【2026年7月24日速報】米国の対日追加関税が12.5%に、上乗せではなく合算方式のため負担が増える品目と減る品目に分かれる、自動車と鉄鋼は対象外
米通商代表部が通商法301条に基づき、強制労働産品の輸入規制が不十分として60カ国・地域に追加関税を発動した。日本にはMFN税率と合算して12.5%とする方式が適用され、通商拡大法232条の対象品目は除かれる。根拠法の変遷、品目別の負担増減、除外リストの構造、232条の現行税率までを一次資料に基づいて整理する。
- 2026年7月24日午前0時1分(米東部時間)、米通商代表部(USTR)が通商法301条に基づく追加関税を60カ国・地域へ発動した。同日失効した通商法122条の一律10%課徴金を引き継ぐ措置である。
- 日本、韓国、スイスにはMFN税率と合算して12.5%とする方式が適用される。単純な上乗せではなく、合計税率がMFN税率と12.5%のいずれか高い方になる設計である。
- 通商拡大法232条の対象品目(自動車・鉄鋼・アルミ・銅・木材・半導体・医薬品)は除外された。122条時代との損益分岐点はMFN2.5%で、品目により負担は増減する。
2026年7月24日午前0時1分(米東部時間)、米USTRは通商法301条に基づき日本を含む60カ国・地域へ追加関税を発動した。日本の合計税率はMFN税率と12.5%のいずれか高い方となる。通商法122条の10%課徴金との損益分岐点はMFN2.5%で、無税品目は2.5ポイント増、MFN2.5%超の品目は減となる。232条対象の自動車・鉄鋼は除外された。
CHAPTER 01措置決定までの時系列
今回の措置は突発的な発表ではなく、2026年2月の連邦最高裁判決を起点とする一連の法的組み替えの帰結である。調査開始から発動まで134日、通商法122条の課徴金期限である7月24日に合わせて設計されている。
| 年月日 | 事象 | 根拠法・出所 |
|---|---|---|
| 2025-07-22 | 日米関税協議が終了。一般関税率と相互関税率を合計して原則15%とすることで合意 | IEEPA/ジェトロ |
| 2025-09-16 | 232条の自動車・同部品関税を、MFN税率を含めて15%へ引き下げ適用開始 | 通商拡大法232条 |
| 2026-02-20 | 米連邦最高裁が、IEEPAは大統領に関税賦課権限を与えていないと判断(6対3) | 最高裁判決 |
| 2026-02-24 | IEEPA関税の徴収を停止。同時に通商法122条による全世界一律10%の課徴金を発動 | 通商法122条 |
| 2026-03-04 | 米国際貿易裁判所(CIT)が、提訴企業以外も含めたIEEPA関税の還付をCBPに命じる | CIT命令 |
| 2026-03-12 | USTRが大統領の指示により、60カ国・地域を対象とする強制労働301条調査を開始 | 通商法301条 |
| 2026-04-28 | USTRおよび301条委員会が公聴会を開催(29日まで)。45を超える政府とも協議 | USTR |
| 2026-06-02 | 調査結果と措置案を公表。60カ国・地域すべてが規制不備と認定され、10%または12.5%を提案 | USTR官報案 |
| 2026-07-06 | 措置案に対する書面パブリックコメントの提出期限 | USTR |
| 2026-07-07 | 措置案に関する公聴会を開催 | USTR |
| 2026-07-22 | 別件の301条措置として、ブラジルに25%の追加関税を発動 | 通商法301条 |
| 2026-07-23 | USTRが最終決定(Notice of Action)とファクトシートを公表。CBPもガイダンスを発出 | USTR/CBP |
| 2026-07-24 | 午前0時1分(米東部時間)に301条関税が発動。同時刻に122条の10%課徴金が失効 | 通商法301条/122条 |
| 2026-07-28 | 積送中貨物の猶予期限(午前0時1分) | USTR官報 |
| 2026-07-31 | 特許医薬品が232条除外の対象に追加される予定(付属書I内の改正) | USTR官報 |
出所:USTR、ジェトロ ビジネス短信、Global Trade Alertの公表資料から編集部作成。日付は米国時間ベース。
CHAPTER 02発動内容の詳細と即座に押さえる3ポイント
措置の骨格
USTRは2026年7月23日、1974年通商法301条に基づき、強制労働産品の輸入を禁止していない、あるいは輸入を禁止するために効果的な措置を取っていないことを理由に、日本を含む60カ国・地域からの輸入に10〜12.5%の追加関税を課すと発表した。ファクトシートによれば、この措置は米国の上位60貿易相手を対象とし、米国の全輸入額の99.4%をカバーする。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 根拠法 | 1974年通商法301条(IEEPAでも通商法122条でもない) |
| 発動日時 | 米国東部時間2026年7月24日午前0時1分以降に通関する貨物(日本時間24日13時1分) |
| 課税理由 | 強制労働産品の輸入禁止措置の未整備、または執行の不備 |
| 対象 | 60カ国・地域。米国輸入額の99.4%をカバー |
| 税率 | 10%または12.5%。適用方式は国・地域により4類型(第5章) |
| 官報 | Docket USTR-2026-0265および USTR-2026-0266、全431ページ |
