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Easy Explainer | プラスチックパレット株式会社 公式ブログ

ニュースで聞くイラン情勢が招く「2026年薬不足ショック」をやさしく解説、
ジェネリックが消える
本当の理由

家計と暮らしへの影響を、一般の方向けにわかりやすく解説します【2026年6月版】

▼ かんたんに言うと

2026年に入って「いつもの薬がもらえない」「ジェネリックが消えた」というニュースが増えました。きっかけは2026年2月末の中東イラン情勢で、薬の原料や錠剤の包装シートの素材が日本に届きにくくなったことです。製薬会社は「作っても採算が合わない」品目から製造をやめざるを得ず、2024年12月時点ですでに約20%(3,244品目)が限定出荷・供給停止に。さらに2026年5月22日、日本ジェネリック株式会社が8品目以上を一斉に販売中止すると発表しました。本記事では、なぜ起きたか、家計と暮らしへの影響、患者・家族として今できることを、専門用語を使わずに解説します。

「いつも飲んでいる薬を薬局に取りに行ったら、『今は入荷待ちなので、別の薬で出します』と言われた」──そんな声が2026年に入って増えています。テレビやネットで「ジェネリック医薬品の供給不安」「薬価逆ザヤ」といった難しい言葉が並びますが、結局のところ何が起きているのでしょうか。

この記事では、専門用語をできるだけ使わず、「なぜ薬不足になったのか」「家計にどう響くのか」「私たち患者として何ができるのか」を、暮らし目線で整理します。すでに毎日お薬を飲まれている方も、たまにしか病院に行かない方も、安心して読み進めていただける内容です。

CHAPTER 01

そもそも、なぜ薬が手に入りにくくなったのか?

話の起点は、2026年2月末に中東で起きた出来事です。米国とイスラエルがイランを攻撃し、その報復としてイランがホルムズ海峡を事実上封鎖しました。この海峡は、日本が輸入する原油の多くが通過する世界的に重要な航路です。

「原油と薬に何の関係があるの?」と思われるかもしれません。実は薬の有効成分の多くは、原油から作られる『有機溶剤』を使って化学合成されています。トルエン・アセトン・メタノールといった成分が、薬を作る過程で大量に必要になります。さらに、錠剤を包んでいるアルミとプラスチックの包装シート(PTP包装)や、点滴バッグ、注射器なども、すべて石油から作られているのです。

やさしい例え

薬作りは「お料理」に似ています。主役の食材(有効成分)だけでなく、調味料(溶剤)も、お皿(包装)も、配達用の段ボール(医療資材)もすべて必要。ホルムズ海峡が止まるということは、調味料屋さんから配達屋さんまで、料理に関わるすべての業者さんが「いつ食材が届くかわからない」状態になったということです。

「料金所」が混んでしまった世界の物流

ホルムズ海峡を通れない船は、アフリカ大陸を大きく迂回する「喜望峰ルート」を使うしかありません。距離が遠くなるので輸送期間は数週間〜1ヶ月延び、海上の運賃や船の保険料も平時の5〜10倍に跳ね上がりました。「料金所が突然5倍に値上げされたら、配達が間に合わないし、運ぶ業者さんも疲弊する」──そんな状況です。

製薬会社が「作りたくても作れない」事情

原料が高くなっても、日本の薬の値段(薬価)は国が決めた価格で固定されています。スーパーで仕入れ価格が上がっても、お店が販売価格を自由に上げられない状態を想像してみてください。製薬会社は「作るほど赤字になる」品目を抱え込み、ついには『販売中止』を選ばざるを得なくなりました

EVIDENCE 01
日本ジェネリック 一斉販売中止

2026年5月22日、日本ジェネリック株式会社が一日に8品目以上の販売中止を発表。エポセリン坐剤、イミダプリル塩酸塩錠(高血圧の薬)、サルポグレラート塩酸塩錠(血液の流れを良くする薬)など、暮らしに身近な薬が含まれていました。

EVIDENCE 02
既に20%が限定出荷・供給停止

厚生労働省の2024年12月時点の調査では、調査対象17,447品目のうち約20%(3,244品目)が限定出荷または供給停止の状態でした。中東危機よりも前から、ジェネリックの供給は既に細っていたのです。

薬本体だけではない、「包装」「容器」「注射器」も同じ原料から

もう一つ、見落とされがちな点があります。錠剤を包んでいるアルミとプラスチックの包装シート(PTP包装と呼ばれます)、点滴バッグ、シリンジ(注射器)、輸液チューブ、カテーテルなど、医療現場で使う「使い捨ての医療資材」も、ほとんどすべてが石油から作られています。原料が同じナフサ(石油の一種)なので、薬の中身が完成しても、それを包む資材が足りなければ薬は出荷できません。

