ニュースで聞くイラン情勢が招く
「2026年シーリングショック」をやさしく解説
新築・リフォーム・住宅オーナーが知っておきたい本当のこと
原価増の見通し
カートリッジ価格
3本まで
個数制限
Q1-Q2
見通し時期
「2026年シーリングショック」を専門用語をかみ砕いて新築・リフォーム・住宅オーナー向けに解説。家の毛細血管と呼べるシーリング材が手に入らない理由、1棟原価増56万円、Amazon 1.6〜2.1倍、お一人様3本まで、5/25高市総理3兆円補正予算、本格回復2027年Q1〜Q2まで、家を建てる・直す方の暮らしの言葉でご説明します。
シーリング材ってなに?「家の毛細血管」の正体
「シーリングショック」「コーキング材が手に入らない」というニュースを、ここ数か月で耳にされた方も多いと思います。新築工事の現場、外壁塗装業者、リフォーム会社、ホームセンターの店頭まで、業界全体が同じ言葉で困っています。でも、「シーリング材」とは具体的にどんなものでしょうか。家の中で、どこにどう使われているのでしょうか。実は、ほとんどの方が家を建てた経験があっても、シーリング材そのものを意識したことは少ないはずです。ところが、シーリング材がないと、私たちの家は雨水から守られず、隙間風に晒され、地震のたびに割れてしまうのです。
シーリング材とは、建物の外壁の目地(めじ)、窓やドアの周り、浴室や台所など水回りのつなぎ目に充填される、ペースト状からゴム状に固まる材料です。封筒に貼るシールとはまったく別物で、別名「コーキング材」とも呼ばれます。市販品はチューブ型の「カートリッジ」(容量333mlが標準サイズ)に入っており、職人さんが「コーキングガン」という押し出し器具で目地に塗り込み、ヘラでならして仕上げます。
シーリング材を「家の毛細血管」にたとえると分かりやすいです。心臓や肺、肝臓のような目立つ大きな臓器の陰で、毛細血管は身体の隅々まで張り巡らされ、酸素と栄養を運び、老廃物を回収しています。私たちは普段、毛細血管の存在を意識しません。ところが毛細血管が詰まったり破れたりすると、健康に大きな影響が出ます。シーリング材も同じです。家の柱や梁、屋根や外壁といった「大きな構造材」の陰で、シーリング材は外壁の目地や窓周り、水回りといった「小さな継ぎ目」を埋めて、家の防水・気密・耐震を支えています。
家のどこに使われているのか ── 6つの主要箇所
家1軒分のシーリング材の使用量は、戸建住宅で10〜30kg程度(カートリッジ333ml換算で約30〜90本相当)と言われます。主な使用箇所は以下の6つです。
| 使用箇所 | 役割・重要性 |
|---|---|
| 外壁の目地 | サイディング(板状外壁)・ALC(軽量気泡コンクリート)の板と板の継ぎ目を埋め、雨水浸入を防ぐ最重要箇所 |
| 窓・サッシ周り | 窓枠と外壁の隙間を埋めて雨漏り・結露・隙間風を防ぐ |
| 玄関ドア・勝手口 | ドア枠と外壁の取り合い部の防水・気密シール |
| 浴室・キッチン水回り | 壁と床のジョイント、カウンター周り、配管貫通部の防カビ・防水 |
| 屋根・板金部 | 板金の合わせ目、雨樋取付部、棟板金部の防水 |
| 配管貫通部 | 給湯配管・換気ダクトが壁を貫通する箇所のシール |
シーリング材の3つの主要タイプ
市販されているシーリング材には、大きく分けて変成シリコーン系・シリコーン系・ポリウレタン系の3つの主要タイプがあります。それぞれ性質と使い方が違います。
| タイプ | 特徴 | 主な使用箇所 |
|---|---|---|
| 変成シリコーン系 | 塗装が乗る。耐候性が高い。建築用の主役 | 外壁目地、サイディング、ALC |
| シリコーン系 | 耐水性に優れる。塗装が乗らない(撥水する) | 浴室、キッチンなど水回り |
| ポリウレタン系 | 密着力が強い。耐候性は変成シリコーンより劣る | コンクリート目地、屋根板金部 |
新築・外壁塗装の現場で最も重要なのは「変成シリコーン系」です。今回の「シーリングショック」で特に深刻に不足しているのが、この変成シリコーン系の主原料を作るカネカや、製品を作るセメダイン・サンスター技研・シャープ化学などのメーカーの製品です。
なぜ「毛細血管」がそんなに重要なのか
シーリング材があるからこそ、家は次の3つを長期的に保てます。
- 防水性:外壁・屋根・サッシ周りからの雨水侵入を防ぎ、躯体(柱・梁)の腐食を防ぐ
- 気密性:外気の侵入を遮り、冷暖房効率を保ち、結露を防ぐ
- 耐震追従性:地震・温度変化で建物が膨張・収縮しても破断せず、隙間を埋め続ける弾力性
これら3つが揃って初めて、家は「100年住宅」「長期優良住宅」と呼べる耐久性を獲得します。シーリング材は、目立たない小さな「目地」に塗られるだけの材料ですが、ここが破断すると雨漏り→構造材の腐食→住宅の寿命短縮、と被害が連鎖していくのです。
・シーリング材は「家の毛細血管」と呼べる小さな材料で、外壁目地・窓周り・水回り・屋根板金部などに使われます。
・家1軒に10〜30kg(カートリッジ約30〜90本)が使われ、防水・気密・耐震追従の3つを長期的に保つ役割を担います。
・変成シリコーン系(建築用主役)・シリコーン系(水回り用)・ポリウレタン系(コンクリート用)の3タイプがあり、今回特に不足しているのが変成シリコーン系です。
・シーリング材が破断すると、雨漏り→構造材腐食→住宅の寿命短縮、と被害が連鎖していきます。
2026年4月、何が起きたのか
「シーリングショック」という言葉が業界に広まり始めたのは、2026年4月以降です。きっかけは中東で起きた軍事衝突でした。
