マレーシアのストレッチフィルム供給は本当に「安定」なのか — Pengerang停止・mLLDPE枯渇・添加剤ハブ崩壊で見える二層構造 | プラスチックパレット株式会社
DEFINITIVE REPORT — MALAYSIA EDITION

マレーシアのストレッチフィルム供給は本当に「安定」なのか

— Pengerang停止・mLLDPE枯渇・添加剤ハブ崩壊で見える二層構造 —

Hormuz海峡危機で日本・韓国・台湾・タイ・インドネシアの石化各社が次々とフォースマジュール(不可抗力宣言)に陥るなか、業界では「マレーシアだけが安定供給の砦」と語られてきた。だが現実はもっと複雑だ。Kertihのガスベース複合プラントは確かに無傷だが、Pengerangのナフサベース複合プラントは原油フィードストック不足で停止中。さらにシンガポールの添加剤ハブ崩壊とmLLDPEアロケーションが、薄膜ストレッチフィルム供給の見えない天井になっている。マレーシア中堅メーカーEBの担当者は2026年5月時点で「生産だけで4〜5週間、今後さらに悪化する可能性がある」と語っている。日本側の調達担当者がEBから「2ヶ月」と告げられる本当の理由を、構造的に読み解く。

公開日:2026年5月1日 | 最終更新:2026年5月1日

【結論】

マレーシアのストレッチフィルム供給は「ガスベースKertihの安定」と「ナフサベースPengerangの停止」という二層構造にある。汎用厚物(20μm以上)の供給は比較的安定しているが、Nano薄膜(15μm未満)に必須のメタロセンLLDPE(mLLDPE)は、Pengerangの350,000トン/年プラント停止とシンガポールExxonMobil/Prime Polymerの減産で事実上のアロケーション配給状態。さらに添加剤ハブのシンガポール(PCS、TPC、Aster、Sumitomo Chemical Asia)が一斉にフォースマジュール宣言したことで、特殊グレードの製造リードタイム自体が長期化している。2026年5月時点でEB Packaging担当者から直接入手した情報によれば、生産だけで4〜5週間(28〜35日)かかる状況にあり、しかも「今後さらに悪化する可能性がある」と明言された。日本到着までの全工程合計は54〜82日に達しており、買い手側は「今が一番納期が短い」前提で発注を急ぐべき局面にある。

1. マレーシア市場の全体像と4大プレイヤー

マレーシアは世界のフレキシブル包装サプライチェーンにおいて、単に「東南アジアの一国」ではない。Scientex Berhadは2024年時点で年間約58万トンのストレッチフィルム生産能力を持ち(machine/hand両形態を含む)、Thong Guan Industriesはタイ・蘇州(中国)拠点も併せて年間15万トン超の生産規模で世界10位のストレッチフィルムメーカーである(『The Edge Malaysia』、2022年)。Scientexは60カ国以上、Thong Guanは70カ国以上に輸出しており、グローバルサプライチェーンに完全に組み込まれている。

580,000t
Scientex年産能力
(マシン+ハンド合計、2024年)
150,000t+
Thong Guan合計年産能力
(マレーシア・タイ・中国)
350,000t
Pengerang mLLDPE能力
(事実上停止中)
90万t
Singapore mLLDPE能力
(ExxonMobil+Prime Polymer、減産中)

この市場には明確な4階層構造がある。第1層・市場リーダーのScientex Berhad(Tsukasa Chemical Japanが大株主)、第2層・プレミアムNo.2のThong Guan Industries(Nano55ナノテク薄膜技術)、第3層・日系副業型のHiroyuki Industries(本業はPP/PETバンド)、第4層・中堅差別化型のEB Packaging(カスタムロゴ/ベビーロール/混載対応)。それぞれの戦略と最新動向は第5章で詳述する。

2. 「マレーシア優位」の真実 — Kertih vs Pengerangの二層構造

⚠️ 業界で語られる「マレーシアだけが安定」は半分正しく半分誤り

マレーシアの石化拠点は原料調達構造が完全に異なる二層に分かれており、Hormuz海峡危機の影響も対照的だ。Kertih(Terengganu)は国産天然ガスベースで影響を受けないが、Pengerang(Johor)はナフサベースで原油の70%以上をHormuz海峡経由で輸入していたため、2026年3月以降、原油装置を停止している。

第1層 — 安全

Kertih複合プラント(Terengganu州)

✓ 正常稼働中

原料:マレーシア国産天然ガス(エタン)

主要設備:PETRONAS Chemicals Olefins(O&D)、PETRONAS Chemicals Polyethylene、PETRONAS Chemicals LDPE

製品:汎用LLDPE(Ziegler-Natta C4)、HDPE、LDPE、ポリプロピレン

状況:CGS-CIMBは「PCGのKertih O&D複合プラントは中東紛争に起因するフィードストック供給混乱の影響を受けない」と評価(『The Edge Malaysia』2026年3月6日)。エタンは長期固定価格契約で調達され、営業マージンが上下サイクルを通じて維持される

第2層 — 停止中

Pengerang複合プラント(Johor州)

✕ 原油装置停止中

原料:ナフサ(原油の70%以上がHormuz海峡経由)

運営:PRefChem(PETRONAS/Saudi Aramco 50:50ジョイントベンチャー)

主要設備:30万bpd原油装置、120万トン/年ナフサクラッカー、350,000トン/年LLDPE/mLLDPEスイングプラント、400,000トン/年HDPE、900,000トン/年PP

