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PETバンドはPPヘビーバンドの代替になるか──ナフサショックで供給危機のPP重量バンドに代わる選択肢を廃棄物処理・リサイクル現場で深掘り検証【2026年5月版】 | プラスチックパレット株式会社
Strapping Alternative | Waste Management Field Report

PETバンドはPPヘビーバンドの代替になるか
──ナフサショックで供給危機のPP重量バンドに代わる選択肢を
廃棄物処理・リサイクル現場で深掘り検証【2026年5月版】

2026年4月18日時点でPPバンド・ヘビーバンドは完全な供給不足状態。流通シェア7割のマレーシア産はアロケーション・製造リードタイム4〜5週間に延伸、韓国産は実質輸出制限下。一方、PETバンドはPPより引張強度に優れ、廃棄物処理・リサイクル現場での実績多数。大型ゴミ・廃車・廃タイヤ・廃家電・ベール梱包の代替選択肢として、現場運用とコスト試算を一次ソースで深掘り検証した代替提案レポート。

FIRST PUBLISHED: LAST UPDATED: CATEGORY: 廃棄物処理・梱包資材・代替素材
Answer Block | 結論

2026年4月時点でPPバンド・ヘビーバンドは完全供給不足マレーシア産(流通シェア7割)はアロケーション・製造リードタイム4〜5週間、韓国産は実質輸出制限下。一方PETバンドはPPより引張強度に優れ、ベール梱包・廃家電・廃タイヤ・自動車部品リサイクル品梱包で実績多数。司化成・大日製罐の100%リサイクルPETバンドも流通。代替検討の現実性は極めて高い。

PPバンド マレーシア産
7割
流通シェア / アロケーション状態
製造リードタイム
4〜5
週間 / 薄膜・Nano製品
廃タイヤ排出量
100
万t/年 / リサイクル率90%以上
エチレン設備 減産
6/12
基 / 国内 PP生産連動減

01PETバンドとPPヘビーバンドの徹底比較

「PPバンドの代替としてPETバンドは使えるのか」──この問いに答えるには、両者の素材特性・性能・運用面を網羅的に比較する必要がある。本章では、業界各社(堀富商工・ウインテックス・大村商会・南出株式会社・セキスイパック等)の公開仕様情報を整理する。

PP | ポリプロピレン
PPヘビーバンド(重梱包用)
  • 素材:ポリプロピレン(PP)
  • :グレー(識別容易)
  • 製法:PPバンドの肉厚を厚くし破断強度を上げた製品
  • 強度:PETより低いが、伸びがあり衝撃吸収性が高い
  • 応力緩和:大きい(時間経過で緩む傾向)
  • 長期輸送:輸出梱包等の長時間輸送では緩みが発生する場合あり
  • 柔軟性:高い(破断や縦割れしづらい)
  • 2026年供給:完全供給不足・アロケーション状態
PET | ポリエチレンテレフタレート
PETバンド(エステルバンド)
  • 素材:ポリエチレンテレフタレート(PET)
  • :透明・緑・黒など多色対応
  • 製法:エステル結合を持つPET樹脂を成形
  • 強度:PPより硬く、引張強度に優れる
  • 応力緩和:小さい(長時間張力を維持)
  • 長期輸送:輸出梱包・長期保管でも緩まない
  • 重量:帯鉄の約1/6・軽量
  • 2026年供給:相対的に調達余地が残る

性能比較──強度・耐候性・運用性の差

項目 PPヘビーバンド PETバンド 勝者
引張強度 標準 優れる PET
引締持続性 応力緩和大 応力緩和小・長時間維持 PET
衝撃吸収性 優れる(伸びあり) 標準 PP
耐候性(屋外) 標準 優れる PET
耐熱性 標準 優れる(温度差影響少) PET
耐薬品性・耐水性 標準 優れる PET
軽量性 軽量 帯鉄の約1/6 同等
錆の有無 なし なし 同等
開梱の容易さ ハサミで切断可 ハサミで切断可 同等
2026年5月の供給安定性 完全不足・アロケーション 相対的に調達可 PET
結束機の互換性 専用機・両用機 専用機・両用機 同等(要確認)
Performance Note | 強度の方向性

PETバンドはPPバンド・ヘビーバンドより引張強度に優れるため、「同じ強度を確保するのに少ない本数で済む」という運用メリットがある。多くの現場で、PPバンドの本数を1〜2本減らしてPETバンドに置き換えるだけで結束強度を維持できる。これがコスト試算上の隠れた優位性となる。