| 積送中貨物 | 7月24日0時1分より前に船積港で船積みされ最終輸送手段で輸送中の貨物は、7月28日0時1分より前に通関または保税倉庫から引き取られれば対象外 |
日本に適用された調整方式
報道で最も誤解されやすいのがこの部分である。日本の12.5%は既存税率への上乗せではない。ジェトロの整理によれば、日本、韓国、スイスに対しては、一般関税率(MFN税率)が12.5%未満の場合に一般関税率と追加関税率を合計して12.5%とし、一般関税率が12.5%以上の場合は追加関税率をゼロとする。式で表すと次のとおりである。
301条追加関税額 = max( 0 , 12.5% - MFN税率 )
したがってMFN税率3.9%の品目であれば301条関税は8.6ポイント分のみ課され、合計は12.5%になる。MFN税率が16%の品目には301条関税は課されず、16%のままである。この方式は2025年の日米合意で採用された15%上限の構造と同一で、水準だけが2.5ポイント下がった形といえる。
- 7月28日午前0時1分が積送中貨物の通関期限。猶予は4日間しかない。太平洋航路で在船中の貨物は大半が新税率の対象となるため、7月24日以降に到着する貨物の税率前提を今すぐ組み替える必要がある。
- 品目別の除外申請制度は設けられていない。USTRは製品別の除外プロセスを設けず、定期見直しも指示していない。修正は通商法307条を通じてのみ行われる。付属書に記載がなければ交渉の余地がない。
- 122条時代の除外リストとは中身が異なる。122条ではエネルギー・同製品、重要鉱物、医薬品・医薬品原料、特定の電子機器、乗用車・小中大型トラック・バス・同部品、航空宇宙製品などが除外されていた。301条の除外は別建てであり、同じ品番でも課税と非課税が入れ替わりうる。
CHAPTER 03根拠法はIEEPA、122条、301条へ二度移行した
日本産品にかかる米国の上乗せ関税は、1年足らずのあいだに根拠法が二度替わっている。制度の名称ではなく計算式が変わっているため、契約価格や見積の前提もそのつど作り直す必要があった。
| 期間 | 根拠法 | 日本産品の合計税率の計算式 | 性格 |
|---|---|---|---|
| 2025-08-07 〜2026-02-23 |
IEEPA(相互関税・日米合意) | max(MFN, 15%) | 最高裁判決により無効・徴収停止 |
| 2026-02-24 〜2026-07-23 |
通商法122条 | MFN + 10% | 150日の期限付き。議会承認なしでは延長不可 |
| 2026-07-24〜 | 通商法301条 | max(MFN, 12.5%) | 期限の定めなし。調査を経た措置 |
122条は法定上限をちょうど使い切った
通商法122条は、巨額かつ重大な国際収支赤字に対処するため、大統領が従価15%を超えない範囲の輸入課徴金を150日を限度に賦課できると定めている。2026年2月24日から7月24日まではちょうど150日であり、議会の延長承認がない以上、7月24日で失効することは発動時点から確定していた。USTRが3月12日という早い段階で301条調査を開始し、134日という短期間で最終決定まで到達させたのは、この失効日に間に合わせるためである。原則12カ月以内の事前調査を認める301条としては、異例のペースといえる。
なぜ301条へ移したのか
最高裁は2026年2月20日、合衆国憲法上、関税は連邦議会に属する課税権の行使であり、IEEPAによる輸入の規制権限は関税賦課まで及ばないと結論づけた。これによりIEEPAを根拠とする相互関税、フェンタニル関税、ブラジル関税などが一斉に法的根拠を失った。一方で、通商拡大法232条に基づく品目別関税と、通商法301条に基づく措置は判決の対象外であり、引き続き有効とされた。IEEPAという脆弱な根拠から、事前調査と手続を伴うぶん司法審査に耐えやすい301条へ移す構図である。
なお、IEEPA関税として徴収済みの税額については還付手続が進行している。詳細は第8章で扱う。
CHAPTER 04損益分岐点はMFN2.5%、増える品目と減る品目
10%から12.5%へ引き上げという見出しだけを読むと、日本産品の負担が一律に2.5ポイント増えたように受け取れる。しかし計算式が「上乗せ」から「合算上限」へ変わっているため、実際には負担が増える品目と減る品目に分かれる。この論点は他媒体でほとんど整理されていないが、見積の再提示や価格改定の要否を判断するうえで最も直接的に効く。
分岐点の導出
122条時代の合計税率はMFN税率に10を加えたもの、301条の合計税率はMFN税率と12.5のいずれか高い方である。両者が一致するのはMFN税率+10=12.5、すなわちMFN税率2.5%のときである。
MFN < 2.5% … 負担 増 / MFN = 2.5% … 変化なし / MFN > 2.5% … 負担 減
MFN税率別の合計税率比較
| MFN税率 | 122条時代 (〜7月23日) | 301条 (7月24日〜) | 差分 | 2025年日米合意 (15%上限)との差 |
|---|---|---|---|---|
| 0% | 10.0% | 12.5% | +2.5pt | ▲2.5pt |
| 1.5% | 11.5% | 12.5% | +1.0pt | ▲2.5pt |
| 2.5% | 12.5% | 12.5% | ±0 | ▲2.5pt |