2026年2月28日 ── 米・イスラエルの対イラン攻撃
2026年2月28日、米国とイスラエルがイランの軍事施設・政府施設に対する攻撃を開始しました(米議会調査局・英国議会図書館の一次資料で確認できます)。これに対しイランは反撃を表明し、中東地域全体で軍事的緊張が一気に高まりました。3月初旬には、イランが「ホルムズ海峡」という重要な海の通り道を段階的に封鎖、3月4日に「完全支配」を宣言します。
ホルムズ海峡は中東の「ペルシャ湾」と「オマーン湾(インド洋)」をつなぐ、幅わずか33kmほどの狭い水路です。サウジアラビア・UAE・カタール・バーレーン・クウェート・イラク・イランといった世界有数の産油国は、すべてペルシャ湾の中に位置しており、原油やLNG、そしてシーリング材の原料となるナフサを世界に輸出するには、このホルムズ海峡を必ず通らなければなりません。ここが閉じてしまうと、産油国は「巨大な袋小路」に閉じ込められた形になり、世界の原油の約20%、ナフサに至っては日量120万バレル前後(東アジア向け)が止まってしまうのです。
3月〜4月 ── シーリング材メーカーの値上げ・出荷停止が連鎖
シーリング材の主成分は、すべて原油から作られる「ナフサ」を加工して作る合成樹脂(ポリマー)です。中東情勢の悪化でナフサ供給が止まり、シーリング材メーカーは原料が手に入らず、価格を上げざるを得ない、製品を作れない、という事態に追い込まれました。2026年3月から4月にかけて、業界全体が同時に動き始めたのです。
| メーカー名 | 主な製品 | 対応 | 時期 |
|---|---|---|---|
| カネカ | MSポリマー・サイリル(変成シリコーン主原料) | +120円/kg値上げ | 4/1出荷分〜 |
| 信越化学工業 | シリコーン系シーリング材 | +30円/kg〜値上げ | 4/1納入分〜 |
| セメダイン | 変成シリコーン・シリコーン全般 | 供給困難を公式表明 | 3/31付通知 |
| サンスター技研 | ペンギンシール(変成シリコーン等) | +30%以上値上げ | 4月出荷分〜 |
| オート化学工業 | オートンイクシード等(ポリウレタン) | 価格改定・供給調整 | 4/9発表 |
| シャープ化学工業 | シャーピーシリーズ全般 | 溶剤系+40%・他+20% | 4月出荷分〜 |
| サンライズ | 建築用シーリング材全般 | 出荷停止 | 4月〜 |
業界全体が同時に動いたという事実そのものが、この危機が「特定の1社の経営判断ミス」ではなく、構造的な原料危機であることを示しています。
4月以降の悪化 ── 「停戦合意」も繰り返し動揺
2026年4月8日には米・イラン間で2週間の停戦合意が成立しましたが、4月22日の停戦期限を迎えた時点で第2回協議は事実上不成立。同日にはイラン革命防衛隊(IRGC)が外国籍コンテナ船2隻を拿捕しました。5月3〜4日にはUAEフジャイラの主要石油関連施設にイランのドローン攻撃が発生し、Brent原油は1バレル114ドル超に再急騰します(Bloomberg)。シーリング材の原料供給は、断続的に「希望」と「失望」を繰り返しながら、根本的な改善には至らない状態が続きました。
・2026年2月28日に米国・イスラエルがイランを攻撃、3月初旬にホルムズ海峡が事実上封鎖されました。
・シーリング材の主原料ナフサが入手困難になり、3〜4月にカネカ・信越化学・セメダイン・サンスター技研・シャープ化学・オート化学・サンライズなど業界の主要メーカーが同時に値上げ・供給制限・出荷停止に動きました。
・業界全体が同時に動いた事実が「構造的な原料危機」であることを示しています。
・4月の停戦合意も動揺、5月3-4日のUAEフジャイラ攻撃でBrent原油114ドル超に再急騰、危機は長期化しました。
なぜ日本だけこんなに困っているのか
「中東でトラブルが起きた」と聞いても、世界には他にも産油国はたくさんあります。アメリカ、ロシア、ノルウェー、ブラジル、ナイジェリア、アンゴラ──。それなのに、なぜ日本のシーリング材供給がここまで深刻な状態になっているのでしょうか。答えは「日本だけが持つ4つの特殊事情」にあります。
事情1:ナフサの中東依存度が74%まで上昇していた
シーリング材の主成分である合成樹脂(変成シリコーン・シリコーン・ポリウレタン)は、すべて輸入原油から精製されるナフサを原料としています。日本はナフサの供給の60%以上を輸入に依存しており、輸入分のうち約70%が中東産です。中東依存度は2020年の53%から2024年には74%まで上昇していました。日本の石油化学コンビナートがもともと中東産原油を加工することを前提に設計されているため、簡単に他国産に切り替えられない構造があります。
事情2:ナフサの民間在庫はわずか20日分
日本のエネルギー備蓄について、教科書では「日本は石油を約254日分備蓄している」と教えられます。これは事実で、原油の国家備蓄は254日分(約2年弱)あり、世界的にも高い水準です。ところが──ナフサは国家備蓄制度の対象外なのです。化学メーカーが民間で持っている在庫はわずか約20日分。中東情勢が長引いた瞬間に、シーリング材メーカーが原料として使うナフサはあっという間に取り崩されてしまいました。
事情3:シーリング材は「触媒・添加剤」も欧州・中国依存
シーリング材は単純な「ナフサだけで作る」材料ではありません。硬化速度・接着性・耐候性・色などを制御するために、触媒(しょくばい)と特殊添加剤が数%含まれています。これら添加剤の多くは、ドイツ(BASF・Wacker等)や中国の化学プラントに依存しています。完成品の製造ラインが日本国内にあっても、これら数%の「必須成分」が届かないために最終製品の出荷ができない事態が全国のメーカーで発生しているのです。