02廃棄物処理・リサイクル現場の具体用途──5つの主要シーン

廃棄物処理・リサイクル現場では、すでにPETバンドが幅広く採用されている。ベール梱包・パレット梱包・リサイクル品梱包の領域では、PPバンドからPETバンドへの置き換えが進む下地が整っている。本章では現場の具体用途を5つのシーンで整理する。

① PETボトル・プラスチック容器包装のベール梱包
主要用途

使用済PETボトル・プラスチック容器包装類を圧縮減容化(ベール梱包)した後の結束。圧縮梱包機(ベーラー)と組み合わせて使用される定番用途。日量数十トン〜数百トン規模の処理量で大量のバンドが必要となる。PETボトルを原料とするリサイクルPETバンド(司化成工業「ボトルMAX」など)は、「ボトルtoボトル」のサーキュラーエコノミーを実現する素材として注目されている。

ベーラー併用 圧縮減容化 サーキュラー
② 古紙・段ボール・廃プラスチックの圧縮梱包
大量処理

古紙、PETボトル、廃プラスチック、建設廃棄物等の圧縮・梱包用途。縦型圧縮梱包機・大型ベーラー(全自動圧縮梱包機)と組み合わせて使用される。1,000×1,000mm以上の大型ベール梱包では引張強度が決定的で、PETバンドの優位性が活かされる。フジテックス・もりや産業等の環境機器メーカーが提供するゴミ圧縮機シリーズでは、PETバンド対応の自動結束機能が標準装備されている。

大型ベール 引張強度 自動結束
③ 廃タイヤの結束・梱包
JATMA

日本では年間約100万トンの廃タイヤが排出され、90%以上がリサイクルされている。中間処理業者による切断・破砕加工後、再生利用・最終処分先への運搬時に結束が必要となる。JATMA(一般社団法人 日本自動車タイヤ協会)の資料によれば、収集運搬業者が引き取った廃タイヤのほとんどが切断・破砕加工される。中古タイヤ輸出用の梱包では長期輸送での緩み防止が必須で、PETバンドの応力緩和の小ささが優位性となる。廃タイヤは「適正処理困難物」の4品目に指定されており、確実な結束・梱包が業務上不可欠。

100万t/年 輸出梱包 適正処理困難物
④ 廃家電・自動車部品のリサイクル品梱包
家電リサイクル法

大日製罐「ECOフレンドリーPETバンド」の正式採用用途として「リサイクル品梱包(家電・自動車部品など)」が公式に明示されている。家電リサイクル法対象の4品目(エアコン・テレビ・冷蔵庫/冷凍庫・洗濯機/衣類乾燥機)の解体後の部品・素材の結束、廃車解体後のメタル・プラスチック部品の梱包、廃家電の輸送用結束など、現場で幅広く活用されている。エアコン・冷蔵庫・テレビは「適正処理困難物」の4品目にも指定されている重要な処理対象。

家電リサイクル法 廃車解体 部品梱包
⑤ 大型ゴミ・建設廃棄物・産業廃棄物の結束
産廃

建設工事現場や産業廃棄物処理場で発生する大型廃棄物の結束・梱包。コンクリート瓦礫・木材廃材・金属スクラップ等、重量物の結束では引張強度が決定的に重要となる。古くは帯鉄(19mm程の鉄製バンド)が主流だったが、近年はPPヘビーバンドまたはPETバンドが大半。錆の発生がなく、重量が帯鉄の約1/6で作業性に優れる。2026年のPPバンド供給危機を受けて、帯鉄回帰ではなくPETバンドへのシフトが現実的選択肢として浮上している。

建設廃棄物 産業廃棄物 帯鉄代替
Industry Reality | 既に整った下地

これらの用途は、いずれもPETバンドが「既に使われている」分野である。「PETバンドはPP代替として使えるか?」という問いは、より正確には「PPバンドが供給不足になった今、これまでPPバンドを使っていた領域もPETに置き換えられるか?」という問いになる。素材特性・運用実績・機材互換性のいずれの観点でも、置き換えの現実性は極めて高い。

