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ニュースで聞くイラン情勢が招く「2026年の食卓の値上げ」をやさしく解説、家計を守るために知っておきたい本当の理由
やさしく解説シリーズ / 食卓編(統括版)
4本目・シリーズ完結版

ニュースで聞くイラン情勢が招く「2026年の食卓の値上げ」をやさしく解説、家計を守るために知っておきたい本当の理由

遠い中東のイラン情勢が、なぜ日本の食卓全体の値上げに関わるのか。コメ・肉と牛乳・野菜と果物の3本のシリーズを踏まえた、家庭の食卓全体を守るための本当の理由。食料指数128.4(過去最高圏)、家族4人で年+約11万円の家計負担増という2026年の値上げと、家庭でできる7つの工夫を、シリーズの集大成としてやさしく解説します。

公開日: 最終更新: カテゴリー:やさしく解説(統括版) 読了目安:約15分
この記事のポイント

中東のイラン情勢と日本の食卓の値段は、原油と天候・肥料・飼料でつながっています。中東の緊張で原油が上がると、農家の燃料代・肥料代・飼料代・輸送費が全て上がり、コメ・肉・牛乳・野菜・果物すべての値段に届きます。食料指数128.4(過去最高圏)、家族4人で年+約11万円の家計負担増という2026年の値上げと家計を守る7つの工夫をお伝えします。

食料指数
(過去最高圏)
128.4
総務省CPI 2026年4月
2020年=100・食卓全体の圧迫
家族4人の
年間家計負担増
+11万円
3本のシリーズ実データ集計
コメ+肉牛乳+野菜果物の合計
総合CPI
(前年同月比+1.5%)
113.5
総務省CPI 2026年5月
家計全体への影響
米類CPI
(3年6か月ぶり低下)
-4.9%
総務省CPI 2026年5月
希望の兆し

※家計負担額は家族4人・平均的な消費量で3本のシリーズから統計した参考値です。実際の負担は世帯によって異なります。

Ch.01イラン情勢って、なぜ食卓全体の値上げに関係するの?

「中東でいろいろあった」「イランがどうこう」というニュースを見ても、「日本の食卓には関係ないだろう」と感じるかもしれません。でも実は、遠い中東で起きていることは、家庭で食べるコメ・肉・牛乳・野菜・果物のすべての値段にしっかりつながっているのです。この記事は、シリーズ既刊3本(コメ、肉と牛乳、野菜と果物)の集大成として、食卓全体の値上げの本当の理由をやさしくお伝えします。

まずは「なぜ中東が重要なのか」から

世界には産油国と呼ばれる、原油を大量に産出する国がいくつかあります。その中でも中東(サウジアラビア、イラン、イラク、UAE、クウェートなど)は、世界の原油生産の3分の1以上を占める重要な地域です。日本は原油の約9割を輸入に頼っており、従来はその大半が中東からでした。近年は代替調達(米国産・アフリカ産・ロシア極東産等)が段階的に進んでいますが、それでも中東情勢の影響は大きく残っています。

ホルムズ海峡って、どこ?なぜ大事?

ペルシャ湾の出口にある、幅わずか約33kmの狭い海峡です。この海峡を、世界の原油の約20%(5隻に1隻)が通過しています。日本に届く原油の多くも、ホルムズ海峡を通ってきます。イランはこの海峡に面しているため、中東情勢が緊張するたびに「ホルムズ海峡の通行に影響が出るかもしれない」という不安が広がり、世界中の原油価格が上昇する仕組みになっています。2026年6月から7月にかけても、この海峡をめぐる緊張が原油価格を押し上げる場面がありました。

キーワードは「原油という1つの上流」から4つのパイプに分岐

中東の情勢で原油が上がると、その影響が4つのパイプを通じて食卓に届きます。コメには肥料のパイプ、肉と牛乳には配合飼料のパイプ、野菜にはハウス燃料のパイプ、そして果物には輸入と輸送のパイプ。1つの上流(原油)が、これら4つの下流に同時に効くため、食卓全体の値上げにつながります。