これは、味噌汁を作るのに「お味噌は手元にたっぷりあるけれど、出汁を取るための鰹節がない」状態に似ています。お味噌(ナフサ由来の樹脂)はあっても、鰹節(触媒・添加剤)がなければ、おいしい味噌汁(高品質なシーリング材)は作れません。シーリング材は「原料の98%」が揃っていても、「鰹節にあたる2%の特殊添加剤」が届かないと完成品にならないのです。
事情4:欧州・アジアからの輸入も「物流の断絶」で長期化
「日本で作れないなら、欧州(ドイツのヘンケル、スイスのシカ等)から輸入すればよい」と考えるかもしれません。実は欧州からの輸入船は、紅海・スエズ運河ルートを避け、アフリカ南端の喜望峰を回るルートに変更を余儀なくされています。通常約1か月だった輸送期間が3〜4か月以上に延びており、4月発注分が現場に届くのは「夏以降」という絶望的なスケジュールになっています。フーシ派は2026年4月、今回の衝突に関連して紅海での攻撃を示唆しており、サウジアラビアのヤンブー港経由の代替パイプラインルートも安全とは言い切れません。
業界全体は「逆ざや」状態 ── エチレン稼働率は44ヶ月連続で損益分岐割れ
もう一つ、危機の深刻さを物語る数字があります。石油化学工業協会が2026年5月21日に発表した最新統計では、日本のエチレン4月稼働率は67.3%と過去最低水準まで落ち込みました。業界では稼働率90%を損益分岐ラインとしていますが、これを44ヶ月連続(約3年8ヶ月)で下回っています。シーリング材メーカーの上流にあたる化学業界全体が、もともと長期不況の中にあり、そこに今回の中東危機が直撃したのです。
日本のナフサクラッカーは損益分岐となる90%稼働を44ヶ月連続で下回り、直近は70%台にとどまっている。──工藤社長
・日本のナフサ中東依存度は2020年53%から2024年74%へ急上昇、世界的にも突出した一本足構造です。
・原油は国家備蓄254日分があるが、ナフサは国家備蓄制度の対象外で民間在庫はわずか20日分。
・シーリング材は「ナフサ」だけでなく「触媒・添加剤」も欧州・中国に依存、数%の必須成分欠品で完成品が出荷できない事態が発生しています。
・欧州からの代替輸入も喜望峰ルートで3〜4か月、フーシ派攻撃リスクで完全な代替ルートが確保できていません。
・国内エチレン稼働率は4月67.3%、44ヶ月連続で損益分岐90%を下回り、もともと業界が苦境にあるところに危機が直撃した形です。
値段はどれだけ上がっているのか
「で、結局シーリング材はいくらくらい上がっているの?」── これが、家を建てる・直す方の最も気になる点だと思います。本章では、メーカー出荷段階・建設工事原価・EC通販価格の3段階に分けて、具体的な数字をご紹介します。
メーカー出荷段階 ── 大手7社が4月から一斉に値上げ
シーリング材製造の主要メーカー大手7社(カネカ・信越化学・セメダイン・サンスター技研・オート化学・シャープ化学・サンライズ)は、2026年4月1日出荷分から一斉に値上げを実施しました。第2章でもご紹介した通り、値上げ幅と措置は次の通りです。
セメダインは値上げ幅の公表はしていませんが、3月31日付で「供給困難」を公式表明。サンライズは出荷停止に追い込まれました。これらの「値上げ」「供給制限」「出荷停止」は、川下の卸・商社・工務店・施工業者を経由して、最終的に住宅価格に乗ってきます。
建設工事の原価増 ── 1棟あたり56万円超
新築住宅では、シーリング材だけでなく、断熱材・塗料・配管材・防水材といったナフサ由来の建材すべてが値上がりしています。業界専門メディアの試算では、新築住宅1棟あたりの原価増は56万円超と言われています。これは4,000万円の住宅であれば約1.4%、リフォーム100万円の工事なら約2%の上乗せになる計算です。
新築一戸建て(4,000万円)の場合:シーリング材・断熱材・塗料・配管材の値上げで原価が約56万円増。一部は住宅メーカー・工務店が吸収するため、施主負担分は20〜40万円程度の上乗せが見込まれます。リフォーム外壁塗装(120万円)の場合:シーリング材打ち替えが含まれる工事では2〜4万円の追加見積もりが提示されるケースが増えています。賃貸の場合:直接的な値上げ影響は少ないですが、大規模修繕費の上昇から長期的に家賃に反映される可能性があります。
EC通販価格 ── 1.6〜2.1倍に高騰、DIY層にも影響
家のオーナーが直接DIYでシーリング材を購入する場合、Amazon・楽天市場・ホームセンター通販で買うことになります。ここでも価格は大幅に上がっています。
| 時期 | セメダイン変成シリコーン 333ml(1本)の価格 |
|---|---|
| 2026年3月まで(通常時) | 約850円 |
| 2026年6月時点 | 1,400〜1,800円(通常の1.6〜2.1倍) |
つまり、外壁の小規模なDIY補修で「変成シリコーン1本だけ買おう」と思っても、以前なら1,000円札1枚で済んだのが、現在は2,000円近くかかる計算です。さらに、「在庫あり」と表示されていても、注文後に「納期未定」「キャンセル」となる事例が多発しています。
市場価格の「乱高下」── 6月時点で軟化局面入り
原料ナフサのシンガポール市場価格は、2026年に入って激しく動いています。2月末588ドル→3月25日1,000ドル超→5月16日$1,043ピークと上がり続けた後、6月3日には$767へと約26%急落しました(大景化学業界整理)。Brent原油も6月4日には1バレル97ドル割れまで反落しています(TradingEconomics)。一見すると「危機は終わった」ように見えますが、現場の見方は違います。