03PETバンド対応の自動梱包機実例──主要メーカー3社の具体機種

「既存のPPバンド用自動梱包機でPETバンドが使えるのか?」──この問いは、廃棄物処理・リサイクル業者がPET切り替えを検討する際の最大の関心事である。結論から言えば、国内主要メーカーのPPバンド用自動梱包機の多くは、PETバンドにも対応可能である。本章では、ストラパック・ナイガイ・ニチロ工業の3社の具体機種を、公開仕様情報に基づいて整理する。

① ストラパック(国内シェアトップクラス)

ストラパックは自動梱包機の国内シェアトップクラスで、世界60カ国以上で愛用されている老舗メーカー。同社の製品ラインナップには、PP・PET・ヘビーバンド全対応モデルが複数存在する。

機種 タイプ 対応バンド 主要仕様
STB-55 携帯式半自動梱包機(手動) PP・PET・ヘビーバンド対応 適合バンド幅9〜19mm、厚み0.5以上、摩擦熱でバンド溶着・金具不要、本体寸法130×400×250mm、質量4kg、価格348,883円(税別)
iQ-400FC 半自動梱包機(D56後継・全面カバー型) PP・PET対応 全幅780×奥行540×テーブル高750mm、質量約60kg、フリーサイズ対応、バンド幅6/9/12/15.5mm
iQ-400 / iQ-400NA 半自動梱包機(スタンダード/全面カバーコンパクト) PP・PET対応 タッチパネル採用で快適な操作性、店舗・工場の汎用機として実績多数
AQ-7 シンプル機構型自動梱包機 PP・PET対応 標準型から全自動・インライン仕様まで幅広いバリエーション

特にSTB-55は、メーカー公式仕様で「PPバンド・PETバンド・ヘビーバンドと幅広く対応できます」と明記された携帯式半自動梱包機で、廃棄物処理現場での持ち運び使用にも適している。摩擦熱溶着方式のため金具・バックル不要で、運用コストの削減にも貢献する。

② ナイガイ「bandamatic(バンダマチック)」シリーズ

ナイガイ株式会社は50年以上の歴史を持つ梱包機専門メーカー。「bandamatic(バンダマチック)」ブランドの半自動梱包機・システムライン機を製造販売しており、省人化・無人化機械の提案で多くの導入実績を持つ。

機種 タイプ 対応バンド 主要仕様
F20XE(標準型) 半自動梱包機(テクノロジー集大成・自動梱包機の半自動版) PPバンド・ソフトバンド・発泡バンド対応(バンド幅換装でPET対応も実績) バンド幅5〜15.5mmまで部品換え不要、テーブル3段階調節、バンド詰まり検知機能(実用新案)、梱包能力2〜3秒/結束、寸法555×385×740mm、質量60kg
F20XL(低床型) 半自動梱包機(低床型・かさばる物や重量梱包物に最適) F20XE同様 大型廃棄物・重量梱包物向け、ベール梱包・パレット梱包に最適

F20Xシリーズの最大の特徴は「バンド幅5〜15.5mmまで部品を換えずに使用可能」という運用効率の高さである。廃棄物の種類・形状によってバンド幅を変える必要がある廃棄物処理現場では、部品交換なしでの柔軟な対応が大きなメリットとなる。バンド詰まり検知機能(実用新案)は省人化運用での信頼性も担保する。

③ ニチロ工業「アケボノ」シリーズ

ニチロ工業は半自動・自動梱包機の「アケボノ」ブランドを展開する梱包機メーカー。同社の機種は引き締め力の細かな調整機能が特徴で、PP・PET両バンドの使い分けに対応する。

機種 タイプ 対応バンド 主要仕様
アケボノD-55 半自動梱包機 PP・PET両対応 仕様バンド幅5〜15.5mm、引き締め選択機能(トルク方式・ストローク方式選択型)、引締力40N〜400N、寸法785×545×750mm、質量約50kg
アケボノKS-710 自動梱包機(PPバンド結束機) PP・PET両対応 最大結束サイズ600×500mm、自動でバンド巻き付け・引締・溶着・カット、引締力ダイヤル無段階調整
アケボノRAN305C / RAN705 自動梱包機シリーズ PP・PET両対応 大型梱包物向けの自動結束機、ライン化対応モデルも展開

アケボノD-55の「引き締め選択機能(トルク方式・ストローク方式選択型)」は、PPバンドとPETバンドで最適な引き締め方法が異なる場合にも一台で対応可能な機能である。引締力を40N〜400Nの幅広い範囲で調整できるため、軽量梱包物から重量梱包物まで現場の多様な廃棄物に対応する。