状況:Reuters(2026年3月10〜18日)は、Prefchemが「原油フィードストック不足により30万bpdの原油装置を停止し、派生ユニットも停止予定」と報道。Kpler船舶追跡データで「2025年の海上輸入原油の70%以上がHormuz海峡経由」と確認済み。

各国のナフサ依存度との比較

米国化学工業会機関誌『Chemical & Engineering News』(C&EN、2026年3月17日)『Hydrocarbon Processing』(2026年3月27日)のデータを統合すると、各国・各拠点の構造は以下の通り:

国・拠点 原料 中東依存 2026年3月以降の状況
マレーシア・Kertih 国産天然ガス なし 正常稼働、汎用LLDPE/HDPE安定供給
マレーシア・Pengerang(PRefChem) ナフサ 原油70%超 原油装置停止、mLLDPEプラント実質ゼロ稼働
シンガポール・PCS ナフサ 高水準 3月5日 フォースマジュール宣言
シンガポール・ExxonMobil Jurong ナフサ 原油65% 稼働率80%超→50%以下に削減
シンガポール・Singapore Refining Co ナフサ 高水準 稼働率75%→約60%、ナフサ供給遅延
日本 ナフサ 輸入の70% 三菱ケミカル、出光、三井、旭化成が出力削減
韓国 ナフサ 輸入の77% 3月27日 政府が国産ナフサ輸出禁止令発動
台湾・Formosa Petrochemical ナフサ 大部分 3月10日 フォースマジュール宣言
タイ・Rayong Olefins(Siam Cement) ナフサ 大部分 3月6日 フォースマジュール宣言
インドネシア・Chandra Asri ナフサ 大部分 3月3日 フォースマジュール宣言

日本人石油化学アナリストの河上正規氏はC&ENに対し、「マレーシアは国産フィードストックを持っており、PETRONASはフォースマジュールを宣言していない。現時点での混乱は、輸入ナフサに依存する事業者に集中している」と述べているが、これはKertihに限定した発言である点に注意が必要だ。マレーシア国内でも、Pengerangは明確にナフサ依存・Hormuz依存であり、『Stemgenic Global』(2026年3月12日)は「マレーシアは公式のフォースマジュール宣言なしでも、Pengerangの稼働実態は同じ地域ストレスを示している」と分析している。

3. mLLDPE供給の崩壊 — Nano薄膜ストレッチフィルムの隠れた天井

Scientex「Nano 6」(6μm)、Thong Guan「Nano55」(10μm、55層)に代表される15μm未満の薄膜ストレッチフィルムには、メタロセン触媒で製造されるLLDPE(mLLDPE)が必須である。S&P Global Commodity Insightsは2015年9月の段階で「mLLDPE消費の75〜90%はストレッチフィルム向け」と明言している。

アジアmLLDPE生産マップ(2026年時点)

拠点 能力 触媒・グレード 2026年3月以降の状況
シンガポール・ExxonMobil Jurong 60万トン/年(既存LLDPE) Enable™、Exceed™ メタロセンPE 原油の65%がHormuz経由、原油処理を50%以下に削減
シンガポール・Prime Polymer 30万トン/年(mLLDPE専用) C6 mLLDPE 三井化学系、Mitsui Chemicalsの減産対象
マレーシア・Pengerang(PRefChem) 350,000トン/年 INEOS Innovene G、C6 mLLDPE/LLDPEスイング 原油装置停止、エチレン供給途絶で実質ゼロ稼働
日本・Prime Polymer 千葉 25万トン/年 C6 mLLDPE Mitsui Chemicals減産下
韓国・LG Chem 大山 一部mLLDPE転換 C6/C8 YNCC等のフォースマジュール波及
タイ・PTT Global Chemical Map Ta Phut 40万トン/年 C6 mLLDPE Rayong Olefins(同系列)がフォースマジュール宣言
中国・ExxonMobil Huizhou 73万トン/年(2025年2月稼働) LLDPE/mLLDPEスイング 稼働中(北米米国エタン依存で相対安定)

意外な事実 — マレーシアにもmLLDPE能力はあった

業界では「mLLDPEはシンガポール集中」と長く語られてきたが、実はマレーシアにも350,000トン/年のmLLDPE生産能力がある。S&P Global Commodity Insights(2015年8月)は「PETRONAS、Johorに2019年半ばまでに350,000トン/年のメタロセンLLDPEプラント新設」と報じ、Argus Media(2022年7月)はPengerang複合プラントが「INEOS Innovene Gテクノロジーによる350,000トン/年のLLDPEスイングプラント」を保有し、メタロセン触媒に切り替えてmLLDPEを生産可能であることを確認している。

致命的な含意

Pengerangの350,000トン/年のmLLDPEは「マレーシア優位の象徴」となるはずだったが、まさに2026年3月以降、最も必要とされるタイミングで停止している。シンガポールのExxonMobilとPrime Polymerも減産下にあり、アジアのmLLDPE供給は事実上、パンデミック以来最悪のアロケーション状態

Scientex Nano 6、Thong Guan Nano55のような最先端薄膜製品は、ScientexやThong Guanが「材料はある」と言っても、使用可能なグレードが限定的。買い手としては「メタロセンLLDPEの調達確約」を契約段階で明示的に求める必要がある。