これは、台風が一旦弱まったように見えても、洗濯物を外に干せない状態と似ています。海上の風速(原料価格)は下がっているかもしれませんが、地上の現場(シーリング材の現物流通)はまだ嵐の中です。Kpler海事データでは米国産ナフサの日本向け輸入が通常の5倍水準に達しており、上流の改善は確かに始まっています。しかし、シーリング材完成品の在庫水準と流通が「平常」に戻るまでには、業界専門家の見立てで2027年Q1〜Q2までかかる見込みです。
・大手7社が4月から一斉値上げ:カネカ+120円/kg、信越化学+30円/kg〜、サンスター技研+30%以上、シャープ化学溶剤系+40%以上。
・新築住宅1棟あたりの原価増は56万円超(4,000万円住宅で約1.4%、リフォーム100万円で約2%の上乗せ)。
・EC通販でセメダイン変成シリコーン333mlが通常850円→1,400〜1,800円(1.6〜2.1倍)に高騰。「在庫あり」表示でも納期未定キャンセル多発。
・原料ナフサは5/16 $1,043ピーク→6/3 $767へ-26%急落、Brent原油6/4 97ドル割れ。短期軟化局面入りも、シーリング材完成品の本格回復は2027年Q1〜Q2の見込みです。
私たちの家・暮らしに与える影響
ここまでの章で、シーリング材とは何か、なぜ手に入らなくなったか、価格がどう動いているかをご説明しました。ここからは、その話が私たち一人ひとりの家・暮らしにどう現れているのか、具体的に見ていきましょう。
影響1:新築工事の値上げと工期遅延
新築工事を予定中の方には、すでにいくつかの影響が現れています。第一に値上げです。シーリング材だけでなく、断熱材(フクビ化学全製品供給制限、ネオマフォーム等で40〜50%値上げ)、塗料(最大80%値上げ)、塩ビパイプ・樹脂サッシ・防水材などが連鎖的に上がっており、住宅メーカー・工務店から「値上げ通知」「契約見直しのお願い」が施主に届くケースが増えています。
第二に工期遅延です。シーリング材は施工工程の終盤に使われるため、躯体や外壁パネルが組み上がっても「最終的な防水処理ができない」状態で工事が止まる事態が発生しています。住宅引き渡しが当初予定より1〜2か月以上遅れるケースも各地で報告されています。シーリングだけでなく屋根ルーフィングや断熱材も受注制限の対象となっており、現場では「足場を設置したまま必要な資材を確保できず工事が進められない」事例も出ています。
影響2:外壁塗装・リフォーム工事の値上げ
外壁塗装の打ち替え工事では、古いシーリング材を撤去し新しいシーリング材を打ち直す「打ち替え工事」が必須です。ここでもシーリング材の不足と高騰が直接効いてきます。120万円規模の標準的な外壁塗装工事では、見積もり段階で2〜4万円程度の追加が提示されているケースが増えています。それ以上に、「業者が工事日を確定できない」「材料納期が読めない」という時間的な不確実性のほうが、施主にとっては大きなストレスです。
影響3:浴室・キッチンのリフォーム遅延
シーリング材は浴室・キッチンといった水回りリフォームでも必須です。TOTOのユニットバスは2026年3月末から受注停止になっており、その背景にはユニットバスを構成する樹脂部品やシーリング材の調達難があります(時事通信)。LIXILも樹脂の供給制限・コスト上昇の影響で、製品の生産・出荷・受注に制限がかかる可能性があるとして正式発表しました。水回りリフォームを検討中の方は、業者に「製品の納期と工事日程の確認」を改めて行うことをお勧めします。
影響4:屋根工事・防水工事の遅延
屋根工事では、屋根材を葺く前に「ルーフィング」と呼ばれる防水シートを敷きます。このルーフィングが2026年4月以降、田島ルーフィング・日新工業などの主要メーカーで受注停止または出荷制限となっており、屋根工事自体が着工できない事態が起きています。屋根の防水シートが入らなければ、いくら断熱材や石膏ボードが確保できていても内部工事に入れません。シーリング材・ルーフィング・断熱材・塗料が同時に止まる「家が、建たない。見通しすら、立たない」状況が、2026年の建築実務者の間で強い危機感を生んでいます。
影響5:DIY層・住宅オーナーの小規模補修コスト
家を自分でメンテナンスしている方、軽微な外壁ひび割れ補修・浴室目地の打ち直しをDIYで行っている方も、影響を受けています。2026年3月まで1,000円札1枚で買えた変成シリコーン1本が、いまは2,000円札に近づいています。さらに「お一人様3本まで」の個数制限が全国のホームセンター(カインズ・DCM・コーナン・コメリ等)で実施されており、まとめ買いができません。
これからホームセンターのシーリング材売場で「お一人様3本まで」「変成シリコーン入荷時期未定」「お取り寄せ不可」といった掲示を見かけたら、それは中東情勢が日本の住宅売り場にまで届いた、目に見える印です。大型補修工事を計画中の方は、ECサイト(モノタロウ・ソニテック等)でケース単位での発注も検討してみてください。
影響6:マンション大規模修繕への影響
マンションの12〜15年周期で実施される大規模修繕でも、シーリング材の打ち替えは必須項目です。修繕積立金で発注済みの工事は、シーリング材の納期遅延と値上げで「工期の繰り延べ」または「修繕委員会での予算追加討議」が増えています。築15年以上のマンションにお住まいの方は、管理組合からの修繕計画の見直し連絡が今後増える可能性があります。