| 3.9% | 13.9% | 12.5% | ▲1.4pt | ▲2.5pt |
| 5.3% | 15.3% | 12.5% | ▲2.8pt | ▲2.5pt |
| 8.4% | 18.4% | 12.5% | ▲5.9pt | ▲2.5pt |
| 12.5% | 22.5% | 12.5% | ▲10.0pt | ▲2.5pt |
| 16.0% | 26.0% | 16.0% | ▲10.0pt | ±0 |
| 20.0% | 30.0% | 20.0% | ▲10.0pt | ±0 |
編集部が計算。表中のMFN税率は計算方式の違いを示すための例示であり、特定品目の実数ではない。本記事では一次資料で確認できる値のみを掲載する方針をとっているため、日本の主要輸出品のMFN実数は乗用車の2.5%を除いて記載していない。自社品目の実数はジェトロWorld TariffまたはUSITC関税率検索データベースでHTSコード単位の確認が必要。
読み取り方
- 無税品目の影響が最も大きい。MFN無税だった品目は10.0%から12.5%へ2.5ポイント上がる。今回の増税分は、実質的にこの層に集中している。
- MFN税率の高い品目ほど軽くなる。MFN12.5%以上の品目は301条関税がゼロとなるため、122条時代と比べて一律10ポイント下がる。合計税率の上振れはMFN税率そのもので頭打ちになる。
- 2025年日米合意との比較では全品目が同等以下。MFN12.5%未満の品目はすべて15%から12.5%へ2.5ポイント低下し、MFN15%以上の品目は変化しない。合意水準を上回る負担にはなっていない。
CHAPTER 0560カ国・地域は4類型に分かれる
Global Trade Alertの整理によれば、各経済が支払う税率は、その国自身の強制労働輸入規制の状況で決まる。輸入禁止措置を持つ国、相互貿易協定でその導入を約束した国、部分的な制度を運用する国は10%、それ以外は12.5%である。さらに、一部の国・地域だけがMFN税率と合算する方式の適用を受けており、結果として4つの類型が生じている。
| 類型 | 計算方式 | 該当国・地域 | 数 |
|---|---|---|---|
| ① 定率10% | MFN + 10% | アルゼンチン、バングラデシュ、カンボジア、カナダ、エクアドル、エルサルバドル、グアテマラ、ホンジュラス、インド、インドネシア、ヨルダン、マレーシア、メキシコ、パキスタン、スリランカ、英国、トリニダード・トバゴ | 17 |
| ② 合算10% | max(MFN, 10%) | EU、台湾 | 2 |
| ③ 合算12.5% | max(MFN, 12.5%) | 日本、韓国、スイス | 3 |
| ④ 定率12.5% | MFN + 12.5% | アルジェリア、アンゴラ、オーストラリア、バハマ、バーレーン、ブラジル、チリ、中国、コロンビア、コスタリカ、ドミニカ共和国、エジプト、ガイアナ、香港、イラク、イスラエル、カザフスタン、クウェート、リビア、モロッコ、ニュージーランド、ニカラグア、ナイジェリア、ノルウェー、オマーン、ペルー、フィリピン、カタール、ロシア、サウジアラビア、シンガポール、南アフリカ、タイ、トルコ、UAE、ウルグアイ、ベネズエラ、ベトナム | 38 |
出所:ジェトロ ビジネス短信(2026年7月24日)、Global Trade Alert(2026年7月24日)。合計60カ国・地域。
日本が10%区分に入らなかった理由
区分を決めたのは人権意識の水準ではなく、国内制度の有無である。USTRは60の経済のうち54について、強制労働産品の輸入を禁止しておらず効果的な執行もしていないと認定し、カナダ、エクアドル、EU、インドネシア、メキシコ、パキスタンの6については執行が不十分と認定した。日本には強制労働産品の輸入禁止法制そのものが存在しないため、12.5%の区分に置かれた。ファクトシートによれば、相互貿易協定において強制労働産品の輸入禁止を約束した貿易相手はこれまでに10に達している。
10%区分への移行は制度設計の問題である
区分の根拠が国内制度の有無である以上、日本が10%区分へ移る道筋自体ははっきりしている。強制労働産品の輸入禁止法制を国内で整備するか、相互貿易協定のなかで導入を約束するかのいずれかで条件を満たす。ファクトシートによれば、今回の調査開始を受けて直近の数週間のうちに輸入禁止措置を新たに制定した国もある。今回の12.5%は固定された水準ではなく、国内制度の整備状況に応じて動きうる変数として扱うのが実態に近い。
相対的な競争条件
日本と競合する立場にある国・地域の扱いを比べると、EUと台湾は合算10%で日本より2.5ポイント有利、韓国とスイスは日本と同条件、英国とインドは定率10%である。中国、ベトナム、タイ、シンガポールなどは定率12.5%で、MFN税率にそのまま12.5ポイントが積み上がる。中国とブラジルについては、既存の301条関税に今回の関税がさらに上乗せされる。米国市場における第三国製品との相対価格は、この類型差で決まる。
CHAPTER 06除外リストの三層構造と付属書の読み方
431ページの官報は三つの独立したブロックで構成されている。自社品目の扱いを確認する際は、どのブロックを見るべきかを先に決めると作業が早い。
| 層 | ページ | 内容 |
|---|---|---|
| 本体 | p.1〜72 | 手続の経緯、パブリックコメントへのUSTR回答、60経済すべての認定内容 |