4. シンガポール添加剤ハブの崩壊 — 「材料アロケーション」の正体

ストレッチフィルムは「LLDPEだけ」では作れない。実際には以下の添加剤が必ず必要であり、これらは1〜3%という少量しか使わないが、1つでも欠けるとラインが止まる

添加剤 役割 主要供給源 2026年の状況
スリップ剤(Slip agent) フィルム同士の摩擦低減 Sumitomo Chemical Asia(シンガポール)他 シンガポール拠点FM対象
タック付与剤(Tackifier) クリング性能(くっつき)付与 シンガポール/中東経由 FM・調達遅延
アンチブロック剤 巻き取り時の貼り付き防止 シンガポール/ベトナム シンガポール影響
UV安定剤 屋外保管耐性 ベトナム/シンガポール経由 輸送遅延
酸化防止剤 押出時の樹脂分解防止 シンガポール/中東 FM・調達遅延
カラーマスターバッチ 色付け(特に色付きフィルム) ベトナム/タイ/シンガポール 調達遅延
加工助剤(PPA) 押出機内のメルトフラクチャー防止 シンガポール/ベトナム シンガポール影響

2026年3月のシンガポール・ジュロン島の連鎖崩壊

シンガポール(Jurong島)はアジアの石油化学・添加剤・コンパウンドの集積中枢として機能してきた。そして2026年3月、Hormuz危機はこのハブそのものを直撃した。

  • 2026年3月5日 PCS(Petrochemical Corporation of Singapore) — フォースマジュール宣言。シンガポール石化バリューチェーン上流の基幹企業(Reuters、C&EN、ChemAnalyst)。
  • TPC(ジュロン島ポリオレフィン下流メーカー) — PCSからのオレフィン供給停止を受け、複数プラント停止+フォースマジュール宣言(Argus Media)。
  • Sumitomo Chemical Asia — PCS停止を受け、メチルメタクリレート生産でフォースマジュール宣言。
  • Singapore Refining Co — 29万bpdジュロン製油所を稼働率約60%に削減。
  • ExxonMobil ジュロン製油所 — 通常80%以上 → 50%以下に削減。原油の65%がHormuz経由(Kpler/Reuters)。
  • Aster Chemicals and Energy — フォースマジュール宣言。

Stemgenic Globalはこれを「統合石化クラスターのドミノ効果のお手本」と表現している。上流の分子供給が止まると、下流ユニットが次々に倒れていく構造だ。

添加剤調達リードタイムの劇的悪化

添加剤は数百kg〜数トン単位で発注される少量・高単価品で、メーカーは複数製品を1つの設備でローテーション生産している。マレーシアの中堅メーカー(特にEB)は、シンガポールから2〜3週間ごとに少量ずつ取り寄せていたと推定される。

通常の添加剤発注〜出荷:2〜3週間 → 2026年現在:6〜10週間(FM、アロケーション制)

シンガポール → Port Klang輸送:2〜3日 → 5〜10日(港湾混雑)

ストレッチフィルム生産スロット確保:1〜2週間 → 3〜4週間(生産優先順位調整)

5. 主要4社の最新動向と競争構造

No.1

Scientex Berhad(4731.KL)

マレーシア証券取引所メインボード上場(1990年〜)。1968年設立。日本のTsukasa Chemical Industry(ツカサ化成)が長年の合弁・出資関係を持つ。Vietnamに2008年設立のScientex Tsukasa(Vietnam)Co., Ltd.を保有。

生産拠点・規模

Port Klang/Pulau Indah(Selangor)に世界最大規模の単一拠点ストレッチフィルム工場を保有。年産58万トン(2024年、machine/hand両形態合計)。米国アリゾナ州フェニックスにも工場。Black Clawson(米国)/Bettenfeld(ドイツ)の最新7層キャストフィルムライン採用。

主力技術 — Nano 6

薄膜特化の「Nano 6」(6ミクロン超薄膜)を主力ブランドとして展開。ただしNano 6製造にはmLLDPEが必須のため、Pengerang停止+シンガポール減産下では事実上のアロケーション配給となっている。

PRO ✓ 汎用品の価格リーダー、Kertihガス由来LLDPE安定調達。世界最大規模単一拠点のスケールメリット。Q1 FY2026(Scientex Packaging Ayer Keroh)は税引前利益+165%(i3investor、2025年12月開示)。
CON ✗ カスタム不可、Nano薄膜はmLLDPEアロケーションの直撃。大量生産モデルゆえに供給の柔軟性が低く、特殊規格・少量バリエーションには応じない。Nano 6の納期はmLLDPE調達状況次第。
No.2

Thong Guan Industries Berhad(7034.KL)

1942年創業、本社Klang/Sungai Petani(Kedah)。マレーシア2位、世界10位のストレッチフィルムメーカー。マレーシア・タイ・蘇州(中国)の3拠点で年産15万トン超。輸出70カ国以上。

主力技術 — Nano 55

Nano55(55層10ミクロンナノマシンロール)が代名詞。「17/20/23ミクロンを使用しているならNano55はコスト削減になる」と訴求するが、10μmレベルの薄膜にはmLLDPEが不可欠。R&D拠点「Newton Research & Development Centre」(2016年設立)保有。

業績の最新動向

2026年2月に四半期売上2.873億リンギット発表(MarketScreener)。Q1 2026決算は5月20日予定。リンギット高進行(2025年12月以降)が輸出収益にネガティブ影響。2026年4月20日に38,000株(1.32〜1.33MYR)、4月1日に88,000株の自社株買戻し実施。