家・暮らしに与える影響を整理すると、次の6つに集約されます。
- 新築工事:値上げ+工期1〜2か月以上の遅延
- 外壁塗装・リフォーム:見積もりに2〜4万円の追加、工事日確定の遅れ
- 浴室・キッチンリフォーム:TOTOユニットバス受注停止等の影響継続
- 屋根工事・防水工事:ルーフィング不足で着工できない事態
- DIY層:変成シリコーン1本2,000円近くまで上昇、お一人様3本制限
- マンション大規模修繕:工期繰り延べ・予算追加討議の増加
家を建てる・直す予定がある方は、業者との早めの相談と材料確保状況の確認が重要になっています。
なぜ中国製の安いシーリング材を使えないのか
「日本のシーリング材が手に入らないなら、中国製の安いシーリング材で代替すればよい」── そんな話を業者から聞いた方もいるかもしれません。確かにAmazon・楽天市場・一部ホームセンターには中国製シーリング材が流通し始めています。ところが、日本の建設現場では中国製の安易な採用には4つの重大なリスクがあります。
リスク1:JIS A 5758という「法的な壁」
国土交通省が定める「公共建築工事標準仕様書」(平成31年版、9.7節)は、公共建築工事で使えるシーリング材をJIS A 5758(建築用シーリング材)に適合するものに限定しています。これは法的拘束力を持つ仕様であり、公共工事・官庁営繕工事において非JIS品を使用した場合、検査不合格・工事のやり直しが命じられます。中国製品の多くはJIS認証を取得していません。大手ゼネコンが参加する民間工事においても、設計仕様書でJIS適合が条件とされているケースが大半です。
リスク2:住宅瑕疵担保保険の対象外
新築住宅では住宅品質確保促進法(品確法)に基づく10年間の瑕疵担保責任が義務付けられています。住宅瑕疵担保保険法人(JIO・住宅保証機構等)が定める「確認製品リスト」には、日本シーリング材工業会(JSIA)のFマーク認定および住宅保証機構の3条確認を取得した製品が掲載されています。中国製品のほとんどはこれらの認定を取得しておらず、品確法対応の新築・リフォーム工事に使用した場合、保険会社からの保険金支払い拒否・免責とされるリスクがあります。施工業者が独自に費用を負担する事態を招きかねません。
リスク3:地震多発国・日本固有の追従性
シーリング材の性能はその国の気候・建物構造と不可分です。JIS A 5758のクラス25(最高級)は、目地幅に対して±25%の伸縮に追従することを求めます。地震が頻発する日本では、建物のムーブメント(揺れ)に追従できないシーリング材は短期間で破断し、雨水浸入の経路となります。
シーリング材は温湿度変化によるコンクリートの膨張・収縮や地震などの自然条件における建物の動きに追従し、弾力性を持つことが求められます。一度弾力性を失ったシーリング材は元に戻らず、ひび割れを生じて次第に破断します。
リスク4:JIS規格の技術的厳しさは中国GB規格を大きく上回る
シーリング材専業メーカーであるシャープ化学工業の公式技術資料によれば、JISの耐久性試験は次のような厳しさです。
| 試験項目 | 日本JIS | 米国ASTM |
|---|---|---|
| 引張圧縮繰り返し回数 | 2,000回 | 10回(JISの200分の1) |
| 繰り返し速度 | 高速 | JISの約1,000分の1 |
| 高温側試験温度 | 最大100℃ | 標準的に低温域 |
| 紫外線耐候性試験 | 日本主導でISO規格に組み込み | 圧縮引張のみ |
外壁面が夏季に60〜80℃に達する日本の気候を考慮した設計です。中国製品が準拠するGB規格(中国国家標準)はこれらの水準を担保していません。
「JIS相当品」表示の落とし穴
EC上で中国製シーリング材に「JIS相当品」「JIS規格適合」と記載されているケースがあります。しかし注意が必要です。JISマーク表示は経済産業大臣の登録を受けた「登録認証機関」による審査・認証が必要であり、自己申告や「相当品」表示は法的に認証取得とは別物です。建築工事においてJIS適合の証明が求められる場面では、JISマーク表示認証を取得した製品でなければ要件を満たしません。
新築・リフォーム工事で業者から中国製シーリング材を勧められた場合、必ず次の3点を確認してください。①「JISマーク表示認証取得品か、相当品か」、②「住宅瑕疵担保保険の確認製品リストに掲載されているか」、③「日本シーリング材工業会Fマーク・住宅保証機構3条確認を取得しているか」。これらすべてに「いいえ」と答える場合は、別の業者や別の対応策(工期延期)を検討することをお勧めします。
・公共工事・大手ゼネコン物件はJIS A 5758適合品のみ使用可能、中国製の多くは非JIS品で使用不可。
・住宅瑕疵担保保険の対象外で、新築・リフォームで使用すると10年保証の保険金支払い拒否リスクがあります。
・JIS規格の引張圧縮試験は2,000回(米国ASTMの200倍)、地震多発国・日本固有のムーブメント追従性は中国GB規格品では未実証です。
・「JIS相当品」表示は法的にJIS認証取得とは別物。EC上の表記には注意が必要です。
・業者から中国製を勧められた場合は、JIS適合・保険対象・Fマーク・3条確認の4点を必ず確認してください。
6月時点でどこから買えるのか、現物確保の現実
第4章では「値段」、第5章では「暮らしへの影響」、第6章では「中国製で代替できない理由」をお伝えしました。本章では、家のオーナー・新築/リフォームを検討中の方が最も知りたい「結局、どこから・どの程度の量を、いつまでに買えるのか」という実務情報を整理します。
7.1 「クォータ制(割当制)」が業界全体で運用中