| 付属書I | p.73〜136 | 関税表への書き込み。101本の新規99類見出しとU.S. Note 52(すべての除外の法的根拠) |
| 付属書II | p.137〜431 | 15本の除外リスト(Part A〜O) |
付属書II Part A(全60カ国・地域共通)
Part Aは2,120のHTSコードを収録するが、無条件に除外されるのはこのうち一部にとどまる。用途を限定した条件付き除外が大半を占める点に注意が必要である。
| 区分 | コード数 | 適用条件 |
|---|---|---|
| 無条件除外 | 863 | 通関時点で除外 |
| 民間航空機用途 | 541 | 民間航空機用として通関する場合のみ |
| 医薬品用途 | 700 | 医薬品用として通関する場合のみ |
| 個別指定品 | 16 | 名指しされた物品のみ |
| 合計 | 2,120 | 6月案の1,655から465コード増加、削除はゼロ |
個別リスト(Part B〜O)と日本の扱い
13の国・地域が独自の除外リストを与えられている。英国、EU、スイス、マレーシア、カンボジア、グアテマラ、エルサルバドル、アルゼンチン、バングラデシュ、台湾、インドネシア、エクアドル、ヨルダンである。日本には個別リストがない。Part Oは1,737の繊維・アパレルコードで、ヨルダンには無条件で、エルサルバドルとグアテマラにはCAFTA-DRのもとで無税輸入される場合に適用される。Global Trade Alertが経済別に再編集したPDFでは、日本向けが243ページ(共通部のみ)、Part Oを含むグアテマラとヨルダンが367ページと、124ページの差が生じている。
U.S. Note 52による横断的な除外
品目リストとは別に、U.S. Note 52が次の類型を除外している。
- 指定された232条プログラムの対象となる物品(第7章で詳述)
- USMCAのもとで無税輸入されるカナダ・メキシコ産品
- CAFTA-DRの繊維製品
- 9802条(修理、改造、加工、組立)以外の第98類の申告。9802条該当分は外国付加価値部分が課税対象として残る
- 人道目的の寄贈品、情報資料、携帯手荷物
また付属書I内の改正により、特許医薬品が2026年7月31日から232条除外の対象に加えられる。特恵制度の適用資格があること自体は、今回の関税を免れる理由にはならない。
①自社品目のHTSコード(10桁)を確定する ②付属書I(99類の新規見出し)で課税対象かを確認する ③付属書II Part Aに記載があるか、ある場合は用途条件が付いていないかを確認する ④U.S. Note 52の横断的除外に該当しないかを確認する。この4段階で判定が確定する。品目別の除外申請制度がないため、記載がなければ課税されると考えて価格前提を組む必要がある。
CHAPTER 07232条の品目別関税率一覧
今回の301条措置では、通商拡大法232条に基づく追加関税がすでに課されている品目が除外された。これは日本の対米輸出の中核が今回の措置の外に置かれたことを意味する一方、その品目の負担は232条側の税率で決まり続けることも意味する。日本産品の実効負担を把握するには、232条の現行税率を併せて押さえる必要がある。以下はジェトロが2026年6月11日時点で整理した内容に基づく。表は自動車・トラック、鉄鋼アルミ銅、木材、半導体・医薬品の順に並ぶ。自社品目がどのカテゴリに該当するかを先に特定したうえで、該当する表のみを参照されたい。
自動車・トラック
| 品目 | 標準税率 | 日本への適用 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 乗用車(セダン、SUV、クロスオーバー、ミニバン、カーゴバン)、小型トラック | 25% | MFN込み15% | 2025年9月16日から適用。MFN2.5%+232条12.5%=15%の内訳。MFN税率が15%以上の品目には232条関税を課さない |
| 自動車部品 | 25% | MFN込み15% | 2025年5月3日発動。米国で組み立てた自動車のMSRP合計額の3.75%を部品関税に充当できる相殺制度あり |
| 中・大型トラック・同部品 | 25% | 25% | 2025年11月1日発動。HTSUS8702に分類されるバスなどは10%。相殺制度の申請は2026年5月15日から受付 |
鉄鋼・アルミ・銅
| 品目 | 税率 | 根拠附属書 |
|---|---|---|
| 鉄鋼製品(全部) | 50% | 布告附属書I-A |
| 鉄鋼派生品 | 50%/25% | I-A/I-B |
| アルミ製品(全部) | 50% | 布告附属書I-A |
| アルミ派生品 | 50%/25% | I-A/I-B |
| 銅の半製品・派生品 | 50%/25% | I-A/I-B |
銅は2025年8月1日発動。銅鉱石、精鉱、銅マット、陰極、陽極などの原材料と銅スクラップは対象外。課税ベースは2026年4月6日から銅部分のみ→輸入申告価格全体へ変更された。85%以上を米国で溶解・注湯した鉄鋼、精錬・鋳造したアルミ・銅から製造される製品の税率は10%。
2026年に入り、一部品目に時限的な軽減措置が導入されている。
- 産業機器・電力機器(附属書III掲載品目):2026年4月6日〜2027年12月31日通関分について、MFN税率が15%未満なら232条関税と合計して15%、15%以上なら232条関税を課さない。2028年1月1日以降は原則25%。