PRO ✓ Nanoマシンロールのリーダー、R&D・技術革新スピード。バイオベースのシュリンクフィルム拡張に4,000万米ドル投資。Sungai Petani新コンプレックスで2027年売上倍増計画。
CON ✗ プレミアム価格、Nanoはオーバースペック気味の評価も。客先機械の事前ストレッチ性能を最大限活用できない場合、コスト効果が出にくい。Nano55の供給はmLLDPEアロケーションの影響を受ける。
日系資本

Hiroyuki Industries (M) Sdn Bhd

2001年に中田弘行氏(現会長、ミャンマー出身、後に日本国籍取得)が設立。本部は埼玉県、生産拠点はJohor州Senai。年産能力約10,000トン(PP・PETバンド合計、Plasco Taiwan公式情報)。

本業はPP/PETストラッピングバンド

中核製品はPP/PETストラッピングバンド。ストレッチフィルム(LLDPEキャスト)は副次的位置付け。同社のPETバンドはAAR(米国鉄道協会)認証Type IV取得済(5/8" × 0.035および3/4" × 0.050、AAR ID: AAR-93)。2018年から食品グレードrPET生産設備を保有(ASEAN初)。年5億5千万本のPETボトル回収・3万トンrPET生産能力。

PRO ✓ PETバンドとのクロスセル可能、日系の品質基準理解。同一サプライヤーでバンド+フィルム併発注可能。
CON ✗ ストレッチフィルム専業ではない、設備保守状況に課題。本業はバンドであり、自社設備停止時にはEB Packagingから外注調達するケースも報告されている。
中堅差別化型

EB Packaging Sdn Bhd

マレーシアの中堅ストレッチフィルムメーカー。Scientex/Thong Guan/Hiroyukiの大手3社が対応できない「中ロット・カスタム・周辺資材混載」の領域で独自ポジションを確立。

4つの差別化軸

①ハンドロール
カートン上にカスタムロゴ/ブランディング印刷対応。Scientexが対応していない領域。
②マシンロール
適度な品質のNano Power Stretchフィルム供給。Thong Guanのオーバースペック対策。
③ベビーロール
大手3社が効率的に作れない領域。EBの強み。
④コンテナ混載
最小1パレットから受け付け、1コンテナに平均8〜12品目を混載可能。
PRO ✓ 小ロット・多品種・カスタムに対応できる柔軟性。「ストレッチフィルム+粘着テープ+PE袋を少量ずつまとめて1コンテナで欲しい」というニーズに対し、最低発注数量1パレット/品目で受付可能。商社経由でなく直接やりとり、スペック調整・ロゴ印刷・配送リードタイムで有利。
CON ✗ 大量・標準品ではScientexの価格に届かない。本格的な大量定常発注(年間数百トン規模・標準スペック)では、Scientexのスケールメリットには勝てない。優位性は「中量・カスタム・混載」セグメントに集中。

6. EB『生産4〜5週間』の構造的分解 — なぜ材料があっても出荷に時間がかかるのか

日本側調達担当者がEB Packagingに発注すると、生産だけで4〜5週間、日本到着までで合計2ヶ月程度と告げられる。「LLDPEがあるなら即出荷では?」という素朴な疑問が湧くが、2026年現在のサプライチェーン現実を分解すると、この納期は誠実なコミットメント納期であり、しかもEB担当者の言葉を借りれば「今後さらに悪化する可能性がある」水準であることが分かる。

① 製造リードタイムが4〜5週間 — さらに悪化する可能性

ストレッチフィルムは「在庫から取って積むだけ」の商品ではない。Scientex級の大手は7層キャストフィルムラインを24時間稼働させているが、規格(厚み・幅・色・コア径・印刷有無)ごとにロットを組んで生産する。新規発注は次のスロットが空くまで待機する。

2026年5月時点でEB Packagingから直接入手した最新情報によれば、生産だけで4〜5週間(28〜35日)を要する状況にある。しかも担当者は「今後さらに悪化する可能性がある」と明言した。これは前章までで分析した①Pengerang停止によるmLLDPEアロケーション、②シンガポール添加剤ハブ崩壊(PCS、TPC、Aster、Sumitomo Chemical Asiaのフォースマジュール)、③PCG国内優先方針による樹脂入手調整、④事実上の客先アロケーション制——これら4つの構造要因が、生産工程の最も上流で複合的に作用していることを意味する。

EBのコンテナ混載モデルでは、コンテナ仲間の生産完了を全員分待ってから出荷するため、1社でも生産が遅れれば全体が止まる。生産待機が4〜5週間という水準は、複数SKUの混載コンテナにおいて全品揃うタイミングが構造的に後ろ倒しになっていることを示している。

📞 現場サプライヤー直接情報(2026年5月初旬)

EB Packaging Sdn Bhd(マレーシア)担当者からの直接連絡:「現在、生産だけで4〜5週間かかる。今後さらに悪化する可能性がある」。これは公開されている業界レポートよりも実態を反映した情報であり、特殊グレード・カスタム品ほど影響が大きいと推定される。

② Port Klangの港湾混雑

2026年のPort Klangは構造的に滞留している。Kuehne+Nagelの週次レポートによると:

  • 2026年1月8日週:平均待機2.69日、West Portでは5〜6日待機、ヤード密度90%超(時に105%)
  • 2026年1月16日週:West Portで約4日待機、激しい船団化と継続的なヤード混雑
  • 2026年2月26日週:1.46日に改善、ラマダン期間中の祈祷休憩で港湾効率がさらに低下