ロイター通信が2026年3月27日に報じた内容では、人工透析に使う「透析回路」というチューブを作る国内シェア5割の企業が、海外工場の原料不足で「早ければ8月以降の国内出荷が困難になる可能性」を指摘しました。手術中に使う廃液容器も、4月半ばで原料供給が終わる見込みと報じられています。「見えない部分」での供給不安が、薬の中身と同じくらい深刻に進行しているのが、2026年6月時点の実情です。

CHAPTER 02

「ジェネリック医薬品」って何?なぜ消えるのか?

ニュースでよく聞く「ジェネリック医薬品」とは、最初に開発された「先発薬」の特許が切れた後に、別の製薬会社が同じ成分・同じ効き目で作る薬のことです。日本語では「後発医薬品」とも呼ばれます。

先発薬は開発に何年もかかり、莫大な費用がかかります。その費用を回収するために、特許期間中は1社だけが製造・販売できる仕組みです。特許が切れた後、他の会社が同じ成分で作れるようになり、開発費がかからない分、価格が安くなります。日本では国が後発医薬品の使用を推進してきた結果、現在では処方薬の約8割をジェネリックが占めています。

やさしい例え

ジェネリックは、コンビニのプライベートブランド(PB)商品に似ています。「コカ・コーラ」(先発薬)の特許が切れた後、別の会社が同じ味の「コーラ風炭酸飲料」(ジェネリック)を安く作る、そんなイメージです。中身は同じでも、価格は半分から3分の1になります。患者さんにも、健康保険を運営する国にとっても、薬代を抑えられる仕組みです。

「安いことが弱点」になってしまった構造

ところが、この「安い」という強みが、今回の薬不足では弱点に転じました。原料費・物流費・電気代がすべて上がるなか、安い値段で売り続けると製薬会社は赤字になります。これを業界では「逆ザヤ」と呼びます。2026年3月時点では、ジェネリック全品目の約35〜40%で逆ザヤが発生していると報告されています。

会社として赤字を垂れ流して薬を作り続けることはできません。そのため、薬効が代替できる品目から順に「製造中止」や「限定出荷」が広がっていきました。これが、皆さんが薬局で「いつもの薬がない」と言われる現象の正体です

35〜40%
ジェネリック医薬品の中で「作っても赤字」になっている品目の割合(2026年3月時点)。だから製薬会社は不採算品目から撤退を始めています。

国は「絶対に切らせない薬」を75成分指定

政府はこの危機を受けて、「重要供給確保医薬品」として75成分(A群35+B群40)を指定しました。これは「これだけは何があっても切らさないように国が責任を持って守る」と決めた薬のリストです。代表的な成分は次のとおりです。

A GROUP
命を守る最優先の薬

シクロスポリン・タクロリムス(臓器移植後や自己免疫疾患の薬)、ワルファリンカリウム(血液をサラサラにする薬)、テガフール配合剤(がん治療薬)、アセトアミノフェン(解熱鎮痛剤の外用)、トロンビン(止血剤の外用)。

B GROUP
広く使われる大切な薬

ロキソプロフェンナトリウム(痛み止め)、ジアゼパム坐剤(小児の熱性けいれんやてんかんの治療薬)、人免疫グロブリン製剤(注射薬・薬局備蓄対象外)など、暮らしや救急医療を支える成分が並びます。

2026年6月1日からは、薬局に対しても、これらの薬のうち内服薬と外用薬について「1か月分は備蓄するように努めること」という新しいルールが始まりました。ただし、皮肉なことに、備蓄を求められた薬の多くが、まさに現場で入手困難になっている品目でもあります

この75成分は「暮らしのどんな場面」で出てくる薬?

「重要供給確保医薬品」と聞くと特殊な薬を想像しがちですが、実は暮らしの幅広い場面で使われている薬が含まれています。たとえば次のようなご家族はいませんか?