原油上昇が食卓に届く4つの経路

1. コメへの経路:原油から作られる尿素(肥料の主原料)→ 農家の肥料代・田植え機の燃料代 → 令和8肥料年度秋肥の顕著な値上げ
2. 肉と牛乳への経路:原油上昇 → 輸入配合飼料(トウモロコシ・大豆かす)の船賃と船舶燃料代 → JA全農配合飼料値上げ+10.6%
3. 野菜への経路:原油上昇 → ハウス栽培の暖房重油代・農機軽油代・産地から市場までの輸送費 → 天候不順と重なる三重苦
4. 果物への経路:バナナ等の輸入果物は円安と船賃の直接影響、りんご・みかんは気候変動と農家減少で生産不安定

実は、これは今回が初めてではありません

歴史から学ぶ:オイルショックと食卓全体

1973年の第一次オイルショックのとき、原油と一緒に肥料・飼料・輸送費が同時に上昇し、家庭の食卓全体に値上げの波が広がりました。当時の主婦は「トイレットペーパー買い占め」で有名ですが、食料品価格も広く上昇し、家計に大きな影響を与えました。2022年のロシアのウクライナ侵攻のときも、世界の原油・穀物・肥料・飼料が同時に大きく上昇し、日本でも2022年後半から2023年にかけての食料品値上げの引き金となりました。「遠い中東・欧州の話が、家庭の食卓全体まで届く」という構造は、半世紀以上変わっていません。

この章のまとめ

中東と家庭の食卓は、原油という1つの上流から4つのパイプ(肥料・配合飼料・ハウス燃料・輸入輸送)でつながっています。だからコメ・肉・牛乳・野菜・果物の全品目が同時に値上げされるのは、それぞれ違う理由ではなく、根っこは同じ原油だからです。1973年のオイルショック、2022年のウクライナ情勢と同じ構造で、決して初めての話ではありません。

Ch.02図解:中東→原油→食卓の4つのパイプ(コメ・肉/牛乳・野菜/果物)

Ch.01でお伝えした「原油から4つのパイプ」を、図解でもう少し詳しく見ていきましょう。同じ原油の上昇が、コメ・肉と牛乳・野菜・果物それぞれに、少しずつ違う経路で届いています。

🌏 中東→原油→食卓の4つのパイプ
中東の情勢・原油上昇
▼ ▼ ▼ ▼
🌾

コメへ届くパイプ

原油→尿素(肥料原料)→農家の肥料代・農機の軽油代→令和8肥料年度秋肥+顕著な値上げ→令和7年産26,000円/60kg(前年比+50%以上)→家庭5kg 2,000円台→4,000円台

2025年11月 過去最高5,002円
🐄

肉と牛乳へ届くパイプ

原油→船賃→配合飼料(輸入トウモロコシ・大豆かす)→JA全農配合飼料値上げ+10.6%→農家の生産原価→和子牛67万円、酪農家減少、乳業3社春値上げ

牛肉100g 414円(+59%)
🥬

野菜へ届くパイプ

原油→ハウス栽培の暖房重油代・農機軽油代・産地から市場までの輸送費→天候不順・人手不足の三重苦→キャベツ+64%、たまねぎ+159%等

食料指数128.4 過去最高圏
🍎

果物へ届くパイプ

原油→船賃と円安→輸入バナナ等の直接影響、りんご・みかんは温暖化で生産適地の北上、気候変動と農家減少で生産不安定

バナナ4,798円/年(家計調査)

4つのパイプで、反映のスピードが違う

もう1つ大切なポイントは、4つのパイプで店頭価格への反映スピードが違うということです。野菜は数日〜数週間で反映(葉物が最速)、コメは肥料値上げから収穫まで半年、肉と牛乳は鶏肉数か月・豚肉半年〜1年・和牛は2〜3年の時間差、果物は数か月〜年単位(果樹栽培は年サイクル)。だから「今の食卓の値段」は、実は数か月〜数年前の中東情勢の反映ということもあるのです。