結束機選定のチェックリスト

既存設備でのPETバンド使用可否、または新規導入時の機種選定にあたっては、以下5点の確認が現場運用の鍵となる。

確認項目 チェックポイント
① 対応バンド樹脂 カタログ・取扱説明書で「PET対応」「PP/PET両対応」の明記を確認。古い機種ではPP専用の場合あり。
② 適合バンド幅・厚み 現場で使うPETバンドの幅(5〜19mm)・厚み(0.5〜1.2mm)が機械の対応範囲内か確認。
③ 引締力の調整範囲 廃棄物の種類・重量に応じた引締力(軽量品100N〜重量物2,000N超)が設定可能か確認。
④ 溶着方式 PETバンドは熱溶着・摩擦熱溶着・バイブレーション融着のいずれかに対応する機種を選択。
⑤ メーカー・販売店サポート 試験運転対応・サンプル評価・現場立会いの可否を確認。各メーカーは直販・代理店・自社流通など販売チャネルが異なるため、用途に応じて問い合わせ先を確認する。
Field Reality | 現場の実態

主要3社の機種を横断して見ると、「PPバンド専用」と明示されている機種は近年ほぼ存在せず、多くがPP・PET両対応またはバンド幅・厚みの調整で両対応可能な構造になっている。これは梱包機メーカー側が「ユーザーの選択肢を増やす」設計思想を持っていることを示しており、ナフサショック下のPP代替シフトに対しても、機械側のハードルは予想より低い。古い機種でも、メーカー・販売店への問い合わせで「使用可否」「調整方法」「サンプル評価対応」を確認することで、想定外に多くの設備でPET切り替えが実現する可能性がある。

04再生PETバンド vs バージンPETバンド──素材選定と代表メーカーの市場価格

PETバンドへの切り替えを検討する際、もう一つの重要な選択肢が「再生PETバンド」と「バージンPETバンド」のどちらを選ぶかである。サーキュラーエコノミー対応・コスト・性能の3軸での評価が必要となる。本章では両者を徹底比較したうえで、代表メーカー製品の市場価格を整理する。

再生PETバンドとバージンPETバンドの徹底比較

再生PETバンドは使用済みPETボトル等を主原料としたリサイクル製品。バージンPETバンドは新規生産のPET樹脂を原料とする従来製品。両者の特性比較は次のとおり。

項目 再生PETバンド バージンPETバンド 判断
主原料 使用済みPETボトル等のリサイクル原料(70〜100%) 石油由来の新規生産PET樹脂 用途による
引張強度・引締持続性 バージンと同等水準を確保 標準水準 同等
耐候性・耐熱性 バージンと同等 標準水準 同等
色・外観 黒色が中心(不純物影響) 透明・緑・黒など多色対応 バージン優位
価格 バージンと同等または若干高い場合あり 標準価格 需給による変動
ナフサショック影響 影響軽微(リサイクル原料が主) 原料価格上昇の影響を受ける 再生品優位
サーキュラーエコノミー対応 CO2削減・廃棄物削減に貢献 対応なし 再生品優位
環境認証・PR訴求力 ESG・SDGs対応で訴求力高 標準 再生品優位
主な用途 環境配慮型企業の梱包・自治体調達・廃棄物処理現場 輸出梱包・透明梱包・特殊用途 用途で選択
調達安定性(2026年5月) 国内循環型のため調達安定 ナフサ・PET樹脂市況に左右 再生品優位
Selection Note | 選定のポイント

2026年のナフサショック局面では、再生PETバンドはナフサ価格変動の影響を受けにくいという調達安定性のメリットが大きい。性能面ではバージンと同等水準を確保した製品が主流化しており、廃棄物処理・リサイクル業界では「リサイクル業者がリサイクル素材を使う」という整合性も訴求できる。一方、色の選択肢や透明性が必要な特殊用途ではバージン品が優位となる。

代表メーカーのPETバンド市場価格

PETバンドの市場価格を、主要メーカー製品の公開価格情報(2026年5月時点・通販サイト掲載価格)から整理する。実際の取引価格は数量・取引条件・代理店ルートにより変動するが、廃棄物処理・リサイクル業者がコスト試算する際の目安として参考になる。