こんなご家族に関係します

・高血圧で毎朝の薬を飲んでいるおじいちゃん・おばあちゃん
・心房細動などで「血液をサラサラにする薬」(ワルファリン)を飲んでいる方
・臓器移植後にシクロスポリンやタクロリムスを服用している方
・関節リウマチ・自己免疫疾患でタクロリムスを服用している方
・小児の熱性けいれん予防にジアゼパム坐剤を常備しているお子さんのいるご家庭
・痛み止めとしてロキソプロフェンを処方されている方

これらはすべて「重要供給確保医薬品」に含まれる成分で、国が「絶対に切らせない」と決めた薬です。逆に言えば、国がここまで踏み込んで指定するほど、供給リスクが現実のものになっているということでもあります。

「薬局で1か月分備蓄」がなぜ難しいのか

新しいルールでは、薬局は重要供給確保医薬品のうち、自分の店で過去1年間に処方した実績のある薬について、1か月分の在庫を持つよう努めることになりました。ただし、薬は使用期限があり、保管温度や湿度も管理しなければならないため、安易に大量備蓄するわけにもいきません。さらに、卸売業者(製薬会社と薬局の間に立つ業者)からの出荷が制限されている品目は、そもそも在庫を増やしたくても入手できない、という事情もあります。

つまり、ルールができても「物理的に在庫を確保できない」というジレンマを、現場の薬局は抱えています。私たち患者からすれば、いつもの薬局に欲しい薬がなくても、薬局側の責任ではないことが多い、と理解しておくと、現場の薬剤師さんとのやり取りも穏やかに進められます。

CHAPTER 03

家計と暮らしへの影響 ── あなたの薬代はこう変わる

では、私たち患者・家族の家計には具体的にどう響くのでしょうか。3つのパターンに分けて整理します。

パターン①:ジェネリックが先発薬に置き換わる場合

毎月飲んでいるジェネリックが製造中止になり、代わりに先発薬が処方されるケースです。先発薬はジェネリックの2〜3倍の価格になることが一般的で、自己負担割合(1〜3割)にもよりますが、月数千円〜1万円程度の負担増になる方もいます。

家計シミュレーション

持病で月3種類のジェネリックを服用している方

月+3,000〜7,000円程度の負担増

3割負担で、ジェネリック1錠20円→先発薬1錠50円に置き換わる場合の概算。種類が多い方や、特に高額な薬が含まれる方は、さらに負担が増える可能性があります。詳しくはお薬手帳を持って、かかりつけ薬剤師に相談しましょう。

パターン②:別のジェネリックに変更される場合

これは比較的影響が小さいパターンです。同じ成分の別メーカーのジェネリックに変わるだけなので、価格はほぼ同じです。ただし、錠剤の色や形が変わったり、添加物が異なるため、まれに体に合わないと感じる方もいます。違和感があれば必ず医師・薬剤師に伝えてください。

パターン③:処方そのものが変わる場合

薬が入手困難なため、医師の判断で別の薬効・別の成分の薬に変更されるケースです。たとえば、ある抗生物質(アモキシシリン)が入手できないため、別系統の抗生物質に切り替えるといった対応です。新しい薬には別の副作用やアレルギーの可能性もあるため、特に注意深いフォローが必要です

暮らしへの影響

ジェネリック医薬品の不足は、薬代だけでなく「薬局での待ち時間」「お薬手帳の管理の複雑化」「家族での薬の取り違えリスク」など、暮らしの細部にも影響します。たとえば、いつもピンク色だった錠剤が白色に変わると、高齢のご家族が「これは私の薬じゃない」と不安になることもあります。家族で「お薬リスト」を共有しておくと安心です。

4月施行の薬価改定で「全体」の薬価は下がった

「ジェネリックが消えて先発薬に変わると高くなる」と書きましたが、一方で2026年4月施行の薬価改定で、薬剤費全体は約4%引き下げられました。つまり、変わらず同じジェネリックが処方される方は、薬代がむしろ少し下がっている可能性もあります。

大事なのは「自分の場合はどう変わるか」を、お薬手帳を持ってかかりつけの薬剤師さんに聞いてみることです。多くの薬剤師さんは、こうした相談を歓迎してくれます。

「お薬手帳」が今、これまで以上に大切な理由

お薬手帳は、複数の医療機関や薬局を利用していても、「自分が今飲んでいる薬の全体像」を一冊で見渡せる仕組みです。今回のような薬不足の時期には、特に次の3つの場面で力を発揮します。

お薬手帳の3つの活用シーン

①薬の切り替え相談で:「この薬がジェネリックから先発薬に変わると言われたんですが、別の薬局では同じジェネリックの在庫がありますか?」と聞けます。

②代替薬の安全確認で:処方医が代替薬を出すとき、過去に飲んでいた薬・アレルギー歴がすぐに確認できます。

③ご家族の管理で:高齢のご家族の薬を、別居のお子さんが薬局に確認できるとき、お薬手帳があれば話が早く進みます。

高齢者世帯では「薬が変わる」だけで生活リズムが乱れることも

もう一つ大事な視点があります。高齢の方にとって、いつもの錠剤の色や形が変わると、それだけで「これは私の薬じゃない」と不安になることがあります。たとえば、いつもピンク色の小さな錠剤だったのが、白色の大きな錠剤に変わると、飲み忘れや飲み間違いが起きやすくなります。

