影響──DIY・防災・引越し・店舗

養生テープ不足は、家計や暮らしのさまざまな場面に波及しています。代表的な4つの場面を見てみましょう。

DIYで家を直す家庭

部分塗装・壁紙の貼り替えが滞る

もっとも家庭に直結する影響です。週末に外壁の小補修や室内のペンキ塗り、壁紙の貼り替えをしようと思っていた家庭が、養生テープが手に入らず計画を延期するケースが増えています。値段も40〜60%上がっており、DIYの楽しみが「贅沢」になりつつあります。

台風シーズンの防災

窓ガラス飛散防止用が手に入らない

台風シーズン直前、ガラスに「米」の字に養生テープを貼って飛散防止する家庭が増えますが、2026年の台風シーズン(7〜10月)には深刻な品薄が予想されます。100円ショップ・ホームセンター・ドラッグストアも軒並み品薄表示で、防災備蓄を見直す家庭が増えています。

引越し

業者から値上げ通告・工期延長

引越し業者は段ボール仮止め・家具家電の養生・床の保護に大量の養生テープを使います。業者から「材料費高騰で引越し料金を引き上げる」「養生テープ不足で作業効率が落ち日数が延びる」といった通告を受ける家庭が出ています。

小規模店舗・看板修理

看板・什器の補修が滞る

飲食店や小売店の看板・什器の補修、店舗改装の養生にも養生テープは欠かせません。「看板の補修ができず古いまま」「予算的に新調も難しい」など、小規模事業者の現場でも目に見えない形で影響が広がっています。

これらの影響は、私たちが普段意識しない「ちょっとした補修・季節の備え・引越しの段取り」というところに、じわじわと表れているのが特徴です。

Cost Impact
CHAPTER 06

家計への影響額──年間で「+5,000〜15,000円」の家庭も

では、具体的に家計はいくら影響を受けるのでしょうか。家庭での年間使用量から、影響額を試算してみます。

一般的な4人家族で、DIY・引越し関連・台風対策などを合わせると、年間で養生テープを5〜15巻程度使うご家庭が多いと推定されます。1巻あたり100〜200円の値上げが続くと、年間の家計負担増は次のようになります。

Cost Impact Estimation

養生テープ値上げによる年間家計負担増

+5,000〜15,000

一般家庭でDIY・引越し・台風対策・小規模補修などを合算した年間使用量5〜15巻の場合の試算です。これに加えて、業者に頼む引越し費用やリフォーム費用にも材料費高騰が反映されてくるため、間接的な影響を含めると年間+2〜5万円の家計負担増になるご家庭もあります。台風被害が起きた年や引越しを伴う年は、さらに大きな出費になります。

もちろん、これはあくまで一例です。DIY頻度の高いご家庭やリフォームを予定している場合は影響額が大きくなり、逆にあまり使わないご家庭では影響は限定的です。重要なのは、「これまで100円ショップで気軽に買えていたものが、買えなくなりつつある」という構造変化を理解することです。

Why Prices Don't Recover
CHAPTER 07

「中東情勢は落ち着いてきたのに、なぜ値段は下がらない?」

2026年6月に入って、中東情勢に小さな変化がありました。UAE(アラブ首長国連邦)の国営石油会社が、オマーン経由という迂回ルートで原料の輸出を再開し、アジア市場での原油・原料価格は3月のピーク時から4割超下落しました。「だったら養生テープも安くなるはず」と思った方も多いかもしれません。

しかし残念ながら、答えは「いいえ、すぐには下がりません」です。理由は大きく4つあります。一般の方向けにわかりやすく整理します。

7.1 理由①:海外価格は「数ヶ月遅れ」で国内に反映される

日本の原料メーカーが輸入する価格は、海外スポット価格の動きをそのまま反映するのではなく、2〜3ヶ月遅れで反映する仕組みになっています。これを業界では「価格スライド制」と呼びます。

やさしい例え

輸入ワインを思い浮かべてください。フランス現地でブドウが豊作で安くなったとしても、その安さが日本のスーパーの店頭価格に反映されるのは、輸入・通関・流通を経た数ヶ月後ですよね。養生テープの原料も同じで、足元(2026年6月)の海外価格下落が国内の養生テープ販売価格に反映されるのは、早くて2026年7〜9月以降になります。