コンテナを工場で積み終えてから本船に乗るまで、平均1〜6日のバッファが必要となる。

③ 海運スケジュールのCut-off/Blank Sailing

本船出航の3〜5日前にコンテナを港に搬入し、書類提出を完了する必要がある。生産が1日遅れるだけで次の本船(次週)に持ち越しとなり、1週間まるまる失う可能性も。さらにHormuz危機で世界の船腹需給が混乱しており、複数の船社(Maersk等)が混雑緩和のため便を間引く「Blank Sailing」を実施している。

④ 日本側到着後の通関・搬出に7〜10日

日本港(神戸・東京・横浜)到着後も、本船入港→陸揚げ(1〜2日)、通関手続き(2〜3日)、ターミナル搬出待ち(1〜2日)、ドレージ(2〜3日)、バンニング解除・倉庫搬入(1日)の各工程が積み重なる。

⑤ EBの納期コミットメントの真の意味

当初EBが「2ヶ月程度」と提示していた納期は、4〜5週間の生産+出荷後の物流期間(3〜4週間)を積み上げた現実的なコミットメントであることが判明した。LLDPE樹脂自体の入手はKertih由来であれば問題ないが、シンガポール経由の添加剤(マスターバッチ、スリップ剤、UV安定剤、加工助剤)が中東経由で遅延し、包材やコア紙管の調達も遅延、船社のサーチャージ追加・スケジュール変更、為替変動による契約再交渉、そしてmLLDPE使用グレードのアロケーション待ち——これらすべてを織り込むと、信頼関係を重視するマレーシア中堅サプライヤーが提示する「絶対守れるライン」として60日前後は妥当な水準である。

ただし状況は今後さらに悪化する可能性が高い。Pengerang複合プラントの再稼働には数ヶ月を要し、シンガポールの添加剤メーカー各社がフォースマジュール解除の見通しを示せていない以上、生産リードタイムは5〜6週間まで延伸する可能性がある。買い手側は「今が一番納期が短い」前提で発注を急ぐべき局面にある。

EB Packaging 納期の構造的分解(2026年5月時点・現場情報反映)

受注後の生産スケジュール組み込み 3〜7日
生産(添加剤調達待ち+mLLDPEアロケーション含む) 28〜35日
コンテナ仲間の生産完了待ち(混載の場合) 3〜7日
Port Klang搬入・本船待ち 3〜7日
海上輸送(Port Klang → 日本主要港) 9〜13日
日本港到着・通関・搬出 7〜10日
国内陸送・搬入 1〜3日
合計(典型的レンジ) 54〜82日

※ 2026年5月初旬にEB Packaging担当者から直接得た最新情報によれば、生産だけで4〜5週間(28〜35日)を要する。EB担当者は「今後さらに悪化する可能性がある」と明言しており、生産工程は5〜6週間まで延伸するリスクがある。

7. 日本・韓国への影響 — マレーシア依存度の質的変化

Hormuz海峡危機が始まった2026年2月28日以降、東アジアの石化サプライチェーンは劇的に再編された。日本・韓国の包装資材市場では、マレーシア産ストレッチフィルム(およびLLDPE樹脂)への依存度が急速に高まっているが、その依存対象は汎用品に集中している

🇯🇵日本への影響

  • ナフサ依存度60%超、うち中東70%(C&EN、2026年3月17日)
  • 3月以降12基中6基のエチレン製造装置が減産運転
  • 三菱ケミカル、出光興産、三井化学、旭化成が出力削減発表
  • ストレッチフィルム1巻あたり1万円未満から大幅値上げ局面(『News On Japan』、2026年4月11日)
  • マレーシア・タイ・インドネシアが日本向けLLDPE/PP輸出割当を縮小(業界調査・複数サプライヤーヒアリング、2026年4月時点)
  • 大手商社経由でScientex Nano 6への切替が加速、ただしmLLDPEアロケーションで実需は限定的

🇰🇷韓国への影響

  • ナフサ輸入依存45%、うち中東77%(Hydrocarbon Processing、2026年3月27日)
  • 3月27日 政府が国産ナフサ輸出禁止令発動(事実上の輸出停止)
  • Yeochun NCC(YNCC)がNo.1(91.5万トン/年)・No.2(90万トン/年)クラッカーでフォースマジュール宣言
  • Hanwha TotalEnergiesがPX供給でフォースマジュール宣言(Seoul Economic Daily、2026年4月16日)
  • Lotte Chemical、LG ChemもFM宣言を検討(C&EN)
  • ゴミ袋(HDPE/LLDPE)の供給懸念まで波及(Seoul Economic Daily、2026年3月23日)

マレーシアの輸出戦略変化 — PCGの「国内優先」宣言

ただし、マレーシアの優位性は無条件ではない。PETRONAS Chemicals Group(PCG)は2026年4月22日のMD/CEO Mazuin Ismail氏の発表で、「2026年は国内顧客を輸出市場よりも優先する」と明言した。これは「中東情勢の混乱と困難な事業環境を踏まえ、国内供給を確保する」ためとされる。なお、PCG自身は2025年12月期通期で21.4億リンギットの純損失(前期は11.8億リンギットの黒字)を計上しており、4四半期連続赤字の中での戦略判断である。