そんなときは、お薬手帳に「2026年〇月〇日からこの色・形に変わった」と一言メモを入れたり、薬剤師さんに「ピルケース(一週間ごとの仕切り箱)」での仕分けをお願いしたりすると安心です。ご家族で「お薬リスト」を共有して、定期的に確認する時間を作るのも、有効な工夫です。

Forecast
CHAPTER 04

これからどうなる?2026年下半期の見通し

「中東の情勢が落ち着けば、すぐ元に戻るのでは?」と思われるかもしれません。実際、2026年6月3日にはアジアのナフサ(薬の原料の一種)価格が1トン767ドルまで急落しました。5月の1,043ドルから約26%下落です。「これで値段が下がりそう?」と感じる方も多いでしょう。

しかし、結論を先に言うと、残念ながらすぐには元に戻りません。理由は4つあります。

理由①:一度撤退した薬の再投入には時間がかかる

製薬会社が「販売中止」と判断した薬を再び作り直すには、製造ラインの再立ち上げ、薬としての承認の維持、原料の調達先の再構築など、年単位の準備が必要です。ナフサ価格が下がっても、すぐに撤退した薬が戻ってくるわけではありません

理由②:薬価改定(▲4.02%)で経営余力がない

2026年4月の薬価改定で薬剤費全体が引き下げられたため、製薬会社は「原料が安くなっても、薬の値段も下がるので、経営の余裕は生まれない」状況です。逆ザヤ構造は構造的に固定化されてしまいました。

理由③:紅海ルートは依然として使えない

ホルムズ海峡や紅海周辺の安全が完全に確認されるまで、船はアフリカ迂回ルートを使い続けます。海上輸送費・保険料の高止まりは、当面続く見通しです。

理由④:薬局も病院も「備蓄コスト増」で悲鳴

新しい制度(地域支援・医薬品供給対応体制加算)で薬局は重要供給確保医薬品の備蓄義務を負い、病院も医療資材の在庫を増やす必要があります。この「備蓄するための資金繰り」が、医療機関の経営を圧迫しています

完全な薬の供給回復は、2026年下半期(7〜12月)以降になる見通し。短期的な値段の上下より、長期的な構造の理解が大切です。

政府の対応も継続中

厚生労働省と経済産業省は2026年3月31日に「中東情勢の影響を受ける医薬品、医療機器、医療物資等の確保対策本部」を設置し、4月23日(第4回)、5月18日(第5回)と継続的に会合を開催しています。患者・家族の生活を守るための制度設計が進行中です。

医療機関や薬局向けの「相談窓口」も開設済み

厚労省と経産省は2026年4月、医療機関や製薬メーカー向けに「医療物資相談窓口」を開設しました。東洋経済オンライン(2026年4月15日付)の報道では、開設からほどなくして543件もの相談が寄せられたとのこと。私たち患者・家族が直接相談する窓口ではありませんが、かかりつけ医療機関が困ったときに、行政が後ろ盾になる体制が整いつつあるとご理解いただければ十分です。

世界でも同じ動き

薬不足は日本だけの問題ではありません。USP(米国薬局方)という米国の公的機関は2026年3月、アモキシシリン(抗生物質)・エトミデート(麻酔薬)・アセトアミノフェン(解熱鎮痛剤)の3薬剤について世界的な供給停止リスクを警告。日本の薬不足も、世界中の医薬品サプライチェーンが中東情勢に揺さぶられている全体像の一部です。