2026年4月以降、シーリング材の主要メーカーはクォータ制(割当制)を本格運用しています。職人向け解説媒体「ペンキの味方」(2026年4月30日)の整理によれば、各メーカーは「平常時の月間平均販売実績を上限とするクォータ制」を採用し、その基準は2025年4月〜2026年3月の12か月間の実績ベースで設定されています。
これは、新型コロナ初期のマスク不足の頃に、薬局やドラッグストアで「お一人様1箱まで」「会員のみ販売」という個数制限が実施されていた状況と似ています。シーリング材も「価格を払えば買える」のではなく、「過去の取引実績がある既存顧客から優先配分される」状態。新規施主の家を1軒追加すると別の現場の納品が止まる、というゼロサムの分配が起きています。
7.2 5つの購入チャネル ── どこで・どれだけ買えるか
調達側から見たシーリング材の主要購入チャネルを、6月5日時点の購入可能性で整理します。
| 購入チャネル | 現在の状況 | 適した利用者 |
|---|---|---|
| メーカー直販/一次代理店 | クォータ制で新規受付ほぼ0 | 大手ゼネコン・既存実績のある工務店 |
| 二次商社/問屋 | 納期3日→2週間以上に延長 | 中小工務店・施工業者 |
| 全国ホームセンター(HC) | 「お一人様3本まで」全国展開 | 小規模補修・DIY層 |
| 業務用EC(モノタロウ・ソニテック・e431等) | ケース単位(10〜20本)で在庫あり | 中規模工事・まとめ買い |
| 消費者向けEC(Amazon・楽天市場) | 一部商品「残り14点」等、価格は1.6〜2.1倍 | 個人DIY層・小口購入 |
7.3 個人が今すぐ買えるシーリング材 ── 10品目リスト
家のオーナー・DIY層・小規模補修を行う方が、Amazon・楽天市場・モノタロウ・カインズ・コメリ等で実際に購入可能な主要シーリング材を整理します。価格・在庫は変動するので、購入時には各販売店で最新情報をご確認ください。
| 製品名 | メーカー | 系統 | 主な購入先 |
|---|---|---|---|
| POSシール SM-660 | セメダイン | 変成シリコーン | Amazon、楽天、ソニテック |
| POSシールLM | セメダイン | 変成シリコーン(低モジュラス) | 楽天、ソニテック |
| POSシール マルチ SL-501 | セメダイン | 変成シリコーン(ノンブリード) | Amazon、ソニテック |
| POSシール NB クリア SM-898 | セメダイン | 変成シリコーン(ノンブリードクリア) | Amazon |
| ボンド 変成シリコンコーク | コニシ | 変成シリコーン | カインズ、ソニテック |
| ボンド 変成シリコンコークノンブリードLM | コニシ | 変成シリコーン(ノンブリードLM) | ソニテック |
| シャーピー 変成シリコーンノンブリード | シャープ化学 | 変成シリコーン(ノンブリード) | Amazon |
| シリコーンシーラント 8060 | セメダイン | シリコーン系 | カインズ |
| SELLEYS STORM クリヤー | ニッペホームプロダクツ | シリコーン系(屋内外多用途) | コメリ |
| アクリルシール 333ml | 創建 | アクリル系 | ソニテック |
「在庫あり」表示でも注文後に「納期未定」「キャンセル」となる事例が多発しています。実際に発送されるまで「確保済み」と考えない運用が必要です。また、新築や瑕疵担保保険対象の工事に使う場合は、用途に対応するJIS等級・Fマーク・住宅保証機構3条確認の取得有無を各製品の技術資料で確認してから購入してください。シリコーン系(8060・SELLEYS STORM)は塗装が乗らないので、外壁塗装の打ち替えには変成シリコーン系を選んでください。
7.4 正常化はいつ? ── 観察すべき3つのシグナル
「いつになったら以前のようにシーリング材が買えるようになるのか」── これも気になる点です。職人向け解説媒体「ペンキの味方」(2026年4月30日)は、シーリング材市場の正常化を判断する早期シグナル指標として次の3つを提示しています。本格回復は2027年Q1〜Q2の見込みですが、その手前で観測すべき先行指標です。
「お一人様3本まで」が撤廃される時点
価格改定・供給制限通知が月1件以下に
2週間以上→3日に戻る時点
テイガク(2026年6月3日更新)も「代替輸入などの動きもあり、現在は混乱が解消に向かう過渡期」と評価しています。これらの先行指標を観察することが、家を建てる・直す方の今後の判断に役立ちます。
・メーカーは2025年4月〜2026年3月の12か月実績ベースのクォータ制で運用、新規施主追加で別現場が止まるゼロサム分配状態。
・5つの購入チャネルでは「業務用EC(モノタロウ・ソニテック・e431)」と「消費者向けEC(Amazon・楽天)」で在庫あり、HCは個数制限あり。
・個人が今すぐ買えるシーリング材10品目:セメダインPOSシール各種、コニシ ボンド変成シリコンコーク、シャープ化学シャーピー、ニッペホームSELLEYS STORM等。
・正常化シグナルは①HC在庫制限解除、②メーカー通知頻度低下、③商社納期2週間→3日への短縮の3つ。本格回復は2027年Q1〜Q2の見込みです。
これから家を建てる・直す方への備え
最後の章では、ここまでの内容を踏まえて、「これから家を建てる・直す方が、何を意識して動けばよいか」を整理します。
政府の対応 ── 5/25 高市総理3兆円補正予算編成