- 農業機械(コンバイン、収穫機など)・建設・運搬機械:2026年6月8日〜2027年12月31日通関分について、日本を含む11カ国・地域(アルゼンチン、エクアドル、エルサルバドル、グアテマラ、日本、韓国、リヒテンシュタイン、スイス、台湾、英国、EU)の品目はMFN税率15%未満なら合計15%、15%以上なら追加関税なし。
- 民間航空機・同部品:WTOの民間航空機貿易に関する協定の対象品目は、日本、韓国、英国、EU、台湾については鉄鋼・アルミ・銅関税の対象外。
木材・木材製品
| 品目 | 標準税率 | 2027年1月1日以降 | 日本 |
|---|---|---|---|
| 木材・製材 | 10% | 10% | MFN込み15%上限 |
| カウチ、ソファ、椅子などの布張り木材製品 | 25% | 30% | MFN込み15%上限 |
| キッチンキャビネット、洗面化粧台、同部品 | 25% | 50% | MFN込み15%上限 |
2025年9月29日の大統領布告で決定、10月14日発動。引き上げ時期は2025年12月31日付布告により1年延期された。
半導体・医薬品
半導体は2026年1月15日に発動し、追加関税率は25%である。対象は総処理性能(TPP)14,000超17,500未満かつ総DRAM帯域幅4,500〜5,000GB/秒、またはTPP20,800超21,100未満かつ帯域幅5,800〜6,200GB/秒という特定仕様の製品に限られる(HTSコード8471.50、8471.80、8473.30)。米国内のデータセンター、公共セクター・スタートアップによる使用、修理・交換、研究開発、非データセンター向け民生用途は対象外である。半導体が他の232条関税の対象にもなる場合は半導体関税が優先され、他は課されない。
医薬品は付属書I記載の特許医薬品と関連原料が対象で、標準税率はMFN込み100%(米国内工場建設計画の承認企業は2030年4月1日までMFN込み20%)だが、日本、EU、韓国、スイス、リヒテンシュタインはMFN税率と合わせて15%を上限とする。米国原産医薬品、希少疾病用医薬品、ジェネリック医薬品および関連原料は対象外である。
| 調査中の232条案件 | 調査開始 |
|---|---|
| 民間航空機・同部品 | 2025年5月 |
| ポリシリコン・同派生品 | 2025年7月 |
| 無人航空機システム(UAS)・同部品 | 2025年7月 |
| 風力タービン・同部品 | 2025年8月 |
| 個人用防護具(PPE)・医療消耗品・医療機器 | 2025年9月 |
| ロボティクス・産業機械 | 2025年9月 |
これら6件のいずれかが発動すれば、当該品目は301条の対象から外れ232条側へ移る。税率が下がるとは限らない点に留意。
CHAPTER 08繊維TRQ、保税区、IEEPA関税還付への波及
繊維・アパレルの関税割当
米国は今後、バングラデシュ、カンボジア、インドネシア、マレーシアから輸入する特定の繊維製品およびアパレル製品に対して、3年間の関税割当(TRQ)を設定する。当該国の米国からの原材料・綿花の輸入量に応じて一定数量まで追加関税なしで輸入できる仕組みで、米国からの調達を促すことで強制労働による生産を防ぐ狙いがある。TRQが設定されるまでは10%が適用される。USTRは仕組みと開始日を別途告示するとしており、アジアの縫製拠点を使う日本のアパレル・生活資材関連の調達には、この告示内容が直接効いてくる。
保税区(FTZ)の扱いが固定される
今回の関税の対象となる貨物が米国の外国貿易地域に搬入される場合、国内ステータス(domestic status)の資格を満たさない限り、特権外国貨物ステータス(privileged foreign status)でのみ搬入が認められる。これにより搬入時点の税率が固定される。将来の税率引き下げを見込んで保税区に滞留させる運用は成り立たない設計であり、在庫戦略を組み替える必要がある。
IEEPA関税の還付は別途進行中
最高裁判決で無効となったIEEPA関税については、米国際貿易裁判所(CIT)が2026年3月4日、提訴していない企業も含めた還付をCBPに事実上命じた。還付は電子通関システム(ACE)内の統合クリアランス処理システム(CAPE)を通じて申請する。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 運用開始 | 2026年4月20日午前8時(米東部時間)、フェーズ1から |
| フェーズ1の対象 | 未清算の輸入申告、および清算から80日以内の申告 |
| 申請者 | 記録輸入者(IOR)および代理提出した通関業者。在日本の企業は取引先への相談が必要 |
| 処理期間 | CAPE申請の受理日から45日後に清算・再清算。還付は通常、申請受理後60〜90日以内 |
| 受取準備 | 自動決済機関(ACH)向けに、還付専用の米国銀行口座をCBPへ事前登録する必要 |
| 還付対象 | ベースライン関税10%、相互関税10〜41%、IEEPAカナダ関税35%(エネルギー製品10%)、IEEPAメキシコ関税25%、IEEPA中国関税10%、IEEPAブラジル関税40%、ロシア産石油関連のインド向け25% |
日本産品については、2025年8月7日から2026年2月23日までに支払った相互関税分が対象となる。7月24日以降の新税率への対応と並行して、過去分の還付申請を進める二面作業になる。フェーズ1は清算から80日以内という期限が区切られているため、対象申告の洗い出しは早い段階で終えておく必要がある。