この章のまとめ

中東→原油→4つのパイプ(肥料・配合飼料・ハウス燃料・輸入輸送)→食卓、という流れで、遠い中東の話が家庭の食卓全体に届きます。品目によって反映のスピードが異なり、葉物野菜は数日、コメは半年、和牛は数年、果物は年単位で反映されます。だから中東情勢が落ち着いても、食卓の値段はすぐには戻らない、という点が重要です。

Ch.03品目別・値上げの真因まとめ(4本セットの総まとめ)

シリーズ3本で個別に詳しくお伝えしてきた品目ごとの値上げの真因を、統括版として1枚のリストにまとめます。「うちの家計を圧迫しているのは、この品目のこの理由だ」と、家計の全体像が見えるようになります。

📊 品目別・値上げの真因と実データ一覧
🌾 コメ(1本目シリーズ)
令和7年産の相対取引価格・前年比+50%以上 26,000円/60kg
家庭5kg店頭・2025年11月に過去最高(総務省) 5,002円
2026年6月・下落傾向(全国3,500店POS) 3,775円
米類CPI・3年6か月ぶり低下(2026年5月) -4.9%
🐄 肉と牛乳(2本目シリーズ)
牛肉100g・過去最高・コロナ禍前比+59%(2026年4月・総務省) 414円
鶏卵1パック・過去最高(2026年4月・総務省) 315円
牛乳1L・過去最高圏(2026年5月・総務省) 266円
バター200g(2025年12月・農水省) 613円
配合飼料3期連続値上げ累計・JA全農 +10.6%
🥬 野菜(3本目シリーズ)
キャベツ1kg・2025年2月・平年比+2.6倍(農水省) 401円
キャベツ・2026年5月27日の週の平年比 +64%
たまねぎ・2026年1月26日の週の平年比 +159%
にんじん・2026年1月26日の週の平年比 +116%
食料指数(2026年4月・総務省CPI) 128.4
🍎 果物(3本目シリーズ)
バナナ・1世帯年間支出1位(総務省家計調査) 4,798円/年
りんご・1世帯年間支出2位(総務省家計調査) 3,814円/年
みかん・1世帯年間支出3位(総務省家計調査) 3,700円/年
上位3品目合計(1世帯年間支出) 12,312円/年
コーヒー豆・前年同月比(2026年3月・総務省CPI) +54.0%

品目別の主要因を一覧すると

4つの品目群の値上げの真因は、それぞれ違うようで、実は共通の構造があります。コメは肥料値上げと令和のコメ騒動の余韻、肉と牛乳は配合飼料値上げと和子牛67万円・酪農家減少、野菜は天候不順・生産コスト・人手不足の三重苦、果物は気候変動・輸入依存・農家減少。この4つ全ての底流に、原油の上昇と円安の直接影響が流れています。

この章のまとめ

シリーズ3本で個別に詳しくお伝えしてきた品目ごとの値上げの真因は、統括版として1枚のリストで見ると「原油と円安という2つの上流」の共通因子が浮かび上がります。ただし、コメは2026年6月に3,775円へ下落傾向、米類CPI -4.9%と明るい兆しもあります。全品目が同時に落ち着くことは期待しにくいですが、品目ごとの見通しを知っておくと、家計の計画に役立ちます。

Ch.04家計への影響:家族4人・年+約11万円の内訳

「食卓全体で、家族4人でどれくらい負担が増えているんだろう」という一番気になる質問に、シリーズ3本の実データを集計してお答えします。月換算、年換算、品目別の内訳を、透明性を持ってお伝えします。

💴 家族4人・食卓の年間家計負担増(3本のシリーズ実データ集計)
🌾 コメ 月+約3,200円 年+約38,400円
🐄 肉と牛乳 月+約3,600円 年+約43,200円
🥬🍎 野菜と果物 月+約2,000〜3,000円 年+約25,500〜39,000円
💰 合計 月+約8,800〜9,800円 年+約107,000〜120,000円