CHAPTER 05

患者・家族として今できること

不安なニュースが続きますが、私たち患者・家族としてできることは確実にあります。明日からの暮らしで実践できる5つのアクションを整理しました。

  1. かかりつけ薬剤師に「いまの自分の薬の状況」を聞く まずは現状把握から。お薬手帳を持って薬局に行き、「今飲んでいる薬は今後も入手できそうか」「もし入手できなくなったら、どう対応するか」を聞いておきましょう。多くの薬剤師さんは丁寧に答えてくれます。複数の医療機関にかかっている方は、すべての処方を1冊のお薬手帳にまとめておくと、薬剤師さんが全体を見渡せて、より的確なアドバイスがもらえます。
  2. 処方薬を自己判断で中断しない 「薬が足りなくなりそう」と心配でも、絶対に自分の判断で薬を減らしたり止めたりしないでください。特に血圧・糖尿病・血液凝固・てんかんなどの薬は、急に止めると重大な健康被害につながります。心配ごとは必ず医師・薬剤師に相談しましょう。
  3. 処方薬の「残薬」を整理して、医師と共有する 飲み忘れて家に余っている薬を整理して薬剤師に伝えると、調剤の調整で無駄を減らせます。「残薬調整」と呼ばれる仕組みで、自己負担も減ることが多いです。お薬手帳を一冊にまとめておくと、複数の医療機関にかかっていても薬剤師さんが全体を見渡せます。
  4. 家族間で「お薬リスト」を共有する 高齢のご家族や、子どもの薬の管理も含めて、家族のお薬リスト(薬の名前・量・服用時間・処方医・薬局)を1枚にまとめておきましょう。災害時や緊急時にも役立ちます。最近はスマホアプリで管理する方法もあります。「電子お薬手帳」と呼ばれるアプリは、薬局でQRコードを読み込ませるだけで処方履歴が記録される便利な仕組みもあります。
  5. 不確かな情報に振り回されず、信頼できる情報源を選ぶ SNSでは「○○の薬がもう手に入らない」「△△は危険」といった不確かな情報が拡散することがあります。厚生労働省の公式サイト、お住まいの自治体の発信、かかりつけ医療機関の説明を一次情報として確認しましょう。買い溜めや転売目的の購入は、本当に必要な方への供給を細らせます。落ち着いた行動が、自分にも家族にも、社会全体にも、最も良い結果をもたらします。
In Closing

ここまでのポイント・5点で振り返り

  1. 2026年2月末のイラン情勢悪化で原油・原料・包装材の供給が滞り、薬の製造と物流が止まり始めた。
  2. 日本のジェネリック医薬品の約35〜40%で逆ザヤ(作るほど赤字)が発生し、不採算品目から製造中止が連鎖中。
  3. 政府は重要供給確保医薬品75成分(A群35+B群40)を指定し、命に関わる薬を優先的に守る仕組みを整備。
  4. 家計への影響はパターンで異なり、月数千円〜1万円程度の負担増になる方も。薬価改定で全体は下がる方向。
  5. 完全な正常化は2026年下半期以降の見通し。患者・家族としては、かかりつけ薬剤師との対話と、自己判断中断の回避が最重要。

主な情報源

  • 厚生労働省・経済産業省「中東情勢の影響を受ける医薬品、医療機器、医療物資等の確保対策本部」(第1回 2026年3月31日設置・第4回 4月23日・第5回 5月18日)
  • 厚生労働省 第19回医療用医薬品の安定確保策に関する関係者会議 参考資料3(令和7年1月24日)― 限定出荷・供給停止合計20%(3,244品目)
  • 厚生科学審議会医療用医薬品迅速・安定供給部会(2025年10月27日)― 供給確保医薬品762成分・重要供給確保医薬品75成分(A群35+B群40)の選定
  • 厚生労働省告示第72号「使用薬剤の薬価(薬価基準)の一部を改正する件」(令和8年3月5日)― 薬剤費ベース▲4.02%、2026年4月1日施行
  • 日本ジェネリック株式会社 「医療関係者向けお知らせ一覧」 2026年5月22日付 ― 8品目以上の販売中止案内
  • 沢井製薬株式会社 「全製品供給状況一覧」(2026年5月8日時点)
  • 日刊薬業「中東情勢、原薬のリスク洗い出し 原薬工、影響の程度は不透明」(2026年4月28日)
  • USP(米国薬局方)リスクアセスメント(2026年3月)― アモキシシリン・エトミデート・アセトアミノフェンの供給停止リスク警告
  • ジェトロ「中東・イラン経済情勢(2026年5月14日時点)」
  • ロイター「アジアのナフサ価格急落、ADNOCがオマーン経由で輸出再開」(2026年6月3日)
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注記・医療判断に関する大切なお願い

  • 本記事は一般の方向けの情報提供を目的としたもので、個別の医療判断・服薬指導を行うものではありません。
  • 処方薬の継続・中断・変更については、必ず主治医・かかりつけ薬剤師にご相談ください。自己判断による服薬中断は危険です。
  • 薬の入手状況や価格は地域・薬局・タイミングによって異なります。最新情報はお住まいの薬局にご確認ください。
  • 記事中の家計シミュレーションはあくまで目安です。実際の自己負担額は処方内容・保険種別・自治体助成等で変動します。
  • 本記事の数値・出典は公的機関・業界団体の公開情報に基づいていますが、状況は日々変化します。最新の動向は厚生労働省等の一次情報をご確認ください。
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