7.2 理由②:粘着剤の値上げが追い打ち

養生テープのもう一つの中核コストである「粘着剤」が逆方向に動いています。粘着剤大手のDIC(旧 大日本インキ化学工業)は2026年3月に1kgあたり100円以上の値上げを発表したばかりですが、5月29日には第2波の値上げを発表。三菱ケミカルも別系統の粘着剤原料を3月以降2度目の値上げに踏み切っています。原油(基材コスト)が下がっても、粘着剤コストの上昇がそれを打ち消してしまうのです。

7.3 理由③:紅海ルートはまだ復旧していない

欧州産の特殊な粘着剤原料は、依然として喜望峰経由の大回りルートで運ばれています。商船三井の社長も「紅海航路の再開可否判断は2026年中」と発言しており、ヨーロッパからの原料供給遅延は2026年下半期まで続く見通しです。「ドイツ製の特殊原料が日本に届かないと、剥がしてもきれいに剥がれる養生テープが作れない」という構造は、まだ解決していません。

7.4 理由④:物流費・人件費・脱炭素コストの重畳

養生テープを工場から問屋、ホームセンター、現場まで運ぶ物流コストも上昇しています。2024年4月のトラックドライバー残業規制(「物流2024年問題」)以降、こうした人件費・物流費は構造的に上がり続けています。さらに化学業界全体の脱炭素対応コストも、最終的に製品価格に上乗せされる方向にあります。

──これら4つの要因が重なり合って、原料市況が一時的に下がっても、現場の養生テープ価格はそれに見合うペースでは回復しないのです。業界の見方では、完全な価格・供給の正常化は2026年下半期(7〜12月)以降とされています。

「原料の海外価格が下がった」のは事実。
でも、それが私たちの財布まで届くには、まだ時間がかかる──
これが、いま現場で起きている現実です。

What You Can Do
CHAPTER 08

家庭としてできる5つのこと──台風シーズン前に備える

では、養生テープ不足の中で、家庭としては具体的にどうすればよいのでしょうか。エルが整理した、家庭で現実的にできる5つの対応策をまとめます。

  1. 少量ずつ早めに買い置きする ケース単位(30巻入りなど)は「業務需要」とみなされ供給制限の対象になっているため、家庭では1巻〜数巻の小口買いがおすすめです。一度に大量買いするより、複数のホームセンター・100円ショップ・ドラッグストアで少しずつ集める方が現実的に手に入ります。台風シーズン(7〜10月)の駆け込み需要を避けて、5〜6月の天気が安定している時期に確保しておくと安心です。
  2. 高級ブランドにこだわらない パイオラン(ダイヤテックス)やP-カット(寺岡製作所)の定番品は最も品薄ですが、萩原工業のターピー、光洋化学のカットエースFG、ホームセンターのプライベートブランドなど選択肢は豊富にあります。粘着力や使いやすさは多少違いますが、一般家庭の用途では十分代替可能。「いつものブランド」にこだわらず柔軟に選ぶことが、入手しやすさにつながります。
  3. 用途に応じて代替品を組み合わせる 養生テープの代わりに使える品物もあります。例えば、台風時の窓ガラス飛散防止には「ガラス飛散防止フィルム」(ホームセンターで購入可)、軽い段ボール仮止めには「マスキングテープ」、家具固定には「布テープ」など。全部を養生テープでまかなおうとせず、用途別に最適な品物を組み合わせるのが賢い選択です。
  4. 引越し・リフォーム業者と早めに相談する 引越しやリフォームを予定している場合、業者から「材料費高騰で見積を引き上げる」「養生テープ不足で工期が延びる可能性がある」といった通告を受けることが増えています。契約前に「養生資材は確保できていますか?」「価格改定の可能性は?」を確認し、固定価格契約の有効期限・出荷日基準を必ずチェックしましょう。
  5. 使った養生テープを「使い切り」にしない工夫 普段、養生テープを「使ったら使い切り」で捨てていませんか?短時間の使用なら、丁寧に剥がせば再利用できるケースもあります。引越しの段ボール仮止めや家具養生で短時間しか使わなかったテープは、剥がして別の用途に使い回す。今までの「使い捨て前提」の習慣を見直すと、自然と消費量が減ります。

大切なのは、慌てて買い占めに走らないこと。コロナ初期のトイレットペーパー騒動と同じで、皆が一斉に買いに走ると品薄が加速します。「少量ずつ・早めに・複数の選択肢を持つ」──この基本姿勢が、養生テープショックを乗り切る家庭の知恵です。