CHAPTER 09日本産業への含意と対応タイムライン
日本政府の受け止め
赤沢亮正経済産業相は2026年7月24日の閣議後記者会見で、今回の措置について「最終的に2025年の合意を超える追加関税を課されることはないと確認している」と述べ、米国が強制労働以外の理由を持ち出して税率が12.5%から上昇したとしても、日米合意の15%上限は守られるとの認識を示した。第4章で見たとおり、今回の12.5%は合意水準を2.5ポイント下回っており、この発言は現時点の数値と整合している。焦点は、後述する過剰生産能力の301条調査が結論を出したときに、この上限が実際に機能するかである。
波及タイムライン
| 段階 | 時間軸 | 想定される動き |
|---|---|---|
| 即時 | 1〜3日 | 7月28日午前0時1分の通関期限に向けた在船貨物の通関手配。HTSコード単位での付属書I・II照合。7月24日以降到着分の税率前提の差し替え |
| 短期 | 1〜4週間 | 見積・契約価格の再提示。増減の方向が品目で分かれるため、一律改定ではなくHTSコード単位の再計算が必要。IEEPA還付のCAPE申請準備 |
| 中期 | 1〜3カ月 | 過剰生産能力に関する301条調査の結果公表。繊維TRQの設定告示。232条調査6件の一部が結論に至る可能性 |
| 長期 | 3〜12カ月 | 日本国内での強制労働産品の輸入禁止法制をめぐる議論。10%区分への移行可否が論点化。2028年1月1日には232条の一部軽減措置が期限を迎える |
モニタリング5指標
- 過剰生産能力301条調査の結果公表時期。日本を含む16カ国・地域が対象で、日本に対しては自動車・同部品、光学、写真、技術装置、医療機器が調査対象とされている。今回除外された232条品目が、こちらで捕捉される可能性がある。
- 付属書IIの修正動向。除外申請制度がないため、変更は通商法307条を通じた修正としてのみ現れる。官報の追補を追う必要がある。
- 232条調査6件の結論。ロボティクス・産業機械、PPE・医療機器などが発動すれば、当該品目の根拠法が301条から232条へ移る。
- 繊維TRQの設定告示。対象品目、割当数量、開始日、米国産綿花の輸入実績との連動方式が焦点。
- IEEPA還付フェーズ2の運用開始。払戻請求中の申告や異議申し立て中の申告はフェーズ1の対象外であり、これらの処理方針が未確定である。
業界別の対応の目安
| 業界 | 今回の影響の方向 | 優先して確認する事項 |
|---|---|---|
| 自動車・同部品 | 変化なし(232条で除外) | 過剰生産能力301条調査の対象に指定されている点。相殺制度(MSRPの3.75%)の申請枠の消化状況 |
| 一般機械・産業機械 | 品目により増減 | MFN無税品目は2.5pt増。鉄鋼・アルミ派生品に該当すれば232条側の判定が優先。産業機器・電力機器の軽減措置(2027年12月31日まで)の適用可否 |
| 電子部品・半導体 | 品目により増減 | 232条半導体関税は特定仕様のみが対象。該当しない製品は301条側で課税。付属書II Part Aの用途条件付き除外に該当しないか |
| 化学・樹脂 | 品目により増減 | 医薬品原料は付属書II Part Aの医薬品用途700コードに該当する可能性。汎用樹脂・添加剤はMFN税率次第で方向が分かれる |
| 医療機器・医薬品 | 7月31日以降に変動 | 特許医薬品の232条除外が7月31日から適用。日本はMFN込み15%上限。PPE・医療機器の232条調査が並行 |
| 物流・商社 | 実務負荷が増加 | 通関日管理が税率を左右する局面。FTZ搬入時のステータス確定。荷主向けに品目別の増減方向を提示できる体制 |
物流資材への含意
物流資材を扱う立場からみると、今回の措置は二つの経路で影響する。第一に、対米輸出貨物の数量変動である。増税となるのはMFN無税品目であり、どの品目がこれに該当するかはHTSコード単位で確認する必要がある。輸出数量が動けば、輸出梱包に用いるパレット、PPバンド、ストレッチフィルムの所要量も連動する。第二に、通関日を前倒しする動きが出た場合の短期的な出荷集中である。7月28日の猶予期限は4日間と短く、今回についてはすでに終了に近いが、232条調査6件や過剰生産能力調査の結論が出るたびに同種の局面が生じうる。発動日の前後で出荷が偏る前提で、資材在庫の水準を組んでおくことが実務上の備えとなる。
本記事は2026年7月25日時点の公表資料に基づく。米国の関税制度は2026年2月以降、根拠法・税率・除外範囲のいずれもが短期間で複数回変更されている。とくに①過剰生産能力に関する301条調査、②232条の調査中6件、③繊維TRQの設定告示、④付属書IIの307条修正は、いずれも本記事の記載内容を変更しうる。実際の通関にあたっては、必ず最新の官報およびCBPガイダンスをご確認ください。
CHAPTER 10用語集
- 通商法301条
- 1974年通商法の規定。外国の措置・政策・慣行が不合理または差別的で、米国の商業に負担や制限を与えると調査を通じて判断された場合に、USTRが追加関税などの輸入制限措置を講じる権限を認める。原則として12カ月以内の事前調査を要する。第1次トランプ政権の対中関税もこの条項を根拠とする。
- 通商拡大法232条