メーカー 製品名・型番 仕様 1巻あたり目安価格 m単価
積水樹脂(バージン) ポリエステルバンド PET1904M 幅19mm×厚み0.42mm×長さ1,100m・黒・破断伸度12±3% 約15,030円(税込・ヨドバシ) 約13.7円/m
積水樹脂(バージン) ポリエステルバンド PET1605M 幅16mm×厚み0.5mm×長さ1,100m・黒 約15,030円(税込・ヨドバシ) 約13.7円/m
積水樹脂(バージン) ポリエステルバンド PET1906M 幅19mm×厚み0.6mm×長さ750m・黒 約13,950円(税込・ヨドバシ) 約18.6円/m
積水樹脂(バージン) ポリエステルバンド P1905 幅19mm×長さ1,500m 業務用・要見積(アスクル) 代理店経由
積水樹脂(バージン) 手締め/金具シール用 P1905T48 幅19mm×長さ900m・耐候性・耐薬品性重視 業務用・要見積(アスクル) 代理店経由
司化成工業(再生) ボトルMAX RG-165 幅16mm×長さ1,100m・黒・破断伸度15%以下・ライナー紙内径200mm・再生原料70%以上 業務用・要見積 代理店経由
司化成工業(再生) ボトルMAX RG-194 幅19mm×長さ1,100m・黒・破断伸度15%以下・ライナー紙内径200mm・再生原料70%以上 業務用・要見積 代理店経由
大日製罐(再生対応) ECOフレンドリーPETバンド ゼロエミッション対応・既存梱包機に調整なしで使用可能 業務用・要見積 代理店経由
堀富商工 PETバンド 幅19mm×厚み1.2mm×長さ700m・透明 業務用・要見積 代理店経由
堀富商工 PETバンド(薄手) 幅19mm×厚み0.65mm×長さ1,300m・緑 業務用・要見積 代理店経由
※ 2026年5月時点の公開価格情報に基づく目安。実際の取引価格は数量・取引条件・代理店ルートにより変動する。業務用の大口取引では通販小売価格から大幅な割引が適用されることが一般的。

m単価・年間使用量での試算

廃棄物処理・リサイクル現場のコスト試算では、m単価ベースでの比較が実務的である。積水樹脂PET1904M(19mm×1100m×0.42mm)の場合、ヨドバシ通販価格15,030円÷1,100m=約13.7円/m。1巻あたり1本2mのバンドで結束すると約550本分の結束が可能で、結束1本あたり約27円の材料費となる。日量数百〜千本規模の結束を行う処理現場では、月間・年間使用量での価格交渉が現実的なコスト削減手段となる。

業務用の大口取引(年間数十巻〜数百巻規模)では、通販小売価格から大幅な割引が適用されるのが一般的で、メーカー直販・代理店経由での見積取得が推奨される。司化成工業の「ボトルMAX」や大日製罐の「ECOフレンドリーPETバンド」のような再生PETバンドは、メーカー直接または専門代理店経由の取引が主流。

Cost Note | 業務取引の実態

記事中の通販小売価格は「単発購入の上限目安」と捉えるのが適切。廃棄物処理・リサイクル業者が継続的に大量使用する場合は、(a) メーカー・代理店からの直接見積、(b) 年間契約・複数巻同時購入での割引交渉、(c) サンプル試用後の本契約、というステップでの調達が一般的。再生PETバンドの場合、サーキュラーエコノミー対応として自治体補助金・環境配慮型調達制度の対象となる可能性もあり、自治体・公的機関の購買担当者は併せて確認する価値がある。

05コスト試算──PETバンド採用の経済性

PETバンド採用のコスト試算は、単純な「単価×本数」だけでなく、結束強度・作業効率・調達リスクを含めた総合評価が必要となる。本章では4つの要素から経済性を整理する。

① 単価比較

PPヘビーバンドとPETバンドの単価差は、製品仕様(幅・厚み・長さ)・取引条件(数量・サイクル)により異なる。一般的にはPETバンドの方が単価がやや高い傾向だが、2026年5月時点ではPPバンド供給逼迫により実勢価格が逆転または接近する可能性がある。マレーシア産PPバンドのアロケーション状態が継続する限り、PPバンドはスポット価格が継続的に上昇し、PETバンドとの価格差が縮小している。

② 結束強度比較──本数削減効果

PETバンドはPPバンド・ヘビーバンドより引張強度に優れるため、同じ結束強度を確保するのに必要な本数を削減できる場合がある。例えば「PPヘビーバンド3本で結束していた重量物を、PETバンド2本で同等以上の強度を確保」というケースが現場で報告されている。バンド数1〜2本減で結束完了できれば、(a) 材料費削減、(b) 作業時間短縮、(c) 廃棄バンド量減、という三重のメリットが生まれる。