合計は「年+約11万円」の家計負担増

家族4人の食卓を守るために、コロナ禍前と比べて年間で約11万円の追加負担が発生している計算になります。月換算では月+約9,000〜10,000円。家族4人の食料費約1.3か月分に相当する年間支出増で、確定拠出年金・住宅ローン・教育費など他の固定支出も圧迫する規模です。

この負担増の背景を実感で見ると

この11万円/年の家計負担増は、平均年収500万円の家庭で年収の約2.2%相当の追加負担です。総務省の家計調査によると、二人以上世帯の食料費は月平均約8万円(年間約100万円)ですが、そこに約11万円の追加負担が入ると、食料費は年110万円台まで押し上げられます。額面年収500万円の家庭では、食料費の負担率が20%から22%まで上昇する計算です。

ただし、負担の「時期」は品目で異なる

この年+約11万円という負担は、実際は品目により異なる時期に発生しています。野菜は季節性が強く、冬に値上げが集中する傾向、コメは秋の新米出回りで大きく変動、肉と牛乳は年間を通じて緩やかに上昇。だから月ごとに感じる負担は、月+約9,000円が均等に来るのではなく、時期によって濃淡があります。次のCh.05で見通しを、Ch.06で家計を守る7つの工夫をご紹介します。

この章のまとめ

家族4人の食卓での家計負担増は、コメ年+約38,400円、肉と牛乳年+約43,200円、野菜と果物年+約25,500〜39,000円で、合計年+約107,000〜120,000円となっています。月換算で月+約9,000〜10,000円、平均年収の約2%相当という規模です。ただし、シリーズ3本でお伝えした21個の家庭でできる工夫を組み合わせることで、この負担分の相当部分をカバーできます。Ch.06で、精選した7つの工夫をご紹介します。

Ch.05これから、食卓の値段はどうなるの?(見通し)

「これから、もっと高くなるのかな?」「いつごろ落ち着くのかな?」と気になりますよね。短期・中期・長期の3つの視点で、今わかっている食卓全体の見通しをお伝えします。ただし天候・国際情勢・政策次第で変わる可能性があるため、あくまで現時点での見立てとしてお読みください。

SHORT / 数か月

明るい兆しも見える

米類は2026年5月にCPI前年同月比-4.9%と3年6か月ぶりの低下。じゃがいも・玉ねぎも夏の出荷増で価格が落ち着く見通しです。原油の6月末以降の落ち着きも、食卓全体への圧力を和らげる材料となっています。

MID / 半年〜1年

品目で明暗が分かれる

コメは秋の新米出回りで一時的な落ち着き、野菜は冬の需要期に葉物が高値に反発する可能性。肉と牛乳は配合飼料の落ち着き待ちで秋以降の見通し、果物は10-12月の新物出回り時期の産地の天候次第です。

LONG / 数年

構造的な圧力は残る

農家減少、和子牛価格の高止まり、酪農家戸数の減少、果樹農家の高齢化といった構造的な課題があり、供給の回復には時間がかかります。2024年前半の水準にすぐ戻ることは期待しにくい状況です。

家庭が特に注意したいタイミング

📅 2026-2027年、家庭が食卓の購入で意識したい時期
毎週の特売日 スーパーの特売日は肉・野菜が10-30%引きになることが多い時期です。曜日を決めてまとめ買いすると、単価を大きく下げられます。
7-9月 夏の露地野菜(きゅうり・なす・ピーマン・トマト)が旬。輸入牛肉の並行輸入品や、業務スーパーの夏物特売品も増える時期です。
9-11月 新米出回り時期。秋の食欲の秋商戦で肉・野菜の特売が増加。りんご・みかんの新物も出回り始め、産地直送品や道の駅が活躍します。
11-12月 お歳暮・年末商戦。国産和牛はやや高値、みかんは贈答需要で高値傾向。ふるさと納税は12月末が締切なので、上限額まで計画的に活用しましょう。
1-2月 正月明けの節約需要期。鍋物需要で豚肉・鶏肉・葉物野菜が動く時期。ふるさと納税の返礼品が続々届き始めます。
年中 安定価格野菜(もやし・豆苗・きのこ類・冷凍野菜)、卵、豆腐、鶏肉は年中を通じて価格が安定しています。値上げの影響を受けにくい家計の味方です。