まとめ──家庭の方が押さえておきたい5つのポイント

  1. 2026年2月末の中東情勢悪化(ホルムズ海峡封鎖)を発端に、原料の供給不安からメーカー各社が出荷を絞り、市場に「目詰まり」が発生。さらに紅海ルート問題で欧州の特殊原料も大幅遅延している。
  2. 主要メーカー各社は3〜5月にかけて異例の連鎖値上げを実施(ダイヤテックス・萩原工業 20〜30%、寺岡製作所 +100円/巻、日東電工 約1割弱など)。国産品は+40%以上、輸入品は+60%以上が定着している。
  3. 主要通販9サイトの横断調査では、ヨドバシ「販売を終了しました」、オレンジブック「一時受注停止」、アスクル「お取り扱いを一時停止」、梱包ドットコム「全テープ類の新規受付停止」など、定番品の取り扱い終了・受注停止表示が連鎖している。1巻単位は買えても、業務用ケース単位は深刻な状態。
  4. 原料の海外価格は2026年6月に4割超下落したが、①数ヶ月のタイムラグ、②粘着剤の連続値上げ、③紅海ルート未復旧、④物流・人件費・脱炭素コストの4要因により、養生テープ価格はすぐには戻らない。完全正常化は2026年下半期以降の見通し。
  5. 家庭としては、①少量ずつ早めに買い置き、②高級ブランドにこだわらない、③用途別の代替品を組み合わせる、④引越し・リフォーム業者と早めに相談、⑤再利用の工夫の5つを意識することで、賢く乗り切ることが可能。台風シーズン前の備えが重要。

本記事の参考情報源

  • 経済産業省 2026年3月31日 記者会見要旨 ― ナフサ調達の代替先確保・在庫状況に関する政府発表
  • DIC株式会社 2026年3月24日付・5月29日付 粘着剤原料価格改定プレスリリース
  • ダイヤテックス株式会社 代理店向け通知(2026年4月1日出荷分〜)― パイオランテープ +20〜30%値上げ/アロケーション継続
  • 寺岡製作所 卸値改定通知(2026年4月1日付)― P-カットテープ +100円/巻以上の引き上げ
  • 萩原工業株式会社 2026年3月30日発表 ― 海外コンテナ遅延を背景とした出荷制限・20〜30%値上げ
  • 日東電工株式会社 主要カタログ価格改定(2026年4月1日〜)
  • 光洋化学株式会社 アロケーション導入・価格改定(2026年4月1日〜)
  • ロイター「アジアのナフサ価格急落、ADNOCがオマーン経由で輸出再開」(2026年6月3日)
  • ジェトロ ビジネス短信「紅海・スエズ運河における通航量は大きな変動なし、喜望峰ルート迂回が継続」(2026年3月13日付)
  • 日本経済新聞「商船三井社長 紅海航路の再開は2026年中に可否判断」(2026年1月21日)
  • 梱包ドットコム 公式アナウンス(2026年6月時点)― 全テープ類の新規ご注文受付一時停止
  • オレンジブック.Com(トラスコ中山運営)― パイオラン「一時受注停止」表示
  • ヨドバシ.com ― パイオラン「予定数の販売を終了しました」表示
  • アスクル ― 日東電工 No.395N 30巻箱「お取り扱いを一時停止、または終了」表示
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本記事に関する注意事項

  • 本記事は、2026年6月5日時点で公開されている公的統計・報道情報・通販サイト表示をもとに、一般の方向けにやさしく解説した記事です。市場状況・メーカー各社の対応・通販サイトの在庫表示はその後変動している可能性があります。
  • 本記事に記載された値上げ率・実勢価格・年間家計影響額の試算(例:年間+5,000〜15,000円)はあくまで一般的な目安であり、実際の使用量・購入場所・地域・ブランド等により大きく異なります。
  • 本記事は特定の養生テープブランド・特定の通販サイトへの推奨や保証を行うものではありません。実際の購入判断はお客様ご自身の責任においてご判断ください。
  • 本記事は特定の政党・政治的立場を支持・批判する意図を持つものではありません。中東情勢・政府対応への言及は、公表された報道内容の客観的引用に基づくものです。
  • 本記事の内容を転載・引用される場合は、出典(プラスチックパレット株式会社 公式ブログ)を明記のうえご利用ください。
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