調達側にとっての含意

PCGの国内優先方針は、マレーシアのストレッチフィルムメーカー(Scientex、Thong Guan、Hiroyuki、EB)にとっては原料入手の安定確保を意味する一方、PCGの輸出向け樹脂を直接輸入していた日本・韓国の二次加工業者にとっては樹脂段階での輸出割当縮小を意味する。日本側の選択肢は、①PCG経由の樹脂輸入を諦めてマレーシア完成品(ストレッチフィルム)の輸入に切り替える、②米国/オーストラリア由来のLLDPEに調達多様化する — の2択に絞られつつある。

8. ユーザー目線の調達戦略 — 国内で買い続けるためにできること

ここまでマレーシアの供給構造を詳細に見てきたが、日本の包装資材ユーザーがマレーシアメーカーに直接発注するケースは稀だ。多くの場合、商社・問屋・国内ストレッチフィルムメーカー経由で購入している。したがって本章では、商社・問屋から仕入れている立場のユーザー、国内メーカー品を使っている立場のユーザーが、いま何を考え、どう行動すべきかを整理する。

本章の前提

対象読者は、ストレッチフィルムを使う側のユーザー(物流倉庫、製造業、EC事業者、加工業者、小売・卸、引越業者など)。直接マレーシアから輸入する立場ではなく、商社・問屋経由、または国内メーカー品の購買担当者を想定している。

① まず現状を正しく理解する — 値上げ・納期遅延は「サボり」ではない

2026年3月以降、商社や問屋から「ストレッチフィルムの価格改定通知」「納期延長のお詫び」が連続して届いているはずだ。これはサプライヤー側のサボりや便乗値上げではなく、本記事で詳述してきた構造的な原料・添加剤・物流の三層崩壊の結果である。

  • 原料層:Hormuz危機でナフサ供給が逼迫、日本の三菱ケミカル・出光・三井・旭化成が出力削減
  • 原料層:マレーシアPengerang(mLLDPE 35万トン/年)も停止、シンガポールExxonMobilも50%減産
  • 添加剤層:シンガポールPCS、TPC、Aster、Sumitomo Chemical Asiaがフォースマジュール宣言
  • 物流層:Port Klang混雑、Blank Sailing、日本側通関遅延

この構造を理解したうえで、サプライヤーとの対話に臨むことが第一歩だ。「他社はもっと安いはずだ」「来週にはなんとかなるだろう」という発想は、この局面では危険である。

② 在庫水準を「平常時×1.5〜2倍」に引き上げる

ストレッチフィルムは多くのユーザーで「JIT(ジャストインタイム)」発想で運用されており、1〜2週間分の在庫しか持っていないことが多い。だが2026年下期にかけて生産・物流の両面でリードタイムが延伸する以上、在庫水準を平常時の1.5〜2倍に引き上げておくのが現実的な防衛策だ。

  • 毎月の使用量を再計算する — 過去6ヶ月の実績を整理し、月間使用量を確定させる
  • 1〜2ヶ月分の安全在庫を倉庫に確保する — 倉庫スペースが足りなければ、サプライヤーに「預け在庫」を相談する
  • サイズ・厚みを絞る — 多品種を持つほど在庫管理が複雑化するため、用途を統合できないか再検討

③ サプライヤーから「割当通知」が来たら、即座に確定発注する

2026年現在、商社や問屋から「次回ロット分のご案内」「割当数量のご連絡」といった通知が届くケースが増えている。これは事実上のアロケーション(配給)通知であり、提示された数量は「確保枠」を意味する。返答を保留している間に他のユーザーに回されるリスクが高い。

⚠️ 割当通知への対応原則

1. 提示数量を満額で受ける(半分だけ受けるとサプライヤーから「需要が低い顧客」と判断され、次回割当が減る)
2. 24〜48時間以内に確定回答する(保留している間に枠が消える)
3. 値上げ条件と納期条件をセットで確認する(後出しの追加コストを防ぐ)
4. 不要な分は社内で在庫として吸収するか、関連会社・取引先に融通する

④ 用途別に「妥協できる仕様」と「絶対譲れない仕様」を仕分ける

Nano 6(6μm)やNano 55(10μm)のような薄膜・ナノ層フィルムは、メタロセンLLDPE(mLLDPE)が必須で、現在最も供給逼迫が深刻だ。一方、20μm前後の汎用厚物ハンドロールはKertih由来の汎用LLDPEで作れるため、相対的には供給が安定している。

すべての用途で薄膜品にこだわる必要があるかを見直すタイミングだ。倉庫内のパレット保管用や近距離輸送用なら厚物に切り替えて供給を確保し、長距離・自動倉庫など本当に薄膜が必要な工程だけ薄膜品を維持する、という使い分けが有効。

用途 従来の選択 2026年の推奨 切替メリット
倉庫内パレット保管 15〜20μm汎用品 20〜23μm汎用厚物 供給安定、価格上昇幅も小さい
長距離輸送・自動倉庫 10〜15μm Nano薄膜 引き続き薄膜(早期確保) 性能維持優先、ただし在庫厚めに
軽量パレット・短距離 15〜17μm 20μm前後の手巻き 調達容易、コスト上昇緩和
食品・冷蔵冷凍 食品グレード薄膜 仕様確認のうえ汎用転用検討 用途が成立する範囲で切替
カスタムロゴ印刷品 専用印刷ロール 無印汎用+ラベル併用 調達容易、ブランディングは別手段