ちょっと明るいニュース

2026年5月の米類CPIが3年6か月ぶりに前年同月比-4.9%となったことは、令和のコメ騒動が一段落する兆しです。原油の国際価格も2026年3月に高値をつけたあと、6月末には落ち着きを見せ始めています。ただし、円安・農家減少・気候変動という構造的要因は残るため、家計への負担は当面続く前提でお付き合いすることが現実的です。

この章のまとめ

短期的には米類CPI -4.9%やじゃがいも・玉ねぎ落ち着きなど明るい兆しもあります。中期的には品目で明暗が分かれ、長期的には農家減少・気候変動・輸入依存という構造的問題が残ります。ただ、家庭が意識しておきたいタイミング(毎週の特売日、9-11月の新米・新物、11-12月商戦、1-2月鍋物需要期、年中の安定価格食材)を知っておくと、食卓全体の負担を大きく和らげることができます。

Ch.06家庭でできる、食卓を守る7つの工夫(3本のシリーズから精選)

値上げは避けられない部分もありますが、家庭でできる工夫はたくさんあります。シリーズ3本(コメ・肉と牛乳・野菜と果物)で紹介した21個の工夫から、食卓全体に効く7つの精選ポイントをまとめました。全部を一度に始める必要はありません。1つずつ、無理のない範囲で取り入れてみてください。

1

旬の食材を主役にする(野菜・果物・肉・魚)

旬の食材は、生産量が多く価格が抑えられます。春はキャベツ・新玉ねぎ・アスパラガス、夏はトマト・きゅうり・なす・ピーマン、秋は大根・にんじん・りんご・みかん、冬は白菜・ほうれん草・ブロッコリー。魚も旬を意識すると割安に。「季節の献立」を意識するだけで、月の食費が1〜2割減ります。

💰 節約効果の目安:月+3,000-5,000円の削減
2

特売日のまとめ買いと小分け冷凍

スーパーの特売日は肉・野菜が10-30%引きになることが多い日。500g〜1kgの単位でまとめ買いし、使いやすい100g単位で小分け冷凍。特に鶏むね肉・豚こま切れ・ブロッコリー・ほうれん草は冷凍向き。冷凍庫の空きを常に3割程度キープしておくのがコツです。

💰 節約効果の目安:月+2,000-3,500円の削減
3

ふるさと納税を上限まで活用する

ふるさと納税を上限額まで活用すると、コメ・肉・野菜・果物のすべてを、実質2,000円の自己負担で入手できます。10,000円の寄付でコメ10-20kg、和牛500g前後、豚肉2-3kg、りんご10kg、みかん10kgなどの返礼品。所得や家族構成で上限額が変わるので、シミュレーションサイトで確認しましょう。

💰 節約効果の目安:年間+40,000〜100,000円相当の食材が入手可能
4

業務スーパー・直売所・道の駅で購入する

スーパーの食材は流通コストがかかっているため、業務スーパー、地域の八百屋、道の駅、農協の直売所で買うと単価が1〜3割安くなることがあります。特に道の駅・直売所は生産者から直接仕入れるため、鮮度も高く経済的。休日にドライブがてら立ち寄る習慣をつけると、賢い買い物ができます。