③ 機材投資

既存のPPバンド結束機がPET対応かどうかが、初期投資の判断材料となる。多くの自動結束機はPP/PET両対応だが、手動機・古い自動機ではPP専用の場合もある。新規にPET専用機を導入する場合、1台あたり数十万円〜数百万円の投資となる。ただし、自動結束機への切り替えは省人化メリットも生み、ROI(投資収益率)は数年〜短い場合は1年程度で回収できる試算もある。

④ 運用効率──応力緩和の経済性

PETバンドは応力緩和が小さく、結束後の経時変化が少ないため、長期保管・長距離輸送中の再結束・再作業が不要となる。輸出梱包・長期在庫管理を伴うリサイクル業者では、この運用効率の差が決定的なコストインパクトを持つ。「結束→出荷→再結束→出荷」のサイクルが「結束→出荷」だけで完結することで、人件費・追加バンド代・遅延コストすべてが削減される。

総合的なコスト評価

これら4要素を総合すると、PETバンド採用の経済性は単純な単価比較を超えた構造を持つ。特に2026年のPPバンド供給危機局面では、「PPバンドが入手できない」リスクそのものがコスト要因となる。事業継続性の観点から、PETバンドへの一部切り替えは経営判断として現実的な選択肢となっている。

Alternative Proposal | 代替提案

PETバンド採用のコスト試算・現場サンプル評価のご相談を受け付けています

2026年のPPバンド供給危機を受け、PETバンドへの代替検討を進める廃棄物処理業者・リサイクル業者の方を対象に、現場の梱包品目・処理量・既存結束機を踏まえた最適バンド仕様の提案、コスト試算、サンプル評価を承っています。

  • 現場の梱包品目・処理量・既存結束機の確認
  • 最適バンド仕様(幅・厚み・長さ・色)の提案
  • PETバンド導入のコスト試算(単価・本数削減効果・運用効率を含めた総合評価)
  • サンプル提供と現場での試験結束評価
  • 既存PPバンド結束機の互換性確認

062026年下半期〜2027年の見通し

廃棄物処理・リサイクル業界での梱包バンド調達の動向は、短期・中期・長期で異なるシナリオが想定される。現時点で報じられている各種データから読み取れる見通しを整理する。

Short-Term | 2026年6〜9月
PPバンド供給危機の継続とPETシフト本格化

マレーシア産PPバンドのアロケーション状態が継続、リードタイム4〜5週間の事態が解消されない局面。廃棄物処理・リサイクル業者でPETバンドへの試験導入・小ロット切り替えが加速する。結束機メーカーもPET対応モデルの拡販を進める可能性。価格面ではPPとPETの実勢価格差が継続的に縮小・接近する。

Mid-Term | 2026年10〜2027年3月
業界標準としてのPETバンド地位確立

ナフサショックが継続する場合、PETバンドが廃棄物処理・リサイクル業界での「事実上の標準」として地位を確立する局面。リサイクルPET原料活用バンド(司化成工業「ボトルMAX」等)の需要が拡大し、サーキュラーエコノミー対応の観点でも評価が高まる。結束機の新規導入・更新でもPP/PET両対応または PET専用機の選定が標準化する。

Long-Term | 2027年以降
サーキュラーエコノミー対応とリサイクルPET主流化

欧州CBAM等の炭素関連規制対応として、リサイクル素材を主原料とする梱包バンドの需要が構造的に拡大。使用済PETボトルからのリサイクルPETバンドが、輸出梱包・国内梱包の両方で主流化する可能性。廃棄物処理業者にとっては、自社で扱う廃PETボトルが再びバンドとして戻ってくる「クローズドループ」が現実化する局面。脱プラスチック・脱化石燃料の流れの中で、リサイクル素材活用が競争力の源泉に。

業界各種レポートが共通して示すのは、2026年内にPPバンドの供給が中東情勢悪化前の水準に戻る見込みは薄いという認識である。値上げ・調達難の局面が定着し、廃棄物処理・リサイクル業者は「PETバンドへの一部または全部の切り替え」を経営判断として組み込む局面に入った。