⑤ 商社・問屋との関係を「年間契約」に格上げする

現在スポット買いをしているユーザーは、商社・問屋にとって優先度の低い顧客になりがちだ。年間使用予定量を提示して、6ヶ月〜1年の契約に切り替えることで、サプライヤー側も原料・添加剤の先取り予約が可能になる。これがリードタイム短縮の最も実用的な交渉カードである。

  • 年間使用量を提示する — 「毎月◯トン×12ヶ月」と確約することで、優先割当を得やすくなる
  • 価格スライド条項を受け入れる — 原料価格連動の値上げを認めることで、商社は積極的に在庫を回す
  • 支払いサイトの短縮を提案する — 商社は資金繰りが厳しい局面、現金払いユーザーは優先される

⑥ 第2サプライヤー(セカンドソース)を必ず持つ

1社専属で買っているユーザーは、その商社・問屋が割当縮小を受けた瞬間に直接打撃を受ける。少なくとも2社以上から並行調達する体制を作ることで、片方が止まっても残りで凌げる。

  • 国内メーカー品 + 商社品の併用 — 国内メーカーは輸送リードタイムが短い反面、ナフサ依存度が高く価格上昇幅が大きい。両方のリスクを分散
  • 地域違いのサプライヤーを持つ — 関東で1社、関西で1社など、災害・物流分断リスクも分散
  • 少量でも定期発注を維持する — 「いざという時だけ買う」は受け付けてもらえない、平常時から発注を続けることで関係を維持

⑦ 値上げを「価格転嫁」する仕組みを社内で作る

ストレッチフィルムは最終製品に対する原価比率は小さいが、月間の使用量は大きい。値上げをすべて自社で吸収すると利益率が圧迫される。顧客への価格転嫁、または使用量削減の仕組みを社内に整える必要がある。

  • 価格スライド契約を顧客と結ぶ — 「原料価格が一定以上変動した場合、半年ごとに見直す」など
  • 巻き方・使用量の効率化 — オペレーターの巻き方を統一すると、1パレットあたりの使用量を10〜20%削減できる場合がある
  • 機械巻き化の検討 — 手巻きから機械巻きに切り替えると、フィルムを引き伸ばして使えるため、使用量を30〜50%削減可能
  • ストレッチフード等の代替手段検討 — 大量・定形パレットの場合、ストレッチフードへの切替で使用量を大幅削減できる場合がある

⑧ 中長期見通し — 2026年下期以降のシナリオ

EIAはBrent crudeがQ2平均95ドル超を維持し、Q3に紛争終結シナリオで80ドル以下に下落するとの見通しを示している。BIC Advisory Groupは「危機が早期解決しても、価格・供給への影響は数カ月続き、貿易ルート再編には数年かかる」と評価している。Pengerang複合プラントの再起動には、Hormuz海峡通航の正常化+クラッカー再起動+mLLDPEプラントの安定運転で、楽観的でも2〜3ヶ月以上を要する。

したがって、2026年下期までは特殊グレードのリードタイム長期化と価格上昇が続く前提での運用が必要だ。「いつ元に戻るか」を待つのではなく、「新しい正常状態」として在庫水準・価格水準・契約条件を組み直す姿勢が求められる。

⚠️ ユーザーが今すぐやるべき7つの行動 — 「今が一番納期が短い」前提で動く

1. 過去6ヶ月の使用量を集計し、平常時の1.5〜2倍の安全在庫を確保する
2. サプライヤーから割当通知が来たら24〜48時間以内に満額確定する
3. 用途を仕分け、薄膜が不要な箇所は厚物・汎用品に切り替える
4. 商社・問屋と6ヶ月〜1年の契約に格上げする(年間使用量を提示)
5. 第2サプライヤーを必ず持ち、地域・調達ルートを分散する
6. 巻き方の効率化、機械巻き化、代替手段(ストレッチフード等)で使用量自体を削減する
7. 価格スライド条項で顧客側に転嫁できる仕組みを準備する