💰 節約効果の目安:月+2,000-4,000円の削減
5

タンパク質のメリハリ:輸入牛・鶏肉主役+一般米+安定価格野菜

食卓の主役をメリハリで選ぶだけで、家計を大きく守れます。は輸入牛肉と鶏肉を主役に(国産和牛は特別な日)、は旬の青魚(さば・いわし)と鶏卵を活用、コメはブランド米より一般米、野菜はもやし・豆苗・きのこを主役級で使う、というメリハリです。栄養バランスを保ちながら、家計費を大きく抑えられます。

💰 節約効果の目安:月+3,000-6,000円の削減
6

業務用サイズ・玄米・カット野菜より丸ごとで単価を下げる

200g 613円のバター、カット野菜、精米済みの白米は、単価が高くなりがちです。業務用の1kgバター、丸ごとキャベツ、玄米(家庭精米機で精米)を選ぶだけで、単価が1〜3割下がります。カット野菜のCPIは2026年5月に111.0と過去最高で、時短の味方も値上げ中。丸ごと購入と自宅カットの組み合わせが効果的です。

💰 節約効果の目安:月+1,500-2,500円の削減
7

冷凍野菜・冷凍果物・卵料理を活用する

冷凍野菜(ブロッコリー・ほうれん草・ミックスベジタブル)と冷凍果物(ブルーベリー・マンゴー)は価格が安定し、値上げの影響を受けにくい家計の味方。鶏卵1パック315円は、他のタンパク質と比べて依然として家計に優しく、オムライス・親子丼・卵とじなど主役級の献立に活躍します。「卵の日」を週2〜3回組み込むと、月の食費を大きく抑えられます。

💰 節約効果の目安:月+2,500-4,000円の削減
この章のまとめ

値上げに強い家計づくりは、「旬を選ぶ」「まとめ買い冷凍」「ふるさと納税」「業務スーパー・直売所」「タンパク質メリハリ」「業務用・丸ごと購入」「冷凍活用・卵料理」の7つの工夫がポイントです。7つ全部を一度に始める必要はありません。例えば工夫1+工夫5+工夫7だけでも月+8,500-15,000円、これに工夫3(ふるさと納税)を組み合わせれば年+15〜28万円相当の家計改善が可能です。Ch.04でお伝えした家計負担の増加分(家族4人で年+約11万円)は、十分にカバーできる規模です。

Ch.07よくあるご質問

この記事を読んでよくいただく質問と、その回答をまとめました。もっと詳しく知りたい方は、次のCh.08で用語集ミニと3本のシリーズ全リンク、専門版もご紹介しています。

なぜ遠い中東の話が、日本の食卓全体の値上げに関係するのですか

中東は世界の原油供給の重要な地域で、ホルムズ海峡には世界の原油の約20%が通過します。中東で緊張が高まると原油価格が上がり、コメ生産の肥料代・畜産の配合飼料代・野菜のハウス燃料代・果物の輸送費が同時に上がります。日本は原油の約9割を輸入に頼っており、従来はその大半が中東からでした。近年は代替調達が段階的に進んでいますが、それでも中東情勢の影響は大きく残っています。原油というたった1つの上流の変動が、コメ・肉・牛乳・野菜・果物のすべての品目に届くのが、食卓全体の値上げの構造です。

どの品目が特に値上がりしていますか

総務省の消費者物価指数によると、2026年4月の食料指数は128.4(2020年=100基準)で過去最高圏です。品目別では、コメ5kgが2024年前半の2,000円台から2025年11月には過去最高の5,002円まで上昇(2026年6月時点3,775円で下落傾向)、牛肉100gが414円(コロナ禍前比+59%)、鶏卵1パック315円(過去最高)、牛乳1L 266円、バター200g 613円、キャベツ1kgが2025年2月に平年比+2.6倍の401円、たまねぎが2026年1月26日の週に平年比+159%、コーヒー豆は2026年3月に前年同月比+54.0%と、食卓のあらゆる品目で値上げが広がっています。