- 1962年通商拡大法の規定。ある製品の輸入が米国の安全保障を損なう恐れがあると商務省が判断した場合に、是正措置を取る権限を大統領に付与する。鉄鋼・アルミ・銅・自動車・木材・半導体・医薬品などが対象。今回の301条措置ではこの対象品目が除外された。
- 通商法122条
- 1974年通商法の規定。巨額かつ重大な国際収支赤字に対処するため、大統領が従価15%を超えない範囲の輸入課徴金または輸入割当を150日を限度に賦課できる。議会の延長承認がなければ継続できない時限措置であり、2026年2月24日から7月24日まで一律10%の課徴金として運用された。
- IEEPA
- 国際緊急経済権限法(International Emergency Economic Powers Act)。1977年制定。大統領が国家非常事態を宣言した場合に対外取引を広く規制できる枠組み。2026年2月20日、米連邦最高裁は同法が大統領に関税賦課権限を与えていないと判断し、これに基づく相互関税などは無効となった。
- MFN税率
- 最恵国待遇(Most Favoured Nation)税率。WTO加盟国に対して一般に適用される通常の関税率で、一般関税率とも呼ぶ。今回の措置で日本に適用される計算は、このMFN税率を出発点として合計12.5%に届くまでの差額を追加する方式である。
- ネット・オブ・MFN
- MFN税率を差し引いた残額のみを追加関税として課す方式。合計税率が一定水準で頭打ちになるため、MFN税率が高い品目ほど追加関税がゼロに近づく。今回は日本・韓国・スイスが12.5%で、EU・台湾が10%でこの方式の適用を受けている。
- HTSコード
- 米国関税分類番号(Harmonized Tariff Schedule of the United States)。品目ごとに割り当てられた10桁の番号で、税率と除外の判定はすべてこの単位で行われる。今回の官報の付属書I・IIもHTSコードで記載されている。
- USTR
- 米国通商代表部(Office of the United States Trade Representative)。通商交渉と301条措置を所管する大統領府の組織。現在の代表はジェイミソン・グリア。
- CBP
- 米国税関・国境警備局(U.S. Customs and Border Protection)。関税の徴収と通関の実務を担う。措置発動時には通関業者向けのガイダンスを発出し、実際の適用方法を示す。強制労働産品の輸入禁止の執行機関でもある。
- USMCA
- 米国・メキシコ・カナダ協定。原産地規則を満たして無税で輸入される製品は、今回の301条関税の対象外とされた。122条課徴金でも同様の扱いだった。
- TRQ
- 関税割当(Tariff-Rate Quota)。一定数量までを低税率または無税とし、超過分に通常税率を適用する仕組み。今回はバングラデシュ、カンボジア、インドネシア、マレーシアの繊維・アパレルに対し、3年間の設定が予定されている。
- FTZ
- 外国貿易地域(Foreign Trade Zone)。米国内にありながら関税上は国外扱いとなる保税区域。今回の対象貨物は特権外国貨物ステータスでのみ搬入が認められ、搬入時点で税率が固定される。
- CAPE
- 統合クリアランス処理システム(Consolidated Automated Processing Environment)。電子通関システムACE内の機能で、無効となったIEEPA関税の還付申請に用いる。2026年4月20日から運用が始まった。
CHAPTER 11出典・エビデンス一覧
一次資料(米国政府)
- USTR「Fact Sheet: USTR Section 301 Action in Response to the Failure of 60 Economies to Ban Imports Produced with Forced Labor」2026年7月23日
- USTR「USTR Takes Action in Forced Labor Section 301 Investigations」2026年7月23日
- USTR「FLIP 301 Investigation Final Action」連邦官報(Docket USTR-2026-0265/USTR-2026-0266)全431ページ、2026年7月23日
- USTR「USTR Makes Findings and Proposes Action in 60 Section 301 Investigations Relating to Failures to Take Action on Trade in Forced Labor Goods」2026年6月2日
- 米国税関・国境警備局(CBP)通関業者向けガイダンス、2026年7月23日
日本語媒体・公的機関
- 日本貿易振興機構(ジェトロ)ビジネス短信「米USTR、強制労働産品の輸入禁止措置を巡り、日本含む60カ国・地域に301条関税賦課を最終決定」2026年7月24日、ニューヨーク発
- ジェトロ ビジネス短信「米USTR、日本含む60カ国・地域に10〜12.5%の301条関税を提案、強制労働産品の輸入禁止措置を巡り」2026年6月3日
- ジェトロ 調査部米州課(北米班)「米国トランプ政権の関税政策の要旨」2026年6月11日版
- ジェトロ ビジネス短信「米最高裁がIEEPA関税を無効と判断も還付方法や詳細な関税率は不透明」2026年2月24日