9. 参考資料・出典

  1. Chemical & Engineering News(C&EN)「Strait of Hormuz closure hits Asia's chemical industry」2026年3月5日/「Hormuz Strait pinch worsens for Asian chemical makers」2026年3月17日 — アジア各国のナフサ依存度、PCS・Chandra Asri・YNCCのフォースマジュール、河上正規氏コメント。
  2. Reuters(2026年3月10〜18日)/Baird Maritime(FACTBOX)「Refineries cut runs as war on Iran disrupts exports」 — Pengerang Refining(Prefchem)30万bpd原油装置停止、ExxonMobil Jurong 50%以下削減、SRC 60%削減、Kpler船舶追跡データ。
  3. Stemgenic Global「Hormuz Disruption Hits Southeast Asia Chemical Chain」2026年3月12日 — マレーシアPengerangの稼働実態、シンガポール石化クラスターのドミノ効果分析。
  4. Hydrocarbon Processing「South Korea enforces naphtha export ban amid Middle East supply disruptions」2026年3月27日 — 韓国の輸入依存45%・中東依存77%、輸出禁止令発動。
  5. The Edge Malaysia「Middle East crisis hands PETRONAS Chemicals cost advantage」2026年3月6日/「PETRONAS Chemicals to prioritise domestic market in 2026」2026年4月22日 — CGS-CIMB評価、PCGのMD/CEO発言、FY2025赤字状況、Kertih複合プラントのガスベース優位。
  6. S&P Global Commodity Insights「Malaysia's Petronas plans new metallocene LLDPE, LDPE/EVA plants at Johor by mid-2019」2015年8月/「Asian metallocene LLDPE, once a niche grade, displaces more PE market share」2015年9月 — Pengerang 350,000トン/年mLLDPE能力、mLLDPE消費の75〜90%がストレッチフィルム向け。
  7. Argus Media「Malaysia's Pengerang restarts LLDPE unit」2022年7月/「Malaysia's Pengerang Eyes Polymers Unit Start-Ups」2021年7月 — Pengerang LLDPE/mLLDPEスイングプラント詳細、INEOS Innovene Gテクノロジー。
  8. ICIS「Special Report: PE licensors are in active mode」2014年6月/「Rising metallocene LLDPE capacity will drive prices lower」2010年11月 — INEOS PETRONAS RAPIDライセンス契約350,000トン/年、ExxonMobil Singapore mLLDPE転換計画、Prime Polymer 千葉拡張。
  9. ExxonMobil Corporation 公式投資家リリース(2012〜2013年)— Singapore Chemical Plant拡張、メタロセンエラストマー・Enable™/Exceed™ mPE樹脂、Vistamaxx™/Exact™ Plastomers生産。
  10. Vortexa「Asia crackers declare force majeure over naphtha crunch」2026年3月5日 — YNCC稼働率93%/73%→66%、Chandra Asri、PCS、Reliance、47百万バレル naphtha enroute。
  11. Kuehne+Nagel 週次港湾運用レポート(2025年10月〜2026年2月)— Port Klang待機時間2.69日(最大5〜6日)、West Port混雑、Tanjung Pelepas状況、ラマダン期間中の効率低下。
  12. Seoul Economic Daily(en.sedaily.com)「Hanwha TotalEnergies Declares Force Majeure on PX Supply」2026年4月16日/「Iran War Sparks Plastic Supply Fears Over Naphtha Shortage」2026年3月23日 — 韓国フォースマジュール宣言詳細、ゴミ袋供給懸念。
  13. News On Japan「Shortage of Naphtha-Based Products Expands Across Japan」2026年4月11日 — 日本のナフサ依存40%、ストレッチフィルム1巻1万円未満→値上げ。
  14. The Japan Times「Food prices in Japan set to rise as war drives up cost of plastic packaging」2026年4月30日/「Japanese government urges suppliers not to hold back critical materials」2026年4月17日 — 日本の包装材価格上昇予測、政府による出荷調整要請、Bloomberg/帝国データバンク調査による中小食品メーカーへの直接影響。
  15. Syntex America「Hormuz Crisis Week 3: 50% of Global PE Supply Disrupted」2026年3月20日 — 世界PE供給能力50%混乱、東中国LLDPE輸出価格1,030USD/MT、Brent予想範囲。
  16. Mordor Intelligence「Plastic Industry in Malaysia - Outlook & Trends」2026年1月 — マレーシア樹脂市場2026年41.9億ドル、PETRONAS Pengerang複合プラント。
  17. Scientex Berhad 公式サイト・Bursa Malaysia開示 — Pulau Indah/Port Klang単一拠点、年産58万トン、米国フェニックス工場、Tsukasa Chemical Industry合弁。
  18. Scientex Packaging(Ayer Keroh)Q1 FY2026開示(i3investor、2025年12月16日)— 売上1.847億リンギット、税引前利益+165%。
  19. Argus Media(経由報道)/S&P Global PlattsChemAnalyst「Asia's Chemical Industry Faces Feedstock Crisis」2026年3月6日 — シンガポールPCS/TPC/Sumitomo Chemical Asiaフォースマジュール詳細。
  20. NexantECA「Global metallocene LLDPE market snapshot」2025年5月 — グローバルメタロセン能力2,600万トン/年、東南アジア・北米中心の集積。
  21. The Edge Malaysia「Thong Guan Industries seeks to double revenue to RM2 bil by 2027」2022年5月 — Thong Guan拡張計画、世界10位、年産15万トン超、輸出70カ国以上。
  22. fluentcargo.com/Kuehne+Nagel「Port Klang to Japan transit time」 — Port Klang→神戸9日13時間、ONE/CMA CGM/Wan Hai/Maersk/COSCO/OOCL運航頻度。
  23. JBIC(国際協力銀行)「Southeast Asia's first food grade PET bottle manufacturer to bottle recycler」2023年7月/Plasco(台湾)公式サイトHiroyuki Industries (M) 公式サイト — Hiroyuki中田会長略歴、年産1万トン、PETバンドAAR Type IV認証。
  24. EB Packaging Sdn Bhd(マレーシア中堅ストレッチフィルムメーカー、担当者からの直接情報、2026年4月〜5月)— 4製品差別化軸、コンテナ混載8〜12品目、最小発注1パレット。2026年5月時点:生産リードタイム4〜5週間、今後さらに悪化する可能性ありとのコメント。

※ 本記事に記載のデータ・引用は、原則として一次情報および業界専門メディアから抽出。Wikipedia等は引用しないが、Scientex Berhadの企業沿革についてはBursa Malaysia公式開示に紐づく範囲で参照した。為替・原油先物・価格データは記事公開時点のスナップショットであり、変動の可能性がある。

Stretch Film Malaysia Definitive Report — Plastic Pallet Co., Ltd.

公開:2026年5月1日 | 著作・編集:プラスチックパレット株式会社