これから、食卓の値段はどうなるのですか

短期的には明るい兆しも見えています。総務省の2026年5月消費者物価指数では、米類が前年同月比-4.9%と3年6か月ぶりの低下を記録しました。じゃがいも・玉ねぎも夏の出荷増で価格が落ち着く見通しです。ただし、配合飼料の値上げ・和子牛67万円・酪農家減少・果樹農家減少といった構造的な要因は続くため、肉と牛乳・果物は当面高値圏で推移する見込みです。中期的には天候の安定と原油の落ち着き次第、長期的には輸入依存・農家減少・気候変動という構造的な課題があり、2024年前半の水準にすぐ戻ることは期待しにくい状況です。

家族4人でどれくらいの家計負担が増えていますか

家族4人の平均的な消費量で試算すると、コメで年+約38,400円、肉と牛乳で年+約43,200円、野菜と果物で年+約25,500〜39,000円と、合計で年+約107,000〜120,000円の家計負担増となります。月換算では月+約9,000〜10,000円の追加負担です。これは家族4人の平均的な食費増加分の目安で、実際の負担は世帯の消費パターンによって異なります。ただし、家庭でできる7つの工夫を取り入れることで、この負担分の相当部分をカバーすることができます。

家庭でできる、食卓を守る工夫はありますか

7つの工夫があります。1つ目は旬の食材を選ぶ、2つ目は特売日のまとめ買いと小分け冷凍、3つ目はふるさと納税を上限まで活用する、4つ目は業務スーパー・直売所・道の駅で購入する、5つ目は主役の食材をタンパク質・炭水化物・野菜のバランスでメリハリを付ける(輸入牛と鶏肉・地元産一般米・もやし豆苗きのこを主役に)、6つ目は業務用サイズ・玄米・カット野菜より丸ごとで単価を下げる、7つ目は冷凍野菜・冷凍果物・卵料理を活用する、といった工夫です。3つのシリーズ(コメ・肉と牛乳・野菜と果物)で紹介した21個の工夫から精選しました。無理のない範囲で少しずつ取り入れると、家計への負担が和らぎます。

なぜプラスチックパレット株式会社がこの記事を書いているのですか

弊社はプラスチックパレット・再生樹脂材料・PPバンド・ストレッチフィルム等の物流資材を全国に供給する専門商社です。コメ・畜産物・乳製品・野菜・果物の輸送、卸売市場から小売までの流通で、パレットや包装資材を通じて日々関わっています。中東情勢から家庭の食卓までのつながりを、物流の現場に近い立場からわかりやすくお伝えしたいと考え、この記事を書いています。

Ch.08もっと詳しく知りたい方へ(用語集・シリーズ全リンク・専門版)

この記事に出てきた専門用語を、一言でわかる用語集ミニと、シリーズ3本の全リンク、業界向けの専門版の記事をご紹介します。

用語集ミニ

ホルムズ海峡
ペルシャ湾の出口にある幅約33kmの狭い海峡。世界の原油の約20%が通過する戦略要衝で、日本の原油輸入もこの海峡を通ります。
消費者物価指数(CPI)
総務省が毎月公表する物価の変化を示す指標。2020年を100として算出。2026年4月の食料指数は128.4で過去最高圏です。
食料指数
消費者物価指数のうち食料品だけを取り出した指数。2020年比+28.4%の上昇(2026年4月時点)で、食卓全体の圧迫を数字で示しています。
平年比
過去5か年の平均値と比較した数値。「平年比+64%」なら過去5年平均より64%高いという意味。野菜や果物の相場を評価する基準です。
配合飼料
トウモロコシ・大豆かす・魚粉などを混ぜて作る家畜のえさ。日本の畜産の生産原価の約40〜60%を占め、原料の約75%を輸入に頼っています。
ハウス栽培
ビニールハウスや温室で野菜を育てる方法。トマト・きゅうり・ピーマン・いちごが代表例。冬場は暖房が必要で、原油価格の影響を強く受けます。
家計調査
総務省が実施する、家庭の収入と支出の全国調査。1世帯あたりの果物年間支出はバナナ4,798円、りんご3,814円、みかん3,700円が上位3品目です。
相対取引価格
コメ生産者とJA等が取引する価格。60kg単位で表示。令和7年産は26,000円/60kgと、前年比+50%以上の上昇となりました。