- ジェトロ ビジネス短信「日米関税協議、相互関税や232条自動車・同部品関税はMFN税率含め15%に」2025年7月
- ジェトロ 地域・分析レポート「米国の鉄鋼・アルミ・銅の232条関税の制度変更と企業の実務対応」2026年5月20日
分析機関・海外媒体
- Global Trade Alert「Forced-Labour Section 301 Tariffs on 60 Economies Take Effect on 24 July: An Overview of the Final Action」Johannes Fritz、2026年7月24日
- Thompson Hine SmarTrade「USTR Implements Tariffs in Section 301 Forced Labor Investigations」2026年7月23日
- Benesch Law「Forced Labor Tariffs – Public Comments Due Next Week For USTR Section 301 Investigation」2026年7月
- CNBC「U.S. proposes fresh tariffs on 60 economies over forced labor trade practices」2026年6月3日
報道
- 日本経済新聞「トランプ政権が新関税発動、日本12.5% 中間選挙へ看板政策継続」2026年7月24日
- 日本経済新聞「米国の新関税発動でも『最終的に日米合意は超えず』 赤沢経産相」2026年7月24日
- FNNプライムオンライン「トランプ“新関税”が発動 日本は原則12.5% 品目ごとに追加関税を調整する特例適用 自動車などの品目別関税は対象外」2026年7月24日
- 朝日新聞「トランプ政権、新たな関税を24日から発動 日本には12.5%」2026年7月24日
- 毎日新聞「トランプ政権が10〜12.5%の新関税を公表 24日に発動」2026年7月24日
- 日本放送協会(NHK)「トランプ政権 新追加関税を発動 日本は既存税率あわせ12.5%」2026年7月24日
- 時事通信「世界一律の10%代替関税、失効へ 新関税、日本は12.5%に 米」2026年7月21日
参照ツール
- ジェトロ World Tariff(日本国内居住者はジェトロ経由で無料利用可能。追加関税を反映した関税率検索)
- 米国国際貿易委員会(USITC)関税率検索データベース(HTSコード・品目名で米国の関税率を検索)
CHAPTER 12よくある質問
日本の追加関税率は12.5%に「上乗せ」されるのですか
上乗せではありません。日本、韓国、スイスにはMFN税率と合算して12.5%とする方式が適用されます。MFN税率が12.5%未満の場合は差額分だけが301条関税として課され、MFN税率が12.5%以上の場合は追加関税はゼロです。合計税率はMFN税率と12.5%のいずれか高い方になります。
自動車や鉄鋼はなぜ今回の対象外なのですか
通商拡大法232条に基づく追加関税がすでに課されている品目は、今回の301条措置の対象から除かれているためです。自動車・同部品はMFN税率を含めて15%、鉄鋼・アルミ・銅製品は25〜50%の232条関税が引き続き適用されます。二重課税を避ける設計です。
従来の通商法122条による10%と比べて負担は増えますか
品目によって分かれます。122条はMFN税率に10%を上乗せする方式でしたが、301条はMFN税率と12.5%のいずれか高い方です。損益分岐点はMFN2.5%で、MFN2.5%未満の品目は負担が増え、MFN2.5%を超える品目は負担が軽くなります。無税品目は10%から12.5%へ2.5ポイント増加します。
自社の製品が除外対象かどうかはどこで確認できますか
2026年7月23日付の連邦官報の付属書Iおよび付属書IIに、HTSコード単位で記載されています。付属書II Part Aが全60カ国・地域共通の2,120コードで、日本には個別リストがありません。品目別の除外申請制度は設けられていないため、付属書に記載がなければ課税対象となります。
なぜプラスチックパレット株式会社がこの記事を書いているのですか
当社はプラスチックパレット、再生樹脂材料、PPバンド、ストレッチフィルムなどの物流資材を全国のお客様へ供給する商社です。米国の関税制度の変更は輸出貨物の荷動きと梱包・輸送資材の需要に直結します。日々の調達判断に必要な一次情報を整理し、事実に基づいて共有することが取引先への責務と考えています。
- 本記事は2026年7月25日時点で公表されている一次資料および報道に基づき作成しています。米国の関税制度は短期間で変更されるため、記載内容が現時点の制度と異なる場合があります。
- 本記事に記載した税率・コード数・日付は、掲載時点の公表値です。連邦官報の追補、CBPガイダンスの更新、通商法307条に基づく修正により変更される可能性があります。
- 本記事は情報提供を目的としたものであり、投資判断、通関実務上の助言、法的助言を提供するものではありません。実際の通関にあたっては、通関業者、税関当局、専門家にご確認ください。
- 英語資料の日本語訳および要約にあたっては正確を期していますが、原文との差異が生じる可能性があります。法的効力を持つのは連邦官報の原文です。
- 引用は出典を明記のうえ必要最小限にとどめ、各報道機関および調査機関の著作権を尊重しています。詳細は各出典元をご参照ください。