出典・エビデンス一覧

  1. プラスチックパレット株式会社「ストレッチフィルム・PPバンド・OPPテープ供給危機と価格急騰の全貌レポート Vol.1」(2026年4月18日)https://plastic-pallet.co.jp/packing-materials-report-20260418v1/
  2. プラスチックパレット株式会社「【決定版】2026年5月1日値上げの建設・物流・包装資材30社一覧」https://plastic-pallet.co.jp/price-hike-construction-logistics-materials-20260501/
  3. 堀富商工株式会社「PETバンド(エステルバンド)・PPバンド」https://horitomi.co.jp/sales-article/pet-band.html
  4. 堀富商工株式会社「結束資材|PETバンド・PPバンドなどの製品紹介」https://horitomi.co.jp/column/band.html
  5. 株式会社ウインテックス「エステルバンド(PETバンド)|メリット・製品仕様・結束機」https://www.win-tex.co.jp/column/pet-band.html
  6. 株式会社大村商会「エステルバンド(PETバンド)|結束資材」https://omura-shokai.co.jp/products/petband.html
  7. 南出株式会社「ヘビーバンド・ポリエステルバンド/梱包資材」https://www.minamidekk.co.jp/housou/heavy-band/
  8. セキスイ・パック「重梱包用|ポリエステルバンド(PETバンド)」https://www.sekisui-pack.com/search/category/ppband/heavy/1215629_12936.html
  9. 大日製罐株式会社「ECOフレンドリーPETバンド|製品情報」https://www.dainichi-can.co.jp/products/package/pet/
  10. 司化成工業株式会社「重梱包 リサイクル PET バンド ボトル MAX」https://tksc.com/ja/products/strapping-band/t4t4w5kr4rdp
  11. 環境機器カタログ「圧縮梱包機・ベーラー」https://www.fjtex.co.jp/kankyo/products/compress/
  12. もりや産業株式会社「ゴミ圧縮機シリーズ」https://www.moriyas.co.jp/products/compressor_compressor/
  13. JATMA(一般社団法人 日本自動車タイヤ協会)「廃タイヤの取扱い」https://www.jatma.or.jp/environment_recycle/aboutscraptyres.php
  14. DX-E「廃タイヤの処分方法11選!リサイクル方法も紹介」https://dx-e.net/column/waste-tires-20240604/
  15. 環境省「タイヤ業界におけるリサイクルへの取組み」https://www.env.go.jp/
  16. actibook クラウドサーカス「2026年『ナフサ不足』の影響と実態」(2026年5月)https://actibook.cloudcircus.jp/media/column/2026-naphtha-crisis
  17. note 宮野宏樹「プラ3割高騰の衝撃 ナフサ・ショックが家計を揺さぶる2026年春」(2026年5月)https://note.com/hirokimiyano/n/n34a29ef4f005
  18. エネがえる「ナフサとは?プラスチック・包装材・化学品の値上がり理由を解説」https://www.enegaeru.com/what-is-naphtha-plastic-packaging-chemical-cost
  19. note 髙橋秀樹「2026年5月最新 ナフサショックによる建材受注制限・値上げ情報まとめ」https://note.com/h_takahashi1110/n/n6f212500fc97
  20. モノタロウ「【PET バンド】のおすすめ人気ランキング」https://www.monotaro.com/k/store/PET%20%E3%83%90%E3%83%B3%E3%83%89/
  21. ストラパック株式会社「自動梱包機|製品情報」https://www.strapack.co.jp/products/products_index/automatic_packing_machine/
  22. ナイガイ株式会社「製品情報|bandamatic(バンダマチック)」https://www.bandamatic.com/machine/
  23. ミスミ MISUMI-VONA「ストラパック コードレスハンディ梱包機 STB-55」https://jp.misumi-ec.com/vona2/detail/223000681215/
  24. ヨドバシ.com「積水樹脂 PPバンド・ポリエステルバンド」価格情報https://www.yodobashi.com/category/111491/119062/119176/119179/m0000015136/
  25. アスクル「積水樹脂 ポリエステルバンド1904×1100M-黒 PET1904M」https://www.askul.co.jp/p/H906815/
  26. 司化成工業「重梱包用リサイクルPETバンド ボトルMAX」イプロスhttps://premium.ipros.jp/tksc/product/detail/2000702883/
  27. 積水樹脂株式会社「梱包用バンド|総合物流資材」https://www.sekisuijushi.co.jp/products/butsuryu/product/strapping/
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