やさしく解説シリーズ全4本の一覧

この記事は「やさしく解説シリーズ」の4本目・完結版です。3本の個別編と合わせて読むと、食卓全体の理解が深まります。

もっと詳しく知りたい方へ:業界向けの専門版

この記事は業界向けの専門版を、家庭・消費者の目線でやさしくまとめ直したものです。もっと詳しい数字や業界動向を知りたい方は、専門版の記事もご覧ください。

この記事の主な情報源

📚 参考にした主な一次ソース(3本のシリーズ集計)
  • 総務省統計局「消費者物価指数(CPI)」(2026年5月総合指数113.5、4月食料指数128.4、コーヒー豆+54.0%等)
  • 総務省統計局「小売物価統計調査」(コメ5kg・牛肉100g・鶏卵・牛乳・キャベツ等の店頭価格)
  • 総務省統計局「家計調査」(バナナ4,798円、りんご3,814円、みかん3,700円)
  • 農林水産省「食品価格動向調査(野菜・果樹)」(キャベツ+64%、たまねぎ+159%、にんじん+116%等)
  • 農林水産省「相対取引価格」(令和7年産コメ26,000円/60kg)
  • JA全農「配合飼料価格改定について」(3期連続値上げ・累計+10.6%)
  • マーチャンダイジング・オン社「全国3,500店POSデータ」(2026年6月コメ5kg 3,775円)
  • Jミルク・関東生乳販連(乳製品)、東京商工リサーチ・帝国データバンク(焼肉店動向)
  • 各卸売市場(大田市場・名古屋市場・大阪本場市場)の相場データ
シリーズ4本の総まとめ

遠い中東のイラン情勢は、原油という1つの上流から4つのパイプ(肥料・配合飼料・ハウス燃料・輸入輸送)を通じて、家庭の食卓全体につながっています。2026年の食卓は家族4人で年+約11万円の追加負担ですが、家庭でできる7つの工夫を組み合わせることで、その負担分をしっかりカバーできます。特に、旬を選ぶ・タンパク質メリハリ・ふるさと納税・冷凍活用など、賢い選び方を身につけると、値上げに強い家計づくりが可能です。無理のない範囲で、少しずつ試してみてください。3本のシリーズをきっかけに、日々の食卓が少しでも豊かになれば幸いです。

お読みいただく際のご留意点
  1. この記事は、総務省・農林水産省・JA全農・農畜産業振興機構・各卸売市場・マーチャンダイジング・オン社などの公表情報を基に、家庭・消費者の目線でシリーズ4本の集大成としてまとめたものです。より詳しい数字や業界動向をお知りになりたい方は、Ch.08でご紹介している3本の個別編と専門版の記事もご覧ください。
  2. コメ・肉と牛乳・野菜と果物の店頭価格、卸売相場、平年比、消費者物価指数、家計調査データ、家計負担額の試算などは、記事公開後にも変動します。買い物の判断は、実際のスーパー・直売所・八百屋でご確認いただくのが確実です。
  3. この記事でご紹介する「家庭でできる7つの工夫」および節約効果・家計負担の目安は、家族4人の平均的な消費量を仮定した一般的な情報提供が目的です。個別のご家庭のご事情や消費ペースに応じて、無理のない範囲でご参考にしてください。ふるさと納税の上限額は所得・家族構成で変わりますので、シミュレーションサイト等でご確認ください。
  4. 掲載する情報源は、それぞれの機関の責任において公表・運営されており、記事公開後に更新される場合があります。最新情報は各機関の公式サイトをご参照ください。
  5. 記事内容には最善の注意を払っておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。本記事の情報に基づく判断により生じた損失について、弊社は責任を負いかねます。
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