2026年5月25日、高市早苗総理は記者会見で3兆円規模の補正予算編成を正式表明しました。「中東情勢等対応予備費」の創設、2026年7〜9月の電気・ガス料金支援(1世帯あたり計5000円程度)、LPガス利用者向け重点支援地方交付金、特別高圧電力支援、ガソリン補助金の継続が決まりました(首相官邸・時事通信)。シーリング材そのものへの直接補助はありませんが、家計コスト全体の負担緩和が見込まれます。
使用量が多くなる7月から9月において、電気・ガス料金への支援を実施いたします。── 高市総理
石油供給に関し、来年春まで安定供給を確保できる。ナフサ由来の石油製品は、年を越えて供給継続が可能だ。── 高市総理
家を建てる・直す方が「いま」できる7つの備え
| No. | 行動 | 具体的な内容 |
|---|---|---|
| 1 | 業者に「シーリング材は確保済みか」を確認 | 新築・外壁塗装・リフォーム契約前に、業者に①使用予定のシーリング材メーカー・品番、②現時点での確保状況、③万一の納期遅延時の補完計画、の3点を確認 |
| 2 | 契約条件の見直しを冷静に協議 | すでに契約済みの工事で値上げ通知が来た場合、慌てず①値上げ根拠(メーカー公式値上げ通知)の確認、②負担按分の話し合い、③工期延長条件の合意、を冷静に行う |
| 3 | JIS適合・保険対象の確認 | 業者が中国製を勧めてきた場合、JISマーク表示認証・住宅保証機構3条確認・JSIA Fマークの取得有無を必ず確認。1つでも欠ければ別の選択肢を検討 |
| 4 | 水回りリフォームは早めの相談 | TOTOユニットバス受注停止、LIXIL生産制限などの影響が継続中。浴室・キッチンリフォーム予定がある方は早めに業者へ相談 |
| 5 | 政府の電気ガス支援を確実に受ける | 7-9月の電気・ガス料金支援(1世帯計5000円程度)は、自動的に料金から差し引かれる形での適用が基本。請求書の支援額表示を確認 |
| 6 | DIY補修は計画的に分散発注 | 家の外壁・浴室の小規模補修をDIYで行う場合、HCの「お一人様3本まで」を踏まえて、必要量を業務用EC(モノタロウ等)でケース単位発注も検討 |
| 7 | 正確な情報源をチェックする習慣 | SNSの噂やデマに惑わされず、政府公式(首相官邸・経産省)、メーカー公式、業界団体(日本シーリング材工業会)、主要報道機関の一次情報を確認。経産省ワンストップポータルが便利 |
「見えないインフラ」への感度を持つ暮らしへ
今回のシーリングショックが私たちに突きつけたのは、「現代の家は目に見えないインフラに支えられている」という現実です。柱や梁、屋根や外壁といった目立つ構造材だけでなく、シーリング材・断熱材・防水シート・塗料・配管材といった「見えないインフラ」がなければ、家は雨に晒され、隙間風に揺れ、地震で割れてしまうのです。
これからの暮らしでは、ニュースで「ホルムズ海峡」「ナフサ」「シーリングショック」といった言葉を聞いたとき、それが自分の家や予定中のリフォーム工事にどう関係するかを、即座に結びつけられる感度が大切になります。ここまでお読みいただいたあなたは、もうその感度を獲得されているはずです。極端な行動を取る必要はありません。冷静に、業者と対話しながら、できる範囲で備える。これが、いま私たちの家を守る最善の方法です。
「見えないインフラ」への感度を持って、家を守ろう。
・5/25に高市総理が3兆円補正予算編成を正式表明、7-9月電気ガス1世帯5000円支援等で家計コスト全体の負担緩和。
・家を建てる・直す方の7つの備え:①業者にシーリング確保確認、②契約見直しの冷静な協議、③JIS適合・保険対象確認、④水回りリフォーム早めの相談、⑤電気ガス支援活用、⑥DIYは計画的分散発注、⑦正確な情報源チェック。
・シーリング材という「見えないインフラ」への感度が、これからの家を守る最善の方法です。
よくある質問(FAQ)
本文を読んでも疑問が残りそうなポイントを、7つのよくある質問にまとめました。
参照エビデンス一覧
本記事の事実関係は、以下の一次情報源・業界専門メディア・政府公表資料に基づいています。読者ご自身でも検証していただけるよう、出所を明示しています。
- 株式会社カネカ プレスリリース(2026年3月19日)── MSポリマー・サイリル +120円/kg値上げ。変成シリコーン系シーリング材の主原料ポリマーで、業界全体への影響起点。
- セメダイン株式会社 公式発表(2026年3月31日)── 中東情勢に伴う供給困難の公式表明。建築用シーリング材大手の供給制限。
- 信越化学工業株式会社 価格改定通知(2026年4月1日)── シリコーン系シーリング材 +30円/kg〜。
- サンスター技研株式会社 価格改定発表(2026年4月)── ペンギンシール等シーリング材・接着剤 +30%以上値上げ。
- オート化学工業株式会社 供給・価格調整発表(2026年4月9日)── 一液ポリウレタン系シーリング材の供給制限。
- シャープ化学工業株式会社 価格改定通知(2026年4月)── シャーピーシリーズ 溶剤系+40%以上、その他+20%以上。
- シャープ化学工業株式会社「コーキング材の耐久性 JIS規格と海外規格の比較」── JIS引張圧縮繰り返し2,000回(ASTM比200倍)・ISO紫外線耐候性試験の技術的根拠を解説(同社公式サイト)。
- サンライズ 出荷停止通知(2026年4月)── 主要シーリング材の出荷・受注停止。
- 国土交通省「公共建築工事標準仕様書(建築工事編)平成31年版」第9章第7節 ── シーリング材はJIS A 5758適合品に限定と規定。
- 日本シーリング材工業会(JSIA)「住宅保証機構3条確認製品一覧」・「Fマーク自主管理制度」── 住宅瑕疵担保保険の対象となる認定製品の条件(sealant.gr.jp)。
- さくら事務所 マンション管理コンサルタント「シーリング材の劣化・破断」── 弾力性を失ったシーリング材の不可逆的劣化メカニズムと漏水リスク(s-mankan.com)。
- 外壁塗装セカンドオピニオン「コーキング材が入らない|メーカー受注停止の実態」(2026年4月15日)── オート化学工業・KFケミカルの受注停止FAXを現役塗装業者が直接受領・公開。
- テイガク 屋根修理「建材資材の値上げと受注停止の影響」(2026年6月3日更新)── 「代替輸入などの動きもあり、現在は混乱が解消に向かう過渡期」と評価。ニチハ7/1金属屋根材15%、ケイミュー7/1雨とい20%以上などの周辺建材値上げ動向も整理。
- ペンキの味方「コーキング・シーリング材 出荷停止 2026|不足はいつまで続くか」(2026年4月30日)── クォータ制(割当制)の実態、平常時の月間平均販売実績を上限とする2025年4月〜2026年3月の12か月実績ベースの分配構造、正常化シグナル3指標と本格回復2027年Q1〜Q2見込みの整理。
- 髙橋秀樹note「2026年5月最新 ナフサショックによる建材受注制限・値上げ情報まとめ」── 「家が、建たない。見通しすら、立たない」ルーフィング・断熱材・接着剤・シーリングが揃って供給停止という建築実務者の証言。
- 首相官邸「中東情勢を踏まえた令和8年度補正予算等についての会見」(2026年5月25日)── 高市総理が3兆円補正予算編成・中東情勢等対応予備費創設・7〜9月電気ガス料金支援1世帯計5000円程度・LPガス利用者向け重点支援地方交付金・特別高圧電力支援・ガソリン補助金継続を表明。「石油供給は来年春まで安定供給を確保できる」「ナフサ由来石油製品は年を越えて供給継続が可能」との認識を明示。
- 時事通信/Yahoo!ニュース「電気・ガス代5000円支援 補正予算3兆円規模 高市首相表明」(2026年5月25日)── 補正予算3兆円強の内訳整理、5月26日閣議決定までの動きを報道。
- 内閣官房「中東情勢に関する関係閣僚会議(第8回・第9回)」(2026年5月21日・6月2日)── 3月24日第1回以降約2か月半で9回開催のハイペース継続。
- 米国化学会C&EN「Hormuz Strait pinch worsens for Asian chemical makers」(2026年3月17日)── 日本ナフサ供給60%超輸入依存・輸入分70%中東産。
- 石油化学工業協会「エチレン4月稼働率67.3%」(2026年5月21日発表)── 国内エチレン4月稼働率67.3%・損益分岐の90%を44ヶ月連続で下回る。旭化成・工藤会長5/12発言「ナフサクラッカーは直近70%台」。
- Bloomberg「原油は上昇、ホルムズ海峡の緊張再燃で-ブレント114ドル台」(2026年5月3日・4日)── UAEフジャイラ主要石油関連施設へのイランドローン攻撃で火災発生、北海ブレント原油5%余り上昇114ドル超。
- News on Japan「Is Japan Really Running Short of Naphtha?」(2026年5月14日)── 帝国データバンク試算「46,741製造業社にリスク」、3月化学工業生産-8.6%MoM/-15.1%YoY。
- 大景化学 業界整理(2026年6月)── シンガポールナフサスポット価格が5/16ピーク$1,043から6/3 $767へ約26%急落。米国産ナフサ輸入5倍水準到達。
- TradingEconomics「ブレント原油 - 価格チャート」(2026年6月4日更新)/EIA米国原油在庫データ ── ブレント原油先物が1バレル97ドル割れ。ホルムズ海峡通過量過去2週間で増加。米国原油在庫6週連続減少で最低運用レベル近接。
- 当社専門記事「2026年シーリングショック|イラン情勢が招く供給断絶と価格高騰の真実【6/5更新】」── 業者・調達担当者・建設実務者向けの詳細解説。本記事の参照元。
- 関連参照:当社「2026年ナフサショック総論【6/5更新】」、「2026年6月1日値上げ製品主要30品目一覧」、「2026年5月1日値上げ建設・物流・包装資材30社一覧」。
- 経済産業省「中東情勢関連対策ワンストップポータル」(https://www.meti.go.jp/chuto_josei/)── 内閣官房、経産省、資源エネルギー庁、国交省、厚労省、中小企業庁、農林水産省の中東情勢関連対策窓口を集約。
- CRS(米議会調査局)/英国議会図書館等の一次ソース ── 2026年2月28日の米・イスラエルによるイラン軍・政府施設への攻撃に関するファクトチェック資料。
免責事項・編集方針
本記事は2026年6月5日時点で取得した一次情報・公的機関・業界各社の公式情報を独自に収集・整理し、家のオーナー・新築/リフォームを検討中の方向けにわかりやすく再構成したものです。価格・供給状況は日々変動しており、実際の調達条件や工事計画への影響は地域・契約内容・各家庭の状況等により異なります。本記事の情報に基づく購買判断・契約判断・工事採用判断等については、必ず最新情報・専門家の助言を得た上で行ってください。専門家・施工業者・調達担当者向けの詳細解説は、当社サイトの専門記事「2026年シーリングショック|イラン情勢が招く供給断絶と価格高騰の真実【6/5更新】」も併せてご参照ください。